【社会考】これは「移民解禁」じゃないの?

社会

おはようございます。今日散歩していましたら、あちこちの家のお庭で、紫陽花がきれいに咲いていました。紫と赤と入り混じった色の花が、咲き乱れるようにして見られましたね。

コロちゃんは、亡き妻が「紫陽花は咲いている時は良いけど、咲き終わると黒くなってしまうのはいやね」と言っていたのを思い出しました。

コロちゃんは、毎年この季節になると、この言葉を思い出してしまいます。

さて今日は、新聞で読んだ「外国人労働者」のことをポチポチします。

1.「特定技能の長期就労拡大」との報道

コロちゃんが、いつものように新聞をバサバサ読んでいると、一面記事に「特定技能の長期就労拡大」との見出しが目に入りました。

その記事によると、今まで行なわれていた在留資格の「技能実習制度」を「発展的に解消」して、新制度に移行すると書かれています。

そして、現在行なわれている「特定技能制度」の期間に上限がない業種を増やして全12分野で定住への道が制度化されると伝えています。

①「技能自習制度」とは?

それでは、この「技能実習制度」とはどんなものでしょうか。

建前としては、「外国人技能実習制度は日本の人手不足を安く解決するためのものでは無く、開発途上国の「人づくり」をすることが主な目的です」となっています。

つまり「技能実習」は、本来母国への技術移転を目的としているわけですから、日本で長く働くことは考慮されていません。

ですから、日本滞在は最長5年となっています。家族も帯同できません。

しかし、その「技能実習」を良好に終了すると「特定技能」へ移行する道が開けることになっていました。

②「特定技能制度」とは?

「特定技能制度」は、建前が「深刻化する人手不足に対応するため・・・即戦力となる外国人を受け入れていく」と、制度の趣旨が「技能実習」と真逆となっています。

「技能実習制度」では、在留期間が最長5年なのに対し、「特定技能制度1号」は最長5年ですが、「特定技能2号」は、更新すれば実質無期限となります。

「技能実習」では、転職ができませんが、「特定技能」では、転職も認められます。

「技能実習」と「特定技能1号」では、家族帯同が認められませんが、「特定技能2号」では妻と子は帯同が認められます。

③多くの問題点は解決するか?

上記①の「技能実習制度」は、多くの問題点が指摘されてきました。

「低賃金・残業代の未払い・暴行やセクハラ・労災隠し・実習生の犯罪・失踪」等々が関係者から訴えられています。

建前としての「技術を母国へ持ち帰る」と、現実としての「人手不足の業種への低賃金労働者供給」との乖離が、ようやくある程度うめられるのかもしれません。

しかし、今後人数の増加と共に、別の問題も出てきそうです。

2.外国人労働者は、どのくらい日本にいるのか?

それでは、現在日本に外国人労働者は、何人くらいいるのでしょうか。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況まとめ」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001044543.pdf
参照:厚生労働省 報道発表資料「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)より(6月10日利用) 

上記のグラフを見てもわかるように、2022年10月現在で、「外国人労働者」は182万2725人で、前年より9万5504人増加しています。

このグラフの推移をみると、コロナ禍の2020年と2021年は横ばいですが、それ以前の2015~2019年は、年間20万人規模で増加しています。

今回、「技能実習制度」が無くなり、「特定技能制度」が変わることによって、更に「外国人労働者」が増加すると思われます。

それでは、その「外国人労働者」はどこの国の方なんでしょうか。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況まとめ」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001044543.pdf
参照:厚生労働省 報道発表資料「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)より(6月10日利用)

上記のグラフ見ると、多い順に「ベトナム」「中国」「フィリピン」となります。ただ、「中国」は対前年比では、2.8%減少とありますから、今後は変わっていくかもしれません。

3.もう、日本は「移民」を入れないと社会が回らない

コロちゃんは、昨年2022年11月29日に「外国人労働者を受け入れようよ」と、このブログ記事で訴えたことがあります。

そのブログ記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

【社会考】外国人労働者を受けいれようよ

私たちが好むと好まないかに関わらず、既に日本は外国人労働者が入ってこないと、回らない社会になっていると思います。

4.今後どのくらい外国人が入ってくるのかな

上記のように、日本には既に182万人以上の「外国人労働者」が入ってきています。

それでは、今後20年後の2040年までにどのくらいの数の「外国人労働者」が日本に入ってくるのでしょうか。

その数を推計している組織があります。「国立社会保障・人口問題研究所」です。

その「国立社会保障・人口問題研究所」が先日「日本の将来人口推計」(令和5年推計)を発表しています。

その全文をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf

この中では、日本の人口は「2070年には、総人口は現在の1億2600万人から、3割減の8700万人に減る」と推計を発表しています。

そして「100年後の2120年には、5000万人を割り込んで、4973万人になる」と推計しています。

この発表では、今後の、外国人の日本への国際人口移動を「年間16万4千人」と推計しています。そのまま行けば、2060年代には総人口の1割になる規模です。

日本社会は、これから来たるべき日本社会の「国際化」に向けて、準備を進めなければならないと思います。

5.ドイツの移民

コロちゃんは、「外国人労働者の受け入れ」についてはほとんど知識はありません。

しかし、ドイツが大胆な移民政策を実行していることや、様々な問題を抱えつつも、ドイツ社会に移民が定着していることは耳にしていました。

ドイツは、大陸国ですからヒトの移動がしやすいこともあるのでしょう。ドイツの移民労働者は1950年代から流入していたそうです。

その後1970年代になると、移民労働者の家族呼び寄せが広がっていき、外国人人口が増大していったそうです。

その人口を見ると、1951年(50万6千人)が、2003年(733万人)となり、2017年(941万6千人)とされています。

ドイツは、なんと1千万人近くの外国人を国内に受け入れているのです。

そして、「外国人」が、家族を呼び寄せれば、二世三世が生まれてきます。

ドイツ国内で、移民の背景を有する者は、2017年時点で1925.9万人(全人口の23.6%)と言われています。

すでに、「移民」はドイツ社会の一面になっているのです。

ドイツは、これらの移民に対して、移民の受け入れ社会の文化・生活形態へ同一化(同化)ではなく、移民の有する文化的・宗教的な権利を憲法や法律の規定の範囲内で認める方向で進めているそうです。

そして、語学講習(通常600時間)とドイツの憲法、法律、歴史、文化などを学ぶ、オリエンテーション学習を内容とする統合講習(100時間)を実施するなどの施策を行なっているといいます。

日本が、これから見習うところが多くありそうですね。

6.事実上の「移民政策」だよね

今回の「技能実習制度」と「特定技能制度」などの諸問題について、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」が7回にわたり開かれて検討されていました。

その「中間報告書」が、先月5月11日に法務大臣に提出されています。

その概要を下記に引用します。

「出入国在留管理庁 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 中間報告書概要」より

https://sekihin-life.site/wp-content/uploads/2023/06/a3741f9f2aa007a600b6a1108cfaf4d1.png
出典:出入国在留管理庁ホームページ 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 中間報告書概要(6月10日利用)

上記の表の右側の「新たな制度」の一番上に「技能実習制度」の今後が書き込まれています。

字が小さいので、下記に書き出します。

「現行の技能実習制度は廃止して人材確保と人材育成(未熟練労働者を一定の専門性や技能を有するレベルまで育成)を目的とする新たな制度の創設(実態に即した制度への抜本的な見直し)を検討」

上記のように「技能実習制度は廃止」と、はっきりと答申されています。

それが、このブログの冒頭にあるように「廃止」という文言ではなく、「技能実習制度は発展的に解消」と文言が変更されました。

「移民」を毛嫌いする勢力への配慮かと思われます。

何々、意味は同じです。

「廃止」でも「発展的解消」でも、「技能実習制度」が無くなることには変わりはありません。

しかし、このようなこだわりが横行すると、事実上の「移民政策」でも、移民を前提とした日本語学習や文化の違いを融和するための方策が行なわれなかったり、弱くなったりする懸念が出てきます。

いままでの「技能実習制度」では、「低賃金」や「長時間労働」、「地域社会」や「コミュニケーション」、そして「子どもの教育」や「社会の一員としての関わり合い」などの問題が続出していたと聞きます。

今後の新たな制度では、それらの諸問題が乗り越えられるように施策を練っていただきたいと思います。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

NoName_13によるPixabayからの画像

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