【経済考】「物価上昇」の勢いは続く

経済

おはようございます。今朝も朝からどんよりした天気でした。今夜は雨の予想ですが、来週は最高気温が連日30度を超えると予想されています。

むし暑い梅雨の天気がしばらくは続きそうです。

コロちゃんは、ワンコの散歩ができない雨が一番嫌ですから、雨が降らないだけでも良しとしましょう。

最近のコロちゃんは、家の中でクーラーと扇風機が「お友達」となっています。

今日は、「清貧コロちゃん」の大敵である「物価上昇」についてポチポチします。

1.「日本銀行」様の発表

6月27日に、「日本銀行」が5月の「物価上昇の数値」を発表しました。わかり易いように1~5月の数値をまとめて、以下にご紹介します。

「日銀」は、物価の基調をつかむために「刈り込み平均値」「加重中央値」「最頻値」の三つの指標を独自に算出しているのです。

①「刈り込み平均値」

「刈り込み平均値」とは、上昇率と下落率の上位10%の品目を除いて計算した数値です。

価格が極端に変動している品目を除外して計算されていますので、「基調的なインフレ率」を判断しやすい数値とされています。

また、「刈り込み平均値」は、変動が大きな品目を除外するために、数値が低くなる傾向があります。

以下に今年の「刈り込み平均値」を記載します。

1月 プラス3.1%
2月 プラス2.7%
3月 プラス2.9%
4月 プラス3.0%
5月 プラス3.1%

上記の「刈り込み平均値」の2月の数値が下がっていますが、これは政府の「電気・ガス価格抑制策」の影響で、やや低い数値が出たものと思われます。

「刈り込み平均値」は、統計が遡れる2001~2022年3月までは、マイナス1.2%からプラス1.1%で推移していましたので、今年の1~5月の「プラス2.0%超え」はとても大きな数値となります。

とりわけ5月は「プラス3.1%」と、4月「プラス3.0%」を上回り、幅広い品目で物価上昇が続いていることがわかります。

②「加重中央値」

「加重中央値」とは、上昇率の高い品目の順に並べ、上から品目のウエートを足していった時に50%近辺に位置する値です。

以下に今年の「加重中央値」を記載します。

1月 プラス1.1%
2月 プラス0.8%
3月 プラス1.0%
4月 プラス1.2%
5月 プラス1.4%

この数値は、「基調的インフレ率」を判断するには有用とされています。1~5月の数値を見ると横ばいかと思われます。

この数値は、一部品目の動きに左右されない数値とされており、過去20年は0%前後にとどまっていましたが、昨年後半から1%に上昇してきています。

③「最頻値」

「最頻値」は、品目の内で最も頻度が高い値(一番多く出現している値)を示します。

以下に今年の「最頻値」を記載します。

1月 プラス1.6%
2月 プラス2.1%
3月 プラス2.7%
4月 プラス2.8%
5月 プラス2.9%

この数値も「基調的インフレ率」を判断するには有用とされています。この「最頻値」は2月以降2%を超えましたが、2%超えの数値は2001年以降で過去最高です。

④「物価の基調の2%」とは

日銀は「物価の基調の2%」を目標としているですが、この「物価の基調」とは、「一時的な振れなどに左右されない値」とされています。

そして、この「基調」を判断する「究極の指数はない」とされているのです。

それで、「日銀」は、上記の「刈り込み平均値」「加重中央値」「最頻値」などの数値を参考にして判断しているのです。

そして「日銀」は、まだ「物価の上昇は輸入物価の上昇による一時的なものである」として、大規模な金融緩和を継続する方針を崩していないのです。

2.「消費者物価指数」(CPI)

「消費者物価指数」(CPI)については、総務省統計局が「家計調査」に基づいて、毎月「消費者物価指数」を発表しています。

以下に今年の「消費者物価指数」(CPI)を記載します。

1月 4.3%
2月 3.3%
3月 3.2%
4月 3.5%
5月 3.2%

この「消費者物価指数」は、横ばいですが一向に低下する様子はまだないですね。

ここまで記載しました「日銀」の発表した「刈り込み平均値」「加重中央値」「最頻値」と、上記の「消費者物価指数」(CPI)をみて、今後はどうなるとお思いでしょうか。

コロちゃんは、このまま物価が高止まりして推移すると予想します。

今朝の報道でドル円が144円台に下落したとの報道がありました(144円台に入ったのは6月28日11:00)。

円安は輸入物価の上昇につながります。今後ますます物価が上昇するではないかと、コロちゃんは危惧しますね。

3.「年金」の生活

上記で、今年の1~5月の物価上昇の様子を見てきました。そこでコロちゃんのような「年金生活者」への影響を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/001040881.pdf
出典:厚生労働省 令和5年度の年金金額改定について より(6月16日利用)

上記のグラフでは、「年金改定」は、2種類に分かれています。68歳以上の「既裁定者」と、67歳以下の「新規裁定者」です。

「新規裁定者」とは、67歳以下で新たに年金を受け取る方を表します。

「既裁定者」とは、68歳以上で既に年金を受け取っている方を表します。

コロちゃんは、もうすぐ70歳になりますから「既裁定者」になりますので、年金改定額は「プラス1.9%」となります。

「厚生年金の平均支給額」は、14.6万円とされています。

この金額ですと、年金改定額はプラス2700円(1.9%増)となります。とても物価の上昇に追いつきません。

コロちゃんを含めた全国4023万人の「年金生活者」は、ここしばらくは「物価の上昇」に対して「生活防衛」に走るようになると思います。

4.「春闘」の結果

労働組合の団体の「連合」は、6月5日に第6回集計結果を発表しました。

大企業の賃上げ率は3.66%(10807円)、300人未満の中小組合は3.36%(8328円)となっています。

5月末時点の結果としては、比較可能な2013年以降で最も高い結果となっていると発表しています。

この数字が全労働者に広がっていれば、物価上昇でも生活に大きな影響は出ないのですが、組織労働者は全体のごく一部にとどまっていますから、「春闘」の影響は限定的となると思います。

下記の引用をご覧ください

「厚生労働省 労働組合基礎調査の概況」より

1 労働組合及び労働組合員の状況


「令和4年6月 30 日現在における単一労働組合の労働組合数は23,046 組合、労働組合員数は
999 万 2 千人で、前年に比べて労働組合数は 346 組合(1.5%)減、労働組合員数は 8 万 6 千人(0.8%)減少している。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/22/dl/01.pdf
出典:厚生労働省 労使関系総合調査(労働組合基礎調査)結果の概要  令和4年労働組合基礎調査の概況

上記の引用を見てもわかるように、日本において労働組合に組織された労働者は、1000万人を下回っています。それでは次に全国の労働者数を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「総務省統計局 労働力調査」より

https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf
出典:総務省統計局 労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約より(6月28日利用)

上記のグラフを見てもわかるように、日本の労働者数は、2022年で6902万人もいらっしゃいます。上記で見ました日本の労働組合員数1000万人は、労働者全体の一部でしかないのです。

当然にして、「春闘」で3.66%の「賃上げ」を得られる方の数は限定的となります。組織されていない大部分の雇用者の方々は「賃上げ」は難しい環境に置かれていると思います。

5.「実質賃金」は上がっていない

次に「実質賃金」の推移を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 実質賃金」より

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 5661bc4ba65aa3dc8a90a0f46600dee3.png
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r03/21cp/dl/sankou21cp.pdf
出典:厚生労働省 政策統括官付参事官付雇用・賃金福祉統計室 毎月勤労統計調査令和3年分結果速報の解説より(6月28日利用)

上記のグラフの黒い太線が、「実質賃金」の推移です。

平成19年(2007年)~令和3年(2021年)まで、ほとんどの年で下落しています。

さらに昨年2022年度の実質賃金は、前年度比マイナス1.8%でした。

厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」から、今年2023年の実質賃金の推移は以下の通りです。

1月 マイナス4.1%
2月 マイナス2.6%
3月 マイナス2.9%
4月 マイナス3.0%

この数字を見ると、やはり「物価上昇率」が下がっていかない限り、多くの人々の生活は圧迫され続けるのではないでしょうか。

5.「物価上昇」はいつまで続くのか

昨年から続く物価上昇の波は、まったく収まっていません。「物価の番人」たる「日銀」は、依然として物価を上げる「金融緩和」を継続し続けています。

「日銀」の植田総裁は、2023年度半ば以降は「かなりはっきり下がっていく見通しを持っている」とおっしゃっていますが、もう6月の終わりになっています。

コロちゃんには、「2023年度半ば」の9月以降に物価が下がるようには思えないのですが、皆さんはいかがお思いでしょうか。

コロちゃんは、興味津々で「物価」にまつわる指標を、今後も注視していきたいと思います。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

PetraによるPixabayからの画像

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