【社会考】「働け!働け!」と世間は言うけれど

社会

おはようございます。今朝の空は真っ青で、しかもそよ風も吹いている「爽やかな朝」でした。気温が24度ほどだったのが、爽やかだった理由でしょう。

今朝は、いつもよりもちょっと早起きをして、5時過ぎにはワンコの散歩に出ていたのです。

「だったら、いつも早起きすればいいじゃん!」とおっしゃる声が聞こえてきますが、それがなかなか、そうはいかないのが人間ですよね。

今日は「高齢者の労働」をポチポチします。

1.高齢者に「働け!働け!」と声

最近コロちゃんが新聞をバサバサ読んでいると、「高齢者の労働」をやたら勧める記事が目につきます。

最近の新聞記事をちょっと見るだけでも、以下のような記事がありました。

北海道の働く高齢者、10年で5.9ポイント増 全国14位 - 日本経済新聞
少子高齢化が進む北海道において65歳以上で働いている人の割合は、2022年に23.4%となり全国44位だった。だが、12年と比べた10年間の伸び率は5.9ポイント増で全国14位となった。定年廃止などに取り組む企業も増加傾向にある。深刻な人手不足を受け、70歳以上でも働ける制度を設ける道内中小企業は40%を超えた。調査は...
働く高齢者、沖縄・九州で急伸 官民連携で意欲後押し - 日本経済新聞
高齢化が進むなか、「生涯現役」に向けて働くシニア世代が増えている。65歳以上で仕事をしている人の割合は増加傾向が続いており、なかでも九州・沖縄地域の伸びが目立つ。高齢化や人手不足が深刻な地域で、自治体や企業も高齢者が働きやすい環境を整えようと懸命だ。総務省が5年に1度実施する「就業構造基本調査」から、働いている65歳以...
職場存続、切り札はシニア 「70歳雇う」企業4割 - 日本経済新聞
労働市場でシニア人材の重みが一段と増している。70歳以上でも働ける企業の比率は2022年に4割となり、この10年で2倍になった。建設や小売りでは従業員の1割超が65歳以上だ。人手不足の解消に向けてシニアの活用が欠かせない一方、労働災害は急増している。円安で外国人労働者の確保も難しくなるなか、職場環境の整備が急務だ。「一...

コロちゃんはこれを読んで、新聞社が総力を挙げて「高齢者働けキャンペーン」を流していると思いました。

これは、本来ならば自由な人間の判断に任せるべき「就業」を、心理的に「みんなが働いているんだから、あなたも働いた方がいいよ」と誘導するかのようなキャンペーンだと思います。

以前にも「一億総活躍社会」を掲げた政治家の方がいらっしゃいました。2015年(平成27年)の第三次安倍晋三政権です。

当時は、政権の「目玉プラン」として取りざたされました。

そのプランは、以下のようなものでした。

「若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会を目指す」

これを聞いて、コロちゃんは、「高齢者」は何歳になるまで「活躍」しなければならないの、と考えたことを思い出します。

コロちゃんは、老後はもっと「安らかに、ゆっくりと、静かに」過ごすという「リタイア人生」を楽しむことができる社会であってほしいと考えています。

2.「高齢者の就業」の現実

総務省は、つい先日の7月21日に、5年に一度行われる「就業構造基本調査」の結果を発表しています。

その結果によると、2022年の高齢者の就業状況は以下の通りでした。

○60~64歳 72.5% 434.02万人
○65~69歳 50.9% 269.63万人
○70~74歳 33.3% 183.59万人
○75歳以上  11.4% 29.05万人

やはり「75歳以上(11.4%)」になると、少なくはなりますね。しかし「60~64歳(72.5%)」は、ほとんどの方が働いているようにも見えます。

この「令和4年就業構造基本調査」をお読みなりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kall.pdf

コロちゃんは、もうすぐ70歳になる「高齢者」ですので、上記数字では上から二番目の「○65~69歳」にあたります。

そうすると、コロちゃんと同年代の方の「就業率は50.9%」と、2人に1人が就業していることとなります。

コロちゃんが働いていない「無業者」でも、お隣の「高齢者」は働いている勘定になりますね。なんか、コロちゃん「肩身が狭い」。
(//・_・//)

3.「高齢者就業」の国際比較

上記のように日本の「高齢者」は、コロちゃんと同年代では二人に1人は働くなど、とても「勤勉」です。

皆さんは「リタイア」して、好きなことをするなどの生活には魅力を感じないのでしょうか。

それでは、ほかの国の「高齢者就業」の様子を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 国際比較調査に見る日本の高齢者の意識」より

https://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/k_40/pdf/s7_1.pdf
出典:内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付高齢社会対策担当 国際比較調査に見る日本の高齢者の意識 より(8月6日利用)

上記の主要な先進国と日本の「高齢者の就業率」を比べると、日本は男女ともにトップとなっています。

特にフランスとの差が大きいですね。

「60~65歳」では、フランスでは20%台ですが、日本では、男性が74.3%と女性が40%台と、倍以上の差があります。

また「65歳以上」では、フランスは2~3%であるのに対し、日本は、男性が29.3%と女性が10%台と、こちらも5~10倍以上の差となっています。

この状況は、日本人が「極めて勤勉」なのでしょうか、それとも「老後」をどのように過ごすのかという「哲学」の違いなのでしょうか。

4.「高齢者就業」の理由

上記で、日本の「高齢者」の就業率が、他の先進国と比べて非常に高い事がわかりましたが、それでは、その理由は何なのでしょうか。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 国際比較調査に見る日本の高齢者の意識」より

https://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/k_40/pdf/s7_1.pdf
出典:内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付高齢社会対策担当 国際比較調査に見る日本の高齢者の意識 より(8月6日利用

上記のグラフは、「高齢者が就業を継続する理由」の国際比較です。

この表では、アメリカ・ドイツ・スウェーデンの三ヶ国と比較しています。

日本とアメリカでは、「高齢者が就業を継続する理由」は、「収入が欲しいから」が、一番大きな理由となっています。

そして、ドイツとスウェーデンでは「仕事そのものが面白いから、自分の活力となるから」が、一番大きな理由となっているのです。

なんか、如何にもありそうで、思わずうなずいてしまう結果だと、コロちゃんは思いました。

皆さん、「収入が欲しいから」の老後と、「仕事そのものが面白いから、自分の活力となるから」の老後は、どちらが幸せな人生なのでしょうか。

5.「高齢者就業」の道をコロちゃんは選べなかった

コロちゃんは、もう70歳近くのおじいちゃんですが、10年前はまだ60代で若かったのです。
(*`з´*)ノ☆【当たり前じゃん】

その頃コロちゃんは、65歳までは現役で働いて老後の準備を進めて、リタイアは65歳からと考えていました。

それが、60歳の誕生日から2ヶ月後に行なった「定期健診」で、「大腸がん」罹患が判明したのです。

その時にコロちゃんは、仕事を辞める気はまったくありませんでした。「大腸がん」の手術をして、「抗がん剤治療」をうけながら、勤務を継続していたのです。

しかし、その後の「抗がん剤治療」の副作用は厳しいもので、仕事は休職せざるをえなくなり、またその後に「悪性リンパ腫」罹患が判明したこともあり、退職となってしまったのです。

(二つのがんは、その後5年経過して完治となりました)

ですから、コロちゃんが「高齢者就業」ができなかったのは、選択したわけではなくて病気に「追い込まれた」からなのです。

そして現在は、圧迫骨折による「慢性腰痛」に、いまだに苦しんでいますから、現在でも「高齢者就業」はちょっと難しいと考えています。

しかしコロちゃんは、20歳前から60歳の「大腸がん罹患判明」までの40年間以上働いてきましたのですから、今ではもう好きな「読書」と「ブログポチポチ」の終末期でよいのではないかと考えています。

6.「清貧ライフ」を楽しんで生きる

コロちゃんの収入は年金のみですから、あまり多いわけではありませんが、「清貧ライフ」に徹すれば何とか生きてはいけます。

それで充分幸せな人生だと、コロちゃんは思っているのです。

「命もいらぬ、名誉もいらぬ、官位や肩書きも、金もいらぬ、という人は、始末に困るものである。」

これは西郷隆盛の遺訓と言われるものです。

コロちゃんは、そのような偉い人ではありませんので、いましばらくの「命」は欲しいですが、「名誉・地位・金」は要りません。

好きな「読書」をしながら、世の中の片隅で「世界のあれこれ」をじっと観察して知識を深めるだけで十分だと考えています。

これが「コロちゃんの生き方」だと考えています。

この「清貧ライフ」は、結構楽しいですよ。

ですから、冒頭にあった「世の中の高齢者は、働け働け」には、コロちゃんは、応えることはできませんし、応えるつもりもありません。

まだお若い皆さんは、これを読んで、ご自分の老後をどのようにお考えでしょうか。

まだまだそんな先のことなんか考えていないよ、とお考えかもしれません。

しかし、現在の「高齢者」のおかれている状況を知っていただくことは、ひょっとしたら将来の参考になるかもしれません。

ちょっとだけでいいですから、このようなことにも興味を向けていただければいいなと、コロちゃんは考えています。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

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