【経済考】「失われた30年」の謎は解けたのか?

経済

おはようございます。コロちゃんが朝の散歩を終えて、朝食を食べた後にふとワンコを見ますと、いつもの場所に見えません。

コロちゃんは、ワンコがどこへ行ったのかな? と周りを見渡しても見当たりませんので、足下の「小さなこたつ※」を覗いて見ると、中でワンコが丸まって寝ているのがみえました。

(※コロちゃんは、居間のテーブルの足下に小さなこたつを設置しています)

このワンコは、最近は1日中ほとんど寝ていますね。歯は抜けるし、エサは食べなくなるし、散歩時もあまり歩かなくなりました。

以前は散歩の時にリードをグイグイ引っ張って歩いたのが、今ではコロちゃんの後ろから嫌々やっと歩いていますね。

コロちゃんも「こらいまれ」ですが、このワンコは15歳になりますから、もう老年コロちゃんよりも年上でしょう。

いずれ「お迎えが来る」んでしょうね。だけど、ワンコがいなくなったらさみしいだろーなー。

おい、ワンコ! 「死ぬんだったら、コロちゃんが死ぬ1日前にしろよ!」とつぶやいたコロちゃんでしたよ。

今日は「失われた30年の謎は解けたのか?」をカキコキします。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「コロちゃんの経済への興味と、失われた10年の解明はほぼ出来ている」

☆「後の方の失われた20年の理由は何かと、企業は成長の基盤を整えよ」

☆「しかしどうすれば良いのだろうかと、誰も先を読めなかった」

1.「コロちゃんの経済への興味」

コロちゃんは「経済のお話」には、強い興味を持っています。

それも、身近な「家計やお小遣い」のような「ミクロな話」ではなく、「日本経済」のような「マクロ経済」についてなんです。

なぜ、そんなへんなところに興味を持つようになったのかというと、2000年代初めに「小泉総理」が出て来た時に「構造改革」をぶち上げたことがきっかけでした。

本来ならば「保守党・保守思想」は、古い制度を守るのが正しい考えです。だから「保守」という言葉が使われるのですよね。

それが「自民党・小泉総理」は、「聖域なき構造改革」と「反・保守」を高々と宣言したのです。

「抵抗勢力はぶっ潰す!」by小泉総理(当時)

すごくカッコよかったですよ。

この「聖域なき構造改革」が出て来た背景には、「1990年のバブル崩壊」以来の「失われた10年」がありました。

その「失われた10年」に対して、小泉総理以前の小渕総理は「巨額の財政投入」で不況から脱出しようとしたのですが、一向に効果がなかったことで、その後の小泉総理の「構造改革」に進んだのです。

しかし、その結果を現在から振り返れば、誤りだったのですよね。

「抵抗勢力をぶっ潰し」ても、「聖域なき構造改革」を行なっても、日本経済は再生しませんでした。

そして「失われた10年」がその後の「失われた20年」へと進んだのです。

この時に、コロちゃんは「政治家の好き嫌い」ではなく、「失われた10年の謎」を解かなければ「日本の進むべき道は明らかにならない」と考えたのですよ。 

そうなんですよね。。コロちゃんは、2000年代の初めに「今後の日本は経済が主要な政治課題になる」と思ったのです。

その時点では、まさか「失われた10年」が「・・・20年」「・・・30年」になるとは、日本中で「政治家」も「経済学者」も、誰も考えていなかったと思いますね。

もちろんコロちゃんも、小指の先ほどにも考えていなかったですよ。それがこんなに長く続くとはね・・・。

そこでコロちゃんはその時に「素人」ながら、ボチボチと「優しい経済書」を手に取り始めたというわけなんです。

そこでちょっと思ったことなんですけどね。「日本経済バブル崩壊」となったのは1990年でしたよね。それ以来34年間の日本は、ほとんど成長できていないのです。

だから、今40歳ぐらいより下の年齢の方は、「ものごごろ」がついてから、ずっと今まで「成長しない日本」しか見ていないのですよね。

だから若い方は「成長しない日本」がスタンダードだと思っているのじゃないかなと、コロちゃんは感じているのです。

しかし、コロちゃんは1970~1990年の「成長する日本」を見てきましたから、コロちゃんにとって「日本はやり方を間違えなければ成長できた」と考えているのですよ。

その視点から、いろいろ考えた結果が、下に書いてあるとお考え下さると良いと思いますよ。

2.「失われた10年の解明はほぼ出来ている」

コロちゃんの理解では、1990年のバブル崩壊以来の「失われた10年」の期間の解明は、「経済学者」の間では「バランスシート不況」ということで、共通の理解となっているようです。

「バランスシート不況」とは、「バブル崩壊(1990年)」によって不動産・株式などの資産価値が暴落した結果、「企業」が投資や人件費を削減するために不況となることを言います。

「バブル崩壊」により、多くの「日本企業」は「雇用・設備・負債の三つの過剰」を抱えました。

また高値掴みをした「不動産・株式」もあり、その後は長く「投資・雇用」を絞ることになりました。

上記の「調整」は、2000年代の半ばには既に終了したと言われています。

ですから、コロちゃんの理解では「失われた30年」は、「失われた10年」+「失われた20年」の二つに分かれているのです。

➀「不良債権処理を10年間も先送り」

ここで以下の3つの点を、コロちゃんは指摘したいとおもいますね。

➀「バランスシート不況が、1990年の株式大暴落以来2000年代初頭まで続いた理由。

2008年のアメリカで起きた「リーマンショック」を見ると、その後のアメリカ経済は1年後の2009年には既に上向いています。

それと比べると、日本の「バブル崩壊後」の「バランスシートの処理」には10年以上かかっています。

コロちゃんの理解では、1990年代の「日本企業」は「土地価格はいずれ戻る」との考えから「不良債権処理」を徹底して先送りしています。

「暴落した土地を」不良債権として表に出せば、経営者の責任は免れません。

それが10年以上も先送りしたことによって、「バブル時」の多くの経営者は責任をとらずに多額の退職金とともに退任していってますね。

彼ら「経営者たち」は、「企業の財務の修復」よりも、「個人の利益」を優先したのです。

コロちゃんが調べた「土地・株式」のキャピタル・ロスの最大額は、1992年の「株式▼146.8兆円:土地▼220.0兆円:合計▼368.8兆円※」でした。

(※財務省:不良債権と金融システムの安定化より)

そして「経営者」は、10年以上に渡ってバブル時代に膨らんだ「過剰な雇用・設備・負債」の処理を毎年少しずつ進めていったのです。

その結果が「失われた10年」になったのですから、これらの無責任な経営者たちは、コロちゃんに言わせれば「戦犯」ですよ。

この時に一気に2~3年で不良債権を処理していれば、その後の「失われた10年」とその以降の「失われた20年」は無かったかと思うと、コロちゃんは激おこぷんぷん丸ですよ。
٩(๑`^´๑)۶

➁「不良債権は時が経つにつれて膨れ上がった」

「バブル崩壊後」に最初に「不良債権」が発表になったのは、1992年4月の「8兆円」です。

それがその後の発表では、1995年に「38兆円」と膨れ上がっています。

最終的に「内閣府」がホームページで公表している内容では「バブル崩壊後15年間に存在した不良債権総額は合わせて 109.6 兆円」としていますね。

このように「不良債権額」が膨れ上がった理由としては、「不良債権の定義」が変わったとしていますが、初期の早い時期に一気に「不良債権処理」という膿を出していれば、安上がりに済んだのです。

それを、多くの「企業経営者(特に銀行業界)」が自己保身のために、先送りを続けている内に、だんだんと地価下落などが進み、不良債権処理費用が膨れ上がったのですよ。

上記で書いているように他国の「バブル崩壊」の処理では1~2年で処理が終わり、その後「経済」は回復しているのです。

ただ「日本のみ」が、「バブル崩壊後の不良債権処理」に10年以上の時をかけたから、その結果が「失われた10年」となっていて、その後の「失われた30年」に繋がったとコロちゃんは考えていますよ。

③「皆同じ方向へ走った」

「赤信号みんなで渡れば怖くない」

この「ブラックジョーク」は聞いたことがありますよね。今から40年以上も前の1980年にツービート(ビートたけし・きよし)のお笑いコンビの持ちネタです。

コロちゃんは、このブラックジョークが、大勢で同じことをすれば安心だとする「日本人」の民族文化をよく表していると思ったのですよ。

「日本社会」に広く根付いた「同調圧力」のせいですよね。みんなが一斉に同じ方向へ進むのです。

悪い事ばかりじゃないですよ。2020年からの「コロナ禍」では、アメリカやヨーロッパでは「強制的な都市ロックアウト」をしたにもかかわらず、多くの死者が出ました。

それが「日本」では、「外出自粛のお願い」を「政府」が言うだけで、多くの国民が自主的に外出を自粛し、マスクとうがいを自主的に行い、死者数は先進国の中でも異例に低く抑えられました。

