【社会考】「少子化対策」の大いなる誤解

社会

おはようございます。昨日はコロちゃんちの上空で、すごい雷が鳴っていました。雨もジャバジャバ降っていましたね。

それが、ちょっと時間が経つと青空が見えて来るんですから、夏の雷雨は凄まじい変化ですね。

しかし、雷雨が来るのは夏の終わりが近いと言われますが、ホントでしょうか。コロちゃんは、早く涼しい秋が来ないかと待ちどおしいです。

今日は、「合計特殊出生率」についてポチポチします。

1.「少子化対策」の現状

「少子化対策」は、去る6月13日に「子ども未来戦略会議」が開かれて、「子ども未来戦略方針」が確定しています。

その主要な内容では、三つの基本方針を打ち出しています。

①若い世代の所得を増やす
②社会全体の構造・意識を変える
③すべての子ども・子育て世帯を切れ目なく支援する

また、「子ども未来戦略会議」では、以下の方針も打ち出しています。

①児童手当の所得制限撤廃
②男性の育休給付金を増額
③安定財源は、28年度までに確保

これらの具体的政策での、一番の目玉政策は、「児童手当」です。

「児童手当」の所得制限を撤廃し、今は中学生までの支給期間を高校生の年代まで延長します。支給額は0~2歳は月1万5千円、3歳から高校生までは、月1万円となります。

そして、第3子以降については、0歳から高校生まで月3万円の支給となると発表しています。

その詳細な内容をご覧になりたい方は、以前のこのブログでポチポチしていますので、お読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

【社会考】「子ども未来戦略方針」が決まったよ

これらを実施する「子ども家庭庁」の予算は、5.2兆円規模と言われています。
(前倒し実施分含む)

しかしコロちゃんは、これらの「少子化対策」を見ていて、まず成果は上がらないだろうと考えています。

2.「合計特殊出生率」の誤解

上記でコロちゃんは、岸田総理の「少子化対策」について、成果は上がらないだろうと書きました。

その理由は、これらの「少子化対策」を設計するにあたって、大いなる誤解があると思ったからです。

「少子化対策」について議論する時には、「合計特殊出生率」という数値が良く例示されます。2022年の「合計特殊出生率」は、過去最低の1.26です。
(厚生労働省 人口動態統計概数より)

この「合計特殊出生率」とは、どのようなものでしょうか。

下記の引用をご覧ください。

「ウィキペディア 合計特殊出生率」より

合計特殊出生率( TFR)とは、人口統計上の指標で、15~49歳までの既婚・未婚問わない全女性の年齢別出生率を合計したもので、女性人口の年齢構成の違いを除いた『その年の出生率』を意味する。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E8%A8%88%E7%89%B9%E6%AE%8A%E5%87%BA%E7%94%9F%E7%8E%87
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「合計特殊出生率」最終更新 2023年8月12日 (土) 10:54 

上記の引用が「合計特殊出生率」の解説です。

その「合計特殊出生率」の推移も見ておきましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 少子化対策の現状」より

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/gian_hokoku/20220614shoshikagaiyo.pdf/$File/20220614shoshikagaiyo.pdf
出典:内閣府 令和3年少子化の状況及び少子化への対処施策の概況(令和4年版少子化社会対策白書)より(8月24日利用)

上記のグラフで、□で囲んである数字が「合計特殊出生率」の数値です。

1973年に2.14でしたが、1989年に1.57まで低下し、その後も1.26とか1.33とか低迷しています。

この図は、今までにも何度も見ているのですが、この「合計特殊出生率」には、大いなる誤解があるんですよ。

ちょっと見には気が付かないんですよね。コロちゃんも最初は全く気が付きませんでした。

えっ? 何がだよって? 

「それは、いー質問ですねー!」
(池○彰さん風に)m9(^Д^)フ

「合計特殊出生率」は、「15~49歳までの既婚・未婚問わない全女性の年齢別出生率を合計」したものなのです。

まだ、気が付きませんか? それでは、次をお読みください。

3.「合計特殊出生率」は「夫婦が持つ子どもの数」ではない

ちょっと誤解しやすいのですが「合計特殊出生率」は、「夫婦が持つ子どもの数」ではないのです。

「合計特殊出生率」の計算の分母には、「既婚女性」だけではなく「未婚女性」も入るのです。

上記のウイキペディアでも「既婚・未婚問わない全女性の年齢別出生率を合計」とありますよね。

「夫婦が持つ子ども」の数は、「完結出生児数」と言います。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 結婚をめぐる意識等」より

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01pdfhonpen/pdf/s1-4.pdf
出典:内閣府 結婚をめぐる意識等 より(8月24日利用) 

上記のグラフを見てもわかるように、日本の夫婦から生まれる子どもの数(完結出生児数)は1970年代以降、現在までほとんど横ばいに推移しています。

グラフでは、1972年に2.20を示しており、それから2015年の1.94まで、微減程度の推移ですね。

日本では、ほとんどの子どもが「夫婦」から生まれてきますから、「少子化」の原因は「既婚の夫婦」にはないのです。

(日本の非嫡出子「夫婦以外から出生した子」の割合は約2%しかない)

4.少子化の原因は「未婚者」の増加

そうなると、「少子化」の原因はどこにあるのでしょうか。

下記の計算式を見てください。

「既婚女性の出生数」/「未婚女性数」+「既婚女性数」=「出生率」

現在の日本では、「未婚女性の出生数」はほとんどゼロとみなしてもよいので、「未婚女性」が増えれば増えるほど出生率は低下します。

「既婚女性の産む赤ちゃん数」は、1972年(2.20)から2015年(1.94)とほとんど横ばいとなっていいます。

ですから、計算式からいって「未婚女性」が増えれば増えるほど、「出生率」は低下する構造となっています。

ここでやっと「合計特殊出生率」の誤解の内容がわかりました。

日本では、1970年以降、現在まで夫婦から生まれてくる子どもの数は微減程度で、ほとんど変わっていないのです。

そうなると「少子化」の原因は、「結婚した夫婦の減少」であり「未婚女性」の増加ということになります。

5.岸田総理の「少子化対策」

やっと、「少子化」の原因が分かったところで、冒頭で書きました岸田総理の「少子化対策」をもう一度見てみましょう。

①児童手当の所得制限撤廃
②男性の育休給付金を増額

これは、「既婚夫婦」ヘの支援策ですよね。今提起されている「少子化対策」のほとんどは「既婚夫婦」への支援策なのです。

上記で見てきたように、現在の「少子化」の原因は「既婚夫婦」にはありません。「既婚夫婦」は1.94(2015年)の出生数なのです。

岸田総理の「少子化対策」は、既婚夫婦からの更なる出生を促す一定の効果はあるかもしれませんが、それでは大きな伸びは望めないでしょう。

今「少子化対策」で必要なことは、「結婚しない・できない若者たち」への支援なのではないでしょうか。

コロちゃんは、子どもがワサワサと走り回っているのを見るのは好きですから、ぜひそのような光景が見られるような「少子化対策」を進めていただきたいと考えていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Jill WellingtonによるPixabayからの画像
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