【社会考】「人口減少」を受け入れよう

社会

おはようございます。コロちゃんは、今日もワンコとの散歩の後に、コーヒーを飲みながら、新聞をバサバサ読んでいましたら、「2070年 3割減 8700万人」という記事に目が留まりました。

そうです、日本の人口が50年後に、大きく減少するとの報道です。今日は、この人口問題をちょっと取り上げてみようかと思います。

1.ちょうど、人口減少の本を読み終わったところでした

コロちゃんは、日本の「少子高齢化」は、もういくら対策をしても、避けられない問題だと思っています。

それで、人口学者はどのような見解を持っているのかと思い、つい数日前に「サピエンス減少」という本を読み終わって、このブログで【読書考】を書いたところでした。

そのブログを、お読みになりたい方は、以下のリンクのクリックをお願いします。

【読書考】「サピエンス減少」を読んで

上記の本によると、「現在の日本が経験している人口減少は、先進国を中心に世界の多くの国々も遅かれ早かれ同じ道を歩むと考えても良い」としています。

今、日本で起きている「少子高齢化」は、今後世界中で起こることの先駆けなだけで、人口学的に見ると、不可避の出来事だとバッサリと言い切っているのです。

本書の結論が正しければ、人類の減少は世界中のどこの国でも、今後順次進んでいくということになります。

なんとも、厳しい事実ですが、これをみんなが受け入れるまでには、相当の年月が必要ではないかと思いました。

下記の本は、上記リンクの【読書考】の本です。実に興味深い本ですよ。お読みになることをお勧めしますよ。

2.新聞記事が訴えていること

今日のブログでお伝えするのは、4月27日の日経新聞の記事です。

「人口減 縮む国力」との見出しの1面トップ記事です。タイトルには「2070年、3割減8700万人」「出生、59年に50万人割れ」と伝えています。

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人口減で縮む国力 将来推計人口、生産性向上が急務 - 日本経済新聞
国立社会保障・人口問題研究所は26日、長期的な日本の人口を予測した「将来推計人口(総合2面きょうのことば)」を公表した。2056年に人口が1億人を下回り、59年には日本人の出生数が50万人を割る。人口規模を保てなければ国力は縮みかねない。人口減社会でも経済成長の維持を目指す施策を急ぐ時期にさしかかっている。(関連記事総...

この記事では、「国立社会保障・人口問題研究所」が、長期的な日本の人口を予測した「将来推計人口」を公表したことと、その内容を伝えています。

新聞記事では、「2070年には、総人口は現在の1億2600万人から、3割減の8700万人に減り、65歳以上人口の比率は20年の28.6%から70年には38.7%に上がる」

「15~64歳の生産年齢人口は、20年実績の7509万人から、70年は4535万人と4割減となる」というものでした。

数々の予測の中でも「人口予測」は、ほぼ当たると言われています。それは、現在生まれているかたが、そのまま年齢を重ねるからです。

ですから、この「将来推計人口」が描く世界が、日本の50年後の姿であることは間違いないでしょう。

私たちは、現在よりも3割減少する未来に向けて、生活と制度を再編成しなければならないことは間違いないのです。

3.「国立社会保障・人口問題研究所」と「将来人口推計」

まず、「国立社会保障・人口問題研究所」とは、「社会保障及び人口問題に関する調査及び研究を行うことを通じて、国民の福祉向上に貢献すること」を目的として設立されたものです。

厚生労働省の研究機関となります。

主な研究として「社会保障費用統計」「日本の将来人口推計」「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」を、行なっています。

今回発表された「将来人口推計」は、5年に一度発表されることになっているものです。

その内容は、上記の新聞記事でもわかりますが、何とも「見たくない真実」を、目の前に突き付けられたような気分になる推測なんです。

日本の今後の社会が、苦難に満ちたものになりそうな話なんです。

4.「将来人口推計」のポイント

この「将来人口推計」は、50年後の日本がどのような姿になるのかを推測しています。

現在よりも、50年近く未来の2070年の世界は、現在から「少子化」が加速した世界になります。この予測による未来は、現在とはだいぶ違った世界となるでしょう。

①「0~14歳は1割以下」

0~14 歳人口(年少人口)は、1980 年代初めの 2,700 万人から、2020年には 1,503 万人まで減少しています。

未来の2070 年には 797万人と推計されます。この時点で全体の1割以下(9.2%)になると推計されています。

②「生産年齢人口は3000万減少」

15~64 歳人口(生産年齢人口)は、1995年の8,726 万人から、2020年に7,509 万人となっています。2070 年には 4,535 万人まで減少すると推計されます。

③「65歳以上人口は4割近くに」

65 歳以上人口(高齢者数)は、2020年の 3,603 万人から、 2043 年に3,953 万人でピークを迎えた後は減少に転じ、2070 年には 3,367 万人となると推計されます。

65 歳人口の割合は、2020年の 28.6%が、2070 年には38.7%となると推計されます。

他にもこの「推計」では、「外国人9人に1人」や「合計特殊出生率」や「平均寿命」などが発表されています。

この「日本の将来推計人口(令和5年推計)結果の概要」全文をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

https://www.ipss.go.jp/ppzenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf

上記のような「減少する日本」が、今後私たちの未来に広がっています。これはいかなる「少子化対策」で防げるものではなく、すでにほぼ「確定した未来」なのです。

下記のグラフをご覧ください。

「日本の将来推計人口」より

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf
出典:国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(令和5年推計)結果の概要 より(4月27日利用)

上記のグラフは、「日本の将来推計人口」に添付されているものです。

この右肩下がりの、推計値の線の幅の枠の中に、必ず私たちの未来は着地するのです。

5.縮んでいく人口に、社会システムを更新できるか

人口減少下では、社会経済システムを、縮んでいく人口規模に合わせ、常に縮減再編し続けなければなりません。

「少子化対策」を進めていれば、いずれ人口が戻るわけではないのです。

「縮減する」社会・経済の下では、就業機会も減り、分け前にあずかれる人も当然減ってきます。

また、人口減少に合わせ、組織の無駄を省きスリム化することが、常に求められるために、ギスギスした陰鬱な生き残りゲームのような競争が生じる可能性が高まります。

急速に進む少子化・人口減少は、様々な社会グループの人口構成を変化させ、利害対立と格差拡大をもたらすでしょう。

そのような再配分を、新しい人口状況に合わせ、格差を縮減する方向に社会システムを適応させていくことは、困難ですが行なわなければなりません。

6.「成長」と「無駄を省く」は、説得力がない

コロちゃんは、高度成長期に青春時代を過ごしましたので、右肩上がりの経済が少々の「社会的軋轢」や「障害」を乗り越えて成長していく場面を、目の前で見てきました。

「成長」は、少しぐらいの「社会的問題」も覆い隠してくれるのです。

しかし、これからの日本の50年は、上記で見てきたように、右肩下がりの経済と社会です。かつての手法は通用しないのです。

既得権益を持つ誰しもが、一度手にしたものは手放したくはないでしょう。

その時に発する言葉は「成長して分配」「無駄を省く」だと、コロちゃんは思っています。

はっきり言って、労働人口が今後急減する日本では、大きな成長はできません。

そして、「小さな政府」の日本では、そうそう「削れる無駄」はありません。

30年間も成長できていない日本の、現在の状況の下では、「成長」も「無駄を省く」も、説得力はないと、コロちゃんは思っています。

日本の人口減少の未来は、上記で見てきたように確定しているのです。

みんなで腹を決めて、社会システムを組み替える議論を開始する時が来たと、コロちゃんは思っています。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Ferenc BarnaによるPixabayからの画像


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