これも同じ「同調圧力」の結果だと思いますよね。

その「同じ方向へ走る」ことは、1980年代末の「バブル時」も、その後の「バブル崩壊」でも同じでした。

その為に「バブル生成時」には大きく膨らみ、「バブル崩壊時」にもみんなが「不良債権の先送り」したために更に不良債権処理額が膨らみました。

そのみんなで同じ方向へ走るという「日本人の習性」が「失われた10年」を招いたのだと、コロちゃんは考えていますよ。

3.「後の方の失われた20年の理由は何か?」

コロちゃんが読んだ多くの経済書では、最初の「失われた10年」は、上記の「バランスシート不況」だと多くの「経済学者」が語っています。

しかし、その後の「失われた20年(2000年以降の20年)」には「ハッキリした定説」は、まだ読んだことはありません。

そりゃいろいろな説はありますよ。「少子高齢化」を取り上げる方も多いし、中国の安い「家電製品」に負けたとする方もいらっしゃいます。

その他にも「IT化の遅れ」を指摘する方もいるなど、多くの意見がいろいろあります。

だけど、どの意見も「それもあるだろうけど・・・?」という内容で、コロちゃんの胸にはすとんと落ちないものばかりだったのです。

その時に「日経新聞」の「経済教室」で「伊丹敬之一橋大学名誉教授」の「人件費と設備投資増やす時」という論考を読んだんですね。

この「論考」では、1990年代以降の「日本企業の行動」として、「設備投資が低迷し配当だけが増え続けた」としているのです。

具体的には「1992年度(バブル崩壊直後)には『配当2.8兆円』は『設備投資28.2兆円』の1割ほど」だったが、その後の「2021年度に初めて『配当』が『設備投資』と逆転」したとしています。

そして、その後も「配当」は増え続けて「2022年度は『配当24.7兆円』が『設備投資22.0兆円』を1割以上も上回」ったとしているのです。

この論考では「これでは成長は出来ないだろう」と記載しています。

「伊丹教授」は、「日本経済が成長できない理由」として、「日本企業」が「配当を増やして設備投資」を減らしたからだとおっしゃっているのです。

コロちゃんは「失われた30年」の理由に、こんな単純な一目でわかる数字が出て来たことに驚きましたよ。

だけど「経済の動き」というものは、みんなが認めるまでには時間が掛かることが多い事をコロちゃんは知っていました。

上記の「失われた10年(1990~2000年ごろ)」の「バランスシート不況説」も、多くの「経済学者」の意見が共通の認識に収束するまでには時間が掛かっています。

コロちゃんがこの「バランスシート不況説」を、本で読んだのも2010年代に入ってからですね。

だからこの「伊丹教授」の「配当が増えて設備投資が減った」との説も、もし正しければその内に賛同者が数多く出て来るだろうと、コロちゃんは思っていたのです。

そうしましたところ、今朝の「日経新聞のOpnion面」で「論説フォロー名」の記事が掲載されました。

次に、その「記事内容」をご紹介しますね。

なお、コロちゃんが上記した「伊丹教授の論考」をこのブログで取り上げていますので、その記事をお読みになりたい方は、以下のリンクのクリックをお願いします。

【経済考」「失われた30年」の謎をとく

4.「企業は成長の基盤を整えよ」

コロちゃんが注目した今朝の「日経新聞」の記事は、「投資も賃上げも配当も」との見出しの「原田亮介論説フォロー」の署名記事です。

内容は冒頭から「日本は30年続いた停滞から脱却できるだろうか」と、挑戦的というか「上から目線」ですね。

コロちゃんは新聞社の人事は全くわかりませんが、この方は「論説フォロー」との肩書なのですから、たぶん偉い方なのでしょう。ですから「上から目線」でも良いのでしょうね。

➀「労働生産性を高めよ」

まずは「日本経済」に必要なものとして、「過去30年で大きく下がった労働生産性を高める必要がある」と書き出しています。

そして「生産性が低低迷した理由」として、以下の内容を記載しています。

◎「日本の労働生産性上昇割合」

➀「80年代  :45%上昇」
➁「90年代 :21%上昇」
③「2000年代:14%上昇」
➃「2010~2020年:9%上昇」

上記を見てもわかるように、「日本の労働生産性」は年代ごとに大きく低下しています。そしてその「最大の原因」を「企業による設備と人への投資の低迷」としているのです。

ねっ、コロちゃんがこの「記事に注目した」わけがわかるでしょ。

この記事が言わんとしていることは、「伊丹教授の経済教室」の「人件費と設備投資増やす時」の論考と同じ見解を述べているのです。

➁「縮み志向に変化が」

そして、この記事では「投資の低迷は製造業で著しく、生産拠点を・・・海外に移す一方で国内で非正規社員を安く雇うことが出来た」としています。

これでは「生産性は上がるわけないよね」と言っているのですね。

しかし、この「縮み志向」には大きな変化が見られるようになったとしています。下記に書いてみますね。

◎「縮み志向からの変化」

❶「大企業製造業の23年度設備投資計画が14.5%増」

❷「大企業製造業の24年度設備投資計画が8.5%増」

コロちゃんは、この「○○%増」が、どの程度のものなのかはさっぱりわかりませんが、本記事では「経営者が攻めの経営を意識している良い兆候と言える」と誉めていますね。

③「賃上げは継続できるのか?」

本記事では「賃上げの継続」を課題としています。

「物価上昇に打ち勝つベースアップが実現しなければ個人消費は回復できない」と、まあ当たり前の主張ですよね。

ただ筆者も確信を持てないらしく、「実質賃金を高める王道は、やはり企業が生産性向上に取り組むしかないということになる」と、ちょっと論旨から逃げ腰ですね。

日本は「民主主義」で「資本主義の国」ですから、企業に強制的に賃上げを命令することは「政府」にも「言論機関」にも出来ません。

この記事の中では、自分で主張しないで「鶴光太郎慶応大教授は来年度以降も賃上げが加速するかは不透明だという」と、主張を借りてきています。

おそらくこの書き方だと、筆者は「来年以降の大幅賃上げは難しいだろう」と思っていると、コロちゃんは思いましたよ。

まあ、勝手な推測ですけどね。だって、コロちゃんだって今後「毎年日本企業が大幅賃上げをする」だろうとは考えていませんからね。

➃「企業に賃上げをジワリと圧力」

次に「企業の配当」をやり玉に挙げています。「大企業は一貫して株式配当を増やし、22年度には初めて設備投資額を上回った」としています。

この記事でも、上記でコロちゃんが取り上げた「伊丹敬之一橋大学教授」が出てきますよ。

記事中に、「伊丹敬之一橋大名誉教授がこの数字(配当が設備投資を上回った)を経営者に示すと『そこまで増えたのか』と驚かれる」と書いていますね。

そして「伊丹教授」の言葉として「バブル崩壊とリーマンショックという2度の危機を経て、企業は・・・投資を抑えて手元資金を増やし、配当を増やした」と批判的に書いています。

また、賃上げについても「人件費は売上高の10%に過ぎない。5%増やしても経常利益への影響はたかが知れている」と、ジワリと企業に5%賃上げをしろと圧力をかけています。

そして最後は「上場会社である以上、ある程度の株主還元は必要だが、設備や人への投資を増やして成長する姿を示さなければ、企業の中長期の期待成長率は高まらないだろう」と締めていますね。

いやいや、よく読んでみると「日本の企業」がお得意様である「日経新聞」としては、なかなか勇気のある記事じゃないですか。

なお、この「日経新聞」の「投資も賃上げも配当も」との記事を読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

投資も賃上げも配当も 三兎追い復活の基盤に 論説フェロー 原田 亮介 - 日本経済新聞
日本は30年続いた停滞から脱却できるだろうか。5%を超える賃上げや一時4万円を超えた日経平均株価は長い眠りからの目覚めを感じさせるが、復活の道は始まったばかり。設備投資と賃上げ、株主還元という三兎(さんと)をどう追うか。企業は腰を据えて成長の基盤を整える時だ。今は金融引き締めの逆風をものともしない強さをみせる米国経済だ...

5.「しかしどうすれば良いのだろうか?」

コロちゃんがこの記事に目を留めた訳は、上記の伊丹教授の「1990年代以降の日本企業が、設備投資と人件費を減らし、配当だけを増やした」との主張に、報道機関が賛同したと見たからです。

このような「経済的事象」は最初は賛同者がいなくて、徐々に検証を経てから、だんだんと世の中の「常識」へと成長することが多いのですよ。

○「配当を減らして設備投資と賃上げを増やすことが出来るのだろうか?」

この「日本企業」が、「人件費を減らした」ことを、具体的に見て行くと2000年代初頭から進められた「正社員から非正規雇用への転換」があるのですよね。

「日本企業」は、正社員の賃下げは「倒産の危機」でもないと普通は行なわれません。

だから「日本企業の人件費の削減」は毎年の「賃上げ」の縮小と、退職する正社員の後補充を「非正規雇用」に換えることによって進められました。

ちょうど2000年の初めごろからですね。

象徴的なのは、2002年にトヨタ自動車が利益が1兆円を超えても「ベアゼロ」だったことでした。

その当時の2003年に日本経団連(奥田碩会長)は、「ベアは論外」とご発言なさっていますよ。今振り返ってみると、変われば変わるものですねと、コロちゃんは思っていますよ。

この2000年以降からは、「正規雇用者」が徐々に「非正規雇用者」置き換える動きが進みました。

この構造の下では、たとえ大企業の「正規雇用者」が5%賃上げとなっても、「雇用者全体」を平均すると「賃上げ率」はかなり下がりますね。

かといって、「現在2131万人( 37.2%)※」もいる「非正規雇用者」を、いまさら全て「正規雇用」に戻すことはできないでしょうね。

(※総務省統計局:労働力調査:基本集計:2024年(令和6年)3月分より)

この「賃上げ」は企業がそれぞれに判断する事項なのですが、伊丹教授が主張している「設備投資」もまた個別企業が「経営判断」として行なっていることです。

そう考えると、今後「日本企業」が、1992年度(バブル崩壊直後)の「配当2.8兆円と設備投資28.2兆円※」の時代に戻ることは、まずありえないでしょうね。

上記の「配当と設備投資」の意味を下記で書いておきますね。

◎「配当と設備投資割合」

❶「1992年度:配当2.8兆円:設備投資28.2兆円」(配当は設備投資の10%)

❷「2022年度:配当24.7兆円:設備投資22.0兆円」(配当は設備投資の112%)

ね、2022年度に10倍以上に増えた「配当」(112%)を、30年前の10%に戻したら、株主さんが黙っていないでしょうね。まず、出来ないでしょう。

それとも、「賃上げ5%」を「岸田総理・十倉経団連会長」がそろって訴えたように、「配当を減らして設備投資を増やせ」もお二人が訴えることは・・・、まずやらないし、やれないでしょうね。

何か「日本企業」が一斉に「配当を減らしてその分設備投資を増やす方法」はないでしょうか?

誰か「よい知恵」を出してくれないかなー? どうすれば良いのかなー?

6.「誰も先を読めなかった」

今日のテーマの「失われた30年の謎?」は、どうやら「日本企業」が一斉に「配当を増やして、人件費と設備投資を減らしたこと」によって引き起こされた可能性が高くなってきました。

しかし、その出発点が「正規雇用」を減らして「非正規雇用」を増やしたことによって引き起こされたとは、2000年代初頭の政財界や企業のお偉方だけではなく、誰も予想もつかなかったと思いますよ。

当時は、むしろ「単純な仕事」は「非正規雇用」に任せることが出来るから、「正社員の生産性は上がる」と思われていたのではないでしょうか。

このブログで何度か取り上げたエピソードに、1995年の「日経連(のちに経団連と統合)」が発表した「新時代の日本的経営」というレポートの話があります。

その内容は、今後の「日本の経営形態」を以下のように分けなければならないというものでした。

①「長期蓄積能力活用型グループ」
②「高度専門能力活用型グループ」
③「雇用柔軟型グループ」

上記の「①長期蓄積能力活用型グループ」と「②高度専門能力活用型グループ」は「正規雇用」ですね。

そして「③雇用柔軟型グループ」が「非正規雇用」ですね。

この「③雇用柔軟型グループ(非正規雇用)」が全雇用者数の4割近くにまで増えるとは、当時誰も考えなかったでしょう。

そして雇用者全体の「賃上げの低下」や、「生産性の低下」にまで影響を及ぼす存在になるとは、誰も想像すらしていませんでしたね。

もちろん、素人のおじさんだったコロちゃんなどは、何も考えていなかったですよ。

まだ、この知見が正しいかどうかは、今後いろいろと検証が進むと思いますが、コロちゃんはいち早く気づいた気になったものですから、今日のブログテーマとしてみました。

できますれば、今日よりは明日が良い日だと思いたいと、コロちゃんは心から思っていますよ。

そのためには、今日のテーマ「失われた30年の謎は?」の様な考察も必要だと思っていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

-Rita-👩‍🍳 und 📷 mit ❤によるPixabayからの画像

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました