【読書考】「日本の経済政策」を読んで➁

読書

おはようございます。たった今コロちゃんは、車で「三菱銀行」に行ってきたところです。

この「三菱銀行」なのですが、コロちゃんはずっと「メインバンク」として使っていたのですが、昨年2023年に「支店の整理統合」とかで、無くなっちゃったのですよ。

それまでは「駅前支店」が、デンとあったので、ナニコレと便利だったのですよ。

ところが「駅前支店閉鎖」となり、その後の「ATMの設置場所」は、駅から歩いて15分はかかりそうな「ショッピングセンター内」となってしまったのです。

それでコロちゃんは、仕方がありませんから今日「車」で「三菱銀行のATM」まで行くようになってしまったのです。

まあ、コロちゃんが「銀行に行く」ことは、数か月に1回ですから、今のところはさほど支障は感じていません。

だけど、いずれはコロちゃんも「運転免許返納」の時期も来るでしょうから、その時には不便になりますよね。全く困ったもんですよ。

これからも「地方都市」では、「銀行」だけでなく多くの「商店」や「スーパーの閉店」があるかと思うと、先が思いやられますね。だけど、いちいちこぼしても仕方ありませんね。

気持ちを入れ替えて、今日は昨日の続きの「【読書考】日本の経済政策を読んで➁」をカキコキしますね。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「日本の経済政策(著:小林慶一郎:2024年:中公新書)と、不良債権処理が終わってもデフレが続いたよ」

☆「アベノミクスと異次元の金融緩和が始まったよと、失われた30年と長期停滞の理由は?」

☆「由らしむべし知らしむべからずは、今では通用しないよと、コロちゃんと失われた30年」

1.「日本の経済政策(著:小林慶一郎:2024年:中公新書)」

さて、今日の記事は昨日の「日本の経済政策を読んで」の続きです。

昨日の内容では、「バブル崩壊後の不良債権の処理」を15年もかけることによって、社会の中に疑心暗鬼が広がり、ついに1990年代末期には「銀行破綻」にまで行きついたことを見てきました。

そして「2005年」には、「不良債権の処理」はすべて終わったにもかかわらず、その後も「経済の長期停滞」が続きました。

もし「経済の停滞」の原因が「不良債権だけ」にあったならば、処理が終わった2005年以降の経済は「力強い成長軌道」に乗ってもおかしくないはずですよね。

ところが現実は、そうはなりませんでした。その後の動きと「長期停滞の理由と対策」を下記で見てみましょう。

なお、昨日の記事をまだお読みでない方は、どうぞ下記のリンクからお読みください。

【読書考】「日本の経済政策」を読んで➀

2.「不良債権処理が終わってもデフレが続いたよ」

上記のように「不良債権の処理」を終えた後も、2000年代に入っても「日本経済」は元の成長軌道を回復することは出来ませんでした。

コロちゃんも、1990年代に「小渕総理」が巨額の経済対策をうち、両手に「野菜のカブ」を持ちながら記者会見で「カブよ上がれー!」と株式相場のギャグを叫んでいたのを憶えていますよ。

本書では、90年代に「毎年数兆円~10兆円を超える補正予算を組んで財政出動を行なっても、日本経済を成長トレンドに戻すことは出来なかったことにより、『財政政策はもう限界だ』との経済論壇でのコンセンサスがあった」と書いていますね。

そのような雰囲気の中で出てきたのが「金融政策によって解決すべきだ」との考えだとしています。

なるほど、このようにして「異次元緩和のアベノミクスの登場」に繋がるのですね。

本書は、ここで「経済学者」の論争をいろいろ紹介していますが、コロちゃんにはその詳細を語る言葉を持ちません。

そりゃ、専門的な「経済学」は数字と計算の世界ですから、コロちゃん程度ではとてもとても・・。
ヾノ´゚д゚`)ムリムリ

ただ「アベノミクス」」が、故安倍元総理の単なる思い付きで生まれたのではなく、「経済学者」の間では長い時間をかけた論争になっていたことだけは、本書で分かりますね。

3.「アベノミクスと異次元の金融緩和が始まったよ」

皆さん、「アベノミクス」を憶えていますか?

2013年の「流行語大賞トップ10」に入った言葉ですが、その中身は「大胆な金融政策・機動的な財政政策・成長戦略」の3つでした。

だけど一番耳目を集めたのは、この内の「異次元の金融政策」でしょう。

上記で1990年代に、総額で70兆円ともいわれる「財政政策」を大盤振る舞いしても「成長路線」に戻れなかった「日本経済」は、他に打つ手が無くなり「金融緩和」に進みます。

この間の「経済学者の議論」ですが、「リフレ派」と「反リフレ派」に分かれて活発な議論が起こりました。

どの位活発だったのかと言うと、コロちゃんのような素人が興味を持つぐらいには世の中を騒がしていましたね。

本来はプロの専門家同士の「金融政策」の議論だったものが、その後に「政治課題」となってしまうことにより、賛成派と反対派の論争が激烈になってしまったのですよ。

本書もこの「経済学者のアベノミクス論争」には、多くのページを使って書いていますね。

➀「異次元緩和は期待に働きかける政策だよ」

コロちゃんが読んで感じたことは、「経済学」は多くの人々の心の中(心理)も扱っているのですよ。

例えば「総理大臣が物価は来年上がる」と言ったら、人々はそれを信じれば年内に欲しいものを買うでしょうか?。

みんなが欲しいものを買えば、その値段は来年には「品不足」となりホントに上がるかも知れません。

これを「アベノミクス」で「黒田前日銀総裁」は行なったのですよね。2013年に「総裁就任直ぐに、「物価は2年で2%上がります」とおっしゃられたのですよ。

だけど、みんなはそれを信じて購買に向かいませんでした。

当然にして「2%の物価上昇」は起きませんでした。みんなは「黒田前総裁」の言葉を信じなかったのですよ。

これは「偉い人の言葉を信じなかった大衆が悪い」のでしょうか?

それとも「大衆から言葉を信じてもらえなかった偉い方が悪い」のでしょうか?

「日銀」では、その後「物価が上がらないのはノルム(社会規範)のせいだ」と言ってましたね。自分たちのせいではないと言いたかったのでしょうか。

何かコロちゃんは、「衆愚政治と寡頭制と独裁制」を比較した考察が頭に浮かびましたよ。

➁「みんなは物価が上がると思わなかったよ」

結局「黒田前総裁」の10年の任期中に、「物価上昇率2%」は達成できませんでした。

このことを本書では、「理論と現実の齟齬は『期待を操作することの難しさ』を物語っている」と記載しています。

だけどコロちゃんは、「総理大臣」があれこれ言ってもそんなに信用していませんよ。偉い人が一言いえば、「民は従うものだ」とはいつの時代の話しだよと言いたくなりますよね。

ましてや「総理」ではなく「日銀総裁」でしょ。多くの国民は「今の日銀総裁は誰?」と聞かれても名前を知らない方の方が多いんじゃないでしょうか。

ここまでの1990年代から2010年代までの「経済政策」の動きをまとめると、1990年代に「大きな財政策」を繰り出してもダメだったから「金融政策しかない」となったわけです。

そして現在は「金融政策(アベノミクス)」でもダメだったことが明らかになっています。

➂「次は1990年代にダメだった政策をまたやってみようって?」

そこで次は、また「財政政策でやろう」というのだったら、2000年代に最初から「金融政策でやろう」と言わなくとも良かったではないかと、本書では喝破していますね。

著者は、言外に最近の「旧安倍派」の方々や「国民民主党」の「経済政策」の、「高圧経済※」を否定しているのですよ。

(※高圧経済:超過需要状態を継続して経済を拡大させる考え方:やり過ぎな経済政策)

だってこれらの「財政政策」は、1990年代に「小渕政権」の時に毎年10兆円規模の公共投資を投じても「ダメだった政策」なのですよ。

著者は2000年代初頭~現在までを振り返って、下記のように書いていますね。

「結局、この20年の・・財政政策や金融政策というマクロ経済政策は・・魔法の杖にはならないと言うもともと分かっていたことの再確認に過ぎないのではないだろうか」

コロちゃんは、ここを読んで「著者がため息をついているよ」と感じましたよ。

だって一言で言うと、「経済成長は、財政政策(国債投入)、金融政策(ゼロ金利)では出来ないよ」と言うのですからね。

やはり「地道な構造改革を進めるしか経済成長の道はない」のでしょうね。

4.「失われた30年と長期停滞の理由は?」

本書は、上記の次に「難しい経済理論の推移と考察」を書いていますが、コロちゃんはパスしまして、最後に「失われた30年と何だったのか?」をご紹介しますね。

ここが、著者が一番言いたいところなのでしょうね。何しろ「失われた30年の原因と理由」なのですから、コロちゃんも知りたいですよ。

➀「人口減少と超高齢化」

これは改めて紹介しなくとも、すでに皆さんもご存じでしょう。既に「人口減少と超高齢化」は、今では誰でも知っている事実です。

そして「人口減少と超高齢化」が「経済の長期停滞」に繋がることも、容易に想像が付きます。

本書では、これらの「長期経済停滞のトレンドが背景にあるうえに、政策の失敗が長期停滞をさらに悪化させた」としています。

➁「格差の拡大が長期停滞をもたらす」

これもコロちゃんが理解できる理由です。「非正規雇用の増大は人的資本を劣化させた」ですね。

現在では「労働人口」の37.1%が非正規雇用です。「企業経営者」は、短期の労働力である「非正規雇用」に人的投資をしようとはしませんよね。

そして、この「格差の拡大」が「人的資本の劣化」を生み出したとしていますよ。

➂「財政の将来不安による長期停滞」

これは「積み上がる政府債務」への将来不安としていますね。将来「経済」が回復して「金利」が正常化すれば、「政府債務(国債)」は雪だるま式に膨れ上がります。

それを見据えて「自分たちは老後に医療や介護は十分に受けられるのだろうか」という「若い世代の将来不安」が社会全体を覆っているとしていますよ。

ここは興味深く読みましたよ。だって、今までよく語られていた「経済成長なくしては財政再建なし」の言葉が成り立たないかもしれないと言うのですよ。

それはこの「長期停滞の原因」が、将来の「財政破綻への不安によるもの」だったら、「まず成長を実現するために財政は多少悪化しても構わない」という「政策」が成り立たなくなると言うのですよ。

その場合の「正しい解」は、「経済成長と財政再建を同時に目指す」が正しい政策哲学になると結論づけていますね。

④「低金利の長期化による副作用」

これは最近になって始まった議論のようですね。コロちゃんだって「景気が悪い時には金利を下げる」ぐらいのことは知っていましたよ。

だけど「日本」の場合は、もう20年以上「ゼロ金利・マイナス金利」を続けても、一向に経済成長が出来ていないのですよね。

本書では「金融緩和による低金利環境が『長期化』すると、むしろ経済の停滞をもたらすのではないか」という議論が、最近「経済学の世界」で提起されるようになったと言うのですよ。

そして最近の研究結果では「長期的な低金利政策は、経済に悪い副作用を持つかもしれない」と言うものだったと書いていますよ。

その結果「名目金利の引き上げと経済成長率の引き上げを同時に目指すべき」と提起していますね。

ざっと、著者は上記のように、「失われた30年」を鳥瞰し、最初の「①人口減少と超高齢化」以外は、すべて「政策の失敗」によると断言しています。

本書では、その後にも「日本経済の行方」や「政策提言」も書いていますが、コロちゃんはもうお腹いっぱいです。

本書は、ぎっしりおかずが詰まった「箱弁当」のようなものなので、上記のコロちゃんの紹介がおいしそうだったら、是非お読みくださいね。下に本書を添付しておきますよ。

5.「由らしむべし知らしむべからずは、今では通用しないよ」

今日は、コロちゃんがバッサリと、本書を自分で理解できる範囲でご紹介してみましたよ。

だけど、分かりやすく紹介どころか「支離滅裂」だったのではないかと、ガックリ落ち込みましたよ。

ただね、コロちゃんは本書を読んで、過去の「政府の経済対策」や「日銀の金融政策」の政策哲学が分かったような気になりましたよ。

少なくとも「訳は分からないけど結果が悪い」ではなく、「意図は分かるけど結果が悪い」と言える程度には、コロちゃんは分かった気がしましたね。

この本をコロちゃんが、最後まで読み通すことが出来たのは、なんといっても「失われた30年」の全期間をリアルタイムに見てきているからでしょう。

そのところどころで、コロちゃんは大きな疑問を何度も持ちましたが、誰も教えてくれなかったのですよ。

なぜ誰も教えてくれなかったかと言うと、本書では「パニックになるから公表しない・調査しない」があったと書いていますね。

「為政者」は賢いから良いが、「国民」はパニックになるから知らせないの姿勢があったのではないかと、本書では「1990年代の不良債権処理」で書いています。

その結果、広く「社会不安」が拡がったとも書いています。

これは「由らしむべし、知らしむべからず※」ですよね。今の時代には合わないとコロちゃんは思っていますよ。

(※由らしむべし知らしむべからず:論語:為政者は人民を施政に従わせればよいのであり、その道理を人民にわからせる必要はない)

ましてや、その結果「社会に広く不安が拡がり」、そのことによって「経済成長率」が低下したとしたら、なんと罪深い事かとコロちゃんは思いましたよ。

今後の「日本」では、今からでも英知を集めて「正しい成長できる経済政策」を展開してもらいたいものだと、本書を読んでコロちゃんは痛感しましたよ。

6.「コロちゃんと失われた30年」

上記しました「失われた30年」は、「1991年のバブル崩壊」から始まっています。

その時のコロちゃんは、まだ「30代の後半で2人の幼児の父親」でした。当時転職して数年経っていましたが、一生懸命「昭和の父親らしく」全力で働いていましたね。

妻は専業主婦の絵にかいたような「昭和の家族」でした。父親は「残業・休日出勤アリアリ」で働き、妻は家で子育てに専念する、そのような家族でしたね。

当時の給料も、その家族を養うだけの金額がありましたが、その後2000年代に入るころから「給料が上がらなくなり」、徐々に「家族を一人で養う父親の姿」が減って来たことを憶えていますよ。

今振り返ってデータを見れば、「平均所得の最高値は1998年頃」でしたね。それ以来、ホントにゆっくりと少しづつ給料が減り始めていましたから、みんな気が付かなかったのですよ。

そしてコロちゃんの会社では、だんだんと「若い世代」で結婚している人間が減ってきましたけど、それも気が付いたのはずっと後になってからでしたよ。

その位「時代の変化」はゆっくりと少しづつ変わっていったというのが、コロちゃんの実感です。

このように「失われた30年の原因と理由を書いた本」を読んでいて、コロちゃんは「自分は子育てが間に合った」と思いましたよ。

「日本社会」で格差が拡がり、所得が下がっていった時代の流れをみていると、その少し前をコロちゃんが歩いていたのですよ。

コロちゃんは、「日本の経済政策」を読んでいて、自分は運が良かったと痛感しましたよ。そして次の世代の方たちには申し訳ないとも思いましたよ。

だって、今の「日本」が格差社会となってしまったのは、今「高齢者となっている世代」が作り出したものですよ。当然責任があると思います。

せめて、今後の「日本」は「成長する明るい社会」となって欲しいとコロちゃんは心から思っていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Ylanite KoppensによるPixabayからの画像
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