【社会考】どこまで続くの「高齢化日本」

社会

最近コロちゃんのブログには、「高齢化」の話しが多いような気がします。

なんか「社会保障」や「不安」や「増税」と、何を取り上げても、必ず「高齢化」のお話しが顔を覗かせます。

だけど、コロちゃんも毎年一つづつ年を取るのは止めることはできませんけど、日本だって「高齢化」を止めることはできませんよね。

今日は、「いつまで続くぬかるみぞ」、「いつまで続く高齢化日本」という内容でお話をします。

1.いつまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ

冒頭のつかみの言葉は、1932年に発表された軍歌の中のフレーズです。

「♪いつまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ♪」
(1932年(昭和7年)八木沼丈夫 作詞  藤原義江 作曲  )

満州事変が1931年ですから、時代を象徴するような歌詞が受けたのでしょうか。

悪い状況が延々と続くときに、この言葉がよく使われます。コロちゃんもよく使っていましたね。

最近もさまざまなことを考察する中で、日本の「高齢化」が及ぼす影響が、非常に大きいことを感じるんですね。

その都度に、コロちゃんの頭の中には、この「いつまで続くぬかるみぞ」というフレーズが、リフレインするんです。

2.日本の高齢化はいつまで続くのか

さまざまな未来予測の内で、人口に関する予測は、ほとんど当たります。

日本では、移民のような、大規模な人口流入がありませんから、国内の若い方が、そのまま将来の高齢者となるのです。

それでは、日本の将来の姿はどうなるのでしょうか。

下記の表をご覧ください。

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/gaiyou/s1_1.html
出典:内閣府 平成29年版高齢社会白書(概要版) 第1節 高齢化の状況 より(2月26日)

右肩上がりに急激に上がる、オレンジ色の線が「高齢化率」(65歳以上の人口割合)です。

この表は、2065年までの「高齢化率」と「年代別の人口」を予測しています。現在の2023年から40年以上の、日本の高齢者の現状がはっきりわかるのです。

その結果は、今後日本の人口が右肩下がりに減る中で、「高齢化率」は、右肩上がりに上がり続けることがわかります。

日本の「高齢化率」で、現在わかっている直近のデータは、「2022年9月15日推計で29.1%」とありますから、これが今後長い間上がり続けるのです。

大雑把に言うと、現在お年寄りが3割弱いますが、これが30年後に4割弱になると思えば、だいたい正解なんでしょう。

まさに「♪いつまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ♪」ですよね。

日本は、相当先の未来までは、確実に「ぬかるみ」が続くようです。

この高齢化の進行が、日本社会に及ぼす影響は、どうも一つや二つではなく、いくつもがあるようです。

今日は、そのうちの一つの「高齢化率」と「低所得層の増大」との関係を考えてみたいと思います。

3.「高齢化」がもたらす「低所得層」の増加

日本経済は、1986~1989年が「バブル経済」の時代です。1990年初頭から株価が暴落し「バブル崩壊」が始まりました。

その後の1990年代は「バランスシート不況」と言われました。土地の暴落により不良債権が経済の足を引っ張り続けました。

しかし、データみると、「低所得層の増加」が始まったのは2000年代に入ってからです。2000年代に入ってから「低所得化」が始まったことが、数値ではっきり見て取れるのです。

その考察は、以下のブログで紹介していますので、ご興味のある方は下記のリンクをクリックお願いします。

【社会考】「中間層」は細っているのか

上記のブログでは、「日本の中間層の推移:国民生活基礎調査(1985-2015)に基づく推計」というレポートを取り上げて紹介しています。

そのレポートをお読みになりたい方は、以下のリンクをクリックお願いします。

「国民生活基礎調査(1985-2015)に基づく推計」

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2019/191011/201901012A_upload/201901012A0016.pdf

出典:令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(政策科学総合研究事業(政策科学推進研究事業))「高齢期を中心とした生活・就労の実態調査(H30-政策-指定-008)」日本の中間層の推移:国民生活基礎調査(1985-2015)に基づく推計1 より(3月15日利用)

このレポートの「中間層の推移」をみると、日本の「高齢化」と「低所得層の増大」との関係がはっきりわかります。

下記のグラフをご覧ください。

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2019/191011/201901012A_upload/201901012A0016.pdf

出典:令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(政策科学総合研究事業(政策科学推進研究事業))「高齢期を中心とした生活・就労の実態調査(H30-政策-指定-008)」日本の中間層の推移:国民生活基礎調査(1985-2015)に基づく推計1 より(3月15日利用)

この上記のグラフを見ると、2000-2015年にかけて、「高所得層」と「中間層」が共に減少し、「低所得層」が大きく増大している様子が、はっきりと見ることができます。

そして、このレポートは、その増減を「要因分解」して、2000 年から 2015 年の「中間層」の減少は、主に「高齢人口シェア」の増大によるものと結論付けています。

「高齢者の増大」は、そのまま「低所得者層の増大」となっているのです。

そうだとすると、日本の「高齢者の増大」は、今後40年以上は続くのですから、「低所得者の増大」も同じ期間は続くのではないでしょうか。

4.低所得者の増加を目で見てみる

上記で見ましたように、「高齢化」は2000年以降も順次進行し、それにつれて「低所得層の増大」も続いています。

それでは、「収入階級別の可処分所得」の推移を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。紺色の●の線の「第Ⅰ階級」が「低所得層」です。

https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h18/h4a0703j3.pdf
出典:経済産業省 所得階級別にみる消費の変化について より(3月26日利用)

「可処分所得」とは、税込みの現金収入から、税金や社会保険料などの「非消費支出」を差し引いた額です。

給料でしたら、手取り額ですね。

「第Ⅰ階級」とは「低所得層」です。
「第Ⅲ階級」とは「中間層」です。
「第Ⅴ階級」とは「高所得層」です。

左のグラフを見ると、10年以降の線は全階級で、右肩下がりです。全体が貧しくなっています。

16年以降から「高所得層」が、やや上向きに転じていますね。

ここからは「高所得層」と他の層との格差は拡大しています。

そして、18年には、再配分後の「可処分所得」の収入では、第Ⅰ~Ⅲ階級の金額がほとんど同じとなっています。全体が貧しくなる中で、再配分は機能しているということなのでしょう。

これでは、「第Ⅲ階級(中間層)」が、ある程度の所得を得ても、再配分後は「第Ⅰ階級(低所得層)」と同じに調整されてしまうのですから、不満は高まりますね。

社会保険料などが上昇した結果なのでしょうか。

「第Ⅲ階級(中間層)」と「第Ⅱ階級」の可処分所得が、「第Ⅰ階級(低所得層)」と、ほぼ同じに落ちているんですから、格差は拡大していません。

全体が、下に落ちただけです。

右のグラフを見ると、その傾向がよりはっきりします。

15年と18年を比較すると、「第Ⅰ階級(低所得層)」と「第Ⅲ階級(中間層)」が、ともに「実収入」と「可処分所得」を減少させています。

その中で「第Ⅴ階級(高所得層)」のみが、実収入を上昇させています。

そして「第Ⅴ階級(高所得層)」のみが、「非消費支出(税金や社会保険料)」を減少させているのです。「第Ⅴ階級(高所得層)」の税金等の優遇のためかと思われますが、いかがでしょうか。

株式所得などの低税率の結果かとコロちゃんは思ったのです。

下記の表をご覧ください。

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2019/191011/201901012A_upload/201901012A0016.pdf

出典:令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(政策科学総合研究事業(政策科学推進研究事業))「高齢期を中心とした生活・就労の実態調査(H30-政策-指定-008)」日本の中間層の推移:国民生活基礎調査(1985-2015)に基づく推計1 より(3月15日利用)

この表の一番下の「低所得層」の推移です。1985年と2015年で、4ポイント増加しています。

このレポートでは、この増大の要因分解から、原因を「人口シェアの増加」としています。すなわち「高齢者の増加」ですね。

高齢者は、現役から年金生活に移行すると、ほぼ確実に所得を落としますから、「中間層」から「低所得層」に移動する人数が多いんだと思います。

それから、コロちゃんは知らなかったのですが、この「中間層」「低所得層」の区分は、その年の「可処分所得」を基準に判定しますから、毎年「区分所得額」が変動するんですね。

その結果、全体の「可処分所得」の低下に伴って、年々「低所得層」と「中間層」の所得区分が下にずり落ちているのです。

全体が貧しくなってきているのです。

以下は、別のデータですが、2005年の「貧困層」の所得上限が273万円で、2019年には所得上限が239万円に減少しているとありました。

「所得区分」全体の下への移動が、日本では起きているのです。

5.「高齢者」と「低所得層」の増加は防げない

コロちゃんは、もともと「低所得者の増加」に興味を持って、ポチポチ調べていたんです。

そうしましたら、どうも「高齢者の増加」がその大きな理由だというデータを知り、それもありそうだなと思ったんです。

だって、年金生活になれば、年金収入だけだったら、夫婦で年収300万円、おひとり様で年収200万円がいいとこなんですから。現役時よりも、大幅に所得はダウンします。

そうしましたら、あちこちで「景気の上昇」と「賃上げ」の話しが出ているじゃないですか。

「景気の上昇」のためには「賃上げ」が必要だと、あちこちで語られています。

「賃上げ」すれば、「消費が拡大」するんだというんです。

だけど、いくら「賃上げ」しても、一方で「高齢者」が毎年増えて、それがどんどん「低所得者」になっていったら、底の抜けたバケツで水をくむようなもんですよね。

このような風景を見ていると、これは「綱引き」みたいなものかなと見えてきました。

一方では、「消費拡大」のための「賃上げ」。もう一方は、「高齢者の増大」がもたらす「低所得層の増加」です。

しかし、上記で見てきたように、「高齢化率の増加」は少なくとも2065年までは続きます。

当然にして「低所得層の増加」も、同時に進行するでしょう。

そう考えると、今後の日本では「再配分」が重要になってくると思われますが、抵抗は大きいでしょうね。

このようなことは、コロちゃんは、いろいろ調べて初めて知ったことが多いです。そして、知ると見ている日本の風景が変わってきたように思いました。

やはり、いろいろ知らなければ、正しい認識は持てないものだと思うんですよね。

皆さんにも、ぜひ知っていただきたいと思って、コロちゃんはポチポチとブログを書いています。

ただ、これらの経済データを使った考察は、素人のコロちゃんには、相当背伸びしたものですので、勘違いや誤りがございましたらお詫びいたします。

日本と孫や子たちの将来を心配するあまりですので、ご容赦お願いいたします。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

NoName_13によるPixabayからの画像
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