【社会考】「少子化対策」の財源は?

社会

おはようございます。コロちゃんは、年金リタイア生活なので、収入が減るような話題には敏感です。

だけど、子どもたちが多いのは、見ているだけでも楽しくなりますから、今の「少子化対策」には、賛成のところも多いんです。

問題は、財源のことですよね。どこから捻出するのか、なかなかはっきりしないので、ちょっとイライラしますね。

きょうは、その「少子化対策」の財源のお話をポチポチとしたいと思います。

1.財源は、社会保険料なの?

まだ「少子化対策」の財源は決まっていませんよ。コロちゃんは、興味があるので、報道を見ていますが、まだ検討中のようです。

コロちゃんの考えは、以前のブログで書いていますので、お読みになりたい方は、以下のリンクのクリックをお願いします。

【社会考】やっぱり財源は「社会保険料」だって

コロちゃんは、社会保険から財源を取るのは、あまり好ましくないと思っています。

だって、せっかく賃上げがされても、社会保険料の値上げで召し上げされてしまえば、賃上げにならなくなってしまうかと思われるからです。

2.日経新聞の「負担の連立方程式を解けるか」の記事

先日の4月19日の日経新聞に「負担の連立方程式を解けるか」という、論説委員の署名記事が掲載されました。

その記事をお読みになりたい方は、下記のリンクをクリックお願いします。https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK045S10U3A400C2000000/

この記事によると、1990年当時は、年収500万円で、社会保険料の天引き額は約42万円だったのが、2020年には、77.1万円になっているというのです。

この30年間に、賃金はほとんど上がっていないのに、社会保険料が爆上げしているのです。

いわゆる「ステルス増税」ですね。

しかも、その負担者は「雇用者」のみに偏っています。

これでは、今後社会保険料から「少子化対策」の財源を召し上げると、さらに現役世代の負担が大きくなりそうです。

「社会保険料」が、給与から天引きされて、目立たないからと言っても、さすがに限度があるでしょうと、コロちゃんは思ったのです。

「社会保険料」には、65歳以上の方の加入する「後期高齢者医療制度」もあります。

しかし、現在の「社会保険」の枠組みでは、高齢者の負担が限られますから、現役世代に負担が偏る構図は残ると、この記事では指摘しています。

この記事には、資産を持つ高齢者は少なくないとも触れていますから、この記事を書いた方は、資産と所得の両面が反映される消費税か、社会保険料の算定方法の見直しを主張したいんだと思います。

コロちゃんは、「消費税増税」で「少子化対策」を進めることに賛成ですが、同時にそれが、現在の政治状況で、まずは実現可能性が無いだろうと思っています。

ですから、岸田総理の今後の方針を注視していますが、岸田総理は「増税は考えていない」とおっしゃっています。

そうなると、問題がありつつも「社会保険料」と他の何かからの召し上げとなるのではないかと思っています。

3.「子育て連帯基金」の考え方

コロちゃんは、この記事を読んで、初めて政府内で議論されているという「子育て連帯基金」の考え方というのがあることを知りました。

この記事では、その「子育て連帯基金」の問題点を指摘しているのです。

コロちゃんが、ネットでこの「子育て連帯基金」の文書を読んでみると、なーるほど!と感心しましたが、賛成できるかというと、ちょっと疑問符が付きますね。

この「子育て連帯基金」を、お読みになりたい方は、以下のリンクをクリックお願いします。

「今後の少子化対策に要する財源確保の在り方について子育て支援連帯基金という考え方」より

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_kankei_yushikisha/pdf/zaisei_syakai_siryou3.pdf

出典:内閣官房 今後の少子化対策に要する財源確保の在り方について子育て支援連帯基金という考え方より(4月19日利用)

上記の、この文書の内容は、要するに「負担する人たちに、どう納得してもらうか」を指摘しているんですね。

建前としては以下の内容です。

「年金、医療、介護保険は、自らの制度の持続可能性を高めるために、子育て費用を支援できるようになる」

他の項目を読むと、以下のような記載があります。

「消費税を上げるのに、何十年も政治が七転八倒している姿を見ることができる一方で、リーマン・ショックの時も東日本大震災の年も、年金保険料、医療保険料も、介護保険料も上がっている・・・」

これは、要するに「消費税」を上げることは難しいのだから、「社会保険料」からならば反発が少ないから、取れるじゃないかと言っているようにも聞こえます。

4.保有資産も勘案して保険料を取れるのか?

また、この記事では、「保有資産も勘案して保険料を決める・・・全世代で育児世帯を支えることができる形になるだろう」とも、記載されています。

この文章は、前段が「所得は少なくとも資産を持つ高齢者は少なくない」ですから、おそらく高齢者を意識して保有資産と言っているかと思います。

下記のグラフをご覧ください。

https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11510900_po_1103.pdf?contentNo=1
出典:国立国会図書館 調査と情報―ISSUE BRIEF―第1103号 No. 1103(2020. 7. 7)高齢者の保有金融資産の現状及び課題 より(3月17日利用)

上記のグラフは、高齢者二人以上世帯の金融資産分布です。

グラフを見ると、高齢者で、圧倒的に多いのは、金融資産が少ない方です。金融資産0~450万円の方が19.8%も、いらっしゃいます。

「資産を勘案して保険料を決める」となると、その資産の把握方法が問題となります。

それに、金融資産が少ない方が多いんですよね。

金融資産がすべてマイナンバーカードで把握されているわけではないのですから、今のところは現実性は薄いのではないでしょうか。

5.島澤諭教授のシュミレーション

そして、この記事には、「子育て給付を6兆円に増やす想定で財源別に出生数を押し上げる効果」の関東学院大の島澤諭教授の推計が記載されています。

推計は、以下の通りです。

「高齢者向け給付の削減」   年3万人増加
「消費税増税」        約7千人増加
「赤字国債」         約6千人増加
「社会保険料から」   マイナス5千人

上記の記載を見て、島澤諭関東学院大教授で調べてみました。以下のリンク記事で、島澤教授の主張がご覧になれます。

「異次元の少子化対策」実現に必要なたった一つのこと
岸田首相が年頭会見で「異次元の少子化対策」を掲げた。実施するにしても、これまでの対策がなぜ失敗したかを検証しなければ時間とおカネの浪費でしかない。出生数変動の要因と、子育て予算の充実への財源調達の違いが出生数に与える影響を考えてみたい。

こちらの誌面では、島澤教授は、「家族向け社会給付10兆円」で試算していますが、結果は上記の日経新聞の記載と同じ結論となっています。

「高齢者向け給付の削減」が最も大きな効果があり、次が「消費増税」ですね。

「赤字国債」は、結局将来世代の負担増なので、効果が相殺されてしまい、子育て適齢世代を含む勤労世代に負担が偏る「社会保険料」の負担増は、逆に出生数が減ってしまっています。

四択の選択肢のうちの、効果のありそうな「高齢者向け給付の削減」と「消費税増税」は、実現可能性が低そうですね。

そして、効果の少なさそうな「赤字国債」と、効果のない「社会保険料から」が、比較的実現可能性があるとは、まったく「究極の選択」のように思えます。

6.やはり、増税しかないのか

島澤教授について、ポチポチ調べてみると、かなりはっきりした主張をなされていらっしゃいますので、このシュミレーションの検証も必要かとは思います。

しかし、この予想が正しければ、現在考えられている「社会保険料」から「少子化対策」の財源を召し上げることは、効果は期待できないが、副作用のひずみは残るという最悪の事態さえ予想されます。

確かに「社会保険料」に財源を求めることの方が「実現可能性」は高いのかもしれませんが、効果が無いのでは意味がありません。

そうすると「高齢者向け給付の削減」か「消費税増税」と「赤字国債」が、選択肢となりますが、コロちゃんは「消費税増税」を支持します。

いや、別にコロちゃんは、自分の年金が減るのが嫌でそういうわけじゃないですよ。上記で、高齢者の金融資産の分布を見たでしょう。

高齢者には、これ以上の削減が耐えられない方も多くいらっしゃるから「高齢者向け給付の削減」には、反対するのです。

もう、限られたパイを奪い合う方法は、限界です。社会保障費自体を大きく膨らませるしか方法はないと、コロちゃんは思うのです。

このように、現在進行中の「少子化対策」の動きを、皆さんに知っていただくのも良いかと思って、今日はこの話題としました。また、新しい動きがありましたらば、ポチポチしてみたいと思います。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

NoName_13によるPixabayからの画像

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