【経済考】「国民年金」が目減りする

経済

おはようございます。今朝のコロちゃんは、いつものようにちゃんと朝5時に起きましたよ。

早朝はもう寒くなったので、シャワーはやめました。洗面所で猫が顔を洗うように、コロちゃんもゴシゴシ洗ってもうおしまいです。

それで時間が早まったせいか、今朝のワンコとの散歩の時にちょうど朝日が「おはよー!」と顔を出してきました。もちろん「声」は聞こえませんでしたよ。

そのフォトを、下記にお見せしますので、皆さんもコロちゃんの日の出の感動を共有してくださいね。

今日は、いつもコロちゃんが興味深々な「年金のお話し」をカキコキします。

1.「年金財政検証は5年に一回」

コロちゃんが毎日の「清貧生活」をキチンとおくられているのは、二か月に一度の「年金収入」があるからです。

そう、コロちゃんにとって「年金」は、命の綱なのです。

その「年金制度」は、長期的な制度であるため、「年金財政」の健全性を定期的に検証するために5年に一度「年金財政検証」を行なうことになっています。

それを行なっている組織が「厚生労働省 社会保障審議会・年金部会」です。そして、次の「年金財政検証」が来年の2024年に予定されていて、もう議論が始まっています。

この「年金部会」は、昨年2022年10月に第1回会合を開いて、今回の2023年10月24日に開催したのは第8回会合となりました。

この会合では、それぞれの会ごとに、主要なテーマを決めて議論する形式で、今回の「第8回社会保障審議会年金部会」のテーマは「高齢期と年金制度の関わり」となっていました。

2.「国民年金目減り抑制議論」

今回の10月24日の「社会保障審議会年金部会」については、報道で「国民年金の目減り抑制策議論」と報じられていました。

その報道によりますと、受給される基礎年金の「所得代替え率」が、2019年度の36.4%から2047年度には26.5%と、約3割低下すると報じられています。

●「所得代替え率とは?」
『65歳時点の「モデル年金額」が、その時点の「男性現役世代の平均手取り収入」と比較してどの位の割合かを示すものです。』

そして、そのことへの対策として、下記の①②の2点が報じられています。

①「保険料の支払期間を現在の40年(20~60歳)を5年間延ばす(20~65歳)」

②「財政に余裕のある厚生年金から基礎年金への拠出を増やす」

そして、この上記の①②案には、それぞれ以下の問題点があるとしています。

❶「①の案では、基礎年金には国庫から半分を負担しているために財政支出が増える。また、保険料の国民負担も100万円(5年間)ほど増える」

❷「厚生年金から基礎年金に資金を回すことへの国民の賛同が得られるか不明」

なるほど、いろいろ問題がありまくりですね。この「社会保障審議会年金部会」は、まだまだ開かれるようですから、その都度にコロちゃんは興味津々で見ていきたいと思います。

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コロちゃん

上記の内容を読んでもわかりますが、年金制度の検証とは、将来の年金の在り方を決めるものです。

「マクロ経済スライド」のように、既に年金を受給している受給者に影響がある変更もありますが、主に将来の「年金受給者」に大きく影響するような変更が行なわれることが多いです。

ですから、現在の若い方にも、ぜひ興味をもって欲しいと思いますよ。

何しろ「少子高齢化」が進行していますから、これからは、若い方の老後の在り方に係わるような「年金制度」の変更があると思いますよ。

しかし、「国民年金・基礎年金の受給額」が3割も減少したら、将来の受給者は生活できない方が激増するんじゃないかと、コロちゃんは心配しますよ。

3.「高齢期の就労を取り巻く状況」

今回10月24日に開かれた「第8回社会保障審議会年金部会」では、資料が2点公開されています。

その最初の1点、「資料1高齢期と年金をめぐる状況」の中から、コロちゃんが興味を持ったところをご紹介します。

①「平均寿命の推移」

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 平均寿命の推移」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001159931.pdf
出典:厚生労働省 8回社会保障審議会年金部会 高齢期と年金をめぐる状況 より(10月27日利用)

上記のグラフは、1960~2070年の「平均寿命の推移」です。2020年以降はもちろん推定です。

このグラフの最初の1960年と言ったら、コロちゃんが小学校に通い始めたかどうかの年ですが、その頃の平均寿命と、現在と、未来の2070年の「平均寿命」を下記に書き出してみます。

①「1960年 男性65.32歳 女性70.19歳」

②「2020年 男性81.56歳 女性87.71歳」

③「2070年 男性85.89歳 女性91.94歳」

改めてみると時代の変化の急激さに驚きますね。

コロちゃんが小学校に通い始めた時に、周りにいたおじいさん・おばあさんは、65~70歳が平均寿命だったのですね。

それが、現在では、81~87歳に、16歳も延びています。そして40年後の2070年には、現在よりも更に4歳も延びるようです。

なるほど、年金受給年齢を現在の65歳から上げようという意見は、それなりに説得力はありますね。

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この「資料1」を読んだ感想は、高齢者はなるべく高齢になっても働いて欲しいという意図が、そこここに感じられます。

「平均寿命」の延伸もそうですが、「高齢者」の状況を表示しながら、「みんな働いているんだから、あなたも働いた方がいいよ」という雰囲気をコロちゃんは感じましたが、考えすぎでしょうか?

コロちゃんは、「若い時からず―っと働いてきたんだから、そろそろリタイアしてお好きなことをして生きてください」と言ってくれるかと思いましたが、どうやら「有識者」は「高齢者は死ぬまで働いてください」と言っていると思ったのは「偏見」でしょうか?

②「65歳以上の高齢者の就業率の推移(男性)」

それでは次に「65歳以上の高齢者の就業率の推移(男性)」を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 65歳以上の高齢者の就業率の推移(男性)」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001159931.pdf
出典:厚生労働省 8回社会保障審議会年金部会 高齢期と年金をめぐる状況 より(10月27日利用)

上記のグラフは「65歳以上の高齢者の就業率の推移(男性)」です。「資料」には「女性」のグラフもありますが、コロちゃんは男性なので、上記の男性のグラフだけをアップします。

ラインの表示は、上から「65~69歳(青)」「70~75歳(赤)」「75歳以上(藍)」です。

直近の2022年の就業率は以下の通りです。

①「65~69歳(青)61.0%」
②「70~75歳(赤)41.8%」
③「75歳以上 (藍)16.7%」

これを見ると、コロちゃんは「②70~75歳(赤)41.8%」にあたりますから、4割の方が働いていますね。

しかし、このグラフをよく見ると、「①65~69歳(青)61.0%」の方々は、2000~2012年には就業率が50%を下回っていたんですよね。

それが2013年以降上昇して来て、2022年に最高となる61.0%に上昇してきています。これは何を意味するのでしょうか?

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グラフを見ると、「①65~69歳(青)」と「②70~75歳(赤)」の方の線グラフは、2000~2012年までは「就業率」が低位安定していましたが、2012年から急に上昇してきています。

2012年に起きたことは、12月の衆議院選挙で安倍自民党が大勝して「アベノミクス」が開始された時期です。

その2012年以降になって、「①65~69歳(青)」と「②70~75歳(赤)」の方の線グラフ(就業率)が上昇を始めたのは、偶然ではないでしょう。

その時期に「高齢者」の生活が経済的に苦しくなって、就労し始めたのではないかと、コロちゃんは思います。確証はありませんけどね。

③「高齢者の就労形態(65歳以上男性)」

次は「高齢者の就労形態(65歳以上男性)」を見てみましょう。

グラフは他にも「高齢者の就労形態(60~64歳男性」と「高齢者の就労形態(女性)」もありますが、このブログでは、コロちゃんと同年代のグラフだけをご紹介します。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 高齢者の就労形態(65歳以上男性)」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001159931.pdf
出典:厚生労働省 8回社会保障審議会年金部会 高齢期と年金をめぐる状況 より(10月27日利用)

上記のグラフは、「高齢者の就労形態(65歳以上男性)」です。この棒グラフの中ほどの「黄色の棒」が「パート・アルバイト」です。

グラフの一番左側(2013年)で「40万人(黄色、パート・アルバイト)」でしたが、一番右側(2022年)には、「111万人(黄色、パート・アルバイト)」に倍増しています。

上記のグラフは、「65歳以上の男性」の就労は「パート・アルバイト」が多い事を示しています。

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このグラフは、上記で見た「65歳以上の高齢者の就業率の推移(男性)」での、2012年から上昇した「高齢者の就業率」とシンクロしています。

2012年以降に上昇した「就業率」の中身が、主に「パート・アルバイト」だったことがわかります。

そして、その「高齢者の就業」がどのような理由からだったのかは、次以降に出てきますよ。

④「高齢者の就労意欲」

下記のグラフは、「高齢者の就労意欲」についてのグラフです。質問は「あなたは、何歳頃まで収入を伴う仕事をしたいですか」です。

「厚生労働省 高齢者の就労意欲」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001159931.pdf
出典:厚生労働省 8回社会保障審議会年金部会 高齢期と年金をめぐる状況 より(10月27日利用)

上記のグラフの上に記載してある内容は、以下のとおりです。

『60~64歳の約8割以上が、「65歳くらいまで」もしくはそれ以上の年齢まで就労したいという意欲を持っている。』

しかし、コロちゃんが見たところは、「それは回答の読み取り方が違うでしょう」と言いたいです。

上記のグラフの回答を下記に多い順から並べてみます。

①「65歳くらいまで 32.6%」
②「70歳くらいまで 30.2%」
③「働けるうちはいつまでも 19%」
④「仕事をしたいと思わない10.5%」
⑤「75歳くらいまで 4.7%」
⑥「80歳くらいまで 0.8%」

コロちゃんは、この結果を「一番多いのは『65歳以降はリタイアしたい』①32.6%+④10.5%=43.1%」と読みますよ。

決して「8割以上が、65歳くらいと、それ以上の年齢まで就労したい」とは見えませんね。

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コロちゃん

調査結果の数字をどのように読み取るのかは、それぞれかもしれませんが、なんか、この年金部会の資料には、「高齢者を働かそう」という雰囲気を感じるんですよね。

それよりも「高齢者」に対して「長い間お疲れさまでした。これから年金でゆっくりお過ごしください」とはならないものでしょうか?

⑤「60~69歳の現在仕事をしている理由」

上記でお約束をしていた「高齢者が仕事をしている理由」です。

これを知れば、上記で2012年以降に「働く高齢者が増加してきた理由」がわかります。

下記のグラフをご覧ください。、

「厚生労働省 65~69歳の現在仕事をしている理由」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001159931.pdf
出典:厚生労働省 8回社会保障審議会年金部会 高齢期と年金をめぐる状況 より(10月27日利用)

上記のグラフは「65~69歳の高齢者」の方の「仕事をしている理由」の回答です。2014年調査が青色の棒グラフで、2019年調査が赤色の棒グラフです。

このグラフによると、「高齢者」が65歳以上になっても働く最大の理由は「経済上の理由・69.8%・2019年」です。

そしてその「経済上の理由」は、2014年から2019年には、増えてきているのです。

他の理由には「健康上の理由・22.7%・2019年」や「生きがい、社会参加のため・33.2%・2019年」などがありますが、上記のグラフを見てもわかるように少ないですね。

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これを読んで、コロちゃんは「やっぱり!」とうなずきましたよ。

生活さえ苦しくなければ「高齢者」の方の大部分は「リタイア」を望んでいると思いますよ。お金はあの世までは持っていけませんからね。

4.「抜本改革の機運乏しく」

上記のような「高齢者の現状」を踏まえて、この「社会保障審議会年金部会」では議論を積み重ねているようですが、問題は数多くあると言われています。

報道では、女性の労働参加に年金制度が追い付いていないとか、会社員の配偶者が加入する「3号被保険者制度」などは、見直しを求める声が強いと報じられています。

この「抜本改革の機運乏しく」は、新聞記事の小見出しにあった言葉です。

制度のマイナーチェンジを繰り返している内にどんどんややこしい制度になっている「年金制度」を、支える若者たちが減少していく将来を見据えた制度への改革を、コロちゃんは期待しますよ。

コロちゃんは、今後もこの「社会保障審議会・年金部会」を興味をもってウオッチしていきたいと思いますよ。

なお、このブログ記事でご紹介しました「第8回社会保障審議会年金部会」に提出された「資料1 高齢期と年金をめぐる状況」をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001159931.pdf

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Ylanite KoppensによるPixabayからの画像
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