【社会考】「金八先生の時代」と格差の拡大➂

社会

おはようございます。今朝のコロちゃんは、ちょっと違っていますよ。分かりませんか?

ほら、ほら、ほら。昨日のコロちゃんと全然違うでしょう? んー、わっかんないかなー?
(。・_・?)ハテ?

コロちゃんは昨日に「床屋さん」に行ってきたんですよ。だから一段と「男ぶり」が上がっているでしょう?
( ¯▽¯ )エヘヘ

「そんなの・・・わかるわけないよ!」by読者様

コロちゃんは、今だいたい2ヶ月に1度「床屋さん」に通っているのです。

コロちゃんはもうおじいちゃんですから、さほどビジュアルには気を使っていませんけど、あまり「むさくるしい」のはみっともないですからね。

通っている「床屋さん」は、「カット+シャンプー+顔剃り」で2600円のお安いお店ですね。この店にコロちゃんは、もう30年も通っているので、すっかりおなじみさんとなっていますよ。

そんな身だしなみが「サッパリ・スッキリ」したコロちゃんが、今日は「金八先生と格差の拡大➂(最終話)」をカキコキしますね。

0.「今日の記事のポイント」

☆「金八先生とリーガル・ハイSP1の二つのセリフと、1980年代と2010年代の二つのスタートライン」

☆「努力すればだれでも所得が増えるのか?と、大きな所得再配分政策を実行は出来るのか?」

☆「再分配政策を支持する多数派の形成がカギだよねと、みんなで負担してみんなで享受するプランを作ろう」

☆「コロちゃんとサークル活動」

1.「金八先生とリーガル・ハイSP1の二つのセリフ」

コロちゃんは、先日に「金八先生の時代と格差の拡大」と言うテーマの記事を投稿しています。今日はその続きの➂になります。

前回の記事の中で、1980年代に放映された「金八先生」と、2010年代に放映された「リーガル・ハイSP1」の二つのドラマの中のセリフと、その時代の社会背景がずれていることを指摘しています。

すなわち、以下のようになっているとしているのですよね。

➀「金八先生のセリフ:人と言う字は、人と人が支え合ってできている」
(努力が報われやすかった1980年代に『支え合い』が強調されている)

➁「リーガル・ハイSP1のセリフ:一人の人間が、両足を踏ん張って大地に立っている姿」
(努力が報われにくくなった2010年代に『自立』が説かれている)

上記のように「松本淳教授」は、二つのドラマの「時代背景」と「セリフ」が真逆となっていると指摘しているのです。

そして「現代社会」で、支え合いの重要性が増しているにもかかわらず、それへの「賛成と反対」の両方の声があることの背景を探っています。

前回・前々回の記事をまだお読みでない方は、下記のリンクのクリックをお願いします。本日の記事をより楽しくお読みできますよ。

【社会考】「金八先生の時代」と格差の拡大
【社会考】「金八先生の時代」と格差の拡大➁

2.「1980年代と2010年代の二つのスタートライン」

上記で「松本准教授」が、以下のふたつのドラマの「時代背景」と「セリフ」が真逆となっていると指摘している点ですが、実はこの「論考」ではハッキリした答えは書いていないのですよ。

だけど、その「背景事情」の考察を通して何となくですがコロちゃんには「松本准教授」のおっしゃりたい事が分かるような気がしましたね。

コロちゃんが考えた「キーワード」は「スタートライン」です。

➀「1980年代は、みんなのスタートラインが同じだった」

最初は「金八先生の時代」だった1980年代の様子です。

➀「金八先生のセリフ:人と言う字は、人と人が支え合ってできている」
(努力が報われやすかった1980年代に『支え合い』が強調されている)

この上記の時代であった1980年代には、まだ「日本社会の格差は小さかった」のですよね。下記の通りです。

◎「1981年のジニ係数」

➀「金八先生の1981年」
・「再配分前:0.34」(ビフォー)
・「再配分後:0.31」(アフター)

(出典:厚生労働省:所得格差の推移より)

ほら、格差の指標である「ジニ係数」が「再分配前0.34」で小さいでしょう? 昨年の2023年には、これが「再分配前0.57」まで上がっているのですよ。

この「格差が小さい」と言うことは、みんなの「スタートライン」が同じだったと言うことになります。

1981年当時は、「格差」を作り出す「運と努力」のうちの、「運は小さく」格差はその後の「努力」で生み出されていたとなるのでしょう。

そうなると、「同じところからスタート」するわけですから「努力が報われやすい社会(1980年代)」が形成されます。

そして「同じところからスタートした仲間意識」が、「支え合いを強調する価値観(1980年代)」を生み出します。

コロちゃんは、このように「金八先生のセリフ」を読み解きましたよ。

➁「2010年代は、スタートラインが違ってしまった」

「金八先生の時代」から30年経った後の、「リーガル・ハイSP1mの時代」の状況は、がらりと変わっています。下記ですね。

➁「リーガル・ハイSP1のセリフ:一人の人間が、両足を踏ん張って大地に立っている姿」
(努力が報われにくくなった2010年代に『自立』が説かれている)

