【読書考】「パラサイト離婚社会」を読んで

読書

おはようございます。今日のコロちゃんはちょっと気分が落ち込んでいるんです。

なぜかと言うと、さっきコロちゃんは「月に1度の内科医院の診察」に出かけて帰ってきたんですけど、居間でお薬や領収書の整理をしていたら、「診察券とマイナンバーカード」が無い!
(•﹏• ; ก)アレッ?

「おっかしいなー? 確かさっき『薬局』で出して見せたんだけどなー?」byコロちゃん

コロちゃんは、いつも出掛ける時に持ち歩いている「トートバッグ」をガサゴソかき回して探してもありません。

次は「トートバッグ」を裏返してパンパンはたいても、ないものはない!

よーく、さっきの「薬局」での動きを考えて見ると、薬局のお姉さんが「はい、お薬です。410円ですよ」と言った時に、コロちゃんはどうしたっけ・・・?
( ̄へ ̄|||) ウーン…

うん、そうだ。左手にもった「診察券+マイナンバーカードのビニールケース」を、左側の棚に置いて、お金を出してから、両手でお薬を受け取ったよね。

その後に、左側の棚に置いた「診察券+マイナンバーカードのビニールケース」を、取り上げた記憶は・・・ない!

「あー、わーすーれーたー!」byコロちゃん 
(ノ゚ο゚)ノ オオオオォォォォォォー,

さっそく、コロちゃんは「薬局」に☎しておずおずと問合せします。

「あのー、コロちゃんなんですけど・・・忘れものしていませんでしたか?」byコロちゃん

by<br>薬局のお姉さん
by
薬局のお姉さん

はい、ございましたよ。お預かりしていますよ。

いつでも取りにお越しいただいて結構ですよ。

いやー、まいったなー。コロちゃんはこの「薬局」で2~3ヶ月前に「保険証」の忘れ物をしたばかりなんですよね。

「薬局のお姉さん」は、たぶん「コロちゃんは認知症の可能性が高い」と思ったろーなー。

コロちゃんは、そそくさと「薬局」を訪ねて「診察券+マイナンバーカードのビニールケース」を回収してきましたよ。

ただ、恥ずかしいから、このことはナイショにしておいてくださいね。
( ̄b ̄) シーッ

今日は「パラサイト離婚社会を読んで」をカキコキしますね。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「パラサイト離婚社会:山田昌弘:朝日新書:2024年と、時代は変わっているのに結婚観は古い若者たち」

☆「お一人様社会の誕生と、結婚は愛情+経済だ」

☆「3割を超えるとマイノリティではなくなると、実は未婚者の8割が結婚を希望」

☆「社会の側からの視点と個人の側からの視点と、多様な幸せな家族が見たい」

☆「コロちゃんの時代との違いと、どうすれば良いのだろうか?」

1.「パラサイト離婚社会:山田昌弘:朝日新書:2024年」

皆さんは「婚活」という言葉をご存じですよね。結婚相手をさがす「結婚活動」の略語です。

しかし、この「婚活」は上記の本の著者である「山田昌弘さん」が2008年に創り出した「造語」なのです。

本書の著者は「家族社会学」の学者で、現在は「中央大学教授」です。生まれは1950年で「団塊の世代(「1947~1949年生まれ)」の弟世代となります。

コロちゃんよりは、少し「お兄さん」ですね。

この日本の「家族社会学」の権威である山田先生は、本書の中で「日本の少子化」の背後には「きわめて日本的な結婚観・未婚観・離婚観が隠れている」と指摘されています。

そして、それをキチンと理解しない限りは、今行なわれている、あるいは行おうとしているあらゆる「少子化対策」は効果はないだろうと言っているのです。

ね、ここまで言われると興味が出て来るでしょう? 

コロちゃんも、本書で出て来る「少子化のデータ」は知っていることばかりでしたが、その背後に「きわめて日本的な結婚観・未婚観・離婚観」があるとは思いもつきませんでしたよ。

それでは、本書の内容を簡単にご紹介してみますね。

2.「時代は変わっているのに結婚観は古い若者たち」

著者は「大学の教授」ですから、多くの学生との対話をしてきています。

その中で女子学生が、下記のようなことを言うそうです。

「ある程度の年収の男性と結婚して専業主婦になりたい」

「自分も働いてもいいが・・・男性にもそこそこの収入を望みたい」

「子どもは2人、なおかつペットと暮らしたい」

これらの「女子学生」の大半が、昭和時代に生きて来た著者の「ザ・昭和的な結婚価値観」を維持していることに、著者は驚いたと書いていますね。

要するに「令和の学生」は、「他人が新しい価値観を持ってそれを実践しても構わないが、自分は昔ながらの結婚をしたい」と言うのが本音だと言うのです。

コロちゃんは、ここを読んで「ウーン」と我が身を振り返ってみましたね。

コロちゃんは、もう「こらいまれ」年代のバリバリの「昭和世代」でしたから、「結婚⇒子ども⇒妻は専業主婦」の当時の一般的な道を歩みましたね。

そして、コロちゃんの子どもたちは確か「昭和の終わりごろの生まれ」でしたけど、今の生活は2人とも「結婚」して、ヨメ様は「パートと育休中」ですよね。

これを見ると二人とも「「ザ・昭和的な結婚価値観」と言ってもいいでしょうね。

しかし、最近の学生たちと言ったら「平成時代生まれ」ですよね。それが古い「ザ・昭和的な結婚価値観」だとは、ちょっと驚きましたね。

3.「お一人様社会の誕生」

ではその古くから続く「日本的な結婚観・家族観」とはどんなものなのでしょうか?

本書は「サザエさん家族」を例に挙げます。

サザエさん夫婦+その子(タラオ)+その親の祖父母夫婦(波平・フネ)+サザエさんの弟(カツオ)・妹(ワカメ)が同居する「3世代の大家族」です。

そして、もう少し時代が下がると「クレヨンしんちゃん」の夫婦2人+子ども2人の「核家族」に変わっていきます。

しかし、上記のような「3世代家族」や「核家族」は、既に社会の少数派となって「単独世帯」が社会のマジョリティ(多数派)となっていると、本書では指摘するのです。

何しろ、山田教授は「家族社会学」の権威ですから、具体的な数字は直ぐに出てきます。

2020年の「その他の世帯(3世代以上世帯を含む)」はわずか7.7%で、「夫婦と子どもからなる世帯」も25.1%に減少し、両方合わせても3割強。

代わりに増えてきたのは「単独世帯38.1%」と、いわゆる「お一人様社会が誕生した」というのです。

この「お一人様」が社会のマジョリティと言う「時代の変化」の中で、人々の意識は相変わらずの「昭和の価値観のまま」というギャップが、あちこちで吹き出していると著者は言います。

そこで断言しているのは「ザ・昭和的な結婚観・家族観」はもはや「非現実的な虚像」となっているということです。

それは「実現不可能な夢となってしまった現実」があるのだとするのです。

そして「(男性なら)新卒で入社したら後は頑張って働けば定年まで安泰」とか「子を産み育て成人するまで親の収入が安定していた」という大前提が崩れたというのです。

つまり、日本が「非正規雇用社会」へ移行したことで、「皆婚社会」もまた成立不可能となったと断言していますね。

何とも、シビアな直言ですね。しかしコロちゃんは、多くのデータをこのブログでもご紹介していますから、真っ当な意見だと思いましたよ。

4.「結婚は愛情+経済だ」

ここで著者は「結婚とは何か?」との問いに答えを提起しています。

コロちゃんは「結婚とは男性ではイベント、女性にとっては生まれ変わり」との言葉を、以前に聞いたことは在りました。

この言葉は山田先生の著書の「結婚の社会学:1996年」に初めて書かれたそうです。さすが「一言で時代を切り取る」ことがうまいですね。

本書では、「日本の結婚」で女性は「結婚」に「愛情+経済的安定性」を求めざるを得ないと実例を挙げて主張されています。

おとぎ話の主人公が王子様と結婚し、めでたしめでたしとなったのは、王子様が「愛情+経済的安定性」を提供してくれる保障があったからだと、身もふたもない事を書いていますね。

だけど、この「経済的安定性」を女性たちが重視するのは、今では誰もが知っていることでしょう。

しかし、コロちゃんも知りませんでしたが、欧米では違うと言うのですよ。

「欧米」では、2度の戦争の後に女性の社会進出が進みましたが、同時に「社会の低所得階層における女性たちの立場向上や救済措置」も進められたというのです。

その結果スウェーデンでは、日本の「母子家庭の貧困」のような光景は存在しないと書いていますね。

そして女性に対する「職場差別」がなく、子どもに対する公的支援制度が整っているとしています。

その結果「欧米社会」では、結婚は「愛情がある」かどうかが唯一の基準で、「愛情が無くなったら別れるの」もまた当然という社会で、そこに「経済問題」は存在しないと言うのです。

そもそも「欧米では財布が夫婦別々なのが当たり前の社会」だとも書かれていますね。

コロちゃんは、今は亡き妻と一緒になって以来、財布は全部妻に任せていましたから、ここで初めて自分のやり方が、世界基準では「スタンダード」とは言えなかった事を知りましたよ。

コロちゃんが知ったのが今ですから、もう遅かったですけどね。

しかし、このように「他者(欧米」)と「自分(日本)」を比較して、初めて「自分(日本)」の姿を知ることができるのですね。

上記したように「日本」の結婚が「愛情+経済」ならば、「低所得者の増加や非正規雇用者の増加」が、即「未婚者の増大」に結びついている理由が良く理解できますよね。

逆に言えば、「日本」で婚姻数を増やすためには、未婚者の「経済問題」を解決すれば良いということになりますね。

5.「3割を超えるとマイノリティではなくなる」

コロちゃんは、以前に1970年代のコロちゃんの青春時代の「生涯未婚率の低さ」をこのブログでご紹介したことがありましたから、データは知っていました。

しかし、本書では「未婚率・離婚率」が一定の量を超えると「社会での認識が変わる」と指摘しています。「常識」は量で変わるとしているのです。

まずは「生涯未婚率」を見てみましょう。

◎「生涯未婚率」

➀「1950年:男性1.5%:女性1.4%」(終戦直後)

この数字を本書では「100人いれば98人が結婚していた皆婚社会」と紹介しています。

➁「2020年:男性28.3%:女性17.9%」

③「2035年:男性29.0%:女性19.2%」(緩めの推計)

この➀~③を示して本書では、現在の「私たち日本人は男性の3人に1人、女性の5人に1人が結婚しない社会に生きている」としています。

更に「未婚・離別・同性婚」を示して、「それが社会全体の1割に満たない時代」では「これだから未婚は」とかの「個人の属性」の問題とされると言います。

しかし、数が増えるとタブー視されずに一般的になるとしているのです。

なんとも興味深い指摘ですね。社会の「当たり前でしょ!」とされる「常識」が、3割を超えると書き変わるというのですよ。

著者は「離婚」がレアケースとされなくなったのは1980年代以降で、「未婚」は2000年代以降としていますね。

これは「離婚・未婚」がその時点から「市民権を得た」ということなのでしょうね。

今の日本は、「愛情」が無くなって「経済的問題」さえ解決できるならば、誰もが「離婚」を堂々と口に出せる時代がきているのでしょう。

6.「実は未婚者の8割が結婚を希望」

このデータはコロちゃんも知らなかったのですが、「実は未婚者の8割が結婚を希望している」という調査があるというのです。

本書では「国立社会保障・人口問題研究所」が、18~34歳の未婚者を対象とした調査結果を紹介しています。

それによると「男性未婚者の81.4%、女性未婚者の84.3%が、いずれ結婚するつもり」と回答しているというのです。

これを本書は「若年未婚者の8割以上が実際は結婚を望んでいる。彼らは自ら未婚を望んでいるのではなく、結果的に未婚になってしまっている」としています。

そして「適当な相手が見つかり、結婚する必要性を実感すれば、そして結婚資金・生活資金が十分にあれば、彼らはいつでも結婚したいのです」と続けています。

ただ「結婚してやっていけるような経済基盤が得られない。だから結婚しない」というのですよ。

この様子を、本書では「多様な選択肢に疲弊する個人化社会」となり、しかも「結婚も弱肉強食の戦国時代」となったと評しています。

7.「社会の側からの視点と個人の側からの視点」

最後には「社会的視点」として「独身者の増大は社会全体の問題」となると、「老々介護・中年の引きこもり・独居老人・孤独死」等をあげています。

これらの「高齢者の最後を看取るための莫大な費用」は次世代の負担となり、持続可能ではないと言うのです。

そして、「個人の側からの視点」としては、今から進んでいる「未婚社会」は、「不幸の共同体」に陥りかけているのではないかと、問いかけています。

現在の「中流層」も「自分だけなら、どうにか無事に人生をおくれそうだが、我が子は自分と同じランクの人生を歩めるだろうか?」と、「中流層からの脱落」の危機意識があると言います。

そして「だからこそ結婚相手に人生の保険をかけられる充分な資質がなければならない」となると言うのです。

いやいやホントに厳しい社会ですね。コロちゃんが若かったら、絶対に結婚できない世界ですよ。

かつての「皆婚社会」だった「昭和時代」がどれほど良い時代だったかと思わざるを得ませんね。今の若い独身者に失礼かもしれませんが、思わず同情しちゃいましたよ。

何でこんな社会になっちゃったんだろうなー?

8.「多様な幸せの家族が見たい」

もちろん、ネガティブな現状認識ばかりではありませんよ。

本書は、最後に「多様な幸せの家族を求めて」と、「自分の人生にコミットしてくれる相手がいることは生きる上での大きなエネルギーになる」と訴えていますね。

そして、著者は「日本の家族の在り方を何十年と見てきていて、そろそろ不幸な共同体でない幸せな共同体を見たい」と希望して、本書を締めています。

ただコロちゃんは、そこまでのほとんど全編を貫いて書かれている「パラサイト離婚社会の現実の重さ」に圧倒される思いでしたね。

9.「コロちゃんの時代との違い」

コロちゃんは、1970年代前半の「皆婚時代」の時に、今は亡き妻と一緒になりました。だから「結婚」することに何の疑問の躊躇もなく、周りのみんなと同じように「結婚」しましたね。

そしてコロちゃんのお仕事は、若い時には何ヶ所か移りましたが、その後子どもが生まれた後に最後の転職をして、そのままその職場で定年時に病気で退職するまで働いてきました。

それは面白みは無かったかもしれませんが、普通の会社員の人生でしたね。周りを見ても、ほとんどみんなが同じような会社勤めで家族を持って生活をしていたのです。

ところが、今ではその「普通の人生」がおくれないから「結婚しない・出来ない」というのですから、いつの間にそんなことになったんだよ、と思いますよね。

だってたかだか50年前のことですよ。その間に「日本社会」がまるで「別時代・別世界」のように変貌してしまったと聞いても、なかなか納得できないのですよ。

本書で上記に紹介できたことは、ごく1部分にすぎません。全編を読むと著者の豊富な知識の一端がまるで読者に流れ込むように理解が深まりますよ。

そもそも文体が、まるで講義を聞いているようにやさしく書かれています。書き方はやさしいですが、指摘される内容は「辛辣」ですよ。

10.「どうすれば良いのだろうか?」

コロちゃんは、本書を読んで「ではどうすればこのパラサイト離婚社会を変えることは出来るのだろうか?」を読後に考えてみました。

❶「大家族」から「核家族」への流れから「個人」へと進む「世帯の個人化」は、もう避けようがないのだから、「社会制度・システムの個人化」を進めるべき。

今の日本の社会制度は、「住民税非課税世帯」や「税金の扶養控除」を見ても、全て「世帯単位」となっていますが、これは戦前の「家長制度」のなごりです。

もう今の「日本社会」の「個人化の流れ」には対応できませんから、早く「社会制度」を「個人単位」に変えるべきだと思いますね。

❷「非正規雇用」を「原則禁止のポジティブリスト(特定の業種だけを許す)方式」にする。

若い男女が「結婚できない所得」しか得られない「労働市場」を変えていく。今の日本社会は「相対的貧困率※」が15.4%と約6人に1人が貧困となっています。

この「貧困者」を減らさないと、いつまでたっても「結婚数」は増えていかないでしょうね。

(※相対的貧困率とは可処分所得の中央値の半分以下の方たちの割合)

❸「一億総中流社会」から「格差固定社会」への流れを逆転させる。

今の社会は、明らかに2極化していて、中世の「貴族社会・身分制度」があった社会へと戻ろうとしています。

かつて1980年代の日本の「総中流社会」から、大きく古い時代へ戻ろうとしています。これは明らかに「民主主義社会」の原則に反しています。

このままいけば、社会の不安定化が進むことは明らかです。これを変えることは「日本の国益」になると、コロちゃんは考えますよ。

上記の❶~❸はちょっとコロちゃんが思いついたことですが、この「日本が立ち直るプラン」を、このブログをお読みの皆さんはどうお考えでしょうか。

皆さんもコロちゃんみたいに、今日ご紹介した「山田昌弘教授」の「パラサイト離婚社会」を読んで、いろいろ考えてみませんか? 

今の「日本社会の現実」を知るためには、非常に良い本だと思いますよ。上記でもご紹介しましたが、下記にもう一度この本を添付しておきますね。

本書は興味深いですよ。ぜひ読むことをおすすめしますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

congerdesignによるPixabayからの画像
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