【社会考】「不安の時代」が来たのかな

社会

おはようございます。今朝は、朝から熱風が押し寄せているような天気でした。そのせいなのか、散歩中のワンコも歩くのを嫌がって、家に戻ろうと前足を突っ張らせて動こうとしないんです。

コロちゃんは、やむを得ず散歩を早めに切り上げて帰宅しました。ワンコも暑いんでしょうね、なにせ毛皮のコートを全身に「装備」していますからね。

皆さんも、暑い時は毛皮のコートを着るのはやめましょう。

(真夏に毛皮のコートを着る人がいるわけないよ!)

ああ、そうでした、コロちゃんは、あまり暑いので思考能力が落ちていました。
(。>ㅅ<。)ゴメンネェ💦

今日は「不安の時代」をポチポチします。

1.一人暮らし高齢者の「不安」

コロちゃんは、現在年金リタイア生活を過ごしていますが、「健康」以外には、余り「不安」を感じていません。

おそらく、一人暮らしの「高齢者」が「不安」を感じるのは「経済」と「健康」が二大不安要素ではないでしょうか。

コロちゃんは、現在「慢性腰痛」に苦しみながら生活していますが、先月の7月になってから「腰痛」がやや改善してきていますので、抱えている「ストレス」が少し低下しました。

もう一つの不安材料の「経済」ですが、コロちゃんは「年金」頼りの生活を営んでいますが、このブログの表題の通りの「清貧ライフ」を過ごしていますので、何とかやりくりはできています。

それでは、コロちゃんと同じような「高齢者」の暮らしと心理がどうなっているのかを、ちょっと見て見ましょう。

このブログの読者の皆さんには、お若い方も多いと思いますので、そんな「高齢者の生活や心理なんか興味が無いよ」とおっしゃる方も多いと思います。

しかし、高齢の親御さんが居る方も多いと思いますし、また今お若い方でも、いずれ必ず「高齢者」になるのです。

あれれ、このセリフはつい先日のブログでも語っていましたよね。

だけど、これは「真実」ですから何度言っても良いのです。

今の「高齢者」の現状を良く知ることは、必ず将来の役に立つと思います。

今の「若者」は、必ず将来の「高齢者」となるのですから。

2.「高齢者」の経済的暮らし向きは二極化

それでは、最初に現在の「高齢者」の経済的な暮らし向きを見て見ましょう。

下記のグラフは、内閣府が発表している「令和5年版高齢社会白書」の中にあるグラフです。

「高齢社会白書」とは、高齢社会対策基本法に基づき、毎年政府が国会に提出している年次報告書です。

「内閣府 令和5年版高齢社会白書」より

https://www8.cao.go.jp/koureけi/whitepaper/w-2023/gaiyou/pdf/1s1s.pdf
出典:内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)より(7月31日利用)

上記のグラフは「65歳以上の人の経済的な暮らし向き」の調査結果です。

グラフでは見にくいでしょうから、以下に内容をご紹介します。

①経済的な暮らし向きについて「心配ない」の合計は、68.5%となっています。その合計の内容は、以下のとおりです。

○「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている(12.5%)」
○「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている(56.%)」
○合計68.5%

この政府報告の「高齢社会白書」の中では、上記の「心配ない68.5%」しか書いていません。「心配である31.2%」の方は文章では記載していないんですよ。

しかし、コロちゃんは、書いていない部分の「心配である31.2%」の方に注目すべきだと思いました。

●「家計にゆとりがなく、多少心配である(23.7%)」
●「家計が苦しく非常に心配である(7.5%)」
●合計31.2%

コロちゃんは、この調査をみて、高齢者の経済的暮らし向きは「心配ない」と「心配である」とに、ハッキリと二極化していると思いました。

まさに「格差の拡大」です。

この「心配である31.2%」は、経済的な調査ですが、当然のこととして「心配である31.2%」は、その方たちに心理的にネガティブな影響をもたらします。

それを頭において、次以降をお読みください。

①「家計にゆとりがなく心配である31.2%」は、何人いるの?

どうして、この「高齢社会白書」の中には「心配ない68.5%」しか出ていないんでしょうね。これをまとめた人達には「心配である31.2%」の方たちへの関心はないのでしょうか。

この「令和5年版高齢社会白書」の冒頭には、「高齢化の状況」として、「高齢者の人口」をあげています。

「我が国の総人口は、令和4年(2022年)10月1日現在、1億2495万人となっている。65歳以上人口は、3624万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も29.0%となった。」

上記のように、日本の「高齢者」は3624万人もいらっしゃるのです。

その方たちの中での、「生活が心配である31.2%」という人数は、計算すれば1130万人にもなります。

施政者は、この声にぜひ応えて欲しいですね。

そして「高齢社会白書」と名打つならば、この「心配である31.2%」という実態をきちんと書き込むべきだと、コロちゃんは考えます。

②一人暮らし高齢者は何人いるの?

2019年(令和元年)現在の日本の総人口は1億2616.7万人です。そして、世帯数に着目すると、総世帯数は5178.5万世帯になります。

その5178.5万世帯のうちの49.7%(2558.4万世帯)が、高齢者世帯なのです。

なんと、全世帯の半分が「高齢者」がいる世帯なんですよ。

そのうちの「1人暮らし高齢者」に着目してみます。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 令和4年高齢社会白書」より

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_1_3.html
出典:内閣府  令和4年高齢社会白書 3 家族と世帯 より(7月31日利用)

上記のグラフは、65歳以上の「高齢者の一人暮らし」の男女別の数です。

2020年現在で、コロちゃんのような男性の一人暮らしの方は230.8万人、一人暮らしの女性は440.9万人もいらっしゃいます。

女性の方が、男性の倍近く多いのです。

男女合計すると671.7万人ですね。

これだけ多くの一人暮らしの「高齢者」がいらっしゃるのです。この方たちの「不安」を解消することは、「為政者のお仕事」なのではないでしょうか。

③高齢者の不安の内容

それでは、この多くの「高齢者」が、今どのような「不安」を感じているかを見て見ましょう。

上記で、「高齢者の経済的な暮らし向きの心配」を見てきましたが、次のグラフは「日常生活の不安」についての調査結果です。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 高齢社会白書」より

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/html/zenbun/s1_3_1.html
出典:内閣府 平成27年版高齢社会白書【全体版) 1 幸福感、不安に関する意識 より(7月31日利用)

上記のグラフで「日常生活の不安」を見ると、ベスト5は以下の通りです。

①「健康や病気のこと」
②「寝たきりや身体が不自由になり介護が必要な状態になること」
③「自然災害(地震・洪水など)」
④「生活のための収入のこと」
⑤「頼れる人がいなくなること」

上記のグラフで、圧倒的に棒グラフが長く伸びているのは、下記の二つです。

①「健康や病気のこと」
②「寝たきりや身体が不自由になり介護が必要な状態になること」

経済的な不安である『④「生活のための収入のこと」』は、『⑤「自然災害」』の次の4番目にランクインしています。

そして、孤独の『⑤「頼れる人がいなくなること」』が、5番目に顔を出しています。

「健康」や「病気」は、お金持ちにも平等に降りかかる問題です。ですから調査をすると上位に出てくるのでしょうね。

それは「高齢一人暮らし」であるコロちゃんにもよく理解できます。コロちゃんも「慢性腰痛」に長い間苦しめられていますからね。

しかし、上記の「一人暮らし高齢者」が「日常生活の不安」で訴えていることは、上から順番に「病気」「介護」「災害」「収入」「孤独」です。

「病気」「介護」は、個人ではどうしようもない側面もありますし、「災害」はもっと対処ができないでしょう。そうなると、残るのは「生活のため収入のこと」と「孤独」です。

このように見ていくと、「1人暮らし高齢者」が「不安」をなくそうとすると、働いて「所得」と「貯蓄」を得ようとするのは必然の行動だと思います。

3.高齢者の「就業」

上記で見てきた「家計にゆとりがなく心配である(31.2%)」の高齢者や、一人暮らしで孤立しやすい「高齢者」が対策をしようとすると、最初に考えるのは収入を増やすための「就労」です。

人生のリタイアを先延ばしにして、「家計のゆとり」を回復したり、預貯金を増やして将来に備えることを誰もが考えると思います。

それでは、次に「高齢者の就業の推移」を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「総務省統計局 高齢者の就業」より

https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1322.htm
l出典:総務省統計局 統計トピックスNo.132統計からみた我が国の高齢者ー「敬老の日」にちなんでー 2.高齢者の就業

上記のグラフは、2011~2022年の男女別の「高齢者の就業者数」の推移です。

2011年は「東日本大震災」があった年ですね。2013年は民主党政権から安倍自民党政権に変わった年です。2013~2020年はいわゆる「アベノミクス」の年になります。

上記の全期間を全期間を通して、「高齢者の就業」は増え続けているのです。

2013~2016年には「団塊の世代」が65歳を迎えていますから、その方たちが労働市場から退出せずに、年金をもらいながら非正規雇用に従事した可能性はあると思います。

しかし、その方たちも「生活」と「家計」に不安を抱えていなければ、喜々としてリタイア生活に入っていったではないでしょうか。

もう一つ、最新のデータを見て見ましょう。これは昨日のブログでも取り上げましたね。

下記の表をご覧ください。

「総務省統計局 令和4年就業構造基本調査」より

https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kall.pdf
出典:総務省統計局 令和4年就業構造基本調査 より(8月1日利用)

上記の表は、2017年と2022年の「年齢階級別の有業率」の表です。

上記の表の「総数」では、「有業率」は2022年が2017年よりも1.2㌽ふえています。

しかし、その内容を子細に見ると、2017年から2020年に「有業率」で増えたのは、「60歳以上」の高齢者のみなのです。

より詳しく一番右側の「ポイント差」の欄に注視しますと、男性で増えているのは「60歳以上」の4階層だけで、60歳未満は軒並み減少しています。

これは全国の「60歳以上」の高齢者が生活と将来の「不安」をなくそうと、リタイアをあきらめて、労働市場に再度参入したことを表しているのではないでしょうか。

4.「生活満足度」は?

