おはようございます。コロちゃんは、今朝も暗い中をワンコとの散歩に出かけてきました。早朝の気温は摂氏6℃です。
コロちゃんのほっぺと耳が、寒さで痛かったです。散歩の途中で東の空を見上げると、ほんのりと茜色が見えてきました。
夜明け前の空ですね。気持ちは心地よいのですが、なにせ冷気の中でのウオーキングです。寒いです。
コロちゃんは東の空をスマホでパシャっとフォトを撮ってみました。
ちょっとした「清涼さ」のおすそ分けです。下記のフォトを見て下さい、爽やかさが感じられたら良いですね。
今日は「連合と岸田総理の政労使会議」をカキコキします。
0.「今日の記事のポイント」
コロちゃん
今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。
☆「政労使会議が開かれました。メインテーマはデフレ脱却です」
☆「デフレとは何か?」
☆「岸田総理はデフレ脱却を選んだ」
☆「2000年頃に起きていたこと」
☆「ホントにデフレ脱却できるの?」
1.「政労使会議が開かれました」
報道によりますと、先日の11月15日に岸田総理が、「経団連」と「連合」の代表者と意見交換する「政労使会議」を開催したと報じられました。
この「政労使会議」は、その名前が示すように、「政府(政)、労働界(労)、経済界(使)」の代表者が総理大臣官邸に集まって開かれる会議のことです。
前回開かれたのは、今年の3月15日です。過去に「政労使会議」を開いたのは、それから8年前の2014年・2015年と安倍元総理の時にまでさかのぼります。
その「政労使会議」を、春闘直前でもない11月に開催すると言う事は、異例な事なのです。
本来ならば、民間企業の個別案件である「労使間の賃金交渉」に、「政府(政)、労働界(労)、経済界(使)」が介入して、「大幅賃上げ」を実現しようとしているのです。
それでは、その「政労使会議」での岸田総理の発言を見てみましょう。
コロちゃん
コロちゃんは、過去に賃上げで「政労使会議」を開いたとは聞いたことがありません。
そもそも「賃上げ」とは、個別企業の「経営者」が判断するものであって、「政府」はもちろん「経団連」も呼びかけは出来ても、強制力がある訳でもありません。
企業の賃上げ率に「政府」が直接介入することは、「市場経済の資本主義国」では、あまり聞きませんね。
2.「デフレ脱却がメインテーマ」
この「政労使会議」では、岸田総理が「政・労・使」の意見交換を踏まえて、以下のように発言をされています。
「デフレ完全脱却の千載一遇のチャンス」が巡ってきているとして、来春闘では「今年を上回る水準の賃上げ」を要請しています。
また、「中小企業が使いやすいように賃上げ税制を拡充・・・価格転嫁対策・・・転嫁の強化を強く働きかけ・・・中小・小規模企業の賃上げを全力で支援」するとしています。
そして「賃金を含めた可処分所得が物価を超えて伸びていくよう取り組み・・・非正規雇用労働者の処遇改善を進め・・・正社員化に向けての支援措置を強化」と話しました。
最後に「日本経済がデフレに後戻りするか、デフレ完全脱却の道に向かうかの正念場・・・脱デフレのチャンスをつかみ取るために総力を挙げ」ると語りました。
この「岸田総理の発言内容」を読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
この岸田総理の発言内容を読んで、コロちゃんが感じたのは、メインテーマは「デフレ脱却」だと言う事です。
「賃上げ」も「可処分所得の物価越え」も「非正規雇用の正社員化」も手段ですね。
岸田総理は、最後にも「目指すのは「デフレ脱却だと」ハッキリと述べられています。
コロちゃん
「デフレ脱却」をメインテーマとしてここまで集中的に取り組むのは、コロちゃんの知る限りでは初めてですね。
過去の小泉政権時は「聖域なき構造改革」でしたし、安倍政権時には「異次元の金融緩和」でした、両政権時には、それぞれのスローガンが達成されれば、日本経済は回復し、実質2%名目3%の成長軌道に回帰すると言われていました。
ただその「目標」は、今から見ると全く達成できませんでしたね。
3.「デフレとは何か?」
さて、それでは岸田総理が「政労使会議」を開いてまで脱却したい「デフレ」とは、どのようなものなのでしょうか。
「デフレ」とは、「デフレーション」の略です。「物価が継続して下落する状態」のことを言います。
コロちゃんのような「年金生活者」は、年金が下がらずに、物価が下がるならば良い事じゃないかとも思いますが、日本経済全体を見ると困ったことになります。
それは、以下のようなことが経済に起きるからです。
①「物価が下がる」⇒
②「企業の売り上げが減る」⇒
③「企業収益が減り投資や雇用を減らす」⇒
④「投資も雇用も減るために消費が落ち込む」⇒
⑤「消費が伸びないので物価が下がる」⇒①に戻る
上記のように、一度「デフレ」に落ち込むと、「物価の下落」と「経済の縮小」が連動して、螺旋階段を下っていくかのようにどんどん下落していってしまいます。
この状態を「デフレスパイラル」と言います。
この「デフレスパイラル」に、「日本経済」は2000年代から2010年代前半にかけて落ち込んでしまいました。
下記のグラフをご覧ください。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/keizai_prism/backnumber/h30pdf/201816902.pdf
出典:参議院 消費者物価指数半世紀の推移とその課題より(11月16日利用)
上記のグラフは、「平成期の物価上昇率の推移」です。
「物価上昇率」のラインが三つ表示されています。その違いは以下の様になっています。
①「総合 赤点線 全対象品目」
②「コア 黒太線 生鮮食品を除く」
③「コアコア 緑点線 生鮮食品及びエネルギーを除く」
「物価上昇率」を見る場合には、この三つの指標を使い分けて判断するようになっています。
例えば、上記のグラフで「緑色点線(コアコア)」だけが上振れているのは、この時に原油価格が低かったためとされています。
低い原油価格を除いてしまえば、商品価格全体の数字が上振れるのは当然ですね。
話がちょっとそれましたが、このグラフをよく見ると、1998~2013年頃まで物価が下がる状態が、ほとんどの年で続いています。
「黒の太線」と「赤点線」のラインが、1998~2013年頃まで「100」を下回っていますね。
しかし、日本が「月例経済報告」で正式に「デフレと認定」したのは2001年です。
当時はまだ「デフレ」の正式な定義がなかったのです。
その後「少なくとも2年間の継続的な物価下落」を、「デフレ」とするとされました。
そして、現在もまだ「日本経済」は、この「デフレ」から完全には抜け出していないとされているのです。
コロちゃん
コロちゃんは、この「低い物価」、「低い生産性」、「低いGDP成長率」は、日本の「非正規雇用」の増加と「高齢化」が相当関係していると思っています。
すでに「人口オーナス期」に入っている日本は、だだでさえ「需要不足」の傾向が強いのです。
そこに低賃金の「非正規雇用」の増加と、「高齢者の所得」の2極化で、「需要不足」に拍車がかかっています。
「日本経済」は、上記の理由で「縮小均衡」の進みやすい状態に陥っているのではないかと、コロちゃんは考えていますよ。
4.「岸田総理はデフレ脱却を選んだ」
今回の政労使会議での、岸田総理の発言の最後の言葉を、もう一度見てみましょう。
「日本経済がデフレに後戻りするか、デフレ完全脱却の道に向かうかの正念場・・・脱デフレのチャンスをつかみ取るために総力を挙げる」
まさに、今後の「日本経済」についての「トップの選択」ですね。
現在コロちゃんが、生活するにあたって一番の悩みが「物価上昇」です。世の中を見渡しても、同じ思いをお持ちの高齢者の方も多いと思います。
いや「多い」どころか「ほとんどの高齢者」は、この「物価上昇」はいつまで続くのかと頭が痛いと思います。
しかし「経済政策」として、「物価上昇を止めること」と「デフレ対策」は両立しないのです。
「物価上昇」を止める政策は、以下の二つと言われています。
①「金利を上げれば、多くの企業は借入に消極的になり、経済活動は停滞し物価上昇率が低下します」
②「政府が増税や歳出削減を行ない、経済活動にブレーキを掛ければ、物価上昇率は低下します」
(コロちゃんの理解です)
上記の①は「日本銀行」が、現在はマイナス金利の「金融緩和」を行なっています。まだ「金融引き締め」で物価を抑えるつもりはなさそうです。
②は岸田総理が「増税はやらない」とおっしゃっていますし、歳出は膨張気味です。「歳出削減」で物価上昇を抑える気はなさそうです。
現在の「政府」も「日銀」も、「物価を上げる政策」を行なっていて、「デフレ脱却」を最優先としています。
ですから、現在の「物価上昇」は、少なくとも来年の春闘の結果が判明する春以降までは続くと、コロちゃんは考えています。
コロちゃん
岸田総理が、デフレ脱却の経済政策で背水の陣を敷いているのは、コロちゃんにも見えてきました。
来春闘で5%以上の賃上げがあり、デフレ脱却の兆しが得られれば、9月の自民党総裁選挙で岸田総理が再選されると思いますが、そうでない場合は、出馬できなくなることも考えられますね。
コロちゃんは、できれば「デフレ脱却」が見えて来ることを望みますが、現在の風景では難しそうだと見ています。
5.「連合は政労会見を望む」
労働組合の全国組織である「連合」は現在の組合員数を683.7万人と発表しています。しかし、労働組合の人員数と組織率は年々低下しています。
厚生労働省によると、全国の労働組合員数は1000万人を下回り、999.2万人で推定組織率は16.5%となったと発表されています。
(令和4年労働組合基礎調査より)
今年開かれた「政労使会議」は、1回目は(3月15日)連合からの要請で開かれましたが、2回目の今回は、政府からの要請で開かれたと報じられています。
前のめりの岸田総理に対して、連合は「政労会見」を打診しているそうです。
「政労会見」とは、「総理」と「連合会長」による「トップ会談」です。
賃金や労働条件の改善や幅広い労働問題について、具体的な要求をする場とされています。
かつて1990年代には定期的に開催されたようですが、ここ10年以上開かれていない模様です。
コロちゃんの無責任な見方としては、総理がわざわざ会うからには、なんの「お土産」もないと言う事はない・・・と思いますね。
この実に久しぶりの「政労会見」を、「日程調整している」との事ですから、岸田総理の「デフレ脱却・賃上げ」への姿勢は一貫しているようです。
コロちゃん
このトップ会談が、来年の「賃上げ」にどのような影響をもたらすのかは未知です。
何しろこの「政労会見」は、ここ10年ほどほとんど開かれたことが無いのですからね。
過去の「政労会見」は2009年に麻生政権・鳩山政権の時に開かれたとの記録は見つけましたが、その内容まではわかりませんでした。
この報道は、岸田総理が本気で「大幅な賃上げ」を希求していることを示していると、コロちゃんは思いましたね。
6.「2000年頃に起きていたこと」
コロちゃんは、現在の「デフレ脱却」に向けて「政府・経団連・連合」が手を取り合って行なおうとしていることを見て、ちょっと感じたことがあります。
それは、2000年頃の、「政府・経団連・連合」が取った行動についてです。
この当時1997年に「北海道拓殖銀行」や「山一証券」の破綻と、1998年の「長期信用銀行」や「日本債券信用銀行」の破綻の「金融危機」を背景として、日本経済が沈滞していました。
それを背景に「政府・経団連・連合」は、次の行動をとっていたのです。
①「連合は賃上げよりも雇用を選んだ」
過去の「連合」の春闘記録を見ると、2000年以降の惨々たる記録が目につきます。
上記でも触れましたが、1997~1998年には「銀行」の破綻が続き、その「金融危機」を背景として、その後の春闘のベアゼロが定着しています。
象徴的なのは、2002年にトヨタ自動車が利益が1兆円を超えても「ベアゼロ」だったことでした。その当時は「ベアゼロ」が当然となる空気が、全国にまん延していきました。
下記のグラフをご覧ください。
「独立行政法人 労働政策研究・研修機構 賃上げ」より
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/shuyo/0304.html
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 腫瘍労働時計指標 より(11月16日利用)
上記のグラフは、1995~2023年の「春闘賃上げ率」です。
よく見ると、その全期間中で、中ほどにある2002~2013年の「春闘賃上げ率」は全て1%台です。
「連合」は、当時の日本の「デフレ危機」に対して「賃上げ」よりも「雇用」を選んだのです。
自ら「労働組合」の本務である「賃上げ要求」を封印して、既存の組合員の「雇用確保」を求めたのです。
②「経営者は非正規雇用を選んだ」
「日本経済のデフレ危機」に対して「経団連」を始めとした経営者は、たとえ「労組がベアゼロを認めた」としても、そのまま何もしないで手をこまねいていたりはしません。
経営者は、「賃上げ」をしないだけではなく、労組との約束通り既存の社員の削減はせずに、新卒採用を控え定年退職者の後釜に非正規雇用を増やすことで、経済危機を乗り切ったのです。
この「新卒採用を控えた」結果生まれたのが、「就職氷河期(1993~2005年)」です。
また「定年退職者」の補充については「非正規雇用」を増やすことで対応しました。
その「非正規雇用」増加の出発点は、1995年にあります。
日経連(日本経済団体連合会、その後経団連と統合)が、今から28年前の1995年に「新時代の日本的経営」というレポートを発表しました。
その内容は、今後の「日本の経営形態」を以下のように分けなければならないというものでした。
①「長期蓄積能力活用型グループ」
②「高度専門能力活用型グループ」
③「雇用柔軟型グループ」
旧来の「日本的経営」を転換させて、雇用者を「正社員」と「非正規社員」に分けることを、経済界の重鎮が最初に提案したのがこの1995年の「新時代の日本的経営」だったのです。
当時は、何を言っているのかよくわからない方がほとんどだったのです。コロちゃんも同様にして、当時は何もわかりませんでした。
けれども、今ならその意味が良くわかります。
日本企業の「家族主義的経営」から、雇用者を「非正規雇用」に追い出していくプランだったのです。
その1995年の日経連の「新時代の日本的経営」の発表から、28年が経過し、1995年に1001万人(20.9%)だった「非正規雇用」は、2022年現在で2101万人(36.9%)と倍増しました。
当時「日経連」で常務理事を務めた成瀬健生さん(89)は、今年2023年に東京新聞のインタビューで、「非正規雇用」が4割を占めている現状に対し、以下のように証言したと報じられています。
「今ほど増えるとは思わなかった」
そして、経営者に対しては「人間を育てることを忘れてしまった」と語ったそうです。
経営者は、2000年頃の「デフレ経済」に対し、「賃上げ」ではなく「非正規雇用」の増大を選んだのです。
③「政府は小さな政府を選んだ」
2000年代を代表する「政治家」は、何といっても「小泉総理」です。
「聖域なき構造改革」を叫んで「国債発行額を30兆円に抑える」との公約を掲げていました。
そして、その言葉通りに「小さな政府」を目指しました。
「郵政民営化・道路関係4公団の民営化・国と地方の三位一体改革」などを進めました。
その「三位一体の改革」の3年間で、地方への国庫補助負担金の削減は4.7兆円(2003年の先行分を含む)、地方交付税は5.1兆円の削減となりました。
この当時に国から地方への「財政支出」は、合計9.8兆円削減されています。
まさに小泉内閣時の政府は、「小さな政府」を目指したのです。
この様に「デフレ経済」に対して、当時の「政府」は「緊縮財政」で取り組んだのです。
コロちゃん
ただ「小泉総理の突破力」は、世論の支持によって裏打ちされていました。決して小泉総理一人が突っ走ったわけではありません。
当時の大多数の国民が「構造改革」を望んだのです。
経済危機の時代には「無駄を省く」という改革は支持されやすいのです。
しかし、現実には「無駄」はあまりないのです。
行政は常にゆとりを持っていないと、危機時には体制が崩壊してしまいます。
コロナ禍時に、全国の保健所が足りなくてパニックとなりました。
その理由は「1996年~2006年」にかけての「小泉構造改革」で、全国の保健所数が845か所 から535か所に減らされていたことが一因と指摘されています。
7.「ホントにデフレ脱却できるの?」
現在の「岸田総理・経団連・連合」は、「賃上げ」を行ない、「消費を増やし」、「減税でお金をバラマキ」して、「デフレ脱却」を目指しています。
それでは、かつて2000年代に「日本経済のデフレを突破するため」とされた、以下の動きは何だったのでしょうか?
①「連合 賃上げより雇用」
②「経団連 非正規雇用の拡大」
②「政府 小さな政府」
これらの「対策・政策」は、現在「岸田総理・経団連・連合」が取り組んでいる内容と、真逆の「対策・政策」です。
この2000年代の10年間が、ムダだったとはコロちゃんも思いませんが、もう少し過去の経緯を分析して、何が悪くて何が成果だったのかくらいは聞きたいと思いましたね。
それに、今度こそホントに今の政策で「デフレ脱却」ができるんでしょうか?
コロちゃんは懐疑的ですよ。
コロちゃんは、実は「日本経済」はもう「デフレ脱却」が出来ないのではないかと思っているのです。
現在取り組んでいる来春闘の「賃上げ」による「デフレ脱却」が、ダメだった時の代わりの選択肢ぐらいは示していただきたいと、コロちゃんは考えています。
是非「プランB」も考えていただきたいですね。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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