【経済考】貧しい「単身高齢者」が増える①

経済

おはようございます。今朝のワンコとの散歩では、一面の雲がどんよりと覆っていて風も吹いていずに、ムッとした湿度の高い空気が漂っていました。

やっと「秋らしい朝夕」が訪れたかと思ったら、また逆戻りしたような気候です。

来週ぐらいからは「秋らしい天気」になると、天気予報で言っていましたけど、早く日中も涼しい秋が来て欲しいですね。

今日は「経済状態が厳しいのは誰か?」をポチポチします。

1.「経済状態が厳しいのは誰か?」

コロちゃんが最近思っていたことなんだけど、ここのところ「格差社会」とか「富裕層」とかいろんな言葉が飛び交っています。

しかし「私は貧困層」とか「私はアンダークラスです」とかの発言はあまり聞きません。

まぁ、「自分が貧乏だ」とは言いにくいでしょうし、コロちゃんも「清貧」とは言っても「極貧」とは言いませんものね。

しかし、現在の社会では必ず「貧困層」という方が存在します。

ただ、それらの方を「ひとつのグループ」に分けて表現する「カテゴリー名」がつけられていないだけだと、コロちゃんは思っているのです。

そこで、いろいろな方の発信や知識を見渡してみて、「単身高齢者」と「離別・未婚高齢女性」の「貧困度」が高いのではないかと考えたのが、今日のテーマです。

言ってみれば、問題点の「可視化」ですね。

コロちゃんは、今日のブログを一旦書き終えてから読んでみて、ちょっとデータが多すぎて複雑になってしまって分かりにくくなっちゃたかな、と感じました。

そこで、今日のブログ内容の結論を下記に書いておきます。

今日のブログの結論は、「未婚率の上昇」と「離婚率の上昇」、それに「高齢者の増加」「平均寿命の延び」によって、「単身高齢者が増大」しています。

そしてその中の「困窮した単身高齢者」が増えてきているのではないかということです。

また、「男女の平均寿命の差」などにより、特に「困窮した女性単身高齢者」が増えていて、それは今後も長期間にわたって増え続けるだろうと予測されます。

この結論を頭に置いて、下記のデータをお読みください。

2.「未婚率の上昇」と「離別率の増加」

まず「男性の配偶関係別人口構成比」を、1985年と2020年のデータを比べて、その内容を見てみましょう。

「男性の配偶関係別人口構成比」なんて、聞いたことが無いし、一度聞いても漢字が多すぎて、意味が分からないですよね。

要するに皆さんの家庭を「結婚」「離婚」「未婚」「死別」の4つに分けて分類した数値です。なお、グラフは「年齢階級別」になっています。

①1985年の男性

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 男女共同参画局 婚姻・離婚」より

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https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/8th/pdf/1.pdf
出典:内閣府 男女共同参画局 結婚と家族をめぐる基礎データ より(9月17日利用)

上記の「男性の配偶関係別人口構成比の1985年」をみると、65歳では10人中9人が「有配偶(91.4%)」です。

1985年では、65歳の男性は、ほとんどの方が結婚していたのです。「未婚(1.3%・65歳時点)」の方は余りいらっしゃらない時代でした。

「離別(1.7%・65歳時点))」も少なく、「死別(5.6%・65歳時点)」はこの程度だったとご記憶ください。

②2020年の男性

そして、下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 男女共同参画局 婚姻・離婚」より

https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/8th/pdf/1.pdf
出典:内閣府 男女共同参画局 結婚と家族をめぐる基礎データ より(9月17日利用)

それが、1985年から、上記のグラフの2020年になりますと、風景がガラッと変わります。

上記の「男性の配偶関係別人口構成比の2020年」のグラフをみると、65歳では10人中7人が「有配偶(76.8%・65歳時点)」と、大きく低下します。

そして、「未婚(13.6%・65歳時点)」と「離別(6.6%・65歳時点)」が増加しています。その分「死別(2.7%・65歳時点)」は減少しています。

③1985年と2020年の「男性」の比較

わかり易いように下記に数字を比較してみます。比較する数字は65歳時点のものです。

●「65歳の未婚率」
〇1985年  1.3%
〇2020年 13.6%

ね、この35年間の「未婚率」の上昇は凄いでしょう。10倍以上になっています。この「未婚率」の上昇によって、その分「単身高齢者」が増えています。

●「65歳の有配偶率」
〇1985年  91.4%
〇2020年  76.8%

未婚率が上昇した分、「有配偶率」は当然減少します。

●「65歳の離別率」
〇1985年  1.7%
〇2020年  6.6%

そして、離婚数も大きく増加しています。これも4倍近く増えていますね。これも「単身高齢者」が増えた原因の一つです。

●「65歳の死別率」
〇1985年  5.6%
〇2020年  2.7%

「死別率」は、逆に低下しています。これは平均寿命の延びと関係していると思われます。

上記で見てきた「有配偶率」の低下と、「未婚率」の上昇、そして「離婚率」の上昇によって、日本社会では、「単身高齢者(男性)」の数が大きく増加してきているのです。

④一人暮らしの高齢者(男性)

上記の数値を見ますと、1985年に65歳だった男性で、「単身」だった方の割合は、「未婚1.3%」+「離別1.7%」+「死別5.6%」=8.6%となります。

しかし、2020年に65歳となった「男性の単身者」は、「未婚13.6%」+「離別6.6%」+「死別2.7%」=22.9%となります。

「男性の単身高齢者」は、1985~2020年の35年間に3倍近くまで増えました。

これだけ増えた「単身高齢者」の生活が困窮している、あるいは今後困窮する恐れがあるのではないかというのが、コロちゃんの視点です。

3.「死別率」は減ったけど「未婚・離別率」は上昇

次に、「女性の配偶関係別人口構成比」を、1985年と2020年のデータを比べて、その内容を見てみましょう。

①1985年の女性

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 男女共同参画局 婚姻・離婚」より

https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/8th/pdf/1.pdf
出典:内閣府 男女共同参画局 結婚と家族をめぐる基礎データ より(9月17日利用)

上記の「女性の配偶関係別人口構成比の1985年」をみると、65歳では10人中6人が「有配偶(60.5%・65歳時点)」です。

しかし、「未婚(2.8%・65歳時点)」は少なく、「死別(33%・65歳時点)」が多くなっています。

「死別(33%・65歳時点)」の数値が高いのは、男性と女性の平均寿命の差によるものでしょう。

「離別(3.7%・65歳時点))」は、男性よりは多いですが(男性・離別・1.7%・65歳時点)、比較的小さい数字となっています。

そして、「有配偶率(60.5%・65歳時点)」と「死別(33%・65歳時点)」を合わせると93.5%となることから、この1985年では10人に9人は結婚していたと推定できます。

大雑把にいうと、1985年に65歳だった女性は、10人中6人が「結婚」していて、3人が「死別」し、「未婚」と「離別」で合わせて1人となっていました。

②2020年の女性

そして、下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 男女共同参画局 婚姻・離婚」より

https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/8th/pdf/1.pdf
出典:内閣府 男女共同参画局 結婚と家族をめぐる基礎データ より(9月17日利用)

それが、1985年から2020年になりますと、風景がガラッと変わります。

上記の「女性の配偶関係別人口構成比の2020年」のグラフをみると、65歳では10人中7人が「有配偶(75.1%・65歳時点)」と、男性とは逆に上昇しています。

そして「死別(9.3%・65歳時点)」が減少しているのです。これは平均寿命の延びと関係していると思われますね。

しかし「未婚(6.5%・65歳時点)」はやや増加し、「離別(9.1%・65歳時点)」も大きく増加しています。

③1985年と2020年の「女性」の比較

わかり易いように下記に数字を比較してみます。比較する数字は65歳時点のものです。

●「65歳の未婚率」
〇1985年  2.8%
〇2020年  6.5%

男性の「未婚率」の上昇は10倍以上でしたが、この女性の「未婚率」の上昇はそこまでは高くはありませんが、それでも2倍以上となっていますね。この「未婚率」の上昇は、「単身高齢者」の増加となっています。

●「65歳の有配偶率」
〇1985年  60.5%
〇2020年  75.1%

一見「有配偶率」が上昇したように見えますが、これは下記の「死別率」の低下によるものでしょう。

●「65歳の死別率」
〇1985年  33.0%
〇2020年  9.3%

「死別率」は、大きく低下しています。これは医療の進歩や平均寿命の延びと関係していると思われますね。

●「65歳の離別率」
〇1985年  3.7%
〇2020年  9.1%

やはり「離別率」は、男性と同じく大きく増加しています。これも2倍以上増えていますね。

上記のように、女性の方でも男性の場合と同じで「未婚率」と「離別率」は上昇し、「単身高齢者」が増える構造は男性と同じです。

④一人暮らしの高齢者

上記の数値を見ますと、1985年に65歳だった女性で、「単身」だった方の割合は、「未婚2.8%」+「離別3.7%」+「死別33.0%」=30.0%となります。

それが2020年に65歳となった女性の単身者は、「未婚6.5%」+「離別9.1%」+「死別9.3%」=24.9%となりました。

2020年の方が、1985年よりも一人暮らしの率が下がってはいますが、それでも4人に1人という高い数値です。

その方たちの生活が困窮している、あるいは今後困窮する恐れがあるのではないかというのが、コロちゃんの視点です。

4.「50歳時点」を見ると戦慄する

この2020年のデータで「50歳時点」の「一人暮らし率」を見ると、恐ろしくなります。

「男性」は、50歳時点で「未婚・離別・死別」により「配偶者のいない人」の割合は、1985年には6.6%でしたが、2020年になると32.4%と増加しているのです。

なんと50歳の男性のほぼ1/3の方が、現在配偶者のいない暮らしになっているのです。

そして、「女性」の50歳時点で「未婚・離別・死別」により配偶者のいない人の割合は、1985年には8.7%でしたが、2020年では、28.3%と、これも3倍以上に増加しています。

50歳の男性では1/3でしたが、50歳の女性の1/4以上の方が、「配偶者のいない暮らし」になっています。

この50歳の男女の方々は、今後15年後の65歳時点では、さらに一人暮らしになる方が増えることは間違いがありません。

5.「一人口は食えぬが二人口は食える」が逆転する

コロちゃんも、妻と一緒の生活から、年金生活を10年以上続けたのちに、妻の死去の為に「やもめ暮らし」になりました。

その経験でよく分かったことは、「年金暮らし」は二人ならばさほど生活は困窮しませんが、1人(単身)になるとたちまち厳しくなるのです。

それに、女性は現役時代の所得が男性に比べて低い場合がほとんどです。高齢女性の年金収入は、高齢男性よりも低い場合が多いのです。

ことわざに「一人口は食えぬが二人口は食える」というのがあります。

もともとは「落語」の語りの中のセリフのようです。下記をご覧ください。

「おまえ、今のような安月給でよく結婚に踏み切ったな」

「ほら、昔から一人口は食えぬが二人口は食えるっていうじゃない、なんとかなるもんだよ。それにぼくの奥さん、しっかり者だから」

「おやおや、おのろけかい」

このような落語の「落とし噺」ならば良いのですが、今回はその「逆回転バージョン」です。

二人暮らしから、1人暮らしになったからと言って、家賃も光熱費も食費も1/2にはなりません。

「未婚」や「死別」「離別」となった「単身高齢者」の方々の中で、生活に困窮している方は現在でも相当数いらっしゃると思います。

そして、その数は「女性高齢者」の方が多くなるでしょうし、今後数十年に渡って増えていくと、コロちゃんは考えています。

今日は、お話しが長くなりましたので、ここで一旦〆ますが、明日のブログでは「単身高齢者」の「家計収支」と「暮らし向き」、そして「貧困率」と「生活保護」などについてポチポチしたいと思います。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

For commercial use, some photos need attention.によるPixabayからの画像
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