おはようございます。今日は、朝からムシムシしていますね。いかにも「梅雨」らしい天気です。こんな日は、家に籠ってブログ原稿をポチポチするのが一番です。
いやいや、天気が良くとも、コロちゃんは、ブログ原稿をポチポチしていますけどね。
(^m^) ムフッ
1.「連合」の「春闘」
今日は「賃上げ」のお話をポチポチします。コロちゃんは「年金リタイア生活者」ですから、大手企業の「賃上げ」はあんまり関係ないんですよね。
だけど「年金の改定額」は、以下の方程式で決まります。
「前年の消費者物価指数の変動率」+「2~4年度前(3年度平均)の実質賃金変動率」=「年金改定額」
このようになってますから「春闘の賃上げ率」が、全く関係ないわけではないのです。
そんなこともあって、コロちゃんは、連合の春闘の「賃上げ」は注目しているのです。
①「連合」とは何か?
「連合」は、「日本労働組合総連合会」の略称です。
加盟組合員数は約700万人で、政党支持は、立憲民主党・国民民主党の最大の支援組織です。
労組の全国組織(ナショナルセンター)には、この「連合」のほかにも、1989年の連合発足時に、共産党系の労組が分かれて立ち上げた「全労連」などがあります。
ただ、日本の就業者総数は6745万人です。
厚生労働省の「労働組合基礎調査」によると、日本の労働組合の推定組織率は16.5%でしかありません。
ですから、日本最大の労働組合組織の「連合」と言えども、影響力は限定的と言えると思います。
②「春闘」とは何か?
「春闘」とは、全国組織の指導の下に、各組合が、毎年春に賃金引上げの要求を各企業に出し、団体交渉を行なうことです。
この「春闘」は、1956年から始まったとされています。
多くの大企業・中朝企業の労組が、同じ時期に一斉に「賃上げ要求」を出すので、かつては「相場形成力」があると言われてきました。
しかし最近は、大きな「賃上げ」を勝ち取ることはなくなってきています。
特に、ストライキをやらなくなったですね。
コロちゃんが若かった1970年代前半には、毎年交通機関の労働組合をはじめとして多くの企業の労働組合がストライキに入っていました。
それが1973年春闘のストライキ時に、上尾駅や赤羽駅で乗客による騒乱・暴動事件が起こって以降は、一斉にストライキは行なわれなくなってしまいました。
世の中一般の、ストライキに対する見方が、それ以前の「心情的支持」から、「社会的迷惑行動」に変化したように思われます。
やはり「争議行為」は、社会の暗黙の支持がないと力を出せないように思われます。
③2023年春闘結果
とにかく、労働組合は「賃上げ」を勝ち取ってこそ「存在意義」があります。今年の賃上げの状況を見てみましょう。
①第1回回答集計(2023年3月17日集計、3月17日公表)定昇込み賃上げ計 3.80%
②第2回回答集計(2023年3月23日集計、3月24日公表)定昇込み賃上げ計 3.76%
③第3回回答集計(2023年4月3日集計・4月5日公表) 定昇込み賃上げ計 3.76%
④第4回回答集計(2023年4月11日集計・4月13日公表)定昇込み賃上げ計 3.69%
⑤第5回回答集計(2023年5月8日集計・5月10日公表) 定昇込み賃上げ計 3.67%
⑥第6回回答集計(2023年6月1日集計・6月5日公表) 定昇込み賃上げ計 3.66%
⑦第7回(最終)回答集計(2023年7月3日集計・7月5日公表) 定昇込み賃上げ計 3.58%
厚生労働省調査の春闘賃上げ率をみると、今年の賃上げ率は1994年(3.13%)以来の3%台となっていて、1980年以降では最大となった模様です。
ただ、これが「経済の好循環」となるためには、来年以降もこのぺースを維持できるかが問題となってきます。
2.「経団連」の対応
「経団連」とは、「日本経済団体連合会」の略称で、日本の代表的な企業で構成する総合経済団体です。
経団連会長は、よく「財界総理」と呼ばれるほど影響力があるとされています。その経団連も今年の春闘では、「賃上げ」の後押しをしています。
経団連は1月17日に、2023年の春季労使交渉・協議における経営側の基本的な考え方を示す「2023年版経営労働政策特別委員会報告」を発表しています。
その中で、以下のように書き込んでいるのです。
「第Ⅱ部 2023年春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンス」
「賃金引き上げの機運を醸成し、「構造的な賃金引き上げ」と「分厚い中間層の形成」につなげることが望まれる」
「経団連会長」の発言でも、「ベースアップを含めた積極的な賃上げの検討」を呼びかけており企業代表としては異例の対応です。
3.「政労使会議」とは何か?
「政労使会議」とは、政府、経済界、労働界の代表者によって、総理大臣官邸で開かれる会議のことです。3者が様々な問題について、話し合います。
毎年開かれているわけではありません。
「政労使会議」は、2013~2015年に開かれました。前回開かれたのは2015年、安倍政権時です。今年の開催は8年ぶりとなります。
この会議を開いた理由は、「経済の好循環」のためだと思います。
適切な「賃上げ」がなされなければ、消費が失速して、企業収益を増やすことができません。
企業収益が増えなければ、来年以降の「賃上げ」が望めなくなってしまいます。
このような動きを見ていくと、岸田総理は、「分厚い中間層を再構築する」という公約をそれなりに一生懸命に実現していこうとする姿勢が見えています。
4.「物価上昇」は、「賃上げ」以上だよね
上記のように、「政労使」の3者がそろって「賃金を上げよう」とするのは、良いことだと思いますよ。
コロちゃんの年金も今年の改定では1.9%上がっていますしね。
しかし、物価はそれ以上に上がっています。
以下に今年2023年の「変動の大きい生鮮食品を除く総合指数の「消費者物価指数」(CPI)を記載します。
1月 4.2%
2月 3.1%
3月 3.4%
4月 3.4%
5月 3.2%
この物価の上昇は、数十年ぶりとの報道も頻繁に流れています。これで「経済の好循環」がうまく回るのでしょうか。
コロちゃんは、ちょっと不安ですね。
5.「潜在成長率」の推移
なぜ、コロちゃんが不安を感じるかというと、日本の「潜在成長率」は低いのです。
「潜在成長率」とは、中長期的に持続可能な経済成長率のことです。資本・労働力・生産性の三つの要素の伸び率の合算値が「潜在成長率」です。
下記の表を見てください。
「内閣府 月例経済報告 潜在成長率」より
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspxsrc=https%3A%2F%2Fwww5.cao.go.jp%2Fkeizai3%2Fgetsurei%2F2312gap.xlsx&wdOrigin=BROWSELINK
出典:内閣府 月例経済報告 GDPギャップ 潜在成長率 より(7月8日利用)
上記の表は、内閣府が発表している「潜在成長率」の値です。
右側の数字ですが、2022年の一年間の四半期が、みな0.3%と0.4%です。
この数字がここまで低いのに、企業は3%以上の「賃上げ」を来年以降も持続できるのでしょうか。
コロちゃんは、経済には素人ですから、よくわからないことが多いのですが、日本経済と日本の企業は、毎年3%以上の「賃上げ」ができるほど、成長できるのでしょうか?
それでは、潜在成長率の過去の推移を見てみましょう。
「経済産業省 潜在成長率」より
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/pdf/001_04_00.pdf
出典:経済産業省 日本の現状 潜在成長率 より(7月8日利用)
上記のグラフは、2012~2019年の日本の「潜在成長率」の推移です。
2012年12月が、民主党から自民党に政権が移った年ですね。このグラフの期間は、いわゆる「アベノミクス」の期間です。
「アベノミクス」というと株価が上昇したイメージが何となくありますね。
しかし、上記のグラフを見てみると、経済数値である「潜在成長率」は、2012年の民主党政権時の1%から、だんだん右肩下がりに低下しています。
6.「賃上げ」は持続できるのかなぁ?
コロちゃんは、物価が上がらない方が、生活上は良いに決まっていますよ。
しかし、みんなが「経済の好循環」と言って頑張っているんだから、それができればそれに越したことはないとも思っています。
「経済の好循環」って以下のことでしょう。
「賃金が上昇して消費が拡大する」→
「消費が拡大すれば物価が上昇する」→
「物価が上昇すれば、企業の売り上げが増加する」→
「企業の売り上げが増加すれば、企業の利益が上昇する」→
「企業の利益が上昇すれば、賃金が上昇する」→
一番上に戻り、そのループが繰り返される
しかしね、こんなにうまく回るのかなーって、コロちゃんは疑い深いから思っちゃうんですよね。「潜在成長率」も低いですし。
だから、これよりも「成長できない」ことを前提にして、「縮小日本」を再構築する方にベクトルを向けた方がいいんじゃないかと、コロちゃんは考えているんです。
このブログをお読みの皆さんは、どうお考えでしょうか。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい
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