おはようございます。10月に入ってやっと涼しい「秋らしい天気」になってきましたね。
つい先日の9月末まで、夜はクーラーをつけないと暑くて眠れなかったんですから、コロちゃんはワンコと一緒にホッとしています。
何しろワンコは毛皮を着ていますから、暑さに弱いんです。まあ、コロちゃんも歳ですから暑さは耐えられなくなっていますけどね。
今日は「労働経済白書 労働経済の分析」についてポチポチします。
1.「労働経済白書」です「厚生労働白書」ではありません
コロちゃんは、新聞バサバサで「厚生労働省から9月29日に労働経済白書が公表された」との記事を読んで、デジャブを感じました。
あれー? おっかしいなー? 少し前に、こんな名前の「白書」をポチポチしたよねー?
(?_?)アレー?
コロちゃんは、直ぐにパソコンで「コロちゃんの清貧ライフ」のバックナンバーをポチポチします。
あー、これだこれだ、あったあった。
コロちゃんが以前にこのブログでポチポチしたのは、先月の8月5日に「【社会考】「孤独」なのは誰?」というテーマで投稿したものでした。
以下のブログ記事ですね。
このブログ記事を読んでみると・・・「厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会-」・・・ですね。
今日新聞で読んだのは・・・「労働経済白書」・・・まっぎらわしいなー!
コロちゃんの勘違いでした。先月ブログ記事に掲載したのは「厚生労働白書」、今日記事で詠んだのは「労働経済白書」でした。
まーったく、まぎらわしーなー。もっと一目で違いが判る「題名」にしろよ! コピーライターの糸〇重里使えよ!
\\\\٩(๑`^´๑)۶//// 激おこプンプン丸!
と、以上のように、コロちゃんは自分の勘違いを棚に上げて怒っていますが、恥ずかしいですよね~。
(*ノ>ᴗ<)テヘッ✧
2.「労働経済の分析(労働経済白書) 持続的な賃上げにむけて」
この9月29日に発表された「労働経済の分析(労働経済白書)」は、サブタイトルに「持続的な賃上げに向けて」と記載されています。
その内容としては、昨年2022年の「労働経済」をめぐる動向と、「賃金」や「賃上げ」の動向、そしてその「企業・労働者・経済」への効果などを取り扱っています。
この上記の内容の、コロちゃんが気になったところだけを選んでポチポチしてみますね。
3.「GDPは小幅ながら前年より増加」
この「白書」は、冒頭に「GDP」の現状を掲載しています。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 名目・実質GDPの推移」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフは、2008年(リーマンショックの年ですね)~2022年までの「名目GDP(黒実線)」と「実質GDP(赤点線)」の推移が記載されています。
「実質GDP(赤点線)」は、「名目GDP(黒実線)」の数値に「物価上昇率」を加味した数値になりますね。
このグラフを見ると、2008年(リーマンショック)から順調に増加してきたGDPの数値が2020年のコロナ禍で急落していることが見うけられます。
そして、緊急事態解除後(2020年5月以降)には、名目・実質ともに反転し、2021年以降回復傾向となり、2022年には感染拡大前の水準を上回って推移しています。
この線グラフの、最後にあたる「2022年第Ⅳ四半期」のGDPは、下記のようになっています。
〇「名目GDP560.8兆円」
〇「実質GDP547.3兆円」
(実質GDPは物価上昇を加味した数値です)
「新型コロナ」の流行は、2023年5月に「5類移行」した後となった現在でも続いていますが、日本経済への影響として見ると、すでに「コロナ」以前を回復していることがわかりました。
コロちゃんは、今までに下記のような多くの「経済危機」をリアルタイムに見てきました。
〇「バブル崩壊(1991年)」
〇「アジア金融危機(1997年)」
〇「ITバブル崩壊(1998年)」
〇「リーマンショック(2008年)」
その時に感じたことは、「経済的影響」は皆さんに平等には訪れてこないと言う事です。
「GDPがマイナスになった時の経済的な被害」は、国民の一部に集中します。そして、それは多くの場合は、社会の下層から順次上層に波及することがほとんどでした。
すから、今回の「コロナ禍」からの「日本経済」の回復は、とてもうれしい事だと、コロちゃんは考えています。
4.「儲かりまっか?」
それでは、その「GDPの回復」は、企業業績にどのように反映されているのでしょうか。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 企業の経常利益の推移」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフは「製造業の経常利益の推移」です。
ドラマや小説の世界では、「儲かりまっか?」と聞かれた時には「ぼちぼちでんなぁ」と答えるのが「お約束」ですが、このグラフの世界では違いますね。
2022年の「企業の経常利益」は、上記グラフの「製造業」では、1954年以降で過去最高額を上回っています。
上記の「お約束」の「儲かりまっか?」お返事は、どうやら「儲かってまっせ!」となったようです。
次に「非製造業の経常利益の推移」を見てみましょう。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 企業の経常利益の推移」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフは「非製造業の営業利益の推移」です。
「非製造業」では、「製造業」と同じく2021年を上回って推移しています。
この「白書」では、2022年後半にかけて原油高や円安による原材料価格の高騰により収益が下押しした結果、伸びが鈍化したと記載しています。
しかし、このグラフをコロちゃんが見た限りにおいては、確かに伸びは鈍化しているかもしれませんが、それでも「高収益」を確保しているように見えますね。
こちらの「非製造業」も、「儲かってまっせ!」ではないでしょうか。
5.「非正規雇用は3割」
次に「我が国の労働力の現況」です。
ここでは「正規雇用」と「非正規雇用」の詳細な数値がでています。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 我が国の労働力の概況(2022年)」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフを見ると、「雇用者数」と「正規雇用」「非正規雇用」の数は以下の通りです。
〇「全雇用者数」6032万人
●「正規雇用者数」3588万人(約6割)
●「非正規雇用者数」2101万人(約3割)
「正規雇用」と「非正規雇用」が6:3の割合なんですね。
この「非正規雇用2000万人」が「低賃金」や「未婚化」などの多くの社会問題を引き起こしていることを考えると、一刻も早い「対策」が必要とコロちゃんは考えていますよ。
6.「自営業者は激減」
自営業者(647万人)」は、ここ20年間で大幅に減り続けています。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 労働力に関する主な指標の推移」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフは「自営業者の推移」です。
コロちゃんが住んでいる地域の駅前商店街でも「シャッター通り化」が進行していますが、「自営業者数」は、以下の様に大幅に減少しています。
〇2001年 「1081万人」
〇2022年 「647万人」
日本全国で「少子高齢化」が進行している以上、これは防ぎようがない変化なのだと、コロちゃんは思いました。
7.「非正規雇用は増えている」
コロちゃんが、この「労働経済白書」のデータを見ていて、驚いたことのひとつが「非正規雇用」についてのグラフです。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 雇用形態別にみた雇用者数の推移」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフは「雇用形態別にみた雇用者数の推移」です。
現在の日本社会において「非正規雇用」による「低賃金」や「未婚化」などの、多くの問題点がクローズアップされています。
それにもかかわらず、現在になっても未だに「非正規雇用」は増加し続けているのです。
この「労働経済白書」では、次のように記載しています。
「非正規雇用労働者数は、2009年にはリーマンショック、2020年には感染症の拡大による景気減退の影響から減少がみられたものの・・・長期的には増加傾向にある」
まあ、先月の9月16日に「岸田総理が、秋にまとめる経済対策で『非正規労働者の正規化の加速』を掲げると表明した」と報道されていますから、何かをやるとは思いますが、遅すぎますね。
もう1点だけ、気になったところですが、上記のグラフを見ると下記のように、女性の場合は「正規雇用」よりも「非正規雇用」の方が多いのです。
●「女性の正規雇用 1249万人」
●「女性の非正規雇用1432万人」
多くの女性にとっては、「正規雇用の椅子」には、2人のうちの1人未満しか座れないとは、なんと競争が厳しい理不尽な社会だと、コロちゃんは思いましたね。
8.「実質賃金はマイナス」
次は、どなたでも大好きな「お給料」のグラフです。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 名目賃金指数と実質賃金指数の推移」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフは「名目賃金と実質賃金の推移」です。
「名目賃金」は実際に皆さんが受け取る「お給料」の金額です(黒実線)。
それに対して、「お給料」に「物価上昇率」を加味したのが「実質賃金」です(赤点線)。
上記のグラフでは、黒実線(名目賃金)が、2021年以降に上昇しているのに対して、赤点線(実質賃金)が低下しています。
いわゆる「物価に負けない賃上げ」ができていないという状況ですね。この図を見ると「賃上げがすっかり物価に負けている」のです。
これを解消するには、「お給料を上げる」か「物価を下げる」かのどちらかしかありません。
現在の岸田総理は「賃金を上げる」方を選択していますが、どこまで実現できるかは、まだわかりませんね。
できるならば、「お給料を上げて」「物価を下げる」のが一番良いと思いますが、そんな虫の良いことはできないようですね。
9.「労働分配率は下がった」
あれれ、「労働分配率」のことは昨日のブログで投稿しているよね。なんか、どっかで聞いたことあるって思ったんだ。
その昨日のブログ記事を読んでない方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
上記のブログ記事でも、「労働分配率が下がった」とカキコキしていますが、この「労働経済白書」でも「下がった」ことを取り上げています。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 資本金規模別にみた労働分配率の推移」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
「労働分配率」とは「企業内での雇用者の取り分」であり、平たく言えば「お給料」の事です。
「労働分配率」が高ければ会社の取り分は減りますし、「労働分配率」が低ければ、雇用者の取り分が減ります。
このグラフの黒実線(企業規模計)にご注目ください。2020年のコロナ禍で一旦上がった「労働分配率」が、その以前と同じように低下傾向となっています。
2020年の一時的上昇は、「お給料が上がった」のではなく、「企業売上の低下」のためと思われます。
この「労働経済白書」では、以下の様に記載しています。
「2022年は人件費、付加価値ともおおむね感染拡大前の水準に戻りつつあり、感染拡大前と同様に低下傾向で推移している」
現在「賃上げ」は、「岸田総理」だけではなく「十倉経団連会長」も声を合わせて繰り返し言及していますが、この「労働分配率の低下」をみると、企業の皆さんは言う事を聞いてくれないようですね。
10.「労働生産性は25年間横ばい」
まずは「労働生産性」という概念があります。GDP(国内総生産)を就業者数で割った数値を「名目労働生産性」と言います。
わかり易く言うと、「労働生産性が高い場合は、投入された労働力が効率的に利用されている」となり、低い場合は「労働力が効率的でない」ことになります。
その「労働生産性」が日本では、ここ25年間ほとんど横ばいなのです。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 一人当たり名目労働生産性と名目賃金」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフは、「一人当たり名目労働生産性と一人当たり名目賃金」の推移です。
一目見てわかるように、まるでウナギの寝床のように、まっ平らに伸びています。
1996年を100とした時に、2021年の「名目労働生産性」は、わずか101.6と、ここ25年間でほとんど上昇していません。
同じ25年間の「一人当たり名目賃金」は96.0と、上がるどころか4%も低下しているのです。
諸外国を見てみると、同じ期間の25年間の「一人当たり名目生産性」は、イギリス・アメリカでは230~240、フランス・ドイツでも160程度となっています。
日本以外の上記の全ての国において大きく増加していると記載しています。
〇「一人当たり賃金が上がらない理由」
この「労働経済白書」では、「日本の賃金は労働生産性への感応度は低く、失業率への感応度は高い」ことを挙げています。
この内容をわかり易く伝える内容も記載されています。
①「名目生産性が1%上昇しても、名目賃金は0.4%程度しか増加しておらず、生産性上昇に対する賃金増加の感応度が・・・小さい」
これをわかり易く言うと、下記のようになると思います。
●日本においては「労働生産性をあげても賃金が上がりにくい体質」がある。
(コロちゃんの理解です)
②「失業率が4%の状態で・・・名目賃金の増加・・・はほぼ0%であり、失業率の水準の程度に比べて賃金増加率が高くない。日本では・・・失業率が低下する中にあっても賃金増加率はそれほど高まらず、結果として、賃金増加率は低い水準にとどまる」
これをわかり易く言うと、下記のようになると思います。
●「失業率が低下しても、賃金が上がりにくい体質」がある。
(コロちゃんの理解です)
そして、その「賃金が上がりにくい体質」の説明として、下記のように記載しています。
「我が国では実質生産性は他国並みに上昇するものの、労働時間や労働分配の減少と交易条件の悪化が一人当たり実質賃金増加率を押し下げている」
また、説明が必要ですね。下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 一人当たり実質賃金の寄与度分解」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフの一番左側が「日本」です。
このグラフは「一人当たり実質賃金の寄与度分解」ですが、これを見ると「日本」の「一人当たり実質労働生産性(青棒)」は、諸外国に引けは取っていません(上に棒グラフが伸びている)。
しかし、「労働時間要因(茶色の棒)」と「労働分配要因(桃色棒)」がマイナスとなって「実質賃金」を引き下げています。
これは要するに、日本の賃金が上がらない理由は「昔より労働時間が短くなった」ことと、「会社が儲けを労働者に分けなくなった」からだよ。
(コロちゃんの解釈です)
日本だけでなく世界的にも「労働時間」は減少していますから、「労働時間要因」は変えようがありません。
改善できるとしたならが、もう一つの「労働分配要因」ですね。
上記の『8.「労働分配率は下がった」』で見てきた、企業の「労働分配率」を引き上げるしか方法はないと、コロちゃんは思いましたよ。
11.「企業の内部留保」
この「労働経済白書」では、わが国で「賃金が伸び悩んだ背景」として「分配と配分のあり方の変化」があるとしています。
前段の「分配」においては「経年的に労働分配率が低下」していること、「配分」においては「パートタイム労働者等の労働参加」を挙げています。
そして、その結果として「内部留保」が積みあがっていると下記のグラフを示しています。
下記のグラフをごらんください。
「厚生労働省 企業における内部留保の推移」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
出典:厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)より(9月30日利用)
上記のグラフは、「内部留保の推移(ストック)」ですが、企業規模別に内部留保の推移をみると、ほぼ一貫してどの企業規模においても増加しています。
1996年には約150兆円だった内部留保額は、2021年には約500兆円まで増加しているとしています。
この「企業の内部留保」については、コロちゃんも今までに何回もこのブログで取り上げてとりあげています。
ですから、初めて知ったことではなかったのですが、この「白書」のように「体系的」に説明されますと、よく全体像が見えてきた気がします。
しかし、企業の「内部留保のため込み」が、日本を現在のような「将来が見えない社会」にした元凶のひとつだと、コロちゃんは考えていますから、どうしても批判的な目で見てしまいますね。
この「白書」には、他にも「結婚問題」や「転職・スタートアップ」「最低賃金」などなど多岐にわたって考察をしています。
軽くパラパラ眺めてみるだけでも、結構興味深いですよ。
この「厚生労働省 労働経済の分析(労働経済白書)」をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1.pdf
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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