【社会考】「医療保険」値上げはイヤよ

社会

おはようございます。今朝のコロちゃんは、先日の「名○屋お宮参り」から帰って来てからの「気のゆるみ」のせいか、すっかり寝過ごしてしまいました。

そういえば「名○屋お出かけ」の最終日も、コロちゃんは寝過ごして「すーくん(3歳)」の襲撃にあったんだっけ。

今朝のコロちゃんは、いつもは午前5時に起床するところを、「ぐーぐー」と6時まで寝てました。

「寝る子は育つ!」なんちゃって。コロちゃんはもう育ちませんって。
(๑´ڡ`๑)てへぺロ♡

今日は「経済同友会の提言」をカキコキします。

0.「今日の記事のポイント」

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コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「経済同友会と新浪さんが提言を出したよ」

☆「社会保障制度の抜本改革、道は『負担の増加』と『給付の切り下げ』のどちらかしかないよ」

☆「現役世代の社会保険料負担は増やさないでね」

☆「抜本変革? 不利益変更を説得できるかな? ちょっと難しそうだよ」

1.「経済同友会とは何か?」

「経済同友会」は、「経団連」「商工会議所」と並ぶ経済3団体」の一つです。

そうなると「経団連・商工会議所」とどこが違うの? と誰もが疑問を持ちますね。

その違いとしては、「経団連」は日本の代表的な大企業が中心となっていて、「企業法人」が会員となっているために、どちらかというと「保守的団体」と言われているそうです。

たとえ「社長さん」が個人として発言しても、その会社が誰でも知っているような「大企業」だと、発言を聞いた皆さんは「○○社がそう考えている」と思っちゃいますよね。

当然にして「大企業の社長」さんの発言は、慎重にならざるを得ないのです。

また「商工会議所」は、全国それぞれの地域の商工会議所を会員とした組織で、各地の商工会議所の意見を調整するなどして、その意見を代表する団体だとしています。

こちらは、どちらかと言うと「ゆるやかなまとまり」のように見受けられます。

一方今日のブログネタである「経済同友会」ですが、こちらは「企業経営者」が「個人の資格」で参加しているために、「自主独立で自由な意見を提言することが多い」とされているそうです。

「自主独立で自由な意見」というと、要するに「とんがった意見も出ることがある」と言う事ですね。

なにしろこの「経済同友会」という所は、「企業」が参加するのではなく、「経営者個人」が参加するという建付けになっているのですからね。

「サントリーホールディング社長の新浪剛史さん」が、この「経済同友会代表幹事」をなさってます。

「新浪剛史さん」は、いろんなところに顔を出して「自由な意見」を、遠慮なくあちこちで発言していますね。

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コロちゃん

コロちゃんが、この新浪さんの名前を知ったのは、新浪さんがローソンの社長兼CEOだった時でしたね。2000年代前半の頃かと思われます。たぶん日経新聞のコラムか記事で名前が掲載されていたんでしょう。

新浪さんがローソン社長に就任したのは2003年43歳の若い社長でしたが、その後のローソンは11期連続増益と快進撃、これですっかり有名になりました。

経歴を見ると、スタンフォード大学へ留学し、慶應義塾大学経済学部を卒業、三菱商事へ入社するとハーバード大学経営大学院卒業と、いやー経歴も派手やわー。

ローソン社長から2014年にはサントリーホールディングスの社長就任と、「プロ経営者」として世の中に知られるようになりましたね。

この経歴ならば、少々きつい「提言」をしても、経済界や政界では受け入れられるのも当然の人物だと、コロちゃんは思いました。

2.「経済同友会の提言」

今回「経済同友会」が11月22日に発表した「提言」は、以下の表題となっています。

「こども・子育て政策の財源に関する意見―現役世代の可処分所得の増加を図るため、まずは徹底した歳出改革を―」

説明するまでもなく、表題(テーマ)にある通り、「子ども・子育て政策の財源」について、「歳出改革」を主張しています。

これは、現在の岸田政権が、財源を「社会保険料(医療保険)の上乗せ」に求めようとしていることへハッキリした「ノー」の「提言」ですね。

コロちゃんは、新聞報道のベタ記事(片隅に22行の小さな記事)で、「経済同友会が支援金制度(少子化対策)」について社会保険料を活用することは適切ではない」を読んで知りました。

そこでネットでポチポチ探したところ、この「経済同友会」の「こども・子育て政策の財源に関する意見」を見つけました。

その内容は、以下の通りです。

①「財政の現状」

ざっくりと簡単にこの「提言」内容をまとめてみますが、コロちゃんの意訳ですので少々の間違いや曲解はご容赦願います。

まず、わが国の財政の現状は、少子高齢化による「社会保障関係費」が増加している上に、100兆円を超えるコロナ対策支出がありました。

それに巨額の補正予算の常態化などがあり、「財政規律」がだいぶゆるみました。

その上、「防衛、GX、子ども・子育て政策」にも兆円単位のお金が必要なのに、追加歳出は決めたけど、肝心の財源の具体策が後出しで、まだ出てないですよね。

もうすこし、「持続可能な社会保障」を考えた方がいいんじゃないですか?

(わかり易くリライトしてみたけど、コロちゃんの解釈なのでお許し下さい)

②「社会保障制度の抜本改革」

「社会保障制度」は、もう1960年代に作られた「昭和モデル」じゃ無理ですね。

人口減少や少子高齢化、低成長や家族観・職業観の変化に合わせた新しい「令和モデル」の「社会保障制度」に変えた方がいいですね。

現在の「中福祉・低負担」は持続できません。

道は二つしかありません。「負担の増加」か「給付の切り下げ」のどっちかを選ぶしかありません。

強調したいのは、「現役世代の社会保障負担を抑制」することでしょう。

これが、個人消費低迷の原因だし、少子化の一因でもあるんだから「社会保障負担」を増やすのはダメでしょう。

「提言」では、ざっとこのような主張を展開していました。

参考に「将来の社会保障給付の見通し」と「現役世代が負担する社会保険料負担」を添付しますとありましたので、下記にこの2点を引用しました。

❶「社会保障給付の見通し」

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 社会保障給付の見通し」より

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/04.pdf
出典:厚生労働省 2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)より(11月25日利用)

上記のグラフを見ると、「社会保障給付(年金・医療・介護・子ども子育て・その他のみんなが受け取る社会保障費)」は、以下の様に増えてきています。

◎「社会保障給付費の対GDP比と金額」

①「2018年度 21.5%(名目額121.3兆円)」

②「2025年度に21.7~21.8%(同140.2~140.6兆円)」

③「2040年度には23.8~24.0%(同188.2~190.0兆円)」

上記の数字を見ると、現在2023年に近い「②2025年度 140.2~140.6兆円」と、その15年後の「③2040年度 188.2~190.0兆円」とでは、「48~49.4兆円」もの増加となっています。

なるほど、確かにこれだけの「社会保障給付費」の増加を、小手先の歳出削減で賄えるはずがないと、コロちゃんも思いますよね。

❷「現役世代の社会保険料負担」

そして、「現役世代の社会保険料負担の推移」です。下記のグラフをご覧ください。

「財務省 現役世代が負担する社会保険料負担」より

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000207399.pdf
出典:財務省 令和6年度予算の編成等に関する建議 より(11月25日利用)

上記のグラフを見ると、現役世代の「年金・医療・介護」の「社会保険料負担(雇用者は給与天引き)」の推移は、下記のようになっています。

◎「社会保険料負担(給与天引き)」

①「2000年 22.7%」
②「2023年 30.1%」
③「2040年 32.6%」

上記の数字を見ると、「年金・医療・介護」の「社会保保険料負担」は、23年前の2000年には22.7%でしたが、今年2023年には「30.1%」まで増えました。

そして、今後も自然増が続き2014年には「32.6%」になると予測されています(雇用者は使用者と折半になるので負担はその半額)。

岸田総理は、少子化対策の支援金制度を創設して、「医療保険」に1人500円程度を上乗せして一緒に徴収する案を想定していると伝えられています。

その案を、経済同友会の「提言」では、「現役世代の社会保険料負担は可能な限り抑制すべき」と反対していますね。

③「医療・介護分野の抜本改革」

この「提言」では次に、「医療・介護分野」の「制度の簡素化」を訴えています。

これまでの「パッチワーク」を接ぎ合わせたような制度じゃダメです。もっと「簡素化」して、誰もが一目でわかる制度にしましょう。

そして、ワイズ・スペンディングを徹底して、効果の高い施策に集中し、メリハリを持って財源を投入するべきです。

(「ワイズスペンディング」とは、経済学者のケインズの言葉です。財政支出を行う際には将来的に利益を生み出すことが見込まれる事業・分野に絞ることを意味します)

その上で、「社会保障給付の増加」を抑制しながら、全ての世代で給付(受益)と負担のバランスを確保しましょう。

子育て世代の「可処分所得」の減少につながる「社会保険料負担」は決して増やしてはいけません。

なおこの後にも、「医療・介護の成長産業化」や、「こども・子育て政策に係る安定財源の確保策」などが「提言」されています。

(「安定財源の確保」とは、現在給付が行なわれている項目への切り込みで、負担の引き上げなどを提案しています)

コロちゃんが読んだ限りでは、なかなかハードルが高そうな項目が多かったですね。

例えば以下の例ですね。(負担増項目の一例)

①「医療・後期高齢者の医療費自己負担2割への引き上げ  0.42 兆円」

②「介護・利用者負担2割への引き上げ 0.67兆円」

上記の①②のような、高齢者負担の引き上げは、選挙を考えればなかなか難しいだろうなとコロちゃんは思いました。

後にこの提言は以下の文章で締めています。

「本会としては、国民の安心と活力を支える持続可能な社会保障制度と財政構造の実現に向けて、今後もあらゆる機会をとらえて意見を発信していく所存である。」

かっけー! かっけー! カッコいいですね。
Σ(゚∀゚ノ)ノキャー♡ヵコィィ

読んで格調高い「締め」となっていますが、コロちゃんも「持続可能な社会保障制度と、持続可能な財政構造」については全面的に賛成しますね。

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コロちゃん

「社会保険料」には、以下の5種類があります。その全部に企業負担があるわけではありません。参考までに「企業負担分」をカキコキします。

① 医療(健康)保険 会社と従業員とで50%ずつ負担
②厚生年金保険 会社と従業員とで50%ずつ負担
③介護保険 会社と従業員とで50%ずつ負担(ただし40歳以上)
④雇用保険 会社負担9.5/1000、従業員負担6/1000
⑤労働者災害補償保険(労災保険)全額会社負担

「経済同友会」は「企業経営者」の団体ですから、「会社負担」が増える改革には基本的には反対します。

ですから「少子化対策」の財源として「医療保険の上乗せ」が成立すると、その上乗せ分の1/2は「会社負担」となることでしょう。ですから「経営者団体」が「反対」することは合理的とも言えますね。

いやいや、そうではなくて「真剣に日本の財政を憂いての結論」だったのかもしれませんけどね。

3.「抜本改革は難しい」

この「経済同友会」の「提言」は、全18ページと簡単にまとめています。

コロちゃんが読んだ感想としては、「子ども・子育て政策の財源」としては、「社会保障制度の改革」に重点が置かれていますね。

「制度の簡素化」と「給付と負担のバランス(給付の削減を示唆)」にしても、「令和モデル」への組み替えにしても、制度の改変で、利益を得る層と失う層への説得は欠かせません。

現行の制度を変えようとすると、必ず「不利益変更となってしまう層」が出てきます。そこを説得できるような「令和モデル」を構想できるか、コロちゃんには定かではないように思われました。

また、「歳出改革」について「提言」では、14の「改革案」を提示し、合計3.2兆円程度を捻出できるとしていますが、この「不利益変更」をどのように対象者に説得するのか、道は遠いと感じました。

「提言」では最終的な結論として、少子化対策の「支援金制度」を、医療保険による特定の層の負担を大きくすべきではないとしています。

しかし、結局は「どこかの層に負担がしわ寄せされる」結果は出てしまうわけですよね。

もちろんコロちゃんも、少子化対策や社会保険制度の「抜本改革」ができれば、各政策のベストミックスを構築できる可能性があるとは思っていますよ。

しかしどのような政策も、「利害関係者の調整」が出来た上で、「世論の支持」が無ければ成立は難しいでしょう。

現在の支持率低下に苦労している岸田総理に、そのような大改革はまず出来ないと思いますよ。

コロちゃんの見るところでは、この「提言」の「社会保障制度」の抜本的な改革は残念ながら、今のところ難しいと思いますよ。

なお、この「経済同友会」の今回の「提言」は、少なくとも「具体策」を出しているという点で、コロちゃんは評価します。ただ、実行は難しいでしょう。

この「提言」を読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。18ページですけど、読みやすくまとめられていますよ。

https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/20231122%EF%BC%9A%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%83%BB%E8%B2%A1%E6%94%BF%E3%83%BB%E9%87%91%E8%9E%8D%E3%83%BB%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%EF%BC%9A%E6%84%8F%E8%A6%8B%E6%9C%AC%E6%96%87.pdf

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい

ChristianeによるPixabayからの画像
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