【社会考】日本は「不安の時代」に入ったのだろうか

社会
Lars NissenによるPixabayからの画像

おはようございます。今朝も寒かったですね、でも日が昇ってくる日中には少し寒さが緩む日も出てきました。早く、暖かい春が来てほしいです。

世の中を見渡すと、値上げや物価高の話題ばかりで、何となく寒々と感じられるように思うのですが、こんな感覚はコロちゃんだけでしょうか。

なんとなく、世の中に「不安」という空気が漂っているように感じるんですよね。

1.家計では貯蓄が増えている

下記の表をみてもわかるように、二人以上の世帯における2021年の、1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は、1880万円で、前年に比べ89万円、5.0%の増加となりました。

これは、3年連続の増加となるとともに、比較可能な2002年以降で最多です。また、中央値は、1104万円(前年1061万円)となっています。

まず、貯蓄現在高の絶対値がここ3年間増え続けているんです。そして、年収のほぼ3年分を貯めています。

こんなにないよー、と思っている方が多いと思います。コロちゃんもそう思ってますから。
(。_。) ウンウン

https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2021_gai2.pdf
出典:総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)より(2月18日利用)

貯蓄が1880万円もないよという方は、ご安心ください。下記の表をご覧ください。

二人以上の世帯についての世帯分布をみると、平均値(1880万円)を下回る世帯が67.6%です。

なんと平均値(1880万円)を下回る世帯が、全体の70%近くを占めてるんです。

世帯貯蓄の最大のボリュームゾーンは、100万円未満です。

コロちゃんの貯蓄が少なくとも、世の中のボリュームゾーンが100万円未満なんですから、仲間外れではないですね。

ボッチではないという点は安心なんですが、将来を考えると「不安」を感じる方が多いというのもこのデータをみると納得します。

https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2021_gai2.pdf
出典:総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)より(2月18日利用)

この数値をどう考えればよいのでしょうか。コロちゃんには、お金がある人も無い人もみんな「不安」を抱えていて、消費せずにどんどん貯蓄をしているように見えるんです。

2.年代別にみると、高齢者に偏っている

上記の表は、貯蓄現在高別の分布でしたが、年代別にみるとまた別の風景が見えてきます。

下記の表は、年代別の金融資産保有残高のデータです。

上の段の表は 平成27年(2015年)のちょっと古いデータですから、個人金融資産が1700兆円でそのうち60歳代以上が1000兆円を保有するとあります。

しかし2022年では、個人金融資産2000兆円でそのうち60歳代以上が1300兆円を保有するといわれています。

これをみると、お金を持っている高齢者が将来の「不安」のために消費に回さない姿がみえてくるのではないでしょうか。

https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/20151026_27zen25kai2.pdf
出典:財 務 省 説 明 資 料 〔相続税・贈与税〕平成 27 年 10 月 27 日(火)(11月17日利用)
https://www.stat.go.jp/data/zensho/2009/shisan/yoyaku.html

出典:総務省統計局 平成21年全国消費実態調査 家計資産に関する結果の要約(11月17日利用)

3.どうしてこんなに働くの?

下記の表をみてもわかりますが、2021年の高齢者の就業者数は、2004年以降、18年連続で前年に比べ増加し、909万人と過去最多となっているそうです。

男女別にみると、男性は65歳以上の線では横ばいですが、それ以外では右肩上がりに上昇し、女性は、10年連続ですべての線が前年に比べ上昇しています。

また、65~69歳の就業率をみると、男性は2014年に50%を超え、2021年は60.4%となっています。一方、女性は2014年に30%を超え、2021年は40.9%となっています。

高齢になっても、こんなに働く理由は、「生活できない」と「将来不安」だと思いますがいかがでしょうか。

https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1322.html#:~:text=
出典:総務省統計局 統計値ピックスNO.132統計からみた我が国の高齢者ー「敬老の日」にちなんでー 2.高齢者の就業より(2月18日)
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1322.html#:~:text=
出典:総務省統計局 統計値ピックスNO.132統計からみた我が国の高齢者ー「敬老の日」にちなんでー 2.高齢者の就業より(2月18日)

4.若者への投資奨励

現在政府は、iDeCoとNISAを奨励しています。

「確定拠出年金統計資料」によりますと、iDeCoの加入者数は2016年の25万人から2020年の155万人へと4年間で約6倍に増加しているそうです。

iDeCoは「個人型確定年金」ですね。NISAは「小額投資非課税制度」です。

NISAも2016年の628万口座から、2022年の1100万口座へと2倍近くへ増加しているそうです。

年収の低い若者が消費にお金を使わずに、iDeCoやNISAにお金を回すのは、将来への「不安」を感じているからではないのでしょうか。

下記の表が若者の給与の実態です。20代の方は50代の方に比べると、半分以下です。

ここから投資にお金を出しているのは、よほど老後に「不安」を感じているのでしょう。

https://wwtゆw.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/000.pdf#page=25
出典 国税庁長官官房企画課 民間給与実態統計調査 -調査結果報告- 令 和2年9月(11月16日利用)

5.「社会不安」についての世論調査

下記の表は、内閣府の行った世論調査です。

これをみると、全体の70%近い方たちが、自身の将来に「不安」を感じると回答しています。

そして、男性よりも女性の方が「不安」の度合いは高く、年齢別に見ると「不安を感じる」とする者の割合は40歳代、50歳代で最大の80%近くまで高くなっているんです。

60歳代でも「不安」は66%と高いですね。

この社会不安が、上記のお金が貯蓄に回ってしまっている理由の一つなのではないでしょうか。

https://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-shourai/zh/z03.html
出典:内閣府 人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査より(2月18日利用)

6.「老後への備え」か「消費の拡大か」

現在、政府は「経済の好循環」を目指して賃上げして消費を拡大しようと躍起になって政策を展開しています。

その経緯は、以前のブログでも書きましたので、よろしければ下記のリンクからお読みください。

【経済考】経済の好循環は実現できるか

そこでも取り上げました「経済の好循環」をもう一度確認します。

「賃金が上昇し、消費が拡大」→
「消費が拡大し、物価が上昇」→
「物価が上昇し、商品の値段が上がり、企業売り上げが増加」→
「企業売り上げが増加し、企業収益が増加」→
「企業収益が増加し、再び賃金上昇」

これを頭に浮かべて、上記の「家計貯蓄の増大」や「若者のNISAやiDeCo」の拡大を考えると、「老後の備え・不安」がある限りは、「消費の拡大」は成立しないものなのではないでしょうか。

7.「不安」を無くすことから始めたほうがいいと思う

社会の「空気」というものは、なかなか恣意的にコントロールできるものではないのですが、現在の社会には全般に「不安」が全体に漂っているように見えます。

社会に漂う「不安」が上記のような「貯蓄」や「就業者数」や「世論調査」に表れているのではないでしょうか。

「不安」がある限り、多くの方々は働いて収入を得ても、使わずに貯蓄するだけです。

多くの政策課題はあるとは思いますが、この「不安」を払うためには、日本を「大きな政府」に作り替えて、社会システムの組みなおしを進めるしかないと、コロちゃんは考えています。

「社会不安」の払しょくを優先課題として進めるべきだと思います。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

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