【社会考】「新しい資本主義」とは何か?

社会

おはようございます。暑い暑いと汗を拭いているうちに、いつの間にか8月も終わりとなってしまいました。

9月に入れば、ようやく「秋」の気配が近づくとは思うのですが、「残暑」がどのくらい続くのでしょうね。

コロちゃんは、「早く涼しくならないかなー」と、ワンコと共に空を見上げています。

今日は、岸田総理の「新しい資本主義」について、ポチポチします。

1.「新しい資本主義」とは何か?

コロちゃんは、毎日新聞をバサバサ読んでいますが、岸田総理の「1丁目1番地」である「新しい資本主義」が何をしようとしているのかが、よくわかっていません。

あっ、「1丁目1番地」とは、政治の世界では「絶対に譲れない政治課題」とか「最優先で取り組む課題」のことを意味しています。

そこで、首相官邸のホームページをポチポチしてみました。

下記の引用をご覧ください。

「首相官邸ホームーページ 01新しい資本主義」より

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/seisaku_kishida/newcapitalism.html
出典:首相官邸ホームーページ 岸田内閣主要政策 01新しい資本主義 より(8月26日利用)

上記の引用では、「成長と分配」のイメージを出していますね。

コロちゃんも、それができれば良いことだと思いますよ。ただ日本では、いわゆる「失われた30年」でここ30年間は、ほとんど成長ができていないんですよね。

上記の「成長と分配」のイメージは良いんですが、「成長できないから分配できない」となりはしないか心配ですね。

それで、「新しい資本主義」に向けて、岸田総理は具体的には何をするのでしょうか。

下記の引用をご覧ください。

「首相官邸ホームーページ 01新しい資本主義」より

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/seisaku_kishida/newcapitalism.html
出典:首相官邸ホームーページ 岸田内閣主要政策 01新しい資本主義 より(8月26日利用)

上記の引用に、岸田総理の「新しい資本主義」の具体的政策が挙げられています。

上記の①で「成長」して、②で「分配」し、③の社会を実現する方針のようです。その①②③を下記に書き出してみます。

①成長戦略
(1)科学技術・イノベーション
(2)デジタル田園構想などによる地方活性化
(3)カーボンニュートラルの実現

②分配戦略
(1)所得の向上につながる賃上げ
(2)人への投資の抜本強化
(3)家計の資産形成支援


③すべての人が生きがいを感じられる社会の実現
(1)男女共同参画・女性の活躍
(2)孤独・孤立支援
(3)子ども・子育て政策
(4)就職氷河期世代支援
(5)消費者保護

岸田総理の「新しい資本主義」の内容は、けっこうたくさん並んでいるのですよ。コロちゃんが、この「政策」を読んで感じたことは、以下の通りです。

①「成長政策」で日本が成長することはできるのか?

②「分配政策」で日本社会の中間層以下の方々に分配が実現できるのか?

③の「社会実現」は現実のものとなるのか?

これらについては、あとの方でポチポチします。

2.「新自由主義」をハッキリと否定

上記の岸田総理の政策を貫く姿勢は、6月16日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改定版」の中に書き込まれています。

下記の引用をご覧ください。

「内閣官房 市場の失敗の是正と普遍的価値の擁護」より


「1980年代から2000年代にかけて、市場や競争に任せればうまくいくという「新自由主義」と呼ばれる考え方が台頭し、グローバル化が進展することで経済は活力を取り戻し、世界経済が大きく成長した。新自由主義は、成長の原動力の役割を果たしたと言える。」

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2023.pdf
出典:内閣官房 新しい資本主義実現本部 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版

上記の引用の通り、2000年代の日本で小泉政権時代にもてはやされた「新自由主義」の役目はもう終わったとしています。

そして、この本文は以下の様に続きます。

「内閣官房 市場の失敗の是正と普遍的価値の擁護」より

「一方で、経済的格差の拡大、気候変動問題の深刻化、過度な海外依存による経済安全保障リスクの増大、人口集中による都市問題の顕在化、市場の失敗等による多くの弊害も生んだ」

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2023.pdf
出典:内閣官房 新しい資本主義実現本部 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版

上記のように、はっきりと「新自由主義」の時代を否定し、今後は「違った道を進む」のだという内容となっています。

そして、この文章はさらにスケールの大きな話しとなっていきます。

「内閣官房 市場の失敗の是正と普遍的価値の擁護」より

「資本主義は過去に2回、大きな転換を遂げた。」

「自由放任主義は、2つの世界大戦を経験する中で、政府による社会保障を重視する福祉国家の考え方に取って代わられた。」

「その後、冷戦構造の中で、競争力を失いつつあった経済を立て直すため、新自由主義の考え方が台頭した。」

「今回は、資本主義の歴史上、3回目の大きな転換の契機であり、新しい資本主義すなわち資本主義の第4ステージに向けた改革を進めなければならない。」

「資本主義を超える制度は資本主義でしかあり得ない。」

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2023.pdf
出典:内閣官房 新しい資本主義実現本部 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版

読んでみると、実に格調が高いスケールの大きい歴史的文書です。

なにしろ「資本主義の歴史」に新しい1ページを加えるとしているのですからね。

もし、実際に実現ができればですけど。

このように「岸田総理」は、今までの日本の「資本主義経済の在り方」をハッキリ否定して、新しい道を歩もうと言っているのです。

3.岸田総理だけではありません

2000年代の日本を席巻した「新自由主義」は、様々な影響を社会にもたらしました。「非正規雇用の増加」や「自己責任論」などもその結果ですね。

大手企業の経済団体である「経団連」は、当初より「新自由主義」を推進してきました。

しかし、今その「経団連」自ら、過去の「新自由主義」を否定し始めています。

8月26日の日経新聞に「経団連」の十倉会長のインタビューが掲載されています。その内容は、はっきりと「新自由主義」と決別する内容となっています。

下記をお読みください。

「1980年代はレーガノミクスやサッチャリズムが世界を席巻した。自由貿易を基盤としたグローバリゼーションの意義はあったが、副作用も大きかった」


「市場万能主義は色々な弊害を生んだ。一番大きいのは格差の拡大だ。日本でも格差の固定化や再生産が進んでいる。資本主義は公平で公正な条件で切磋琢磨してイノベーションを生むために有効だが、行き過ぎた資本主義は是正すべきだ」

