【社会考】「子ども予算倍増」が怪しくなってきたよ

社会

おはようございます。コロちゃんは、子どもが好きですから「子ども予算」が増えるなんて聞くと嬉しくなってきます。子どもが多い社会は明るい社会ですから、いいですよね。

ところが、その「子ども予算」を増やす動きになんか黒い雲がかかってきました。今日はその辺のお話をポチポチと語ります。

1.総理発言が否定される

岸田総理は、2月15日に「家族関係社会支出は2020年度で国内総生産(GDP)比2%を実現している。それをさらに倍増しようと言っている」と発言しました。

なかなか、大胆で踏み込んだ発言ですね。

コロちゃんは、岸田さんが総理大臣としてこの政策をレガシー(遺産)にするつもりなんだなと感じました。

20年度の「家族関係社会支出」は10兆7536億円(GDP比2.01%)です。

これを倍増するというと新たに約11兆円が必要となります。

ところが、翌16日に、磯崎仁彦官房副長官が「将来的な倍増を考えるうえでのベースとしてGDP比に言及したわけではない」と記者会見で語ったのです。

(?・・)アレレ・・

どっちの言うことがホントなの? 偉い方は岸田さんだけど・・・。

そして、またまた翌日の17日に、松野官房長官が、子ども・子育て関連予算の倍増について、国会の予算委員会で以下のように発言したのです。

「どこをベースにして将来的に倍増していくかは、まだ整理中」。

岸田さーん、部下がみんなで総理大臣をシカトしてますよ。

これでいいのー?

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2.経過を見てみよう

まず、1月4日の岸田総理の年頭記者会見で「異次元の少子化対策」との発言があったんだよね。

これを聞いたときに、岸田総理が今年一番やりたいことなんだろうなーと、コロちゃんは思いましたね。

次に1月23日に、岸田総理が施政方針演説で「次元の異なる少子化対策」と発言したんですよね。それも演説の政策部分の一番冒頭に。

やる気満々ですよね。

そんな岸田総理にとって、今何よりも優先して行ないたい政策であったはずの「少子化対策」に、どうも党内からは、冷ややかな雰囲気というか、むしろ反対しているみたいな雰囲気を感じます。

このままでは、どうなっちゃうのかな?

3.「家族関係社会支出」の現状

OECDの基準で「家族関係社会支出」とは、児童手当や保育サービスなどの支出を言います。

上記にあるように、日本の2020年度の「家族関係社会支出」は、10.7兆円でGDP比は2.01%だったそうです(国立社会保障・人口問題研究所)。

下記の表は平成27年(2015年)のデータですが、家族関係社会支出は、その内訳が、「現物給付」と「現金給付」に分けられます。

日本は、近年になって保育サービスなどの「現物給付」を急速に拡充させており、「現物給付」のGDP比は2020年には1.26%と、英仏並みとなっているそうです。

その反面、現金給付は0.75%と英仏の半分ほどです。

これを英仏と同等にしろとまでは言いませんが、日本の現状が、現金給付の拡充の余地があることには間違いがないと思いますよ。

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/15/backdata/01-01-04-008.html
出典:厚生労働省 平成27年版厚生労働白書-人口減少を考えるー> 図表1-4-8  家族関係社会支出の対GDP比の比較より(2月20日利用)

4.児童手当の所得制限はどうなるの?

民主党時の「所得制限のない子ども手当」をバラマキと反対した自民党が、今回は「所得制限なし」の賛成に回るようです。

児童手当は、現在年間2兆円の支出がされています。所得制限を撤廃すると1500億円ほど増えるようです(立憲民主党の試算では1000億円増)。

本気で「少子化対策」を最優先の政策課題とするならば、この政策は進めるべきだろうと、コロちゃんは思いますね。

5.財源はどうするの?

上記の岸田総理の「倍増発言」をそのまま実現すると、11兆円規模の追加予算が必要をなります。しかし、その財源は全く明らかにされていません。

ここで、コロちゃんの頭に浮かぶのは「防衛費倍増」の予算措置です。

1月23日に国会に提出された2023年度予算案には、防衛費増へ必要となる財源として、以下を上げていました。

①歳出改革(1兆円強)
②決算余剰金(7000億円程度)
③税外収入(9000億円程度)
④増税(1兆円強)

これを見ると、④の増税以外は一時的な予算の横滑りで、安定財源ではないんですよね。しかも、その増税の中身の検討は先送りされています。

すでに決まった防衛費増額についてすら、その財源はこのように心もとないものなのです。

ましてや「子ども予算」を倍増するためには、安定財源が欠かせません。今年一回限りの支給ではないんですから。

コロちゃんは、子ども予算倍増に賛成なんですから、その辺の財源論をはっきり聞きたいと思いますね。

6.政治家の覚悟とは

コロちゃんは、子ども予算で政府内で意見が違っているのを見たときに、2005年の時の小泉首相の「郵政解散」を思い起こしました。

当時の自民党内は、郵政民営化をめぐって真っ二つに割れていたんです。

そして郵政民営化法案が参議院で否決されると、当時の小泉総理は衆議院を解散して、総選挙に入ります。

その総選挙で、小泉総理は民営化反対の自民党議員を公認せずに、刺客を立候補させて大勝し、自らの政治信条を貫いたというわけです。

まあ、郵政民営化が政策的に意義があったかどうかは、後からみると疑問ですが、これは日本政治史上に残る出来事でした。

そして、自民党の中でも、その時点で最大派閥で主流派だった旧田中派がそれ以降凋落して、小泉総理の所属する森派が最大派閥へと拡大していきます。

現在の安倍派が、その森派の後継派閥ですね。現在の自民党の最大派閥です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B5%E6%94%BF%E8%A7%A3%E6%95%A3
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「郵政解散」最終更新 2023年2月16日 (木) 10:54

この歴史を振り返ると、政治家は進退をかける気ならば、相当のことができるとコロちゃんは思っています。

しかし、果たして岸田総理には「子ども予算倍増」に政治生命をかける覚悟はあるでしょうか。

できないだろなー、やらないだろうなー。岸田さんってやさしそうですもんね。なんか、ケンカしそうな顔してないよねー。

岸田総理は、この後の2月20日に「子ども政策の強化に関する関係者会議」に初めて出席して「日本の少子化トレンドを何とか反転させたい」と語ったと報道されました。

やる気はあるみたいです。子ども予算で日和らないでね、岸田さん。
(*ノ´□`)ノガンバレェェェェ

コロちゃんは、興味深く今後の動きを注視したいと思っています。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Manfred RichterによるPixabayからの画像
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