ここまでは、「高齢者」の調査です。「高齢者」のことばかりだと、若い方に読んでもらえなくなりますから、次に「若者」も含めた調査を見てみましょ

次に、若者と高齢者の「生活満足度」を見てみましょう。

以下に取り上げるのは、内閣府が7月24日に発表した「満足度・生活の質に関する調査」です。

この調査は、我が国の経済社会の構造を人々の満足度(Well-being)の観点から多面的に把握し、政策運営に活かしていくことを目的として行なわれたものです。

調査方法は、約1万人へのインターネット調査(うち約6200人は前回調査からの継続サンプルであるパネル調査)です。

この内容を見ると、「生活満足度」では、ちょっと不思議な結果が出ているんですよね。

①生活満足度の推移(雇用形態別)

下記のグラフをご覧ください。。

「内閣府 満足度・生活の質に関する調査報告書」より

https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/manzoku/pdf/summary23.pdf
出典:内閣府 政策統括官 満足度・生活の質に関する調査報告書2023~我が国のWell-beingの動向~より(7月29日利用)

上記のグラフは、「雇用形態別」の「生活満足度・生活の質」の調査です。

誰もが予想する通り、「非正規雇用」の方の「生活満足度」は、「正規雇用」の方に比べて低い位置にあります。

しかし、「非正規雇用」の方の「生活満足度」が大きく低下したコロナ禍での2021年の大きな「谷」からは、やっと回復しつつあることも認められます。

もちろん「非正規雇用」の方の「生活満足度」が少々上昇しても、「正規雇用」の方には到底及びませんが。

②生活満足度の推移(年齢階層別)

この稿の冒頭に「ちょっと不思議な結果が出ている」と書いたのは、この調査結果のことです。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 満足度・生活の質に関する調査報告書」より

https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/manzoku/pdf/summary23.pdf
出典:内閣府 政策統括官 満足度・生活の質に関する調査報告書2023~我が国のWell-beingの動向~より(7月29日利用)

上記のグラフの「生活満足度」(年齢階層別)を見ると、コロちゃんと同じ年代の65歳以上(灰色の線)の「生活満足度」が一番高く、しかも横ばいに推移しています。

「生活満足度」が一番低い年齢階層は、「40~64歳」の社会の中堅層です。

しかも2021年のところに「谷」があります。これはコロナ禍の影響でしょう。社会の中堅層が一番不満を持ったようです。

そのコロナの影響も「39歳以下」では、コロナ後を迎えて上昇してきています。若者世代にとってコロナ禍はやっと終わったもようです。

コロちゃんが「ふしぎな結果」と思ったのは、このグラフでは「65歳以上」方の「生活満足度」が一番高く、「39歳以下」が次で、「40~64歳」の方が一番「生活満足度」が低いことです。

上記で見てきたデータからは、「家計が苦しく生活に心配がある」と回答する高齢者は増加している傾向があります。

それなのに、この調査では「65歳以上」の高齢者の「生活満足度」は高いのです。

この理由は何でしょうか?

コロちゃんの仮説は、「65歳以上」の方の「生活満足度」はそんなに高くない。

しかし、「39歳以下」と「40~60歳」の「生活満足度」は、よりさらに低い、というものです。

その結果として「65歳以上」の「生活満足度」が、相対的に高い数字となっていると思ったのです。

いかがでしょうか、みなさんは、このグラフをどう読み取りますか? 何かそれなりの理由があるはずですよ。

③分野別満足度の変化(男女別)

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 満足度・生活の質に関する調査報告書」より

https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/manzoku/pdf/summary23.pdf
出典:内閣府 政策統括官 満足度・生活の質に関する調査報告書2023~我が国のWell-beingの動向~より(7月29日利用)

上記のグラフは、「分野別満足度の変化」のグラフです。上のグラフが「男性」で、下のグラフが「女性です。

性別、年齢別とも「家計と資産」「雇用環境と賃金」「子育てのしやすさ」が低下しています。

これは今の世の中で「生活が苦しくて貯蓄ができない」「非正規雇用が多く、賃金が安い」「子どもを持つことが罰のようになっている」ことの反映かと思います。

そして、昨今の「物価上昇」への不満の表れでもあるかと思います。

また、男性の40~64歳(社会の中堅層)で、「生活の楽しさ・面白さ」が大きく低下しているのが目につきます。

これは、成長できない日本で、所得が低迷していることによるものかと、コロちゃんは考えましたが、いかがでしょうか。

5.「不安・不満」をなくすのは為政者のお仕事

今日のブログで取り上げたデータは、すべて「内閣府」が調査して発表されているものです。

「内閣府」がこのような調査を行なっているのは、これを政策に生かして国民の生活を守るためです。

しかし、多くの「高齢者」や「若者」の、上記されている様々な「不安・不満」を一気に無くすような「魔法の杖」は、どんな「政治家」でもどんな「政府」でもお持ちにならないと思います。

しかし、一気にではなくとも、できることは沢山あると思うのですが、現実は遅々として進みません。多くの方が抱えている「不安・不満」を解消するのは政治のお仕事です。

もっと、しっかり頑張ってもらいたいとコロちゃんは考えています。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

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