コロちゃんは、今朝も新聞を読んでいましたら、なんか、世の中の流れが変わってきたなーという記事を見つけました。
今まで3年余りにわたって「コロナ」が世の焦点でしたが、どうもみんなの意識が、そろそろ別のところに移ってきたように感じたんです。
1.「内閣支持率」と「コロナ対策の評価」の連動が弱まった
「コロナ」の流行と、「内閣支持率」がぴったり連動していたことは、過去にも報道されていましたから、ご存じの方も多いと思います。
「コロナ」の患者数が増えると、それとは正反対に「内閣支持率」が下がっていたんです。
「コロナ」の緊急事態宣言が最初に出されたのは、2020年4月7日のことでした。
当時の安倍総理は、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言を行い、4月16日に対象を全国に拡大しました。
その後、「コロナ」の感染拡大と歩調を合わせるように、安倍内閣の支持率は、急速に落ち込み、安倍総理は、8月に辞任となりました。
また、菅総理が次の総裁選に出馬しないと発表して退陣したのは、2021年9月でした。
当時「コロナ」は感染拡大「第5波」(R3.7.1~R3.9.30)の真っ最中でした。
菅総理の支持率は20%台まで落ち込み、不支持率も60%を超えるなど、世の中の評価は厳しいものでした。
菅総理は、失政と言われるほどのミスは無く、なぜ辞めたのかは、当時も今もよくわかっていません。
日本社会では、「コロナ」の感染拡大と、内閣支持率の低下は逆方向に連動するかのように動いていたのです。
それが最近では、「コロナ」の感染拡大もやや収まっていて、岸田政権における「コロナ」の対応評価も高いにもかかわらず、内閣支持率は、どの調査でも30%台と低迷しています。
「コロナ」と「内閣支持率」の連動しなくなったのです。
どうやら、最近の皆さんの意識は「コロナ」から、次の関心課題である「少子化対策」へと変わってきているようです。
2.うつろいやすい「日本社会の空気」
この日本社会の意識の変転を見ていると、コロちゃんは、2007年に起きた「消えた年金問題」を思い出します。
2006年時点で、5095万件の「誰のものかわからない年金記録がある」と大騒ぎになった事案です。
世の中が沸騰し、連日にわたり新聞やワイドショーで繰り返し報道されました。
まさに「地獄の蓋が開く」ような大騒ぎが、日本の社会に起こったのです。
「年金記録問題」
年金記録問題とは、過去の日本の年金記録において1人1番号という行政統一番号制度が無く、各行政ごとに一人の個人に複数の異なる番号という繁雑さからオンライン化されたデータ(社会保険庁がコンピュータ入力した年金記録)に誤りや不備が多いこと等が明らかになった問題である。
第1次安倍内閣の2007年2月16日以降、国会の社会保険庁改革関連法案の審議中に明らかになり、国会やマスコミおいて大きく取り上げられるとともに、社会保険庁の年金記録管理が国民から批判された。
第21回参議院議員通常選挙で与野党の逆転を招いた原因の一つと言われている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B4%E9%87%91%E8%A8%98%E9%8C%B2%E5%95%8F%E9%A1%8C
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「年金記録問題」最終更新 2023年2月25日 (土) 09:14
この騒動は、2009年8月の民主党政権誕生の遠因にもなっています。
しかし、この大騒ぎも、所轄官庁である「旧社会保険庁」が、2009年に解体されるうちに沈静化していき、世の中の興味は次の別な対象に移っていきました。
この「消えた年金」のその後の動きは、消えた年金5095万件のうち、記録が解明した件数は3012万件に終わりました。
2000万件ほどの記録については、未解決のままなのですが、世の中の興味が他に移れば、誰も問題にはしようとしません。
日本社会は、「忘れるのも早い」のです。
3.熱しやすく、冷めやすい日本社会
古くは、1970年代の石油危機時の「トイレットペーパー騒動」から、よく日本社会を表現する言葉として「熱しやすく、冷めやすい」と言われてきました。
この言葉は、先の戦争の時の民衆の動きでもそうだったのかもしれません。
最近の「コロナ」の「自粛警察」や「同調圧力」なども、その一つの現れかと思います。
とにかく、みんなの感情と行動が、一つの方向に、一気に流れるんです。
そして、どこかで立ち止まると、まるでそんなことは無かったかのように、一気に興味を失う。
コロちゃんが、この年になるまで長い間に見てきた日本社会とは、そのような社会だと思っているのですが、いかがでしょうか。
4.一気に薄れる「コロナ」
その「コロナ」への関心が、マスクを本人の意思に任せるという厚生労働省の通達以来、一気に薄れてきています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku_00001.html
出典:厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について マスクの着用について より(3月1日利用)
コロちゃんは、まだ「コロナ死者数」が多いことをみて、マスクを手放すつもりはありませんが、この厚生労働省の方針転換で、世の中の関心は次へと移っていくと思います。
5.次の関心は「少子化対策」か
新聞報道によると、「首相に処理してほしい政策課題」の質問の回答で、「新型コロナ対策」の数字が低下し、「子育て・少子化対策」が大きく上昇しているとありました。
これを見ると、世の中の関心は、次は「少子化対策」へ向かうのかなとも思われますが、もっと別の政策課題が、これから急浮上するかもしれません。
岸田総理の「少子化対策」の迷走については、このブログでも取り上げていますので、ご興味のある方は以下のリンクをクリックお願いします。
現在の最新報道では、「3月中にたたき台を作り、具体的なメニューを6月の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に反映する」とされています。
次の発表を待つのみですね。
6.コロちゃんの感想
世の中の関関心が「少子化対策」へ、はっきり向かえば、現在の政治構造において総理の支持率は重要な「政治資産」ですから、岸田政権としても何もやらないわけにはいかないでしょう。
それなりの「少子化対策」は、やらざるを得なくなると思います。 しかし、下記のような懸念をコロちゃんは持っています。
①財源はあるのかな
2020年度の「家族関係社会支出」は10兆7536億円(GDP比2.01%)でした。これを倍増するというと新たに約11兆円が必要となります。
自民党内には、必要な予算を「借金」でまかなおうとする方々がいらっしゃいます。
現役世代が費消する予算を、子や孫世代に支払わせようとするのは、やめてほしいですね。
自分たちが使う分は、自分たちで拠出するべきです。
②既婚者のみへの対策
今表明されている「少子化対策3本柱」は、「児童手当・子育てサービス・働き方改革」です。
すべて既婚者が対象の政策です。
しかし、少子化の一番の問題は、そもそも結婚できない若者が増えていることにあります。
非正規雇用、低所得雇用に手を付けなければ、少子化は改善しません。
年収と結婚が連動していることは誰でも知っています。
下記の表をご覧ください。非正規雇用の方の有配偶者率は、正社員の人の半分以下なんです。年収別の表をみても、年収の低い方は結婚しにくいのが一目瞭然となっています。
出典:内閣府 平成28年版少子化対策白書 第1部 少子化対策の現状(第1章 3)より(1月24日利用)
日本はヨーロッパとは違って、結婚できなければ子どもが産まれにくい社会ですから、既婚者優遇の政策では、さほどの少子化改善は望めないと思います。
7.「コロナ」対策の検証を忘れないで
「過去を振り返るな」という言葉はかっこいいですが、経過を検証せずに、同じ誤りを繰り返しているならば「バカ」です。
今回の「コロナ」では、小さな医療機関が点在していて、医療資源を効率的に動員できなかった問題がありました。
また、過去に保健所の数を大幅に縮小していたために、コロナの初動対応ができなかった問題など、多くの問題があったことがわかっています。
コロちゃんは、これらの問題をしっかり検証して、またいつ起こるかわからないパンデミックへの対応を進めてほしいと思っています。
それに、まだまだ「コロナ」は終わっていないのです。
コロちゃんは、今後も忘れずにウオッチしていきたいと思っています。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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