【社会考】「人手不足」の世の中になるの?

社会

おはようございます。今日はいい天気です。朝の散歩も気持ちよい気候でしたね。

今日は、気持ちが良いですから、世の中の「賃金」が上がるかもしれないという、景気の良いお話をポチポチいたします。

1.お給料の推移はどうなっているの?

コロちゃんは、1970年代の「高度成長」の時代に20代の青年でしたから、毎年お給料がどんどん上がった時代を経験していますが、ここ30年間の給料事情はまったく違います。

1990年のバブル崩壊以降、現在までの30年間、日本経済は1%前後の成長に低迷し、皆さんのお給料である「一人当たり実質賃金」はほぼ横ばいで推移しています。

下記のグラフをご覧ください。。

「内閣官房 賃金・人的資本に関するデータ集」より

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai3/shiryou1.pdf
出典:内閣官房 新しい資本主義実現本部事務 賃金・人的資本に関するデータ集 より(5月16日利用)

上記のグラフをみても「一人当たり実質賃金」は、1991~2019年にかけて、主要な先進国が1.3~1.41倍に拡大しているのに対して、日本では1.05倍と、ほとんど増加していません。

要するに、ここ30年間にわたって、皆さんのお給料は、マクロでは上がっていないのです。

2.「人口の減少」が身の周りにひしひしと迫る

日本の人口は、2008年に1億2808万人をピークをむかえ、昨年2022年10月1日現在で1億2494万人と12年連続で減少しています。

下記のグラフをご覧ください。

「経済産業省 2050年までの経済社会の 構造変化と政策課題について」より


https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/001_04_00.pdf
出典:経済産業省 2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について より(5月16日)

上記のグラフをみても、今後2050年には、日本の人口は1億人にまで減少する見通しです。

さらに、労働力のかなめである生産年齢人口(15~64歳)が、大きく減少していきます

それでは、今後の「高齢者と現役世代の推移予測」を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「経済産業省 2050年までの経済社会の 構造変化と政策課題について」より

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/
.pdf
出典:経済産業省 2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について より(5月16日)

上記のグラフをみてもわかりますが、現時点の2020年代は、高齢世代の増加幅は減小しますが、現役世代も減少します。

「人手不足」が、もうすぐそこまで来ているのが見えますね。

その後の2030年代は、高齢世代の増加幅がやや増えますが、現役世代が大きく減少します。

この2030年代も「人手不足」が進行するのではないでしょうか。

この時期の「現役世代」の減少と「高齢世代」の増加の大きな動きは、おそらく「団塊世代」と「団塊ジュニア世代の数が、変化の理由だと思います。

「団塊世代」が、65歳の前期高齢者になり始めたのが2012年で、「団塊ジュニア世代」が65歳の前期高齢者になり始めるのが2036年になるのです。

そして、2038年以降は、「高齢世代」「現役世代」ともに減少する、「大減少時代」が到来するようです。

3.「女性」の労働力

上記で見たように、人口が2008年にピークを打ち、その後減少に転じても所得が上がらなかったのは、「現役世代」が減少する中でも、「女性」と「高齢者」が働きだしたからです。

その「女性」の労働力の供給が、もはや期待できなくなってきています。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 令和3年の働く女性の状況」より

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/dl/21-01.pdf
出典:厚生労働省 令和3年の働く女性の状況 より(5月16日利用)

上記のグラフは、女性の労働力率を5歳階級別に見たものです。

平成23年の■の線から、令和2年の▲の線までは大きく上昇してM字カーブから台形に近づいています。

しかし、令和3年の●の赤線は、令和2年の▲の線より、やや上向く程度になっています。

M字カーブのへこみが無くなることによって、女性の労働力は、これ以上、上振れする余地が無くなってきているのです。

4.「高齢者」の労働力

次に「高齢者」の就業を見る前に、一つ考慮すべき事項があります。

それは、上記でも触れました「団塊の世代」の存在です。

下記の引用をご覧ください。

「ウィキペディア  団塊の世代」より

団塊の世代とは、日本において第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代を指す」

「第二次世界大戦直後の1947年〜1949年に生まれて、文化的な面や思想的な面で共通している戦後世代のことであり、大学進学した人は、学生運動が最も盛んな時期に相当する」