「少子化対策の財源は社会全体で薄く広く負担すべきだ。消費税だけでなく固定資産税や法人税も含めて排除すべきではない。

「消費税の議論から逃げてはいけない」

「我々はサステナブルな資本主義を目指している。キーワードは成長と分配だ。経団連が『分配』という言葉を使ったのは30年ぶりだと言われている。国内投資の拡大、将来不安の払拭、賃上げの実現が柱となる。すべて密接に関係しており、政府と民間がそれぞれ役割を果たす必要がある」

「1994年の世帯所得の中央値は505万円だったが、2019年には374万円に下がった。500万円くらいの水準に戻し、インフレを考慮すればさらに増やさないといけない。若い世代が望めば結婚して子どもを持てるような所得水準を確保することが最も重要だ」 

この最後の「所得水準を確保することが最も重要だ」との発言内容は、「経団連会長の発言」というよりも、聞いただけでは「連合会長の発言」と見まがうばかりの内容ですね。

この記事のインタビューを読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

消費税増税議論、逃げるな 経団連会長がめざす社会像 - 日本経済新聞
財界総本山と呼ばれてきた経団連が自らの存在意義を問い直している。十倉雅和会長は「社会性」を掲げ、持続的な経済社会をどう構築するかを提起する。少子高齢化や人口減少で国のかたちが変わり、経済界の声を代弁するだけでは埋没しかねない。十倉氏のめざす社会像に迫った。政府は注目の高い少子化対策について、児童手当の所得制限撤廃などの...

コロちゃんは、首相官邸のホームページや、経団連会長のインタビューを読んで、日本社会が「分水嶺」を超えたと感じました。

もはや、日本は過去30年の「失われた時代」と呼ばれる「停滞」しつつも、「安定した変わらない社会」は終わるのです。

今後の日本は、今までに経験したことが無い「不安と開拓の時代」へ移っていくと、コロちゃんは考えています。

4.「新しい資本主義」は成果を残せるか?

このブログの冒頭でコロちゃんは、岸田総理の「新しい資本主義」の具体的政策が成功するかどうかを、あとで触れますと書きました。

えーと、岸田総理の政策では、①で「成長」して、②で「分配」し、③の社会を実現する方針でしたね。

①「成長政策」で日本が成長することはできるのか?

コロちゃんは、今後の日本は、もう大きな成長することはできないと思っています。既に日本は人口減少の下り坂にふみこんでいます。

その人口減を上回る資本投資や、イノベーションを起こすことはできないと思いますね。

②「分配政策」で日本社会の中間層以下の方々に分配が実現できるのか?

これは、その分配となる原資をどこに見い出すのかです。

成長が出来なければ、そもそも分配する原資が得られません。赤字国債でばら撒くやり方では国民の不安は解消されずに、消費の拡大は望めないと思います。

③の「社会実現」は現実のものとなるのか?

上記の①と②の実現ができない以上、必然的に「③すべての人が生きがいを感じられる社会の実現」は、残念ながら実現はできないと、コロちゃんは考えています。

皆さんは、どうお思いでしょうか。このようなことをたまには考えるのも、社会を見る目が変わってきますから、良いと思いますよ。

5.日本は変えられるのか・・・な?

コロちゃんは、岸田総理は良い総理大臣だとおもっています。上記のように、日本を「変えよう」とお考えになって、いろいろと努力なさっています。

なんと言っても、「総理大臣」と言えば、日本の「政治の世界」の頂点に立っているお方です。

たとえ、信じる道が達成できなくとも、それなりの評価はできると思っていますよ。

(まだ、失敗と決まったわけではありません)

たとえ、第4派閥(46人)の長で、第1派閥(100人)の安倍派に逆らえなくとも、頂点の総理大臣です。

(弱小派閥はつらいでしょうね)

たとえ、息子が公用車でお土産を買いに行ったり、新内閣紹介のひな壇でお友達と記念写真を撮っても、総理大臣には責任がありません。

(家の中では叱ってるんだろうなー、むしろ同情)

また、経済界の頂点でもある「経団連」の十倉会長も、良い会長だと思いますよ。

上記のインタビューでも、岸田総理と歩調を合わせるかのように、「新自由主義」を批判し、これでは日本はダメになると言わんばかりに「行き過ぎた資本主義」を批判なさっているのですから。

(経団連会長が資本主義を批判とはビックリ)

3代前の経団連米倉会長(住友化学出身)が、当時の安倍晋三氏と犬猿の仲だったことはよく知られています。

同じ企業出身の十倉会長(住友化学出身)が、いろいろやりずらそうでも「経団連会長」は財界の頂点の存在です。

(政界・安倍派との関係は苦労しているのかなー?)

コロちゃんは、このように政・財界のトップ層から、過去を批判し現状を変えようとする方が出てきたことを高く評価しているのです。

何しろ黙っていれば、政財界の頂点の実績だけで将来は安泰な方たちが、あえて「反旗」を翻しているのですからね。

コロちゃんは、心からこの方たちに応援のエールを送りたいと思います。

フレーフレー、がんばれー!
(o尸’▽’)o尸゛フレーフレー

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

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