【社会考】「増税」は可能なのだろうか

社会
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おはようございます。コロちゃんは、今日も新聞をバサバサ読んで、時々気になった記事が載った紙面をとっておいたりしています。

今日は、少し前に取っておいた、気になる記事を、取り上げてポチポチお話します。

1.「増税前に歳出削減を」という記事

なぜ、コロちゃんが、この記事をすぐにブログに書かなかったかというと、「増税」は人気が無いですから、あまり書きたくなかったんですよね。

誰だって、自分の懐からお金が出ていくのは、イヤですもんね。

だけど、やっぱりいずれは、一度はとりあげなければならないと思って、今日書くことにしました。

今日のテーマは、「増税」なんですが、先日に日経新聞で読んだ「経済教室」の論考をとりあげたいと思います。

その記事は「財政・社会保障制度改革の視点」というリードで、テーマが「消費税増税前に歳出削減を」となっています。

執筆者は、前田幸雄東大教授と、加藤創太東京財団政策研究所研究主幹です。

その「経済教室」を、お読みになりたい方は、以下のリンクのクリックお願いします

消費税増税前に歳出削減を 財政・社会保障制度改革 加藤創太・東京財団政策研究所研究主幹、前田幸男・東京大学教授 - 日本経済新聞
ポイント○政経両面で改革の実現可能性満たす必要○経済学者と国民で消費税への認識が乖離○消費税の本質や利点わかりやすく説明を日本の財政・社会保障の持続可能性を巡り多くの論者が警鐘を鳴らしてきた。少子高齢化に加え、経常収支の悪化、世界的なインフレ基調など、現況は厳しい。この問題が特に厄介なのは、一向に対策が打たれない点にあ...

この「経済教室」の論考は、増税や歳出削減は、不人気政策だから、「経済的実現性」はあっても「政治的実現性」はなかったとしています。

そして、その「経済的実現性」と「政治的実現性」の双方を満たすプランでないと、実現可能性が無いとしているのです。

そこで、「経済学者」と「国民」にアンケートを行い、その結果から、国民の意識をくみ取った結果、「経済学者」と「国民」の意識の乖離は、当初の想定よりは小さかったとしています。

しかし、消費税に対しては、「経済学者」はプラスの認識を持つのに対し、「国民」はマイナスイメージを持っていたと書いています。

この結果、消費税増税の大幅引き上げは、現状では、「政治的実現性」が無いとしているのです。

では、どうすればよいか、まずは歳出の抑制・削減と効率化を徹底した場合の姿を国民に示し、その上で、消費税増税が必須であると説明する手順が必要であるとしているのです。

(上記のまとめは、コロちゃんが読んだところの理解です。間違っていたり誤解していればゴメンナサイ)

2.コロちゃんは、増税賛成です

コロちゃんは、「増税賛成」なんですよね。だって、請求書を孫世代に送るのは、気が引けるじゃあないですか。

今の日本は、大体110兆円ほどの予算を組みますけど、30兆円ほどは、国債(借金)してますよね。これはいずれ、必ず誰かが返すわけです。

現在の世代が返すのならば、まだ納得できますけれど、絶対返しきれませんね。だって、もう1200兆円以上あるんですから。

下記のグラフをご覧ください。

https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-comparison.html
出典:財務省 日本の財政を考える 4 日本の借金の状況(2月19日利用)

ねっ、こんなに返せないでしょう。今の世代で全部返すなんて、無理無理無理!

(*゚∀゚)ノ【ムリムリムリムリムリ】

そういう理由で、コロちゃんは、増税してでも、少しでも返しましょうと思っているんです。

どこからどのように財源を手当てするかは、以下のブログでも書いていますので、お読みになりたい方は、リンクをクリックお願いします。

【経済考】増税は三方一両損で

3.「歳出削減」はできるのか?

それでは、上記で読んだ「経済教室」の論考の提言を見てみましょう。

先に徹底した「歳出削減」を行なう姿を示し、その上で規模的に見て、さらに「消費税増税」が必須であると説明する手順を踏むというプラン・・・なのですが、うまく行くのでしょうか。

現在の政治状況は、「積極財政派」の自民党内最大派閥の安倍派が、最大の数と力を持っています。

その理由だけでも、歳出削減の「緊縮財政」の「政治的実現性」はなくなります。

かつて2000年代前半の小泉内閣での「緊縮財政」が、その後の民主党政権の誕生の伏線となった歴史もあります。

そのように考えると、この経済教室の論考での提言である「歳出削減」は、ちょっと難しいのではなかと思うのですが、いかがでしょうか。

4.「10万円」を憶えていますか

皆さん、コロナで「10万円」もらったのを憶えていますか? 

