【読書考】「中国の行動原理」を読んで

読書

中国の行動原理(増尾智佐子 著 中央公論社 2019年)

いま書店では、数多くの「中国本」が書棚を埋め、また毎年多数出版されていますが、本書はそれらの中でも際立って光っています。

「中国人を規定する伝統的家族観」では、マルクス主義の古典的分析手法を思い起こしました。中国政治の分析でここまで掘り下げた論考はあまりないのではないかと、コロちゃんは思いました。

「伝統的な家族制度による秩序」が「社会に数千年の単位で根付いた強固な価値観」として残っているとの考察には読んで、その通りとうなずく思いでした。

本書は、過去の中国の国際行動について、私たちでも理解できる論理に落とし込んでいます。要するに普遍的な価値観で評価・分析しているのですね。

本書の論考には、国民文化・イデオロギー・政治潮流すべての面で整合性を感じます。中国の内政を扱った本ですが、豊富な中国理解の分析書として切れ味が実に鋭いです。

本書は言います「習近平は中国の伝統に根差した正統派の指導者なのだ」と。強い説得力を感じました。

また、「あとがき」の著者の自分がたりも面白いです。著者の外国文化に対する興味と心情がほの見え、本書の分析が中国への強い関心から産まれていることがよくわかります。

本書は実に秀逸であると高く評価します。

本書を、ぜひ読むことをおすすめします。絶対面白いですよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

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