【経済考】「金のなる木」があればいい

経済

おはようございます。今朝は、朝からどんよりした雲が頭の上を覆っていました。西の方は、大雨が降っているようですから、そろそろ関東地方へも来るかもしれません。

コロちゃんとワンコは、早く梅雨明けしないかなー、と空を上目遣いに眺めていました。

今日は、どっかに「金のなる木」はないものかというお話をポチポチします。

1.日本の「借金」

コロちゃんは、借金っていう言葉はあんまり好きじゃないんですよね。だって借りる時は良いですけど、返す時は青息吐息になることが多いじゃないですか。

コロちゃんは、高度成長の時代に青春の時期を過ごしましたから、1970~1980年代に、当時の「サラリーマン金融」の全盛期と「サラ金地獄」の凄まじさを知っているんですよね。

あの頃は、まさに「闇金○○○○くん」みたいなサラ金業者が沢山あったんですよ。ですから、コロちゃんは「借金」ときくだけでイヤになります。

お話はちょっと違うかもしれませんが、日本国が現在抱得ている「借金」は、以下の通りです。

「財務省 日本の借金の状況」より

https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-comparison.html
出典:財務省 日本の財政を考える 4 日本の借金の状況 より(7月4 日利用)

上記を見てもわかりますが、日本の借金は2022年度末で、1029兆円になると発表されています。

また、今年2023年5月には、財務省が、「国債」と「借入金」、「政府短期証券」を合計した「国の借金」が3月末時点で1270兆4990億円になったと発表しています。

上記のグラフより、コロナ対策等で日本の「借金」はさらに増えているのです。

いやですよねー、コロちゃんはこんなお話を聞くだけで、背筋がぞーっとします。

2.日本の「歳入」

それでは、次に日本の「歳入」を見てみましょう。

「歳入」ですから、コロちゃんちの家計で見るならば、毎年の「年金収入」でしょうか。一般的には「お給料」ですね。

下記のグラフをご覧ください。

「財務省 財政はどのくらい借金に依存しているのか」より

https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-debt.html
出典:財務省 日本の財政を考える 2 財政はどのくらい借金に依存しているのか より(7月4日利用)

上記のグラフは、日本の「歳入」です。サラリーマンで言えば「給与明細」ですね。

この「歳入」の内訳をみると、「税収」と「公債金(借金)」で構成されています。「税収等」では全体の2/3しか賄えていません。

1/3は、「借金」で賄っています。これが毎年延々と続きますから、上記で見たように借金総額が1200兆円を超えるまでふくれあがってしまいました。

この借金は、返済するのは子どもたちと孫たち以降の子孫たちです。コロちゃんは、まことに申し訳ないことだと土下座したくなりますね。
m(_ _)mゴメンナサイ

「歳入」を増やす道は「景気をよくするか」or「増税」しかない

「日本国」でも「個人」でも、「借金を減らす道」は二つしかありません。「収入を増やす」か「支出を減らす」かのどちらかしかないのです。

ここでは上記のグラフを見ながら「収入を増やす」方法を考えてみましょう。

上記のグラフを見ると、一目瞭然で、政府の「歳入」のほとんどが「税金」しかないのがわかります。「その他収入」はわずか4.9%しかありません。

しかもその「税収」の大部分は、三つしかないのです。その三つを以下に書き出します。

「所得税18.5%」
「法人税12.1%」
「消費税19.6%」

「その他税収」は、9.0%でしかないのです。

この構造で政府が「歳入」を増やす道は、「景気を良くする」のが正道ですよね。

景気が良くなれば、上記の「所得税」「法人税」「消費税」は、みんな上振れします。

しかし、ここ30年間政府は「景気を良く」しようとしてきて、それが達成できていません。

コロちゃんには、今から日本経済が急に成長するようになるとは思えません。

そうすると「収入を増やす道」は「増税」しかないのは、当然の帰結です。

とりわけ、兆円単位の予算を新たにひねり出そうとするなら、上記の三つの税金「所得税」「法人税」「消費税」の全てで増税するのが公平な徴税と言えると、コロちゃんは考えます。

3.日本の「防衛費財源」と「少子化対策税源」

①「防衛費財源」

先日の6月16日に「防衛費財源確保法案」が参院本会議で可決されました。

この法案は、2023~2027年度の5年間で、防衛費を計14.6兆円程度を追加で確保するためのものです。

その内容は、以下の通りと報道されています。

①国有財産の売却などの税外収入 4.5~6兆円
②国が予算措置したものの使われず翌年度にも繰り越されなかった余りのお金、決算剰余金 3.5兆円程度
③社会保障以外の歳出改革 3兆円強

この①~③で、防衛費増額分の3/4を捻出する考えのようです。

それでも不足する1兆円強を、「法人税・所得税・たばこ税の増税で確保する」となっていますが、その増税時期について、当初「2024年以降」とされていました。

ところが、6月16日に発表された「骨太の方針」では、増税の開始時期について、以下のように記載しています。

「25年以降のしかるべき時期とすることも可能となるよう、柔軟に判断する」

あらら、増税時期は、最初は「2024年以降」となっていましたが、この「骨太の方針」では、「2025年以降」と先送りとなっているのです。

②「少子化対策財源」

政府は6月16日の「骨太の方針」で、「少子化対策」について以下のように発表しています。

「2024年度からの3年間で年3兆円台半ばを確保する」
「30年代初頭までに22年度こども家庭庁予算の4.7兆円を倍増させる」

しかし、その財源確保の具体策は示さず、「年末までに結論を出す」と、これも先送りしているのです。

そして、税負担については、以下のように断言しています。

「その財源確保のための消費税を含めた新たな税負担は考えない」

そんなこと言ってもねぇ・・・。どっからからお金が湧いてくるならいいんだけど・・・。

4.日本の「歳出」

岸田総理は、6月8日の参院財政金融委員会で、「少子化対策の財源」について、以下のようにご発言なさっています。

「歳出改革の具体的な内容については、具体的な改革工程表を策定する中でお示しをしてまいります。2028年までの毎年度の予算編成過程において実施して積み上げてまいりたい」

「歳出改革」ということは、今までの「歳出」の中から「兆円単位」の新たな予算をひねり出すということになります。

以下のグラフをご覧ください。

「財務省 予算はどのような分野に使われているのか」より

https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/index.html
出典:財務省 日本の財政を考える 1 予算はどのような分野に使われているのか より(7月4日利用)

上記のグラフが日本の「歳出」です。

ここから「防衛費増額分」と「少子化対策倍増分」の、数兆円単位の新たな金額をひねり出すというのです。

岸田総理は、6月12日の参院決算委員会で、「少子化対策」について、以下のように述べています。

「徹底した歳出改革を先行させ、公費の節減や社会保険負担の軽減を活用し、実質的に追加負担を生じさせないことを目指す」

また岸田総理は、6月13日に開かれた「子ども未来戦略会議」での「子ども未来戦略方針」の中でも「2028年度までに徹底した歳出削減」と重ねて発表しています。

それでは、上記の円グラフの「歳出項目」のどこから兆円単位の「歳出削減」をするのでしょうか。

「国債費(過去の借金の返済と利息)」は減らせられないでしょうし、「防衛費」は大幅増加する対象です。

「歳出」の中で、一番大きな枠は「社会保障費(32.9%)」ですが、今後は大きく膨らむことが想定されています。

膨らむ「社会保障給付」

それでは、歳出の「社会保障」(前記の円グラフ)から、歳出削減が出来そうかどうか、見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。。

「厚生労働省 社会保障の給付と負担について」より

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21509.html
出典:厚生労働省 社会保障制度改革 給付と負担について より(7月4日利用)

上記のグラフが、現在の「社会保障費」の給付と負担の構造です。

上の「給付」のグラフが、社会保障で支払われている分野とその割合です。「年金」「医療」「福祉その他」の三つの分野があります。

下の「負担」のグラフの赤の斜線が、国の一般会計の「社会保障関係費(国の歳出)」です。

このグラフの「社会保障費」(棒グラフの全体)は、2023年度予算ベースで134.3兆円となっています。その内の「国税項目(赤の斜線)」は36.7兆円です。

この「社会保障費」(棒グラフの全体の134.3兆円)は、ここ20年間で50兆円も増えています。

そして、2025年には、「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になり、医療費の急増は避けられません。

また、「団塊の世代」が85歳以上になる2035年以降には、介護費が大きく膨らむことが想定されています。

政府は、2040年以降の「社会保障給付費」を190兆円と推測しているのです。

現在(2023年度)134.3兆円の「社会保障給付費」が、2040年以降に190兆円に膨れ上がれば、当然にして、その中の国の一般会計の「社会保障関係費」(国の歳出)も増大します。

この背景の中で、岸田総理はどのようにして「徹底した歳出改革」をして、兆円単位の予算をひねり出すのでしょうか。

コロちゃんは、常識的にはちょっと無理じゃないかと思うのです。「金なる木」があるんなら別ですが。

5.日本の企業の「法人税」

「歳出改革」という名の「歳出削減」は、ちょっと無理じゃないかと、上記で書きました。

そうなると、どっかからお金を持ってこなければならないのですが、上記の「歳出構造」を見ると、大口の税金は「法人税・所得税・法人税」しかありません。

兆円規模のお金を調達するには、この「基幹税」に手を突っ込まざるを得ないと、コロちゃんは考えます。

法人税率

下記のグラフをご覧ください。

「財務省 法人課税に関する的な基本的な資料」より

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/c01.htm 

出典: 財務省 税制 我が国の税制の概要 法人課税 法人課税に関する基本的な資料(7月4日利用)

上記のグラフ見てもわかりますが、日本の法人税は1980年代(昭和55~65年)には、43.3%もあったのです。それがどんどん下がり続けて、現在では23.2%まで下がっています。

2012年(平成24年)以降の「法人税」の下振れは、「アベノミクス」の政策ですね。当時の安倍総理は、他国に企業が逃げるという理由で法人税をどんどん下げました。

ただ大企業では、研究開発減税などの多くの減税措置があり、実効税率は10%台しかないとも聞きます。

6.日本の企業の「内部留保」

下記のグラフをご覧ください。

「内閣官房 大企業の財務の動向」より

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai3/shiryou1.pdf
出典:内閣官房 新しい資本主義実現本部事務局 賃金・人的資本に関するデータ集より(7月4日利用)

上記のグラフは、2000年から2020年までの20年間の「大企業の財務の動向」です。

このグラフを見ると、この20年間に預金は85.1%の増加、経常利益は91.1%の増加です。配当金はなんと483.4%も増加、内部留保も175.2%増加となっています。

それに対して人件費はマイナス0.4%と、減少になっているのです。

上記で175.2%増加したという「内部留保」についてもう少し見てみましょう。

下記の表をご覧ください。

「財務省 利益剰余金の推移」より

https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/r3.pdf
出典:財務省 報道発表 年次別法人企業統計調査(令和3年度)結果の概要 第6表 利益剰余金の推移より(7月4日利用)

上記の表は、昨年9月に財務省が発表した、企業の利益剰余金(内部留保金)の金額です。

一番右側の「2021(令和3)の欄の最初の数字の「5.164.750」、つまり2021年の内部留保金は516兆円あるということですね。

この内部留保金は、使われないでいるお金ですから、ここから少しぐらい出してもらってもよいかと思います。

7.日本の企業の「自社株買い」

皆さん、「自社株買い」ってご存じですか?

株式を持っていない方は、関係がないですから知らなくとも当然なんですけど、「自社株買い」は、会社が自社の株式を購入することで、株主へのプレゼントだと言われるのです。

下記の引用をご覧ください。

「ウイキペディア 株価」より

自社株買い(さらに株式の消却)は市場に流通する株式数が減少するため1株当たりの利益は上昇するが、余剰金を取り崩して購入に当てるため理論上は株価に中立といわれている。しかし、株式の需要と供給の関係をみれば株価は上昇しやすくなると考えられることから自社株買いを行う企業も少なくない。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%AA%Eい4%BE%A1 
ウィキペディア(Wikipedia):フリー百科事典 「株価」株価の変動の要因 自社株買い 2022年2月25日更新 

上記の通り、儲かっている会社が、使い道がないお金を「自社株買い」しますと、その分だけ流通している株式数が減少しますから、株価が上昇することが多いのです。

そうすると株主は、配当以外にも所有株式の値上がりで利益が増えるんです。

その「自社株買い」が、2022年度に、過去最高の9.5兆円になっています。これだけ日本の企業には余力があるのですから、「法人税」を上げても良いと、コロちゃんは考えています。

8.日本の「所得税」

次に「所得税率」の推移を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「財務省 税率・税負担に関する資料」より

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/b02.htm
出典:財務省 わが国の税制の概要 所得税など  税率・税負担等に関する資料 より(7月4日利用)

上記のグラフは、昭和61年分(1986年)の「所得税+住民税」の推移です。所得税の「最高税率」が、70%(課税所得8,000万円超の部分)の時代があったのです。

「所得税+住民税」ですと、なんと88%です。江戸時代でしたら、ほとんど「9公1民」と言う厳しさです。

しかし、これ以降の「所得税」は、徐々に引き下げられてきました。

現在の税率は、下記のグラフになります。

「財務省 税率・税負担に関する資料」より

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/b02.htm
出典:財務省 わが国の税制の概要 所得税など  税率・税負担等に関する資料 より(7月4日利用)

上記のグラフは平成27年分(2015年)の「所得税+住民税」の推移です。

どうでしょうか、ずいぶん引き下げられたと思いませんか。これならば、少しは以前に戻して税率を上げる余地はあると思いませんか。

「一億円の壁」と何か?

皆さんは、「一億円の壁」という言葉を聞いたことがありますか。コロちゃんは、一億円というと年末ジャンボくらいしか思いつきません。
(年末ジャンボは現在は一等・前後賞合わせて10億円です)

下記のグラフをご覧ください。

「財務省 個人所得課税」より

https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/4zen19kai2.pdf
出典:財務省 参考資料〔個人所得課税〕より(7月4日利用)

上記のグラフは、納税者の所得金額ごとの「所得税負担率」をあらわしています。

一目、見てもわかるように所得金額が上がるにつれて、「所得税負担率」は上昇していますが、ちょうど一億円を超えると、逆に「所得税負担率」が下がってしまいます。

これが「一億円の壁」です。この制度でメリットを享受している人数は1.9万人です。

日本の富裕層は、約2万人いらっしゃるのですね。

なぜ、こんな現象が起きるのかというと、上記のグラフの右下の円グラフをよく見るとわかるのですが、この1.9万人の富裕層の所得は、給与所得よりも、金融所得の割合が高くなるからです。

日本の金融所得課税は、一律20.315%(所得税+復興特別所得税15.315%、住民税5%)なのです。

どうですか、皆さん、「所得税」や「金融課税」にも、まだ増税する余地があるとは思えませんか。日本の富裕層には、お国のためにもっと納税してもらってよいと、コロちゃんは思います。

9.日本の「消費税」

今度は、皆さんがスーパーなどでお買い物をするときに、思わず舌打ちをするような「消費税」についてポチポチします。

消費税は1989年(平成元年)に3%から始まりました。その後1997年(平成9年)に5%に上がり、2014年(平成26年)に8%、2019年(令和元年)に10%になり、現在に至っています。

その10%の内訳は、消費税率7.8パーセント、地方消費税率2.2パーセントで、一部の商品には軽減税率が適用されています。

それでは、日本のこの10%の消費税が、世界を見渡してどのくらいに位置にあるのかを見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。

「国税庁 消費税の比較」より

https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page13.htm
典:国税庁 税の学習コーナー 税の国際比較 消費税の比較 より(7月4日利用)

上記のグラフは、消費税の国際比較です。

ヨーロッパ諸国では「付加価値税」という名称で導入されています。現在「付加価値税」は、全世界 150 以上地域採用されています。

上記のグラフをみると、ヨーロッパ諸国では、ほとんどの国が20%を超えています。アジア圏は日本と同じくらいでしょうか。

どうですか、皆さん。日本では、まだまだ「消費税」の増税余地はあると思いませんか。

ただ、消費税は逆進性があり、貧しい方ほど負担感が大きくなりますから「法人税」「所得税」の増税と組み合わせて、格差が縮小するように制度設計すればよいと思います。

10.日本に「お金のなる木」があればいいんだけど・・・

コロちゃんは、今の「少子化対策」を見ていても、「防衛費増額」を見ていても、兆円単位のお金が必要なのに増税を否定すること自体、誠意がない態度だと考えています。

どう考えても、現行の歳入と歳出を見ていれば、少しぐらいの削減余地しかないことは一目瞭然だと思うからです。

日本には、「お金のなる木」はないのです。

でしたら、どんなに不人気なことでも、政治生命を賭けて「増税」をみんなに訴えればいいじゃないですか。

上記で見てきたように、「法人税」「所得税」「消費税」には、目を背けず状況を直視すれば、増税余地はあると、コロちゃんは考えています。

コロちゃんは「増税論者」です。

現行のお国の「歳入・歳出」を見ると、子どもや孫たちへの負担のつけ回し(国債)は、毎年30兆円台で積みあがっているのです

コロちゃんは、大声で言います。「子と孫たちへの借金のつけ回しはやめましょう」と。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

CANDICE CANDICEによるPixabayからの画像
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