【闘病考】コロちゃん、悪性リンパ腫になる(その2)

闘病

コロちゃんは自分が先に逝くかもしれないと思うと、今まで全力で介護してくれた妻の今後の生活を思いました。

6.コロちゃん、年金事務所で遺族年金を調べる

やはり、調べとかなきゃぁな。

現在の制度は女性がおひとりさまになると、生活が苦しくなる例が多いと知っていました。

年金事務所に予約を入れ、現時点の遺族年金の金額を聞き、まあ何とか生活できると知った時にはちょっとほっとしましたね。

遺族年金とは
「遺族年金は、一家の働き手の方や年金を受け取っている方などが亡くなられたときに、
ご家族に給付される年金です。」

「亡くなられた方の年金の加入状況などによって、
「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」のいずれか、または両方の年金が給付されます。」

「亡くなられた方の年金の納付状況・遺族年金を受け取る方の年齢・優先順位などの条件を
すべて満たしている場合、遺族年金を受け取ることができます。」

https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK03-3.pdf

出典:日本年金機構 遺族年金ガイド 令和4年度

おふたりさまなら生活できるけど・・・

老後の生活はみんなが厳しいわけではありません。老夫婦の生活ならば生活の維持はそれほど難しくはありません。

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/html/zenbun/s1_2_1.html#:~:text=%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E4%B8%96%E5%B8%AF%EF%BC%8865%E6%AD%B3,%E5%89%B2%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82

出典:内閣府 令和3年版高齢社会白書  1 就業・所得(11月28日利用)

そう、おふたりさまなら、何とか生活できるんです。今の年金制度はそのように設計されています。問題はおひとりさまになった時なんです。

おふたりさまは、必ずいずれおひとりさまになります。ほとんど男性が先に旅立ちます。その時に残された女性の年金が少なければ生活は大変です。

現行の年金制度では、女性の年金はシステム的にも少なくなってしまうようにできているんですよ。

コロちゃんが、年金制度もガラガラポンしてくださいとお願いするのは、このような制度が時代に合わなくなってきているからです。

https://www.mhlw.go.jp/content/koutekinenkin_jukyusha_202106.pdf

出典:厚生労働省 公的年金受給者に関する分析
ー配偶者の状況と現役時代の経歴(就労状況)からみた年金受給状況ー(11月28日利用)

年金の分布をみると、男性は6割が月額15万円以上なのにたいし、女性は逆に6割以上が10万円未満となっています。

老夫婦でそれなりに暮らしていても、女性が残されると生活維持は遺族年金次第になるんです。やはり心残りにならないように調べることにしました。

遺族年金の金額は、電話ではお知らせできないといわれましたので、近隣の年金事務所の予約をとり、詳しいことを聞きました。

その結果は、どうやら何とかおひとりさまでも生活が成り立つぐらいの金額は支給されるようなので、ひとまず安心しました。

もちろん、清貧生活ですけど(^_^)。

7.抗がん剤治療と副作用

悪性リンパ腫の治療は抗がん剤療法です。3週間ごとに4コースで点滴を行いました。最初の1コースのみは入院で、その後は通院という治療方法を指示されました。

ステロイド剤をつかうというこの治療は、頭の毛がすべて抜ける副作用がありました。覚悟はしていましたから、動揺はしませんでしたが、その他の副作用にはまいりましたね。

とにかく、苦しいんです。息をするのも一呼吸一呼吸をやっとするありさまです。一瞬一瞬を過ぎるのがつらい。大腸がんの抗がん剤よりも、こちらの方がはるかにつらかったですね。

「もう、やめた!」と言い出しそうになり、耐える。とにかく耐える。耐える。耐える。

それに夜眠れない。眠剤も効かない。前回の抗がん剤と違って、手足の皮がボロボロに剥けたり、足の指の爪が剥がれたりはしませんでしたが、これは別格のつらさでした。

メンタルも相当痛みました。被害妄想のような症状が出てきて、息子たちが心配して駆けつけたこともありました。

しかし、わが偉大な妻は、いささかの動揺も見せずに介護してくれました。この副作用から回復するには1年以上かかりました。

8.くしゃみで圧迫骨折をおこす

抗がん剤治療のステロイド剤には、骨粗しょう症のリスクがあるそうです。がんには効果的な薬なのでしょうが、それだけに副作用も強い。

朝、ワンコの散歩中に、コロちゃんは「ハックション!」とクシャミをしました。途端に腰に激痛が走ります。

腰椎の圧迫骨折です。コロちゃんはその後、現在に至るまで腰痛に悩まされることとなりました。

9.大腸がん「治癒」となる

がんは、手術や抗がん剤治療をして、全身にある程度の大きさのがん細胞が見つからなくなれば「寛解」となります。

その後、5年間にわたり定期検査を行い、再発がんが見つからなければ「治癒」とされます。癌という病いは、5年後の再発率が非常に低いことから、そのようになっているようです。

コロちゃんは、大腸がん発症から5年が経過し「治癒」と判断されました。「大腸がんサバイバー」の誕生です。

しかし、まだ「悪性リンパ腫」があります。戦いはまだ続きます。コロちゃんの頭の中は、この生死を賭けた戦いでいっぱいで、この後もファイティングポーズを崩すことはありませんでした。

10.後遺症と平穏な日々

その後の、腰痛以外の抗がん剤治療の後遺症は、全身の倦怠感です。集中力がまったく持続しません。

車の運転も危なくてとてもできません。1年以上その状態が続きました。生活はすべて妻頼みです。

このまま全身状況が変わらないまま続くのかなぁと考えながらの日々でしたが、時々はがんばって旅行ができるようになりつつあるときに、大きな変化がありました。

今から振り返れば、後遺症には苦しめられたものの、2年ほど続いた平穏な日々でした。

11 .今から思うこと

コロちゃんは、押し寄せる驚きの事態に、その場その場で慌てて対応をしていたように思っていました。

しかし、今から振り返ると、断捨離なり、子たちとの連絡なり、医療対応なりで、それなりの個性が出ていたのかなと思うこともあります。

反省も込めて、振り返ってみたいと思います。

反省・後悔はしない

よく言いますよね。やってしまって後悔するのと、やらなかったことを後悔するかの選択のことを。

コロちゃんは、今までの人生で、条件が許せばできるだけ「やって後悔」を選んできました。

今回も同じです。その結果がどうなっても、後悔はしないで「仕方ないね」で済ますんですから、ダメダメ男と言われても仕方がないですよね_(._.)_

振り返らない

前進することに全力を尽くす、後ろは振り返らない。

たとえ結果が悪くとも、結果は受け入れる。そうすれば、少なくとも周りからは「一生懸命やっていたね」という評価は得られるでしょう(・・だといいな)(^_^)

価値観はなかなか変わらない

その時々の状況に合わせて臨機応変に対応すれば? とよく言われるのですが、それがなかなかできないんですよね。人間の価値観はあまり変わりません。

コロちゃんの人生は、いろいろやることで失敗は多かったですが、「自己満足度」の高い生き方だったと思っています。今回も全力は尽くしましたから「満足」はしています。

いまこう振り返ると、あらためてそれにお付き合いする「コロちゃん妻はたいへんだったろうなー」と思いました(オイ!おそいよ!)

12.妻が倒れた

子どもたちが独立してから、ずっと妻と二人で暮らしてきました。思えば妻と生活を共にしたのは1970年代のコロちゃんたちが20歳代前半の時からです。

それ以来妻とは、ずーっと一緒に歩いてきました。

そして高齢者となってからも、コロちゃんが病気に倒れてからも、当たり前のように「わはは」笑いながら、コロちゃんの面倒を見てくれました。

その病気をほとんどしたことのない妻が、年末にいきなり倒れました。

分量が長くなりましたので、2回に分けてお伝えしました。

この続きは『【闘病考】コロちゃん妻、肺がんになる』で後日にお伝えします。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

本稿は以下からの続編になります。

【闘病考】コロちゃん、悪性リンパ腫になる(その1)
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