【社会考】「介護保険料」が上がるって

社会

おはようございます。今朝ワンコとの散歩に行こうと玄関を開けたら、地面が黒く濡れていました。

どうやら夜の内に雨が降ったようです。久しぶりの雨ですね。幸いもう止んでいましたが、今日は一日中「雨模様」の日となるようです。

気温は15度と11月初旬にしてはとても暖かく、コロちゃんとワンコも気持ちよく歩いてきました。それにしても、今年の秋はまるで「夏の終わり」を引きずってきたように暖かいですね。

コロちゃんは、寒がりですから「暖かい秋」はありがたいです。

今日は「介護保険料金が上がる」という話をカキコキします。

1.「介護保険料引き上げ」

報道によれば、厚生労働省は「65歳以上の介護保険料に関して、2024年度から所得上位層での引き上げを検討」すると報じられました。

その内容は、「年間所得410万円以上(月34.2万円以上)」を目安とする案があり、その場合は高齢者人口の4%の140万人が対象」となるとしています。

コロちゃん自身は、皆さんも既にご存じの通り、自他ともに認める「収入は年金のみ」の「清貧生活」です。

ですから、とても「年間所得410万円以上(月34.2万円以上)」には届きませんので、コロちゃんは今回の報道の対象外です。

しかし、このような「料金引き上げ」の動きは、これから先もどんどん続くと思われますので、今はお若い皆さんもこの内容をキチンと知っておいた方が良いと思われます。

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コロちゃん

いよいよ介護保険料を上げるのかー。

日本人口の最大ボリュームゾーンの「団塊の世代」が、2023年現在で74~76歳ですからね、これからも介護保険を利用する人数は増え続けるでしょう。

税金投入も増えるでしょうから、介護保険料も上げざるを得ないのでしょうね。

コロちゃんは、「介護保険利用者」ですから、制度の持続性の為にも、一部の高収入の方の保険料の値上げは仕方がないと思いますよ。

若い方(40歳~65歳)の、介護保険料を上げるよりは、よっぽど良いですね。

2.「介護保険とは何か?」

まずは「介護保険とは何か?」を調べてみました。

かつては、子どもや家族が行なうものだとされていた親の介護を「社会全体で支える」ために、2000年に創設された制度が「介護保険」です。

「みんなで支え合う介護」が、その制度発足時のキャッチコピーです。

この「介護保険制度」は、創設が2000年ですから、今から23年前ですね。そんなに古い制度ではありません。

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コロちゃん

コロちゃんは、この「介護保険制度」の導入時を記憶していますよ。コロちゃんは当時40代半ばですから、新たな保険料が、お給料から天引きされることになったわけです。

その説明は、会社側と労働組合が全員集会で行なっていたと思いますね。さすがに当時の説明内容までは覚えていませんが。

しかし、あまり反発はなかったようでしたよね。やはり、自分も老後にお世話になるかもしれないというのが、受け入れがスムーズにいった理由でしょうね。

3.「介護保険制度の成立」

コロちゃんの理解としては、1970年代の高度成長期に、田舎から大量の若い労働力が都市部に移動してきました。いわゆる「団塊の世代(1947~1949年生まれ)」ですね。

その多くは次男・次女以下の未成年の若者たちです。そしてそれらの方々は、そのまま都市部で家族を持ち定着して「核家族」を構成していきました。

その若者たちの親世代は、田舎にそのまま残り年齢を積み重ねていきます。2000年頃には、それらの「高齢者の介護による離職」が社会問題となっていました。

また、都会で「核家族」を構成してきた若者も年齢を積み重ねるなかで、介護の問題が浮かび上がってきました。

それを見据えて1990年代から「介護保険」を、厚生労働省が準備していたのでしょう。

「介護保険法案」が国会に提出されたのは1996年(平成8年)で、成立は1998年(平成10年)、施行されたのは2000年です。

今から、この「介護保険法」の成立を振り返ってみると、その時点のおそらく厚生省の官僚さんだと思いますが、その先見性に驚くと同時に感謝の思いをコロちゃんは持ちますね。

だって、その1990年代にはまだ「高齢化」はそんなに進行していなかったんです。

社会の高齢化の表現には、以下の「定義」があります。
①「高齢化社会 7%」
②「高齢社会 14%」
③「超高齢社会21%」

1990年の日本社会の高齢化率は、まだ12.1%です。

上記の定義でいう「②高齢社会14%」に日本が入ったのは1995年でした。

この経過を見ると、2000年の「介護保険制度」の出発は、日本の「高齢化」の進行に何とか間に合ったと言えると、コロちゃんは思いましたね。

この1990年代末期という時代は、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行が破たんするなどの「平成不況」の真っただ中でした。

1998年の経済成長率は、戦後最悪と言われるマイナス2.5%、完全失業率は4.1%と、不況が連鎖する「デフレスパイラル」に突入していると言われました。

今から思えば、このような経済が沈滞した暗い世の中で、よくこの「介護保険法案」の成立にこぎつけたものだと思いますね。

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コロちゃん

コロちゃんが働いていた東京では、コロちゃんより少し上の「団塊の世代」が沢山働いていました。

コロちゃんが若い時に同僚や先輩に出身地を尋ねると、そのほとんどが東北地方出身者だったのを憶えています。

東京と言う大都市は、主に東北地方からの若い労働力を引き付けて「高度成長」を支えていたのです。

そういえば「♪僕の恋人東京へいっちっち♪(曲名:「僕は泣いちっち」1959年 歌:守屋浩)なんて歌がはやっていましたね。

4.「絶妙な加入年齢設定」

介護保険の加入者は、以下の二通りになります。

①「65歳以上の方」
②「40~64歳の医療保険加入者」

要するに事実上は40歳以上の方は全員となりますね。

その理由としては、概ね40歳ぐらいから介護が必要な状態となる可能性が高くなることや、自らの親も介護を要する状態になる可能性が高くなるからとされています。

自身の老後がどうなるのかは、誰にもわかりませんから、比較的抵抗や反発が少ないと思われたのでしょうね。実に絶妙な年齢設定になっていると、コロちゃんは思いましたね。

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コロちゃん

誰しもが親御さんがありますし、田舎から東京に出てきている若者には、故郷に父母がいる者が大多数でした。

1990年代末には「団塊の世代」も50代です。田舎の老親はちょうど70~80代でしょう。

普通ならば、新たな「社会保険」を立ち上げて、いきなり「保険料の徴収」が始まれば、社会の反発は必至なのですが、この「介護保険」の導入には、大きな反発はなかったように記憶していますね。

5.「介護保険料金は?」

面倒くさいことに、「介護保険料」は、年齢や加入している「社会保険」によって、金額や支払い方法も異なっているのです。

以下概略を記載します。なお、「介護保険料の支払い」が発生するのは、加入義務が発生する40歳以降からです。

①「40歳~64歳で会社の健康保険に加入している場合」

「標準報酬月額」によって介護保険料が決まります。

「標準報酬月額」とは、毎年4~6月の給与の平均額を「標準報酬月額表」の等級に当てはめて決めるものです。

会社員の場合は、被保険者と事業主が折半で介護保険料を負担します。また、夫の扶養に入っている場合は、保険料を納める必要はありません。

②「40歳~64歳で自営業で国民健康保険に加入している場合」

40歳~64歳で自営業を営んでおり国民健康保険に加入している人は、本人の年収に応じて介護保険料を払います。

③「65歳以上の場合」(コロちゃんはここです)

2021~2023年度における65歳以上の介護保険料の全国平均月額は6,014円です。
(厚生労働省発表)

しかし「介護保険料金」は、居住する自治体によって金額が異なります。

高齢者が多く「介護保険利用者」が多い自治体では高い金額となり、逆に介護保険を利用する高齢者が少ない自治体は安くなっています。

また、本人の所得や世帯の課税状況によっても差が付きますので、居住する自治体によって3300~9800円と大きな差があります。

ちなみに、コロちゃんの居住する自治体では、所得によって「介護保険料」が12段階に分かれており、コロちゃんは中ほどの第7段階に区分されていました。

そのコロちゃんの「介護保険料金」は年間6.3万円(月5250円)でした。

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コロちゃん

会社員で40~65歳の方の「介護保険料」は、下記の通り「標準報酬月額」によって決まります。
①「標準報酬月額30万円 ¥2460円」
②「標準報酬月額40万円 ¥3362円」
③「標準報酬月額50万円 ¥4100円」
コロちゃんの月5250円と比べるとお安いですね。

これは、会社員の介護保険料は、会社負担が半額あるためかもしれませんね。

なお「介護保険料」は「住民税非課税世帯」でも、減額(基準額×0.3)はされますがキチンと徴収されることとなっています。

(「生活保護者」の「介護保険料」は生活扶助(生活保護費)によって補われます)

6.「コロちゃんの介護保険利用」

コロちゃんは、抗がん剤のステロイド薬の副作用で、骨粗しょう症を発症しました。

その結果、脊椎の「圧迫骨折」を2回起こしてしまいました。

その2回目の「圧迫骨折」は、上位バージョンの「破裂骨折」と診断されています。

その結果、最後の「破裂骨折」から2年以上たった今でも強い「腰痛」に苦しんでいます。

この「腰痛」のために、生活上にいろいろな不都合が生じていますので、コロちゃんは、「要介護認定」の申請を行なって、「要支援1」と認定されています。

①「介護保険訪問ヘルパー」

コロちゃんは、現在「介護保険制度」を利用して、週2回(それぞれ1時間)「家事援助」の「訪問ヘルパーさん」に来てもらっています。

この「家事援助」の内容は、「お風呂掃除、トイレ掃除、居間掃除等」です。

コロちゃんの「腰痛」は、屈むと強い痛みが生じますので、このお掃除の「家事援助」には、とても助けられています。

この家事援助の「訪問ヘルパーさん」の派遣の料金は、毎月¥2996円となっています。これは介護保険サービスの利用は、自己負担10%だからこの料金で済んでいるのです。

②「介護保険訪問リハビリ」

また、コロちゃんは、痛む腰痛の治療の為に「訪問リハビリ」をお願いしています。毎週1回40分間のリハビリを「作業療法士」の方か「理学療法士」の方に自宅に来てもらっています。

これの自己負担料金は、毎月¥2781円です。これも介護保険利用で10%の自己負担となっています。

このように「介護保険サービス」の利用料金は、自己負担額は10%となっているのです。その残りの90%はどこから持ってくるのかと言うと、下記をご覧ください。

「厚生労働省 介護保険制度」より

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/2gou_leaflet.pdf
参照:厚生労働省 介護保険制度についてより(11月6日利用)

上記のイラストが「介護保険利用サービス」の負担割合です。その割合は以下の通りです。

①「第1号保険料22%」(コロちゃんのような65歳以上の高齢者の「介護保険料」から拠出)

②「第2号保険料28%」(40~64歳の方の「介護保険料」から拠出)

この二つの「介護保険料」を足しても、全体の50%にしかなりません。残りの50%を以下の通り、公費(税金)で負担しているのです。

③「国25%・都道府県12.5%・市町村12.5%」

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コロちゃん

コロちゃんは、すごく助かっていますよ。毎月¥2996円+¥2781円=¥5777円で、「訪問ヘルパー」と「訪問リハビリ」のサービスを受けられるんですからね。

コロちゃんひとりだったら、腰が痛くて屈んでの風呂場やトイレの掃除なんてできませんでしたからね。

「介護保険」があって良かったと感謝していますよ。

7.「高所得層から低所得層への所得移転」

上記のように、今日のブログでは「介護保険料引き上げ」の報道から、「介護保険とは何か?」と「介護保険制度の成立」や「加入年齢設定・介護保険料」を見てきました。

しかし、今回の「介護保険料の引き上げ」は、内容と趣旨がそれまでと全く違ったものとなっています。

今回の改革は「所得410万円以上」の「所得上位層」の「介護保険料」を引き上げて、その生み出した財源を「住民税非課税」の「低所得層」の保険料の引き下げに使うというのです。

本来ならば「高所得層」から「低所得層」への「所得移転」は、所得税などの累進課税で行なわれるはずなのですが、それを「介護保険料」で行なおうとしているのです。

報道では、「65歳以上の所得410万円以上の高所得層の負担増加分を財源として、住民税非課税の低所得層の保険料を引き下げる。対象は1300万人で高齢者人口の35%」と報じられています。

このような「介護保険料」の徴収を利用した「所得移転策」は、コロちゃんの知る限りは初めてです。

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コロちゃん

日本で格差が広がっているとは、ずいぶん以前から言われてきましたけれど、その格差の縮小策の増税はなかなか国民には受け入れられません。

なかなか「格差是正」は難しいとコロちゃんは考えていましたけれど、こんな「からめ手」があったと言う事に驚きました。

しかし、「介護保険料引き上げ140万人」に対して、それを財源とする「介護保険料引き下げ1300万人」では、格差是正策としては、あまり効果は期待できないようにも思えますね。

8.「日本の高齢者の貧困層は1300万人」

コロちゃんは、今回の「介護保険が上がる」という報道で、初めて高齢者の中の「住民税非課税世帯」の割合と人数を知ることができました。

「住民税非課税世帯」とは、お国が「あなたは貧乏だから、税金を払わなくていいよ💕」という事です。
コロちゃんの解釈です)

これらの報道で分かったことは以下になります。

①岸田総理の「5兆円規模の減税と給付」の報道で、「住民税非課税世帯」が1500万世帯(2500万人)。

②「介護保険料が上がる」の報道で、「65歳以上の高齢者の『住民税非課税』は1300万人で高齢者人口の35%、高所得層は140万人。」

上記の①②で分かったことは、下記のようになります。

◎「日本全体の低所得層 2500万人」

❶「高齢者全人口   3623万人」
❷「高齢者 高所得層  140万人」(年間所得410万円以上、月34.2万円以上)
❸「高齢者 低所得層 1300万人」(住民税非課税、高齢者の35%)

日本全体の低所得層(住民税非課税世帯)が2500万人と言うと5人に1人にもなります。

そして「高齢者」だけを見ても、「高齢者の貧困層1300万人(35%)」と言えば、3人に1人以上となります。すごい数ですよね。

コロちゃんの心境としては、「昭和・平成・令和」と生きて来て、その最終地点が「貧困層」であった「3人に1人の高齢者」に心を寄せますね。

コロちゃんと同じ高齢者の皆さんの人生が、充実したものとなることを心から願います。

しかし、1980~1990年代には「一億総中流」と言われた日本が、なぜこのような社会になってしまったのかと、コロちゃんは嘆息する思いを持ちましたよ。

一言で言いますと「こんなはずではなかった」です。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

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