【経済考】「経済・経済・経済」は成功するのか?

経済

おはようございます。今朝のワンコとの散歩では、ワンコの元気さが目立ちました。

コロちゃんと一緒に家を出たとたんに、ワンコがシッポを大きく「フリフリ」と、先頭に立ってコロちゃんを引っ張るように進むんです。

このワンコは、最近はあまり「食欲」がなく、朝晩のエサもなかなか食べないことが多かったので、ちょっとコロちゃんは心配していたのですが、どうやら寒くなって回復したようです。

何しろこのワンコは、コロちゃんともう14年間も一緒に生活している「家族」ですからね。元気になって、ちょっと安心しましたよ。

今日は、「岸田総理の経済、経済、経済」についてカキコキします。

1.「所信表明演説で経済・経済・経済」

先日の10月23日午後に、岸田総理は「臨時国会」の開会にあたっての「所信表明演説」で、冒頭に「経済、経済、経済」と3連呼しました。

このように言葉を三連呼するほど、岸田総理は「経済」を強調したかったのですね。

「経済」をスローガンとした有名な例としては、1992年のアメリカ大統領選挙でのクリントン陣営が繰り返した言葉がありました。

「経済だよ、お馬鹿さん(It’s the Economy, Stupid)」

アメリカ大統領選挙で、再選を目指す当時のブッシュ大統領の「経済の失政」をあげつらった、挑戦者としてのクリントン陣営の合言葉となりました。

それが効果があったのでしょう。見事ブッシュ大統領の再選を阻止して、クリントン新大統領の誕生につながりました。

今回の岸田総理の「所信表明演説」を読むと、どうやら岸田総理は「派閥」の大先輩である「池田隼人総理大臣(在職期間1960~1964年)」を意識したようです。

「池田隼人元総理」は、「所得倍増計画」で日本経済の高度成長の基礎を築いた方ですからね。「経済の池田」として有名です。

岸田総理も池田元総理と同じように「経済の岸田」と言われたいのでしょう。

コロちゃんは、この岸田総理の「所信表明演説」を読んで、いくつかの感想を持ちました。今日は、それに触れてみたいと思います。

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コロちゃん

コロちゃんが長年「所信表明演説」を聞いてきた感想としては、みんな「言いっぱなし」で、その後は知らん顔している総理が多かった記憶がありますね。

皆さん「政治家」ですから、うまくいった時には「自慢」はするけれど、「失敗」は口を拭って何も言わないで終わる印象があります。

岸田総理の今回の発言は、「経済」ですから、後から結果が数字で出てきます。

3年後が見ものですね。

2.「過去30年間の経済政策を否定」

岸田総理が、冒頭で「経済、経済、経済」と連呼するぐらいですから、「所信表明演説」の最初は当然にして「経済」です。

その中で、以下の様におっしゃっています。

「この30年間、日本経済はコストカット最優先の対応を続けてきました。・・・この結果消費と投資が停滞し、・・・低物価・低賃金・低成長に象徴される『コストカット型経済』とも呼びえる状況でした」

これを読んでコロちゃんは、「野党指導者」の演説かと一瞬思ってしまいましたよ。

だって、過去30年間の「経済政策」を全否定して批判しているんですよ。

この過去30年間でその「経済政策」を担っていたのは、2009~2012年の一時期(民主党政権)などを除いてほとんどの期間が「自民党政権」です。

とりわけ、2012年以降の第2次安倍政権の「アベノミクス」すら、否定している内容と思えましたね。

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コロちゃん

「アベノミクス(2012~2020)は、「経済的」には下記に出て来るように当初の目的(経済成長)は達成できませんでした。

「株高」と「大企業の収益」は伸びましたが、当初の想定と違って「トリクルダウン」はおきませんでしたね。

しかし、安倍元総理が生きていたら、この岸田総理の「低物価・低賃金・低成長に象徴される『コストカット型経済』」を聞いて、怒っただろうなぁ。

この指摘は「アベノミクス」を「コストカット型経済」と言っているんですからね。

「アベノミクス全否定」の発言と取られても仕方がない表現だと思いますよ。

3.「成長型経済への変革」

そして岸田総理は、「コストカット型経済」から完全に脱却して、「持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済」へと変身するとしています。

それを「3年程度の変革期間」で集中的に行うとしているのです。

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コロちゃん

ちょっとちょっとちょっと、それは無理なんじゃないですかー?

コロちゃんには、日本経済が今から「高成長」するように変わるのは難しいと思いますよ。

今から、ちょっとした思いつきで、日本経済がテイクオフするわけないでしょう。

それができれば、過去30年間に誰かがやっていると思いますよ。

また、3年間という期間を浪費するだけに終わらないといいですけどね。

4.「GDP成長率推移」

コロちゃんが、今から「日本」がかつてのような「成長型経済」に戻るのは無理だろうと考えるには、いくつかの理由があります。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 実質経済成長率とその寄与度」より

0000173082_1.pdf (mhlw.go.jp)
 出典:厚生労働省 近年の経済成長率と賃金上昇率の動向ー バブル崩壊後の直近20年間の動向を中心に ー より(10月24日利用)

上記のグラフは「実質GDP成長率」の1985~2015年の推移です。この1985~2015年の20年間の「実質GDP成長率」は、平均するとわずか0.8%でした。

高度成長期の1956~1973年には9.1%もの高い成長だったことを思うと、いったい何が起こったのだろうと考えてしまう数値です。

そして、2000年代の10年間の「実質GDP成長率」は0.7%で、2010年代(アベノミクス期含む)は0.8%と、「日本経済」は、ここ30年間も「低空飛行」を続けているのです。

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コロちゃん

雇用者が、まだ毎年増えていた1980年代以降には、もうGDP成長率は低下していたんですよ。

現在2023年には、いよいよ「少子高齢化」の人的資源の減少が始まっているのに、「低空飛行」から「高い成長」への転換は、無理でしょ。
ムリ!d(`・д´・ )キッパリ

5.「潜在成長率も低い」

「潜在成長率」という「経済指標」があります。

これは、その国の成長の「巡航速度」を示すとされるもので、「企業の設備・労働力・生産性」から計算されます。

この「潜在成長率」は、経済の「供給サイド」から調査するものなんです。

上記で取り上げた「GDP成長率」は、個人消費や企業の設備投資などの「需要サイド」の数値となります。

この「潜在成長率」は、中長期の「経済の実力」をみるのに適しているとされています。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 潜在成長率について」より

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/0214/shiryou_02.pdf
出典:内閣府 潜在成長率について より(10月24日利用)

上記のグラフは、内閣府が発表している「潜在成長率の推移」です。

上記のグラフでは、「日本経済の潜在成長率」を以下の様に表示しています。

①「1981~1990年 4.4%」
②「1991~2000年 1.6%」
③「2001~2010年 0.8%」

また「内閣府」は2010年以降については0.4%としており、足下の2023年9月26日には、「潜在成長率0.5%」と発表しています。

④「2010年以降 0.4%」
⑤「2023年   0.5%」

上記の①~⑤を見ると、一目瞭然の右肩下がりです。

コロちゃんには、このトレンドが岸田総理の「3年間の変革期間」で逆転することができるとは、到底思えませんね。

この数字は「潜在成長率」ですから、日本経済は中長期的には必ずこの数値に収れんします。このように現在の「日本経済」は、すでに低い成長率がデフォルトとなっているのです。

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
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コロちゃん

上記のグラフの一番右側(2001~2010年)の潜在成長率の棒グラフは、労働投入度(黄色)がマイナス0.3%となっています。

当時雇用者数はまだ増加していました。

マイナスになった要因は「労働時間の減少(週48時間→40時間への変更)」が周知・浸透してきた影響かと、コロちゃんは思いましたね。

現在では、すでに「生産年齢人口(15~64歳)」は減少する一方(1995年がピーク)ですから、「労働投入寄与度」のマイナスは、より大きくなっていると思いますよ。

6.「3年間を変革期間」

岸田総理は、この所信表明で「3年間程度の変革期間」と、ご発言をされていました。

これを読んで、コロちゃんは思いました。5年間も総理大臣をやる気なの? できるかなー?

岸田総理は、2021年10月に就任されて、現在もう2年間務められています。

「3年程度の変革期間」をまるまる勤められれば、就任して5年間「総理大臣の椅子」を保持されることになります。

しかし、過去の総理大臣の歴史を見れば、戦後内閣の長期トップ5は、以下の通りです。

①「佐藤内閣(2789日)」
②「吉田内閣(2616日)」
③「中曽根内閣(1806日)」
④「池田内閣(1575日)」
⑤「岸内閣(1241日)」

もし、岸田総理が5年(1825日)を務めあげられれば、歴代3位の「大宰相」となることができます。

「内憂外患」と言う言葉がありますが、外には「ウクライナ戦争・中東危機・台湾海峡有事」が懸念されています。

そして、内には「日本経済の変革」を抱えた難題が多い時代に、岸田総理は無事に5年間を務めあげられるのでしょうか。

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コロちゃん

コロちゃんは、5年間も務まらないとか言っているわけではないですよ。

岸田総理は人がよさそうな顔してますし、悪い人ではなさそうだし、5年間総理大臣をお勤めして「大宰相」になっていただいてもいいんです。

これまでの2年間の岸田総理のレガシー(政治的遺産)と言えば、2022年12月に閣議決定した「安保関連3文書」でしょうね。

「ハト派」の岸田総理とは似合わない「タカ派色」のレガシーです。

そこで「ハト派」の「面目躍如」とばかりに「経済三連呼」となったというのが、コロちゃんの見方です。

できれば成功していただければ良いと思いますが、コロちゃんは上記で言及した通りに無理でしょうと思いますよ。

7.「経済は結果が数字で出てくる」

コロちゃんは、できれば「日本経済」が大きな成長をしてほしいと思っていますよ。そうなれば、「年金の削減」や「増税」に踏み切らずに、「成長の果実を分配へ」が実現できますからね。

しかし、そんなうまいお話しは世の中には無いのが常です。

「成長」「成長」と言っている内に、「成長の果実は産まれてこない」で、どんどん「社会の格差」が拡大してきたのが、ここ30年の「日本経済」です。

折しも、報道で「日本」がドイツに抜かれて「世界第4位」に落ちたと伝えられました。

ドイツの人口は、8320万人(2021年現在)、しかし受け入れてきた移民数は、2230万人(27.2%)と言われています。しかも、 この内の1180万人(53%)がドイツ国籍を持っているそうです。

一方、日本の外国人数は307万人(2022年現在)で、全人口に占める割合は2.32%とされています。

下記に、移民数と全人口に占める割合を書き出してみましょう。

①「ドイツ 2230万人 27.2%」
②「日本   307万人 2.32%」

ざっと、ドイツは日本の10倍以上の移民を国内に受け入れていますね。

「移民を受け入れるのはイヤ」、だけど「成長はしたい」では、コロちゃんは「そりゃ無理でしょう」としか言えないと思いましたね。

コロちゃんは、岸田総理には申し訳ありませんが、日本が「成長型経済」に転換することは無理だとみています。

それよりも「爆縮」する人口に合わせた社会システムに、日本を作り替える中から、「新生日本」が産まれてくると考えていますよ。

「借金財政」をしながらの「成長したら返済」では、未来は「借金まみれ」となると、コロちゃんは考えていますよ。

この、岸田総理の「所信表明」の「3年間の変革期間」の結果は、遅くとも3年後には判明します。

「3年後の結果」をコロちゃんは、楽しみに待ちたいと思いますよ。

あっ、それじゃあコロちゃんは、何としても3年後まで生きていなきゃあなりませんね。よし、生き延びるぞー。
୧( ˃◡˂ )୨がんばァ~✧

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Annette MeyerによるPixabayからの画像
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