【読書考】「あんぽん 孫正義伝」を読んで

読書

「あんぽん 孫正義伝」(佐野眞一 著 小学館 2012年)

凄い本と思いました。

いや、凄いのはもちろん本書の主人公の「孫正義」なのですが、「在日差別」という日本が背負った歴史の宿痾のような過去の中から生まれた「異端の経営者」を徹底して追いかけた著者もまた凄いと思いました。

「孫正義」が「在日韓国人」であり、それを隠すこともせずに堂々と日本の大富豪にまで登りつめたことは誰ひとり知らないものはいないと思います。

本書は、その特異なキャラクターがどのようにして作られてきたのかを余すところなく明らかにしていると思えました。

日本の韓国併合から昭和の敗戦による朝鮮半島情勢の激変。

それらの歴史の激動に翻弄された「孫家三代海峡物語」が明らかにした「孫正義」の複雑な出自と経歴は、凄まじいほどドラマチックで驚きに満ちてます。

「朝鮮部落」や「密造焼酎」「パチンコ屋」等の社会的事実や、「在日差別」「就職差別」は、団塊世代に育った人間には身近によく知られた事実です。

その泥沼のような環境から目のくらむような高みにまで駆け上がった「孫正義」の生きてきた人生を、本書ではその両親から祖先まで詳細な調査を行っています。

その「在日アンダーグラウンド」の在日韓国人の父親「孫三憲」の生きてきた人生は、実に凄まじいものです。

この父だからこそ、あの「孫正義」が生まれたのかとその家庭環境に驚嘆する思いを持ちました。本書を読んで「孫正義」は、日本と朝鮮が紡ぎだした凄まじい歴史の申し子なのだとも思えました。

本書は、決して貧乏人から大富豪に成り上がる「出世物語」などではありません。

日本と朝鮮の歴史、それも現在でもネットなどで陰湿にはびこる根の深い「在日差別」という暗い歴史の暗部をえぐりした良書です。

そして「孫正義」という人間の出自と生き方を通して現在の日本を知ることもできる素晴らしい本です。

ぜひ本書をお読みになることをおすすめします。面白いですよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました