【経済考】選択肢は「増税」か「年金削減」か?

経済
20_9_2_tax_increase

おはようございます。最近の秋の陽気は、朝晩は寒く、日中は暖かい日々が続いていますね。

コロちゃんは、朝が早いので朝の冷え込みがつらいですけど、日中はとても過ごしやすい陽気となっています。

なかなか、天候のいいとこ取りはできないものかと、秋の空を見上げています。ワンコはむしろ寒い方が、真夏の暑さの時期よりも機嫌がよさそうですね。

やはり、「毛皮の威力」は偉大なものだと、コロちゃんはうらやましげに見ていますよ。

今日は、経済のお話で、背筋にゾ~ッと寒気が走るような「増税か年金削減か?」のお話をポチポチします。

1.「財政拡張の日本」

先日10月23日に、岸田総理は国会の所信表明演説で、以下の様に語っています。

「30年来続いてきた『コストカット経済』からの変化が起こりつつある。この変化の流れをつかみ取るために『経済、経済、経済』、何よりも経済に重点を置いていく」

コロちゃんは「経済に重点を置く」ことには賛成しますが、これは相当額の予算をつぎ込むと言う事ですよね。

日本においては、借金がGDP総額の252.8%となっています。

下記のグラフをご覧ください。

「財務省 主な国の債務残高(対GDP比)」より

https://www.mof.go.jp/zaisei/financial-situation/financial-situation-01.html
出典:財務省 日本の借金の状況 より(10月23日)

上記のグラフは、「G7各国の債務残高のGDP比」のグラフです。

日本は、世界の「先進国」の中でも最大の「借金大国」なのです。

「借金大国」と言っても、「国」はコロちゃんと違って命に限りは無く、いつまでも長く「借金」を持ち続けることができますから、そう簡単には「破産」はしません。

しかし、将来に「経済危機」が起きた時の「選択肢」が少なくなります。

こう聞くと、皆さんは「経済危機なんて、そうは起きないよー」と言われるかもしれませんね。

決してそんなことはないんですよ。

コロちゃんが生きてきた70年間のうちで、新聞などで「経済」を読むようになった20代以降の1970~2023年の50年間程度でも、以下で取り上げる様な多くの「経済危機」を見てきました。

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日コロちゃんが話したいのは、いずれ日本は「増税」するか「年金削減」するかの二者択一に追い込まれそうだと言う事なんです。

だけど、その理由を説明するのに、いくつかの事を知ってもらわないと理解しにくいんですよね。

コロちゃんが、もっと説明の仕方が上手だといいんですけど、なかなか上達しないんですよね。

皆さん、すみませんがもう少しお付き合いください。

2.「コロちゃんの記憶に残った経済危機」

コロちゃんが経済に興味をもちはじめたのは、1980年代以降でしょうか。

別に「株式投資」をしていたわけではありませんから、純粋に「経済の仕組み」に興味があっただけです。

当然その頃のコロちゃんに。さほどの「経済知識」があったわけでもありませんし、どうして「経済危機」が起こるのかもよくわかりませんでした。

今のようにネットもないですし、「経済知識」の一般書などはほとんど出版されていない時代でした。

その中で、コロちゃんの記憶に残った「経済危機」は、だいたい以下の通りです。

①「1971年ニクソンショック」
・ドルと金の交換停止による金融システムの崩壊

②「1973年第一次オイルショック」
・第4次中東戦争による原油の70%アップと敵国・支援国への原油輸出停止。日本では「狂乱物価」となる。

③「1979年第二次オイルショック」
・イラン革命の影響。

④「1987年ブラックマンデー」
・ニューヨーク株式の暴落をきっかけとした世界同時株安。

⑤「1991年バブル崩壊」
・1987~1990年の金融緩和による株式と不動産の急騰によるバブルが、一転した金融引き締めによって崩壊。

⑥「1997年アジア通貨危機」
・タイの通貨暴落をきっかけに始まった通貨危機がアジア全体に波及、韓国がIMF(国際通貨基金)の支援を受け入れ、タイとインドネシアでは政権交代が起きた。

⑦「2000年ITバブル崩壊」
・インターネット関連企業の株式投資が、異常な高値になった後での崩壊。

⑧「2008年リーマンショック」
・リーマンブラザーズの破綻から世界金融危機の発生。

⑨「2020年コロナショック」
・皆さんがご存じの通りの世界的なパンデミック。

ざっと数えても、このような9件の「経済危機」がありました。その中では、多くの「大企業」が倒産したり、国の保証で生き永らえた「銀行」なども見てきましたね。

たかだか50年ほどの間に「大きな危機」が9件も起きており、「小さな危機」はもっとありましたから、日本に今後未来永劫にわたって「経済危機」が起きないなどとは、誰もが言えないと思います。

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

むしろ、今後10年に満たない将来に、新たな「経済危機」が起こっても全く不思議はないと思いますよ。

もしも日本で次の「経済危機」が起こったら、「多額の借金」が積みあがった「日本」は、その危機の時に打つ手の選択肢があまりなくなっていると思いますよ。

3.「国債(借金)頼みの経済政策」

現在の日本の「予算編成」では、毎年多くの国債(借金)を積み重ねています。

下記のグラフをご覧ください。

「財務省 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移」より

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm
出典:財務省 財政に関する資料 より(10月23日利用)

上記のグラフは、「国債発行額の推移」です。毎年の「国債発行額(借金額)」がわかります。

下記に、ここ数年の「国債発行額(借金額)」を書き出してみます。

①「2020年 108.6兆円」
②「2021年  57.7兆円」
③「2022年  62.5兆円」
④「2023年  35.6兆円」

日本の予算編成における国債発行額(借金)は、2010年代はおおかたが30兆円程度でしたが、コロナ禍の為に2020年には、100兆円をこえる「国債(借金)」を発行しています。

現在問題となっているのは、この毎年積みあがって「総額が1276兆円」となっている「国債」が、金利上昇した時には「利払い費」が増加することです。

現在は、日銀が「異次元金融緩和」を受け継いで、短期金利が「マイナス0.1%」と長期金利(10年物国債金利)が「±0.5%程度を目途とし、1%までを容認する」として、1%を事実上の上限としています。

しかし、「財務省」の試算によると、この金利が1%上振れすると、2024年度の国債費が7000億円増加すると見込んでいるそうです。

その後の「金利1%上振れ時の国債費」の増加は以下の通りとなっています。

①「2024年度 7000億円」
②「2025年度   2兆円」
③「2026年度  3.6兆円」

上記のように、国債(借金)頼みの予算編成をいつまでも続けていると、いざ金利が上昇した時には、大きな負担が余儀なくされるのです。

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

上記の数字は、新聞報道で知ったものですけど、これを返済するのは「将来世代」になるんですよね。

コロちゃんのような「こらいまれ」以上の高齢者は良いですよ。もうそんなに先がないですからね。

しかし、子どもたち世代や孫世代・・・将来世代にとって、この「国債(借金)」の返済は大変でしょうね。

コロちゃんは、彼らに申し訳なくて、頭が下がってしまいます。

ごめんね(。>ㅅ<。)՞՞💦

4.「日銀の金融緩和の出口」

上記で触れましたように、現在の日銀は黒田日銀前総裁の「異次元金融緩和」を受け継いでいます。

そして現在は、短期金利を「マイナス0.1%」とし、長期金利(10年物国債金利)を「±0.5%程度を目途」として「1%までを容認する」が、事実上の上限としています。

しかし、物価が上昇してくれば、それを抑えるためには「金利を上げて金融を引き締め」なければならなくなります。

もし「2%の利上げ」となった時に何が起こるのでしょうか。

日経新聞の「経済教室」では、塩路悦郎一橋大学教授が、以下の様に主張していました。

「現在、日銀の下にある「超過準備」は460兆円程度、名目国内総生産(GDP)の8割だ。仮に利上げ幅が2%で済むとしても、単純計算で年に9兆円の支出になり、防衛費を上回る」

(「超過準備」とは、金融機関が受け入れている預金等から日銀に預けている「準備預金」のこと。一定比率を預ける義務がある)

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

この「経済教室」を読むと、現在日銀が進めている「金融緩和」には、どうやら、その出口において多額の出費という大きなリスクがあるようですね。

この話は「入口では入場無料で出口での高額の請求という芝居小屋」に、たとえられたこともあります。

5.「増税か年金削減かの選択なの?」

そして、上記で取り上げた「経済教室」で塩路悦郎一橋大学教授は、最後を以下の様に主張しています。

「一方で財政再建の道筋をつけなければならず、他方で政府支出の拡大が求められているとすれば、日本の財政が進むべき道は明らかであるように思われる」

「公的サービスの充実と引き換えに税負担の増大、もしくは年金などの移転支出の縮小に向けて、国民を説得し、合意形成を図れるか、政府は正念場を迎えつつある」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

これって「増税」するか、「年金縮小」するかの選択しかないと言う事ですよね。

実際には、あと「何もしない」という選択もあると、コロちゃんは思いましたけれど、そうなるとどうなるんでしょうね?

「急激なインフレ?」それとも「恐慌並みの不景気?」

どの選択を選んでも、あまり「明るい未来」とはならないように思えますね。

はてさて、コロちゃんの想像力が足りなくて、なかなかイメージが湧いてきませんけれど、おそらく過去に起こった上記の「①~⑨の経済危機」以上のとてつもない「危機」が起こるのかもしれません。

おそらく、そのような危機が実際に国民全員が目に見えるようになってみなければ、日本国民は「増税」や「年金削減」は、受け入れないのではないかと思いますね。

今日のブログは、ちょっと今までに感じていた「経済問題」を、「問題提起」として取り上げてみました。

ここで取り上げました「塩路悦郎一橋大学教授」の「経済教室」をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

日銀の「出口」に政府も備えよ 財政・金融政策の針路 - 日本経済新聞
ポイント○利上げ時の日銀損失の政府負担を明確に○財政再建下でも介護などは支出拡大必要○負担増に向け政府が国民的議論の先導を低金利からの約30年ぶりの脱却が絵空事ではなくなりつつある。8月の消費者物価指数上昇率(総合、前年同月比)は13カ月連続で3%以上だった。インフレの内実にも変化がみられる。年初ごろまで主なけん引役は...

6.「備え無くして憂いなし」

昔から言いますよね。「備え無くして憂いなし」って。

これは、古代中国の「書経」の中にある言葉だそうですが、殷王朝の王様の「武丁」に対して、宰相の「傳説(ふえつ)」が述べたとされています。

王としての心構えを説いた文章の中に、この言葉があったそうですが、現在の日本でもよく使われていますね。

コロちゃんは、今の日本では、この言葉をかみしめなければならないと思いますね。

もう一度書きますよ。

「備え無くして憂いなし」

近い将来に日本が「増税」か「年金削減」かの2者択一の選択をしなければならなくなった時には、皆さんはどちらを選ぶのでしょうか。

コロちゃんの様な「高齢者」は、当然のこととして「年金削減」は受け入れないでしょうから「増税」の選択となるでしょう。

しかし、現実政治では、大規模な「増税」を提案した政治家は次の選挙で負けるでしょうから、「提案」すらできないかもしれませんね。

コロちゃんは、「日本」が何もできないまま「危機」に突入するのではないかと「懸念」しますよ。

天が落ちて来るのを心配したという「中国」の故事の、「杞憂」でなければ良いのですけれどね。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

suhan78260によるPixabayからの画像

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました