コロちゃんは、最近は「少子化対策」が世の中の注目を集めていることに喜んでいます。
子どもたちが増えることは、日本の将来のことを考えても良いことですし、子どもたちが遊んでいる姿を見るだけで、楽しいじゃあないですか。
今日は、先日3月17日に岸田総理が記者会見で「少子化対策」を表明したことをお話します。
1.一生懸命岸田さん
岸田総理、一生懸命「少子化対策」を進めようとしていますね。コロちゃんは、いつも新聞でウオッチしています。
最近までの取り組みは、コロちゃんがちょっと前にブログで書いていますので、ご興味のある方は以下のリンクをクリックお願いします。
2.「少子化対策」記者会見
先日3月17日に、岸田総理は記者会見で三つの「少子化対策」を表明しました。
その内容は以下の通りです。
①若い世代の所得増
・106万円の壁への対処。
一定の収入を超えると生じる保険料の自己負担分を減免。
・児童手当の拡充。
・高等教育費の負担軽減。
・子育て世代への住居支援。
②社会の構造・意識変革
・国の施設において、子連れの方が窓口で並ぶことがないよう「こどもファスト・トラック」を設ける。
・男性の育休取得率の政府目標を2025年度に50%(21年度実績13.97%)、2030年度に85%にする。目標達成を促すため、企業ごとの取組状況を開示。
・国家公務員については、男性育休の全員取得を2025年度に85%が1週間以上の育休を取得するための計画を策定し実行。
・育児休業給付を希望する場合には、時短勤務時にも給付が行われるよう見直す。
・男女で育休を取得した場合の給付率を、一定期間手取り10割に引き上げる。
・非正規、フリーランス、自営業者に、育児に伴う収入減少リスクに経済的支援。
③全子育て世代への支援
・全ての子供と子育て世帯について、切れ目なく必要な支援が提供される総合的な制度体系へと子育て支援制度を見直す。
・親が働いていても、家にいても、全ての子育て家庭に必要な支援をする。
・幼児教育・保育サービスについて、量・質両面からの強化を図る。
コロちゃんも、興味を持ってこの表明を読みましたが、なんかまだまだ具体的ではないところも多いですね。
3.ほとんどが、子どもがいる家庭向けの支援策
子育て支援策は、どんどんやった方がいいと思いますよ。コロちゃんも、上記のこの岸田総理の記者会見の発表内容は良いと思いますよ。
だけど目指しているのは、「少子化対策」ですよね。
今回の岸田総理の記者会見で発表された政策は、ほとんどが、すでに子どもがいらっしゃる「既婚者」が対象のものでした。
すでに子どもがいる方への支援策だけで、現在の「少子化」の流れを変えることはできるのでしょうか。
まず、日本の現状を見ると、2021年の「合計特殊出生率」は1.30まで落ちてきています。
そして、人口を維持するために必要な「合計特殊出生率」は2.06といわれています。
それを頭において、以下をお読みください。
①政府目標は「希望出生率1.8」
以下の画面をご覧ください。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2016/28webhonpen/html/b1_s2-2.html
出典:内閣府 内閣府の政策 平成28年度版 少子化対策白書 第1部 少子化対策の現状 より(3月20日利用)
これは、内閣府が出している「少子化対策白書」です。
この画面にあるように、現在、政府がめざしているのは「希望出生率1.8」です。
上記で書いたように、人口を維持するために必要な「合計特殊出生率」は2.06といわれていますから、「希望出生率1.8」とは、日本の人口を維持することが目標ではありません。
「希望出生率1.8」とは、若い世代における、結婚や子育ての希望がかなうとした場合に想定した出生率なのです。
上記の表をもう一度ご覧ください。ちゃんと、「若い世代における希望がかなう場合に想定される出生率を計算」して算出したと書いてあります。
だけど、この数値が現在政府が目指している目標なんです。
②「完結出生児数」は、1.94
「完結出生児数」という数値があります。
これは、結婚持続期間(結婚からの経過期間)15~19年の夫婦の、最終的な平均的な出生子ども数とみなされています。
以下の表をご覧ください。
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/gaiyou15html/NFS15G_html07.html
出典:国立社会保障人口問題研究所 出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)第15回出生動向基本調査 より(3月20日利用)
この表の一番上の▲の線が、結婚15~19年夫婦の平均出生子ども数です。
2015年の数値は1.94人です。少子化の現在でも、ご夫婦には、二人近くの子どもがいるんですよ。
これをさらに大きく引き上げようというのは、相当困難なことではないでしょうか。
③必要なのは、未婚・非婚対策
整理しますと、2021年の「合計特殊出生率」は1.30でした。
そして、すでに子どもがいる既婚者の方の「完結出生時数」は1.94です。この数字は、すでに子どもがいる夫婦はだいたい二人の子どもを持っていることを示しています。
それでは、なぜ、既婚者の「完結出生児数」が1.94なのに、「合計特殊出生率」では、1.30に下がってしまうのでしょうか。
この差は、既婚と未婚・非婚の差です。
下記のグラフをご覧ください。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2018/30webhonpen/html/b1_s1-1-3.html
出典:内閣府 平成30年版 少子化対策白書 第1部 少子化対策の現状 より(3月20日利用)
50歳時の未婚率は、最新のデータでは、2020年に男性は28%、女性は18%です。
1970年では、未婚率は、男性1.7%、女性3.3%だったのですから、その上昇はすさまじいものです。
これを見ると、既婚者の出生率をさらに引き上げるよりも、未婚者が結婚できる政策が必要なのではないでしょうか。
余談ですが、コロちゃんは、1970年代に妻と出会い、一緒になりましたが、その当時の生涯未婚率は2~3%です。
現在の30%近くと大きな違いがあります。
コロちゃんは、あの時代だったから結婚できたなーと思いましたよ。今だったら、絶対生涯未婚ですよ。
かーちゃん、ありがとー。
(‘-‘*)アリガト♪
4.必要なのは、未婚者対策
少子化の一番の問題は、そもそも結婚できない若者が増えていることにあります。
非正規雇用、低所得雇用に手を付けなければ、少子化は改善しません。
年収と結婚が連動していることは誰でも知っています。
下記の表をご覧ください。非正規雇用の方の有配偶者率は、正社員の人の半分以下なんです。
下記の下の方の、年収別の表をみても、年収の低い方は結婚しにくいのが一目瞭然となっています。
出典:内閣府 平成28年版少子化対策白書 第1部 少子化対策の現状(第1章 3)より(1月24日利用)
日本社会は、結婚できなければ子どもが産まれにくい社会なんです。
5.財源はどうなったんだろう
岸田総理は、2月15日に「家族関係社会支出は2020年度で国内総生産(GDP)比2%を実現している。それをさらに倍増しようと言っている」と発言しました。
①何を倍にするのかな
その「倍増」には、どのような「倍増」がありうるのかを確認してみます。
●「家族関係支出」2020年度10.8兆円×2=21.6兆円
●「少子化対策関連予算」2022年度6.1兆円×2=12.2兆円
●「こども家庭庁予算」2023年度4.8兆円×2=9.6兆円
10兆円から21兆円まで、ずいぶん幅がありますね。
それこそ「倍」も違います。どれを倍にするかで、やれることも、それこそ倍以上違うでしょう。
②岸田総理発言
岸田総理は、2月15日の衆院予算員会で「家族関係社会支出は2020年度で国内総生産(GDP)比2%を実現している。それをさらに倍増しようと言っている」と発言しています。
はっきりと「家族関係支出」とお言葉にしているのですね。上記を見てください。「家族関係支出」が倍だったら21.6兆円です。
その後、2月22日の衆院予算員会で「政策の中身はまだ整理している段階だ」とご発言。
また、2月27日の衆院予算委員会で「数字ありきではない」とご発言。
そして、3月17日の記者会見では、「政策の中身を詰めなければ申し上げることは適当ではない」とご発言。
最初の「家族関係支出倍増発言」を否定はしていませんが、何とも煮え切らない発言をなさっています。
その後、周りの方がいろいろご発言なさっていますが、岸田総理は2月15日の発言をハッキリとは否定はしていません。
いまだに、財源も決まっていないようですね。コロちゃんは、今月末にどう発表されるか、注目しています。
岸田さん、たぶん周りで反対している人たちが多いんだろうなー。
コロちゃんには、岸田総理のご苦労が透けて見える気がします。
岸田総理がんばれー。
(●o≧д≦)o頑張れェェェ♪
6.ハンガリーの少子化対策
参考までに、今、政策効果を上げているというハンガリーの少子化対策を見てみましょう。
ハンガリーが少子化対策に充てる年間予算は、GDPの4.7%です。
日本は約0.8%しかありませんから、ハンガリーはGDP比で日本の6倍を投じているそうです。
①3人目出産でローン返済免除
②4人目出産で生涯所得税0
③体外受精全額補助
④3年間の有給育児休暇
⑤学生ローン減免
⑥子供が3人以上の家族だと新車購入補助
⑦7人目出産で不動産購入補助
上記の少子化対策を実施した結果、ハンガリーの出生率は2011年から2020年の間で1.23から1.56にまで改善したそうです。
逆に言えば、このくらいはやらないと少子化の進行は止められないということですね。
そして、このくらいやっても、ハンガリーの出生率は1.56までの上昇に留まっているということでもあると思います。
日本も、このぐらい本腰を入れて欲しいと、コロちゃんは思います。
7.えっ! この発表が「たたき台」じゃなかったの?
以前の報道では、「少子化対策」は、「3月中にたたき台を作り、具体的なメニューを6月の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に反映する」となっていました。
それで、コロちゃんは、この発表がてっきり「3月中のたたき台」かとおもってましたら、岸田総理は記者会見の最後の方で以下の発言をしていました。
「こども政策の強化について・・・更に検討を進め、今月末をめどに、小倉大臣に具体的なたたき台をパッケージで取りまとめてもらいます」
なんだ「たたき台」じゃなかったのか。いつまで「検討」してるの?
遅いよ~。
それではもうすぐ、もっと良いプランが・・・
出てくるのかなー。
出てきてほしいなー。
出て来いよー。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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