「この3年間の年間出生数は260万人を超えている。1947年生まれは267万8792人、1948年)生まれは268万1624人、1949年生まれは269万6638人であり、3年間の合計出生数は約806万人にのぼる」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%A3%E5%A1%8A%E3%81%AE%E4%B8%96%E4%BB%A3
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「団塊の世代」最終更新 2023年1月3日 (火) 22:41

上記の引用をみてもわかりますが、「団塊の世代」は、1年に260万人以上が生まれた、日本史上最大の「人口ボリュームゾーン」です。

昨年2022年の新生児の出生数が79万9728人ですから、「団塊世代」と比べると1/3以下です。ずいぶん減ってしまったものですね。

この「団塊の世代」の方たちは1947~1949年に生まれました。この方たちが、65歳以上になったのが、2012~2014年です。

下記のグラフをご覧ください。

「総務省統計局 高齢者の就業」より

https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1212.html
出典:総務省統計局 統計からみた我が国の高齢者ー「敬老の日」にちなんでー高齢者の就業より(5月16日利用)

上記のグラフは、「高齢就業者数の対前年増減の推移(2008~2018)です。

先ほど、「団塊の世代」(1947~1949年生まれ)が65歳以上になったのは2012~1014年と見てきました。

上記のグラフを、もう一度見てみましょう。

「団塊の世代」が65歳以上になった2012年から「高齢者」の就業が爆発的に増えています。

しかも、その内訳をみると「65~69歳の男・女」の青と赤の棒グラフが、一気に増え始めています。

その後の2017年になると、今度は「65~69歳の男性・女性」の青と赤の棒グラフが、一気に減少して、今度は「70歳以上の男性・女性」の青と赤の縞々の棒グラフに変わっています。

それは、人口ボリュームゾーンの「団塊世代」が、2017年に70歳を迎えたからです。この方たちは、この後数年で「労働市場」から退出していくでしょう。

「高齢者の労働力」は、すでにピークを越えたのです。後は減少する一方となると思います。

5.人手が足りなくなると、賃金は上がる・・よね?

コロちゃんが、今日のブログで、「人手不足」をとりあげたのは、日経新聞の5月15日の記事で「日本の賃金 強まる上昇圧力」という特集記事を読んだからです。

その記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

「安いニッポン」に転機 2040年労働「1100万人」不足 - 日本経済新聞
30年以上にわたって賃金が伸び悩んできた「安いニッポン」が転機を迎えている。女性やシニアの労働参加が頭打ちになり、アジアとの経済格差の縮小は外国人労働力の供給を細らせる。あらゆる産業で労働需要が供給を上回る絶対的な人手不足が到来し、働き手優位の状況は賃上げ圧力を強めている。「旅館で1泊2食付きが当たり前ではなくなってい...

コロちゃんは、この記事を読んで、今後の日本では大幅に賃金が上がるはずだと思いました。

そもそも「人手不足」なのに「賃金」が上がらないのはおかしいことなのです。

もし、そのおかしなことが現実の起きているとしたら、賃金の安い「非正規雇用」が許されていることが元凶なのだと思います。

かつての日本では、ごく一部の職種を除いて「派遣労働」は許可されていませんでした。1970年代の日本では、ほとんどの職種が「正社員」だったのです。

コロちゃんの今は亡き奥さんも、20代には「正社員」として会社で働いていました。

いまでは、全体の雇用者の38%が「非正規雇用」です。そのような制度が2000年前後から順次導入されてきました。

人出が足りなくなると、給料が上がるのが資本主義の原則です。その原則がもし成り立っていないのならば、政府が法規制を変えればいいと、コロちゃんは思います。

一生懸命働いても、「中流の生活」ができないような職種が無くなることを、コロちゃんは願っています。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Frauke RietherによるPixabayからの画像

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