この2010年代には、もう「日本社会の格差」は大きなものとなっています。下記ですね。

➁「リーガル・ハイSP1の2013年」
・「再配分前:0.55」(ビフォー)
・「再配分後:0.37」(アフター)

(出典:労働政策・研究研修機構:統計情報:最近の調査結果からより)

上記の「再配分前の0.55」は、そのままでは「革命」が起きるほどの格差です。

もちろん「再配分政策」によって「再配分後0.37」にまで下げられていますから、直ぐに「社会不安」に繋がることはないでしょう。

それでも「再配分前のジニ係数0.55」の「格差の大きさ」は、みんなの「スタートライン」が違う現象をもたらしたのではないでしょうか。

「格差」を作り出す「運と努力」のうちの、「運は大きく」、格差はその後の「努力」では埋められないほどになると、もうお互いは仲間ではありません。

そうなると、「最初からスターラインが違うところから出発」するわけですから「努力だけでは上がれない運の要素の大きい社会(2010年代)」が形成されます。

そして「スタートラインが違うグループ」が形成され、違うグループに対しては「仲間意識」などなくなります。

そしてそこには「自立を強調する価値観(2010年代)」が形成されるでしょう。

コロちゃんは、このように「リーガル・ハイSP1のセリフ」を読み解きましたよ。

3.「努力すればだれでも所得が増えるのか?」

ここで「松本准教授」の論考に戻りますが、「論考」では「人は努力すれば、運命に打ち勝つことができるのでしょうか?」と問いかけています。

そこで「社会階層論」の研究で、「日本では21世紀に入ってから社会的な流動性、つまり階層間の移動が少なくなっている」としています。

そして「2021年の新語・流行語大賞」で「親ガチャ」がトップ10に入ったことを記載しています。

コロちゃんは、ここで「世襲議員」の事を頭に思い浮かべましたよ。下記ですね。

◎「世襲議員(2021年)」

➀「自民党  :29%:99人」
➁「立憲民主党:10%:25人」
➂「公明党      :1人」
➃「日本維新の会   :1人」
➄「国民民主党    :1人」

うーむ、やはり「政権政党」の「➀自民党:29%:99人」が一番多いですね。
( ̄へ ̄|||) ウーム

彼らが努力しなかったとまでは言いませんけれど、やはり親の「看板・地盤・カバン(資金)」がなければ当選できなかったかも知れませんね。

「松本准教授」は、上記の「親子間の継承性が高い」と言う事実をあげて、「所得再配分の必要性」を強調していますね。

コロちゃんも、まったく同意しますよ。この項の「小見出し」の「努力すればだれでも所得が増えるのか?」と言う問いには、コロちゃんは以下のように答えますよ。

「そんなわけねーだろ!」byコロちゃん
ヾノ゚ェ゚*)ナイナイ

この上記の内容は、「松本准教授の論考の➄」に記載されています。お読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

所得再分配を支える世論(5) 「親ガチャ」が強まる日本社会 東京理科大学准教授 松本朋子 - 日本経済新聞
努力の多寡が所得に反映されないのであれば、努力するインセンティブは湧きません。では、人は努力をすれば、運命に打ち勝つことができるのでしょうか。歴史の教科書では、親の地位や職業に関係なく、個人の能力が評価され、努力が報われる「実力主義社会」が誕生したのは近代だとしています。日本でも明治維新で職業の選択が自由になったとされ...

4.「大きな所得再配分政策を実行は出来るのか?」

この「松本准教授」の論考も3話目となります。そろそろまとめなければなりませんので、あとは以下に簡単に纏めますね。

まず「経済成長期」は、困った人を支える余裕を持つことは比較的容易ですが、「日本経済」は長年「低成長」が続いて余裕がありません。

それは国民も同じで、なかなか「仲間を助け合う」ことに積極的にはなれなくなっていますね。

「松本准教授」は、「政治不信」には2つあると記載しています。以下ですね。

➀「税金を効率的に使わない政府への不信」
・「財政規模の大きな再分配政策を実施することに対する有権者のためらい」

➁「富裕層と癒着し金権政治をする政府への不信」
・「富裕層により高い税金を払わせるべきだという考えを有権者に広げ再分配政策を拡大する可能性」

上記の➀と②の相反する「再分配政策」への賛否で、有権者は揺れ動いていると「松本准教授」は考えているようですね。

そして、「勤労世代が負担を受け入れるには、実効力ある社会保障制度が自身の老後まで持続するという確証が必要」と喝破しています。

最後に「政府が示す楽観的な見通しに翻弄」されてきたのだから、もう「現状のトレンドを前提とした現実的な計画を立てることが、再分配政策への支持を拡げるカギ」だと主張していますね。

ざっと、最後の➅~⑨話を簡単に纏めてみましたが、コロちゃんの感想は次に書いてみますね。

この上記の内容は、「松本准教授の論考の➅~⑨」に記載されています。お読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

所得再分配を支える世論(6) 低成長下で深まる政治不信 東京理科大学准教授 松本朋子 - 日本経済新聞
経済成長期は給与が増え続け、生活向上が実感できます。今後についても楽観視できるので、困った人を支える余裕を持つことは比較的容易です。実際、日本や欧米の福祉制度は戦後の経済成長に支えられ、急速に拡充されました。しかし、20世紀末にかけて経済成長が鈍化すると、欧米では所得再分配の是非を巡る対立が表面化しました。根拠は明確で...
所得再分配を支える世論(7) 支えるのは「仲間」だけか 東京理科大学准教授 松本朋子 - 日本経済新聞
前回は景気低迷で広がった政治不信が、人々の再分配政策への態度にどのような影響を及ぼすかを考えました。今回は、景気低迷で浮かび上がったもうひとつの重要な議題、異なる人種や民族間の支え合いについて考察します。経済的に苦しい時でも、人は他者に優しく、支えようと思えるでしょうか。たとえ支えることが正しいと理解していても、先行き...
所得再分配を支える世論(8) 少数の富裕層が持つ影響力 東京理科大学准教授 松本朋子 - 日本経済新聞
民主主義は多数決の政治です。ほとんどの国は再分配政策で利益を得る人が国民の過半数であり、再分配で損をする平均所得以上を稼ぐ人は少数派です。しかし、民主主義国家でも少数派の富裕層の政治的影響力が、過半数の一般市民を上回っているのが現実かもしれません。1981年から2002年までの米国では、経済エリートや財界が政府の政策に...
所得再分配を支える世論(9) 実効性ある現実的計画が重要 東京理科大学准教授 松本朋子 - 日本経済新聞
1990年代末から2000年代初頭にかけて、京都大学の橘木俊詔教授(当時)と大阪大学の大竹文雄教授(同)が、日本の所得格差拡大について議論しました。この「橘木・大竹論争」で明らかになったのは、現代日本の格差はリタイア世代の増加によって拡大していることです。日本の所得再分配は同世代間ではなく、主に現役世代からリタイア世代...

5.「再分配政策を支持する多数派の形成がカギだよね」

コロちゃんは、この「松本准教授」」の「論考」を読んで、あらためて「日本社会の変貌」を思いましたね。

みんなが「平等だと思っていた1980年代」と、「格差が自覚される2010年代」の時代背景の違いは、コロちゃんが思っていたよりもはるかに深刻で、大きな変化となっていたようです。

何よりも、「努力しないヤツを助ける必要があるのか」と言う国民感情は根強いものとしてあることが良くわかりましたね。

誰しもが「努力しないヤツ」は目に見えるでしょうけど、「スタートラインでハンデを持っていた人」は見ても分からないでしょう。

「努力」は目に見えますが、「運の良し悪し」は目に見えないのですよね。

しかし、現状を嘆いていても何の役にも経ちません。

コロちゃんは、「大規模な再分配政策」を支持しますが、「言いぱなし」や「こうあるべきだ」と言う議論は意味がないと考えています。

現在必要なのは「実現可能性のあるプラン」でしょう。言い換えれば「ある程度の多数派に受け入れられるプラン」です。

何よりも優先すべき順位は「多数派形成」だと思っていますね。

ここまで書いて来て、コロちゃんが「30代・40代」だった1980年代とは「社会の統合」がはるかに難しい時代をなっていることをハッキリ知りましたね。

だからこそ「多数派形成」が何よりも大切だと実感しましたよ。

6.「みんなで負担してみんなで享受するプランを作ろうよ」

現在の日本で「格差」が進行していることはもう明らかです。そしてこの「格差の進行」は、構造的なものですから、このままではさらに進むこともハッキリしています。

しかし、現在の「社会構造や経済構造」を変えることはまずできませんから、政策の選択肢は「所得再配分政策」しかないのが現状だとコロちゃんは考えています。

しかし、その「所得再配分政策」は、なかなか「社会的合意」を得ることは難しいとも思っています。

だから、コロちゃんは「受益者は全階層」となるような「大規模な所得再配分政策」を提案しますよ。

➀「みんなが賛成できるようなプランを作ろう」

ではどんな「大規模な所得再配分政策」があるかと言うと、例えば「高校無償化(所得制限なし)」「大学無償化(所得制限なし)」のような政策もいいですね。

また、これでは「子どもがいない世帯」や「高齢世帯」には恩恵がないですから、「負の所得税※」や「最低保障年金」なども選択肢になるかと思いますよ。

(※負の所得税:一定の収入のない人々に対して、徴税するのではなく直接給付するというもの)

このようなプランならば、「高・中・低所得層、年金生活者」などの「全国民」に恩恵が得られます。これなら「賛成」も得られるでしょう。

国民の全員が受益できるような大規模な「再分配政策」をセットで提案するのですよ。

何と言っても「日本は民主主義国家」なのですからね。賛成してくださる方たちが「多数派」となるような「政策」であることが「最低必要条件」なのですよ。

➁「財源はみんなでつくりましょう」

残るのは「財源の問題」ですね。

コロちゃんは、「みんなが受益し、みんなで負担」が筋だと考えていますから、「みんなで受益」するなら「財源」もみんなで負担すれば良いと考えます。

だから「基幹税」である「消費税・法人税・所得税」、また「金融所得税・相続税など」全ての徴税項目から、少しずつ増やして「財源を調達する」のが良いと思いますよ。

例外は一つもつくらないのが良いですね。

もちろん、その配分については「税金の専門家」である「財務省の頭の良い官僚さん」に知恵を絞ってもらいましょうね。

このようにコロちゃんは「増税論者」なのですよ。

いまある政党は、どこも「増税反対」と言っていますから、残念ながらコロちゃんの支持政党はありません。

だけど、どっかの政党が上記のコロちゃんのプランを言い出してくれるといいなー、とコロちゃんは思っていますよ。
(´罒*)いー(*´□)なー

7.「コロちゃんとサークル活動」

コロちゃんは、いつも「社会への関心」を持っています。これは、決して高齢になってからそうなったのではなく、1970年代初頭の20代の頃から始まっています。

コロちゃんは、1970年代初頭に東北地方の「地方都市」から、「東京」に出てきています。その頃の「東京」には、コロちゃんと同じような「地方から出てきた若者たち」が沢山いました。

今では、想像しにくいと思いますが、当時のコロちゃんの周辺では「様々なサークル活動」が活発に行なわれていたのですよ。

一時代前の1960年代には「歌声喫茶」が、若者たちの集合場所となっていたようですが、コロちゃんの時代は「自主サークルの時代」でしたね。

それも「職場」や「出身地」などではなく、「友達の友達」と言った細いつながりから、どんどん拡がっていった関係だったのです。

今と違って「スマホ」や「テレビ」さえも持っていない「20歳前後の男女」が、「一人暮らしの都会生活の不安」から数多くの「自主サークル」に集まってきていたのです。

コロちゃんも同じでしたよ。いくつもの「サークル」に顔を出し、多くの仲間たちと「会話・交流・議論」を重ねましたよ。お酒も激論もケンカもしましたね。

そして「夏のキャンプ」や「正月の餅つき」も、参加・主催しましたよ。

一時はコロちゃんとあと数人が中心になって、20~30人のグループを立ち上げたこともありましたね。

その中では、それぞれの会社での扱いや、給料のことや、社会への不安と不満の、赤裸々な意見が交わされたことも多かったのですよ。なにしろ「若い男女の集まり」ですからね。

コロちゃんの「社会意識と社会への関心」は、その「サークル活動」が出発点であり原点ですね。

なお、3年前に亡くなったコロちゃんの妻との出会いも、この「サークル活動」での「夏のキャンプ場」でしたね。

それから、もう50年以上がたちましたが、未だにコロちゃんの「社会への関心」は当時と変わりません。いや、むしろ強くなったのかも?

コロちゃんは、すっかり老いさらばえてしまいましたが、まだまだ新聞をばサバサ読みながら、その感想と意見を発信していきたいと思っていますよ。

今日は「日経新聞」の「やさしい経済教室」に連載された「松本准教授」の「論考➀~⑨」を、「金八先生の時代と格差の拡大➀~➂」としてご紹介し、コロちゃんの感想をお伝えしました。

出来るだけ分かりやすく書いたつもりですが、もし読みにくかったならば、それはコロちゃんの力不足ですね。

どうか「今後のコロちゃんに期待」と言うことで、ご寛恕お願いしますね。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Annette MeyerによるPixabayからの画像
PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました