【闘病考】コロちゃん、大腸がんになる(その3)

闘病

このブログは前回からの続きになります。前回をお読みになりたい方は、下記のリンクをご覧ください。

【闘病考】コロちゃん、大腸がんになる (その1)
【闘病考】コロちゃん、大腸がんになる (その2)

7.抗がん剤治療

その後は、抗がん剤治療です。ゼロックス療法というもので通院しての「点滴椅子」に座っての点滴です。3~4時間はかりましたっけ。待ち時間もあり、6時間以上かかった時もありましたね。

点滴椅子にテレビもついている優れものです。患者が飽きないように工夫されています。

ゼロックス療法は1コース21日間、4コースでした。点滴後すぐに手足の先がしびれてきます。車での通院は帰りが怖いので、交通機関を使用しました。

抗がん剤治療の副作用

抗がん剤を点滴すると、病院から出る頃にはもう副作用が出てきました。手足のしびれです。「抹消神経障害」というそうです。

季節は冬です。この障害は冷えると顕著に出てきます。まず、水に手をつけられない。ドアノブを触れない。シャツのボタンを留められない。薬のパッケージを開けられない。

手足の皮が全部ボロボロと剥けました。24時間、家の中でも手袋を着用しました。足の爪がほとんど抜け落ちました。

そして、倦怠感です。

とにかく集中力が続きません。あれだけ読書好きのコロちゃんが、この時から2年間本をほとんど読んでいません。あとから記録を見て驚きました。まったく身体に余裕がなかったんです。

さすがにつらかったですが、妻がすべて面倒を見てくれました。ひとつひとつ全部何も言わずにやってくれるんです。

この時ありがたかったのは、文句も泣き言も励ましの言葉さえも、何ひとつ言わない妻の姿勢ですね。

本当に苦しい時には、励ましの言葉は重荷なんです。黙ってそばにいてくれれば、必ず一人で立ち上がりますから。

いい妻だったなー(T_T)

8.傷病手当と退職

この病気で何が困るかというと、実は医療費よりも、働けなくなった時の生活費です。

コロちゃんは、現役で働いていましたので、まだまだ仕事を続けるつもりでした。手術後ちょっと休職はしましたが、すぐに職場に復帰しました。

しかし、副作用で手の皮膚が全部ボロボロになり、全身の倦怠感が強まってくると休職せざるを得なくなりました。復帰2週間でまた休職となりました。

休職となると、会社からのお給料はでません。その時のために「傷病手当金」という制度があります。

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000619554.pdf

出典:厚生労働省 厚生労働省保険局 第127回社会保障審議会医療保険部会 資 料 1傷病手当金について(11月27日利用)

健保組合・協会けんぽ・共済組合に加入している雇用者には、病気で働けなくなった時に「傷病手当金」が支給される制度があります。

コロちゃんは、この支給を最長の18ヶ月受けて生活を支えました。大変ありがたかったです。

支給金額は「1日につき、直近12か月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額」です。

わかりにくい表現ですが、ボーナスを除いた毎月の給料のだいたい6割程度でしょうか。

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000619554.pdf

出典:厚生労働省 厚生労働省保険局 第127回社会保障審議会医療保険部会 資 料 1傷病手当金について(11月27日利用)

2016年現在で36万人以上の方が、がんに罹患しても治療しながら通院しています。

コロちゃんも職場復帰を目指したのですが、傷病手当金支給の最長期限1年6ヵ月が過ぎても、身体が回復しませんでした。くやしかったなー(´Д`)

傷病手当金制度は、国民健康保険にはありません

この「傷病手当金」制度は、地方自治体の運営する国民健康保険にはありません(一部の国民健康保険組合にはある)。自営業対象の制度だからという理由だそうです。

コロちゃんは、傷病手当金について調べていて、このことを初めて知りました。

がんに二人に一人がかかり、三人に一人が亡くなるといわれる時代に、時代錯誤の制度としか言いようがないと思いました。

一般に非正規雇用の方は、国民健康保険の方が多いです。がんという病は、会社員とか自営業とか非正規雇用とか、人を選んで罹患はしません。

1年間にがんに罹患する患者数は100万人を超えます。当然その中には多くの非正規雇用や自営業とかで国民健康保険の方もいらっしゃるでしょう。その方たちのセーフティネットは弱いです。

コロちゃんが制度のガラガラポンと統一を願うのは、このような体験も背景にあります。

9.薄れる副作用の先には後遺症と退職

抗がん剤治療が終了した後、数か月たってから、全身に痛みが出てきました。

手を肩から上にあげると、筋肉が痛むんです。足のもも・ふくらはぎも痛みます。生活の質・快適度が極端に低下しました。

この原因と治療法は分かりませんでした。とりあえず痛み止め薬はもらうんですが、効きません。全身の倦怠感もまだ残っていました。

そうこうしているうちに傷病手当金の最長期限18ヶ月となり、退職せざるを得なくなりました。この全身の痛みには、1年半近く苦しめられましたが、徐々に薄れて消えていきました。

10.無収入で病いもちの老人になりました

傷病手当金の支給が終了し、仕事を退職すると収入がありません。

さぁどうしよう。「体調を回復したら何か仕事をしなきゃぁ」と考えたかというと、体力と思考力の低下でぐったり寝ていたというのが実情でした。

退職直前の読書記録をみると、少し読書数が出てきているので本の世界に逃げ込んで心のバランスを必死にとっていたのだと思います。

無収入というのは相当なストレスです。これからしばらくの間は、妻の年金収入のみで生活することとなりました。

その後コロちゃんの待望の年金受給が始まりましたから、コロちゃんちの年金清貧ライフの出発となって少しホッとしました。

この期間に家計収入について、妻が何かを語った記憶が一切ありません。いやー、人間が大きい女性でした(身体はあまり大きくありません)(^_^)

そういう時に、ちょっとした検査でコロちゃんの「悪性リンパ腫」が判明したのです。退職してのち数ヶ月後でした。

11.コロちゃん絶体絶命! そのとき妻は・・

大腸がんの治療が手術・抗がん剤治療と一段落して、その後の副作用には苦しめられたものの、何とか乗り越えたかと思ったら、次には思いもよらぬ後遺症の「全身の痛み」です。

その痛みも少しずつ薄れて、いよいよあとは「がんサバイバー」を目指すだけかとおもったら、さらに「悪性リンパ腫」の宣告を受けました。

コロちゃん絶対絶命!

と思いましたが、その時そばにいた妻は、まったく平常と同じ様子で黙々とコロちゃんのお世話をしてくれるのです。泣き崩れるのでもなく、文句を言うのでもなく、まるで達観したように。

この時は、わが女房殿ですが尊敬しましたね。胆力がすごい(何も考えていないだけかもしれませんが)(・_・;)

分量が長くなりましたので、3回に分けてお伝えしました。
この続きは『【闘病考】コロちゃん、悪性リンパ腫になる』で後日にお伝えします。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

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