【経済考】「借金」がまた増えた

経済

おはようございます。コロちゃんは今朝は朝からまったりとしています。

コロちゃんは、先週に「清貧夏休み」を終えて、その後の「長男一家」宅への「お願い来て!」というミッションも無事終了しましたので、一山超えたような「充実感」を今堪能しているのです。

もう今年の「夏休み」も終わりだなーなどと、気の早いことを考えながら気が抜けた午前中のひと時を過ごしています。

今日は、そのまったりとした気分を吹き飛ばすような「借金がまた増えた」というお話をポチポチします。

えっ、コロちゃんの借金かって? いやだなー、違いますよ。借金が増えた方のお名前は「日本国クン」です。

1.借金総額は「1276兆3155億円」です

報道によりますと、先日の8月10日に財務省が、以下の発表をしました。

「国債と借入金、政府短期証券を合計した、いわゆる国の借金が6月末時点で、1276兆3155億円となった」

「3月末から5兆8165億円増えて、過去最大を更新した」

なんとも、金額が大きすぎて、全く実感がありません。「天文学的数字」とはこのことを言うのでしょう。

コロちゃんは、10万円以上は「お金」とは思えないのですよ。ほとんど縁(円)がありませんから。
( *^艸^)プププ

コロちゃんは、気が小さいですから借金をしたことは、「住宅ローン」ぐらいでしょうかね。あれは30年間かかって返済を終えています。

あ、そういえば子どもの「学費ローン」を借りたこともありました。子どもの学校の最終年次の授業料が、手元不如意で足りなくなって借りたことがありました。

それも、数年かかって返済しましたから、コロちゃんには、もう借金はありません。

それに比べて、この「日本国クン」といったら・・・。

2.どうしてこんなに借金が増えたの? 日本国クン!

全く酷いのは「日本国クン」です。毎年毎年毎年、借金を積み重ねること、かれこれ50年近くになりますか。

1975年(昭和50年)以来、根雪というよりは大氷河のように積み重ねた借金の総額は、ついに1276兆3155億円にまで到達したのです。

下記のグラフをご覧ください。

「財務省 一般会計税収・歳出総額及び公債発行額の推移」より

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm
出典:財務省 わが国の税制の概要 財政に関する資料 より(8月20日利用)

上記のグラフは、「一般会計税収・歳出総額及び公債発行額の推移」です。こんなに長い表題だと、一回読んだだけでは、とても覚えられないですね。

要するに「日本国クン」の「過去の借金の推移」です。

ピンクの棒が「特例公債(赤字国債)」です。青い棒は「建設国債」で、道路や港湾などの社会基盤整備に使われて、後世に残るものですから「特例公債(赤字国債)」とは別に分類されています。

ピンクの棒の「特例公債(赤字国債)」は、1990年の前後(バブル期)の一時期を除く全期間に渡って発行されているのです。

2020年の棒グラフに注目してみれば、ピョコンと大きく飛び出しています。これは「コロナ対策費」の借金です。前年度より一気に100兆円ほど増えています。

未だにこの「コロナ対策費」の返済方法は議論されていません。政治家は、他の借金の山に紛れ込ませてシカトしてしまうのでしょうか。

コロちゃんは、この点も興味津々で見つめています。

3.借金(国債)の返済方法

借金はいずれ返さなければなりません。日本国には金のなる木はありませんから、返済方法は三つです。

①増税して返す
②インフレにして減価する
③後の世代にプレゼントする

①「増税」して返す

「①増税して返す」はわかり易いですよね。コロナ禍では100兆円以上のお金をつかいました。皆さんも2020年に10万円支給されたことを憶えていらっしゃるかと思います。

国民1人一律10万円の「特別定額給付金」では、総額13兆円弱が使われまた。財源は国債(借金)です。

その「10万円」は、コロナ禍対策の緊急措置として国債(借金)でまかなわれたわけです。

そうなると本来ならば、コロナ対策が終了した現在に、利得を得た現役世代が「増税」で返済するのが筋ですね。

しかし、コロナ対策費の返済については、現在の政治家の皆さんは、誰も触れようとしていません。

②「インフレ」にして減価する

「インフレ」という言葉は皆さんもご存じだと思います。

下記の引用をご覧ください。

「ウィキペディア インフレーション」より

「経済学では、一定期間にわたって経済の価格水準が全般的に上昇することをインフレーションと呼ぶ。」

「一般的な価格水準が上昇すると、1単位の通貨で購入できる財やサービスの数が減る。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3#:~:text=%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E4%B8%80%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E9%96%93,%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%95%B0%E3%81%8C%E6%B8%9B%E3%82%8B%E3%80%82
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「インフレーション」最終更新 2023年7月19日 (水) 14:56 

上記のように、物価が上がると購入できるものが減ります。そして「借金」は「インフレ」になると、実質的に減価します。

物価が倍(100%上昇)になれば、借金は1/2になるわけですね。「日本国クン」の借金も「インフレ」にすれば、実質的には減るわけです。

しか、物価が上がれば、庶民の収入や預貯金が相対的に減価します。

そのようなことから、「インフレ」は「インフレ税」といわれることもあります。

この物価を上げ下げすることは、「日本銀行」が担当しているお仕事です。

国債の売買を通して、金利を上げ下げして、物価をコントロールしているのです。

現在の「日本銀行」の金融政策は「異次元緩和の継続」ですから、金利を下げて物価を上げようとしています。

物価が、まだ目標とする「安定的に2%」には到達していないという判断から、緩和を継続しています。

わかり易く言うと、「日銀」は「インフレ」を起こそうとしているのです。

③「後の世代」にプレゼントする

個人の借金では、借りた本人が亡くなると、子どもが相続するか相続放棄するかを選択することができます。亡くなった本人を「あの世」まで追いかけていくことはできませんからね。

しかし、国家は永遠です。・・・たぶん。

歴史をみると、ダイナミックな国家の興亡が見られますが、さすがに現在の世界情勢で先進国の国家が消滅や分裂することは考えにくいでしょう。

そうなると、国家の借金は、後の世代に押し付けることが可能になってきます。子どもたちや子孫たちへの「請求書のプレゼント」ですね。

酷い先祖がいたものですが、現在の「日本国クン」がやろうとしていることは、この「③後の世代へプレゼント」と「②インフレにして減価」のどちらかか両方かと、コロちゃんは考えています。

全く「恥知らずなご先祖」と言われても、返す言葉がないと思いますよ。

今「日本国クン」の借金の三つの返済方法を見てきましたが、ここで国債(借金)の増加の様子をグラフで確認してみましょう。

下記のグラフが、「普通国債残高の累増」です。借金額が急上昇していますね。「日本国クン」は、ホントに返す気があるのでしょうかね。

「財務省 普通国債残高の累増」より

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a04.htm
出典:財務省 わが国の税制の概要 普通国債残高の累増 より(8月20日利用)

4.「借金」の「利子」の支払額

この6月末時点で、1276兆3155億円となった「日本国クン」の借金ですが、毎年払っている利子もすごい金額となっています。

下記のグラフをご覧ください。

「財務省 利払い費と金利の推移」より

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/005.pdf
出典:財務省 利払い費と金利の推移より(8月20日利用)

上記は、財務省が発表している「国債残高」と「金利」と「利払い費」のグラフです。

「借金」の利子である「利払い費」は、黒線で表示されていますが、ここ数年は7~8兆円となっています。

これもすごい金額ですね。毎年「借金」の利子だけで7~8兆円も払っているのですよ。ちょっと国家予算が7~8兆円の国をしらべてみると、メキシコ・オーストリア・トルコがありますね。

「日本国クン」の借金の利子だけで、上記の国の国家予算がまかなわれるとは驚きです。

このグラフを見ると、もう一つ気が付く点があります。それは赤い線で記載されている「金利」です。

ここ10年弱は、0.8%前後で推移しています。住宅ローンを借りた方ならよくわかるとおもうのですが、金利が低いと返済が楽になりますよね。

しかし、この低金利はいつまで続くのでしょうか。

5.「利払い費」の予測は?

財務省によれば、金利が1%上昇すると、3年後の国債費(利払い費)は3.7兆円増加すると試算しているとされています。

また、いろいろなサイトを調べていくと、下記のように試算しているところもありました。

○2030年度に10年国債利回りが1.4%になる「ベースラインケース(潜在成長率が1%程度、消費者物価が前年度比0%台後半)」では、利払い費は9兆円台半ば。

○2030年度に10年国債利回りが2.7%に上昇する「成長実現ケース(潜在成長率が2%程度、消費者物価が前年度比+2%)」では、利払い費は13兆円程度に急増。

要するに、日本経済が好調になればなるほど、長期金利(10年国債利回り)が上昇して、借金(国債)の利払い費(利子)が増加する関係性になります。

こうなっていると、日本経済の復活を、望んでいいのか悪いのかわからなくなります。

(もっとも、将来の日本経済が「成長実現コース」になるかどうかはわかりませんけど)

6.日本の将来の金利は?

日本の現在の長期金利(10年国債金利)は、直近の足元で0.632%(8月19日現在)です。

諸外国の長期金利(10年国債金利)も見てみましょう。

○アメリカ 4.2%
○イギリス 4.7%
○ドイツ  2.6%
○フランス 8.2%

どの国も、インフレ(継続的な物価上昇)を抑えるために、中央銀行が長期金利(10年国債金利)を上げて物価上昇を抑え込もうと必死になっています。

これらの欧米諸国で、今起きている経済事象が、今後日本では起きないとはだれも言えません。

もし、今「日銀」が行なっている金融緩和が成功して、物価が2%を超えて上昇し始めれば、その時には長期金利を(10年国債金利)上げて、インフレを抑え込まなければなりません。

上記で、日本の国債(借金)の利払い費について、金利が1%上昇すると、3年後の国債費(利払い費)は3.7兆円増加するとの財務省の試算を紹介しました。

国債の利子は、現在ただでさえ、毎年7~8兆円の利払い費をはらっているのです。

金利が本格的に上昇する局面では、金利が果たしてどれだけ上がるのか、そして利払い費がどれだけ膨らむのか、ちょっと恐ろしくなりますね。

7.心配はいらない、方法はある

このように「日本国クン」の国債(借金)が積みあがってくると、将来にインフレや財政破綻のリスクが高まると心配が出てきます。

しかし、ご安心ください。「日本国クン」には、過去に同じような危機を迎えて、それを巧みな政策で乗り切ってきた歴史の経験があるのです。

①日本を襲った「ハイパーインフレ」

1945年に「太平洋戦争」で敗戦となった日本は、戦後の1946年に物価が21倍(1934~1936年比)に、1948年には、物価が172倍となる猛烈なインフレーションに陥りました。

その原因は、太平洋戦争の戦費です。当時、膨大な戦費を増税によって調達することができなかった政府は、そのほとんどを日銀による国債の直接引き受けによって賄っていました。

それだけではなく、戦後処理でも旧軍人の退職金などの臨時軍事費の支払いが増大し、預貯金の引き出しも激しくなり、銀行券の発行高が急激に増え、これに伴い物価が急上昇したのです。

②「政府・日銀」の打った手

これに対して、政府・日銀は黙ってみていたわけではありません。

政府は1946年に、「新円切り替え」を行ない、すべての現金を銀行に集めたうえで、預金を封鎖しました。

次に、金融機関の預金口座から「生活費や事業費などに限って、新銀行券の払い出しを認める」との非常措置を断行したのです。

銀行からの出金制限を設けることによって、現金の流通量を強引に減らしたのです。

そして「戦時補償特別措置法」を施行し、「戦時補償特別税」とあわせて10万円以上の財産を所有する個人を対象とした「財産税」が新設されました。

この「財産税」は、不動産・預金を対象として、保有する資産の額によっては資産の9割が徴収される「累進課税」でした。

コロちゃんは、以前読んだ「西武鉄道などの堤一族」を題材とした本で、この当時の興味深いエピソードを読んだことがあります。

それは、「プリ○スホテル」の命名の由来のエピソードです。

「軽井沢プリ○スホテル」は、戦後の財産税(高額財産は9割)で手放すこととなった「皇族・朝香宮家」の別荘でした。また「グランドプ○ンスホテル高輪 」は、「宮家・竹田宮邸」です。

多くの皇族・宮家が、「保有財産」の9割を財産税で納めることとなったのです。

その元の持ち主が「皇族・宮家」だったことから「プリ○スホテル」と命名したと、コロちゃんが読んだ本では触れていました。

お話しがちょっと脱線しましたが、「日本国クン」はこのように、過去に「大きな借金」から社会が「インフレにまみれてしまった過去」と、それから「再生した実績」を持っているのです。

ですから、コロちゃんは、いくら日本の国債(借金)が増えて、インフレに進んでしまっても「日本国が滅ぶ」ことはないと思っています。

なにしろ、政府の官僚は当時の記録の全てを持っているのですからね。

しかし、「個人資産」の9割にまで及ぶ「財産税」ですか? 

「日本が滅ぶ」よりはましかもしれませんけど、今の世の中で実行できるんでしょうか?

あっ、あと最後に一言ですが、実は、今もなお「財産税(財産税法)」「戦時補償特別税(戦時補償特別税法)」は、法令だけが存在してるそうですよ。

下記の引用をご覧ください。

「財務省 税目別改廃一覧」より

https://www.mof.go.jp/pri/publication/policy_history/series/h1-12/9_1.pdf
出典:財務省  資料 租税 総論 9-1 税目別改廃一覧 より(8月21日利用)

上記の引用の、一番上の二つの税目ですね。

確かに「30財産税」と「31戦時補償特別税」が、(現存)となっています。

しかも、一番下の「(注)2」にも、わざわざ下記の書き込みがあります。

『「財産税(財産税法)」「戦時補償特別税(戦時補償特別税法)」については、法令のみ現存している』

法律がまだ現存して、必要もないのに「廃止」していないということは、・・・いずれ使うことを考えているのかもしれませんね。

8.あんまり心配させないで

「個人の借金」と「お国の借金」とは、持つ意味がだいぶ違うことは、コロちゃんも知ってはいます。

しかし、「借金」が増えると、選択肢が狭まってくる点は、「個人」でも「お国」でも同じだと思います。

政治の世界には、既に経済学の世界では相手にされなくなっている「MMT理論(現代貨幣理論)」(いくら借金をしても大丈夫だよという経済理論)を、未だに振りかざす方もおられます。

しかし、ほとんどの常識がある方は、できれば「借金(国債)」は、なるべく少なくしましょうと考えてくださっていると思います。

どうすれば「借金(国債)」に頼らずに、社会を運営するのか? 

簡単です「増税」すればいいんです。

国家の運営は、「みんなからお金を集め」て、「みんなのために使う」のが基本です。その原則に戻って、よりよい「国家の運営」を進めていただきたいとコロちゃんは考えています。

ねっ、「日本国クン。しっかりお願いしますよ!。」
✽*(ㅅ•᎑•)オネガイシャス

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

NatureFriendによるPixabayからの画像
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