コロちゃんは、もうすっかり忘れていましたが、この原稿で「増税の話し」をポチポチしていて思い出しました。

「10万円」は、2020年4月20日に閣議決定されて、その年の夏にかけて国民全員に支給されました。総事業費は、12兆8800億円余りです。

「10万円」は、お国からいただいたお金ですけど、国は国債(借金)でまかなったんですよね。それでは、その後は誰が返すのでしょうか。

そして、今回のコロナ禍での、国の総支出は、まだ終わっていないので発表されていません。

ただ、2021年1月の報道で、国際通貨基金(IMF)の公表した財政報告での中に、「新型コロナウイルス感染症に関連した世界各国の経済対策費」というのがありました。

その中で、日本は、2兆2100億ドル(約287兆円)と記載されています。

これを見ても、日本では巨額の国債(借金)が、コロナ禍で積みあがっています。

このコロナ対策も、来月5月8日に「5類移行」となりますから、その段階でこれらの「コロナ対策費」の総額と、その扱いが議論されるかと思います。

これらの費用は、全て現役世代が被った被害の対策費です。

まさか、この請求書を孫世代にツケ回しするとは思えませんが、注視したいと思います。

5.増税と過去の例

いつの時代でも、「増税」は不人気政策です。これは日本だけではありません。どこの国でも同じです。

歴史を振り返ってみれば、日本で増税が比較的抵抗なく行なわれたことがあります。

①日露戦争時の大増税

日露戦争時に、戦費に充当するために大増税が行なわれました。

下記の引用をご覧ください。

「日露戦争時の税務行政」より

「日露戦争は、日清戦争とは比較にならない戦費を必要としました。そのため、明治37・38年の第一次・第二次非常特別税により増税が行われました。」

「非常特別税は、地租や営業税・所得税・酒税など、税目ごとに増税分が決められ、戦争終結後には廃止される臨時的なものでした。」


 「明治37年には石油と織物に消費税が課税されるようになり、翌年には恒久的な税として相続税が新設されました。塩が専売制となったのもこの年です。」

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/shiryou/library/10.htm#:~:text=%E6%97%A5%E9%9C%B2%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AF%E3%80%81%E6%97%A5,%E7%9A%84%E3%81%AA%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
出典:国税庁 租税資料ライブラリー 日露戦争時の税務行政 より(4月12日利用)

へー、コロちゃんは、ここで調べて初めて知りましたよ。「相続税」の導入は、日露戦争の戦費調達のために行なわれたのですね。

もちろん、日露戦争が終わっても、戦費調達のためだったはずの「相続税」は、廃止されることなく、現在まで続いています。

一度導入された「税金」は、どんな理由がつけられていても、なくなることは少ないですね。

②真珠湾攻撃前年の「源泉徴収制度」導入

給料から所得税を天引きする「源泉徴収制度」が導入されたのは、太平洋戦争が始まる前年の1940年のことです。

効率よく戦費を調達するため、同盟国のナチス・ドイツにならって取り入れられました。

この制度も、戦争が終わっても、現在まで続けられています。 

③東日本大震災の復興増税

2011年の東日本大震災の復興財源として、以下の増税が平成25年1月1日から施行されています。

13年から37年までの25年間、個人が通常払う所得税額の2.1%分を加算。

企業などの法人は、法人税額に10%を上乗せするもので12年に導入し、14年に1年前倒しで廃止されました。

6.増税は、外的ショックでもないと導入できない・・・かも

上記に、増税が受け入れられた例として「日露戦争」と「東日本大震災」の二つを挙げてみました。戦争と大災害の「外的ショック」です。

そして「源泉徴収制度」は、効率的な徴税システムです。これも、やはり「太平洋戦争」という大きな戦争の直前に導入されました。

このような「戦争」や「大災害」のような外的ショックでもなければ、日本社会は「増税」のような不人気政策は、なかなか受け入れない社会なのではないでしょうか。

それでは、今後の日本にどのような外的ショックがありうるのかと考えると、いくつか思いつきます。

・台湾海峡危機
・首都圏直下型地震
・東南海地震
・為替変動による金融危機

まさかとは思いますが、「ブラックスワン」という言葉もあります。

「ブラックスワン理論」より

「ブラック・スワン理論は、「ありえなくて起こりえない」と思われていたことが急に生じた場合、「予測できない」、「非常に強い衝撃を与える」という理論。」

「とりわけ予測・想像していた事態よりも大きな衝撃が起きることに使われ、金融危機と自然災害よく表している。」

「ヨーロッパでは白鳥は白い鳥だけと思われていたが、1697年にオーストラリアで黒い白鳥(ブラック・スワン)が発見される。以来、ありえなくて起こりえないことを述べる場合、“ブラックスワン”という言葉を使うようになった。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%B3%E7%90%86%E8%AB%96
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「ブラックスワン理論」最終更新 2022年12月12日 (月) 00:28 

ただ、上記に上げた「外的ショックの可能性のある事態」は、最近の状況を見ていると「ありえなくて起こりえない」ではなくなっているのかもしれません。

「灰色のサイ」という言葉もあります。

「灰色のサイ」とは、将来大きな問題を引き起こす可能性が高い潜在的リスクのことです。

体は大きくても普段はおとなしいサイが、いったん暴走し始めると誰も手を付けられなくなり、爆発的な破壊力を持つことから言われています。

上記の「外的ショック」は、すでに「ありうる事態」として、準備をするべきかもしれません。

7.外的ショックは無いに越したことはないけど

平常の時に理性的に「増税」で、借金の返済ができればいいんですよ。

前述の「経済教室」の先生の論考のように、「経済的実現性」と「政治的実現性」の双方を満たすプランは、魅力的ですが、現状では実現は、おそらく不可能でしょう。

「外的ショック」の時には、準備だけは整えておいて、あとは「天命」を待つしかないとコロちゃんは考えています。

皆さん、どうでしょうか。なにか「孫に請求書」を送らないで済む、良いアイデアをお考え下さい。いろいろ考えることが、今日のこのブログの目的です。

コロちゃんも、今後どうしたらよいかを少しでも考えてみたいと思います。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい

PeggychoucairによるPixabayからの画像
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