【社会考】2050年の日本はどうなるのか?

社会

おはようございます。今朝は、早朝から蒸し暑い気候でしたね。ワンコの散歩に出る前に温度計を見たら、摂氏23度、湿度60%となっていました。朝からムンムンでした。

どうやら、今日は一日どんよりした曇り空となりそうです。このブログをお読みの皆様も健康にはお気を付けください。

きょうは、新聞記事で見た、日本の「2050年の姿」をポチポチします。

1.「2050年の日本」の姿

今朝コロちゃんが、散歩後にコーヒーを飲みながら、新聞をバサバサしていると、「2050年の姿 想定し政策選択」という記事を読みました。

この記事は、執筆者が「大久保敏弘慶應義塾大学教授」で、今後人口減少が進む日本が、選ぶべき政策を提案しています。

大久保教授のご専門は、「国際経済学」「空間経済学」となっています。

大久保教授は、議論の前提として、「経済のデジタル化が進む中で、ChatGPTなどの人工知能(AI)が日常生活に浸透している」と言います。

また「テレワークが普及しメタバース(仮想空間)も注目され、空間に縛られず、どこでも働けるリモートインテリジェンス(RI)」があると言います。

そして、「フューチャーデザインという政策手法で問題をとらえ直し」、2050年の日本でどういう社会経済をつくるのかを、三つのあり方を提案しているのです。

その三つは、以下のとおりです。

①東京一極集中を高めて効率を高め、地方は自然に戻す。

②経済規模は縮小するが、地方分散を積極的に進める。

③積極的に大規模な移民を受け入れて今の経済成長や規模を維持し、多様性のある多文化共生社会をつくる。

この三つの提案の内容に、それぞれ前記した「ChatGPTなどの人工知能(AI)」と「空間に縛られず、どこでも働けるリモートインテリジェンス(RI)」を生かすとなっているのです。

この新聞記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

2050年の姿想定し政策選択 地方経済をどうするか - 日本経済新聞
ポイント○デジタル化が進んでも一極集中止まらず○現在世代の視点では地方創生も総花的に○人口減社会はAIとリモートの活用カギ経済のデジタル化が急速に進み労働は自動化・省力化され、最近ではChatGPTなどの人工知能(AI)が日常生活に浸透している。同時にコロナ禍でテレワークが普及しメタバース(仮想空間)も注目される。空間...

2.三つの「選択肢」をどう見るか

コロちゃんは、この記事の三つの選択肢を読んで、まず、③の「積極的に大規模な移民を受け入れる」は、今の日本では国民の合意形成が不可能だと思いました。

「経済合理性」や「理性」では、この③の「大規模移民」が一番正しいのでしょう。

現にアメリカにおいては、合法的な移民受け入れ枠は年間67.5万人ですが、その実態は毎年数百万人の移民が入ってきて、経済成長のかなり部分を担っていると聞きます。

しかし、日本で同じような「移民政策」はとれないと思います。

そうすると①「東京一極集中を高めて効率を高め、地方は自然に戻す」と②「経済規模は縮小するが、地方分散を積極的に進める」との選択となります。

これは、今の日本で選択肢となるかどうか・・・。

コロちゃんは、日本はおそらくこの記事にあるような積極的な「戦略的な選択」はとれないと思います。

そして、「東京一極集中は進むが、効率は高まらず、地方は人口減少の中で自然が回復していく」となる可能性が一番高いのではないかと思います。

3.「国立社会保障・人口問題研究所」の人口推計

今年の4月26日に「国立社会保障・人口問題研究所」が、5年に一度の「将来推計人口」を発表しています。

「国立社会保障・人口問題研究所」は、「社会保障及び人口問題に関する調査及び研究を行うことを通じて、国民の福祉向上に貢献すること」を目的として設立された「厚生労働省の研究機関」です。

その「将来推計人口」で、2050年の日本の人口がどうなっているのかを見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「日本の将来推計人口」より

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf
出典:国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(令和5年推計)結果の概要 より(6月27日利用)

上記のグラフを見てもわかるように、2050年には日本の人口は1億人程度に減少しています。

この「将来推計人口」の本文中には、「2056 年には 1 億人を割って 9,965 万人」(中位推計)となるとあります。

そして「15~64 歳人口(生産年齢人口)は、2020年の7509万人が、2043年に6000万人(中位推計)」に減少します。

また、「65歳以上人口(老年人口)は、2020年の3603万人から、2043年に3953万人(中位推計)」に達します。そして「65歳以上人口は、この時点がピークでこれ以降は減少する」としています。

ということは、2050年頃には、日本は人口が1億人を下回るが、その近辺で「老年人口」は過去最高の3900万人台のピークを迎えるということになります。

この「将来推計人口」の全文をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf

4.「東京一極集中」は進むのか

それでは、次に日本の首都である「東京」の今後の人口がどう推移するのかを見てみましょう。わが町の将来の人口を予測するのにちょうどよいサイトがあるんですよ。

「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」というサイトです。

このサイトは、地方創生の様々な取り組みを情報面から支援するために、「経済産業省」と「内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局」が提供しているものだそうです。

それでは、このRESASで「東京」の人口推移を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「経済産業省・内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」より

https://resas.go.jp/populationcomposition/#/transition/11/11212/2020/2/0.0/9.75933340719466/36.0421623/139.3999504/-
出典:経済産業省と内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より(6月27日利用)

上記のグラフは、2045年までのものしか見ることができません。

ですから東京都の2020年と25年後の2045年の「人口推移」を見てみたいと思います。線グラフでは、横ばいに推移しながら、ゆっくりと減少しているように見えます。

下記の引用をご覧ください。

「経済産業省・内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」より

https://resas.go.jp/populationcomposition/#/transition/11/11212/2020/2/0.0/9.75933340719466/36.0421623/139.3999504/-
出典:経済産業省と内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より(6月27日利用)

上記の引用を見てもわかりますが、2020~2045年の東京都の人口推移は、5年刻みで見ると2020~2025年はマイナス97万人ですが、それ以降の2025~2045年は、ほとんど横ばいに推移します。

このサイトを見てみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします

トップページ - RESAS 地域経済分析システム
地域経済分析システム(RESAS:リーサス)は、地方自治体の様々な取り組みを情報面から支援するために、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局が提供する、産業構造や人口動態、人の流れなどの官民ビッグデータを集約し、可視化するシステムです。

上記の記載で、日本全体の人口が2050年頃には1億人を割る予測を見てきました。

その中で東京都の人口がややマイナスながら、横ばいに推移するということは、相対的に東京都への「一極集中」は今後も進むとみてよいのでしょう。

5.「東京圏一極集中」の流れは止まらない

「東京一極集中」について、もうひとつのデータを見てみましょう。

「人口流入」というテーマで考えた場合、「東京都」のみではなく「東京圏」(東京都、埼玉県、神奈川県及び千葉県)という枠でみるという視点もあります。

①「東京圏」の人口は、日本全体の3割

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 東京圏の人口の推移」より

https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr20-21/img/chr20-21_01-01-01z.html
出典:内閣府 地域の経済2020ー2021 第1-1-1図 東京圏の人口の推移 より(6月27日利用)

上記のグラフは「内閣府」が公表しているものです。東京圏(東京都、埼玉県、神奈川県及び千葉県)の人口の推移がよくわかります。

東京圏の人口(赤メッシュ)は、2019年には29.1%と、日本の総人口の3割近い人数となっているのです。

日本の人口分布で、いかに「東京圏」が「特別なエリア」となっているのががわかります。

②「東京圏」の転入超過数の推移(男女別)

次に「東京圏」への男女別転入者超過数を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 東京圏への転入超過数の推移(男女別)」より

https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr20-21/img/chr20-21_01-01-04z.html
出典:内閣府 地域の経済2020ー2021  第1-1-4図 東京圏への転入超過数の推移(男女別)より(6月27日利用)

上記のグラフを見た通り、1980~2020年の40年間の間に、男性は1993~95年まで、女性は1994年のみ「転出超過」ですが、その他は全て男女共に「転入超過」となっているます。

そして、1990年代以降は、ほとんどの年で「女性の転入超過数」が男性より多くなっています。

③東京圏への転入超過数(年齢階層別)の推移

それでは、下記のグラフをご覧ください。

「内閣府 東京圏への転入超過数(年齢階層別)の推移(男女別)

https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr20-21/img/chr20-21_01-01-05z.html 
出典:内閣府 地域の経済2020ー2021第1-1-5図 東京圏への転入超過数(年齢階層別)の推移

上記のグラフを見ると、男女ともに「20~24歳の年齢層」(青の棒グラフ)が全ての年において多数を占めています。

その数は年々増加傾向にあり、女性が男性を上回っています。

その理由として、大学や専門学校を卒業後に就職などをきっかけに「東京圏」に移転する者が多いことにあると思われます。

よく「若い女性」が、地方から「東京」に吸い上げられると言われますが、それはデータで確認できるのです。

この「東京圏」への若者、とりわけ「若い女性の移転」は、構造的なものと思われますから、今後も続くと思われます。

6.「2050年の日本」はどうなるか?

上記のように考察していくと、「2050年の日本」は、人口が1億人を割り込みそうな時代となりそうです。

そして、日本全体が人口減の悩みを抱える中で、「東京圏」だけは、若い男女(特に若い女性)が相変わらず流入し続けて、横ばいの人口を維持しそうです。

そうすると、「過疎におびえる地方」と「現状を維持したい都市部」との「格差」が強まるかもしれませんね。

今日は、「2050年の日本」を巡る三つの選択について考察しましたが、コロちゃんの結論は、政治は何も選択できないのではないかと思っています。

そして「東京一極集中」は進むが、「効率は上がらない」で、「地方は自然に戻る」と考えましたが、皆さんは、いかがお考えでしょうか。

コロちゃんは、もう70歳間近のおじいちゃんですから、「2050年の日本」をみることはできないと思いますが、できれば現在よりも生き生きした未来に希望が持てる社会であることを祈ります。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

NoName_13によるPixabayからの画像
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