【社会考】「低所得世帯」3万円・子ども5万円

社会

先日、新聞を読んでいると「低所得世帯への一律3万円給付」と「低所得者の子どもに一人5万円給付」と発表されていました。

ふーん、コロちゃんには、支給されるのかなー、されないのかなー?

やっぱり、気になりますよね。だって、コロちゃんは「清貧」ですから。

最近の新聞を読んでいると、コロナ予算とか、少子化対策とか、物価高対策とか、いろいろありすぎますよね。

どれが、誰に、どのようにして、どこから、何の理由で支給されたりするのか、よくわからなくなっています。

わからないのは、コロちゃんだけかなーとも思いますが、たぶん皆さんもわからないんじゃあないかなと考えて、今日は、その一つを取り上げてポチポチお話します。

ちなみに、調べてみましたが、見出しの「3万円」は、コロちゃんには支給はされません。
(´_`。)グスン

1.「低所得世帯」とは?

「低所得世帯」とは、一般的に「住民税非課税世帯」を指します。

政府がお金を配る場合に、「低所得世帯」を把握する方法が他に無いと聞いています。

「生活が苦しい人、手を上げてください!」って言ったら、みんなが手を上げちゃいますからね。コロちゃんも、手を上げますよ。

2.「住民税非課税」とは?

以下の引用をご覧ください。

「個人住民税」より

「個人住民税には、所得に応じた負担を求める「所得割」と、所得にかかわらず定額の負担を求める「均等割」があります。所得とは、企業から受け取る給与や、事業による利益をいいます。」

「所得割の税率は、所得に対して一律10%とされており、前年の1月1日から12月31日までの所得で算定されます。」

「均等割は、個人住民税は「地域社会の会費」的なものであるとして負担を求める個人住民税の性格を反映したもので、通常5,000円(市町村民税3,500円、道府県民税1,500円)※と定められています。」

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html
出典:総務省 やさしい地方税  個人住民税 より(3月30日利用)

上記の引用の通り、住民税には「所得割」と「均等割り」があります。

この住民税には、計算により「所得割」のみ非課税となるケースと、「均等割」「所得割」の両方とも非課税となるケースがあります。

この二つとも非課税でなければ「住民税非課税世帯」には該当しません。

「所得割」には、配偶者控除や扶養控除もあります(所得税と控除額が異なります)から、世帯人数によって違いが出てきます。計算方式が結構複雑ですね。

「均等割り」は、地域差があります。自治体によって金額が違うのです。そして全員が同じ金額を納税します。

だいたいの目安は、単身者であれば、前年の合計所得金額が45万円以下(給与所得者の場合、年収100万円以下)で「住民税非課税」になります。

また、会社員、専業主婦、子ども2人のケースで、年収の目安は255万円以下で「住民税非課税」になります。

お住いの自治体によっては「住民税のシュミレーションサービス」がある自治体もございますので、お知りになりたい方は、お調べください。

ちなみに、コロちゃんは、昨年から住民税を、少額お支払いしております。

コロちゃんは、年金所得が、この基準をぎりぎりで少しオーバーしていたんです。

所得がオーバーしていると言っても、ぎりぎりですから、住民税非課税世帯が、昨年後半からの物価高の下で、どれだけ生活が圧迫されているのかは、よくわかっています。

コロちゃんも、1月の電気代が¥28535円だった時には、思わず「たけーよ!」と叫んでしまいました。

その時のブログをお読みになりたい方は、下記のリンクをクリックして下さい。

【経済考】電気料金爆上げだよ❗️

ですから、住民税非課税世帯の方全員に「一律3万円」お渡しする政策は、理解はするんですよね。

だけど国債(借金)が、その支出の大元では・・・。ちょっと考えてしまいます。

3.今回の「低所得者対策」の内容は?

今回の「低所得世帯への一律3万円給付」と「低所得者の子どもに一人5万円給付」は、先日3月28日に「物価高対策」として、2.2兆円の支出を閣議決定したものです。

その出どころは、「コロナ・物価高対策の予備費」からです。

その内容には、他にも地方に配る「地方創生臨時交付金」とか、「LPガス利用者などの負担軽減策」なども含んでいます。

結構、いっぱい配っているんですね。

それでは、「低所得世帯への一律3万円給付」と「低所得者の子どもに一人5万円給付」の、二つを見てみたいと思います。

①「住民税非課税世帯」に3万円給付

日本の、住民税非課税世帯は、1218万世帯あるそうです。全世帯数が、5191万世帯と言われていますので、23%ぐらいですね。2割って、けっこう多いですね。

全世帯の2割というと5世帯のうちの1世帯に、3万円を配ることになります。

その中で、65歳以上の高齢者世帯の数は、767万世帯(63%)です。非高齢者世帯451万世帯(37%)よりは、だいぶ多いですね。

もちろん、「住民税非課税」は、所得で判断されます。

ですから、高齢者の中には、お仕事をしていなくとも、不動産や預貯金を多く保有している方も、中にはいらっしゃるかもしれません。

しかし、高齢者の金融資産分布を見ると、そういう方は少ないんじゃないかと思います。

下記のグラフをご覧ください。

https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11510900_po_1103.pdf?contentNo=1
出典:国立国会図書館 調査と情報―ISSUE BRIEF―第1103号 No. 1103(2020. 7. 7)高齢者の保有金融資産の現状及び課題 より(3月17日利用)

上記のグラフをは、高齢者二人以上世帯の金融資産分布です。

グラフを見ると、高齢者で、圧倒的に多いのは、金融資産が少ない方です。金融資産0~450万円ですと、19.8%にもなります。

年金収入が少ない「住民税非課税世帯」の方々は、おそらく、こちらの方に固まっていらっしゃるのではないでしょうか。

日本は、資産を政府が把握していませんから、他に「貧困層」への給付の方法がないとしか言いようがありません。

この給付の予算規模は、いろいろ調べてみましたが、7000億円と書いているのもありましたが、正式発表は全体規模の2.2兆円だけでした。

②「低所得世帯」の子ども一人につき5万円の給付

子ども一人当たりにつき5万円の給付が、なされることは良いことだと思いますよ。

住民税非課税でかつ子どものいる世帯は85万世帯だそうです。住民税非課税世帯の全体1218万世帯に対して、7%となるそうです。

予算規模は、3000億円と書いているのもありました。

4.お金の出どころは「コロナ・物価高対策の予備費」

このお金の支給の出どころは、昨年の2022年度予算の「新型コロナウイルス・物価高対策の予備費」だそうです。

2022年9月末時点の残額で1.26兆円残っていたそうです。

その後、第2次補正予算で4.74兆円(コロナ対策&物価対策予備費+ウクライナ対応予備費)が積み増されました。

これを合わせると、「予備費」が6兆円も残っていたそうなんですよ。

余った予備費は、決算時には2022年度の剰余金の一部として計上されることになるそうですから・・・「今のうちに使っちゃえ」ってわけではないよね?

「予備費」は、もともとは災害などの不測の事態に備えておくもので、その性質上、国会の議決を経ずに閣議のみで決定できるものです。

ですから、本来は緊急事態でなければ使っちゃいけないものだと思うんですが、何かこの使い方を見ると、余ってるから、返すよりは使っちゃおうという感じがしますね。

コロちゃんは、生活が苦しい方に、配分するのは良いと思いますよ。

しかし、元は国債(借金)ですから、よく「財政規律が緩む」というお話は聞きますが、これもその感じが付きまといます。

5.反対はしませんよ

今回の、「住民税非課税世帯に3万円支給」政策と「貧困層の子ども一人に5万円支給」について、いろいろ言いたいことはありますよ。

支給対象の一部に、資産がある世帯がいるとか、財源が「予備費」だとか、統一地方選の対策のバラマキだとか、もともとの出どころは国債(借金)だとか、突っ込みどころは、いっぱいありますよ。

それでも、支給に賛成するのは、日本は「貧困層」が多いからです。

①貧困率

「貧困率」という概念があります。下記の引用をご覧ください。

「貧困」より

日本における定義は、「等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員」のことで、この割合を示すものが相対的貧困率である。預貯金や不動産などの資産は考慮していない。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A7%E5%9B%B0
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「貧困」最終更新 2023年3月18日 (土) 18:51 

この「貧困」基準は、生きるのがやっとの所得なんです。

下記のグラフをご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17/backdata/01-02-01-18.html
出典:厚生労働省 平成29年版 厚生労働白書-社会保障と経済成長ー  図表2-1-18 世帯構造別 相対的貧困率の推移 より(3月30日利用)

上記のグラフが、その「貧困世帯」の割合の推移です。

見てみると、「子供のいる現役世帯」「子どもがいる現役世帯のうち大人が二人以上の世帯」「子どもの貧困率」「相対的貧困率」の全てが、10~15%で推移しています。

日本では、子どものいる世帯の、6~10世帯に1世帯は「貧困」なんです。

ひどいのは、「子どもがいる現役世帯のうち大人が一人の世帯」です。

いわゆる「ひとり親世帯」は、2世帯に1世帯が貧困です。

②貧困率の世界比較

それでは、世界の主要国で、日本はどのくらいの「貧困率」なのでしょうか。

下記のグラフをご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/12/dl/1-05.pdf
出典:厚生労働省 第5章 国際比較から見た日本社会の特徴 より(3月30日利用)

上記のグラフを見てもわかりますが、日本より貧困率が高い国はアメリカだけです。

主要先進国の中で、日本は「貧困世帯」の多さで、世界第二位です。全く自慢になりません。

このような実態を、少し知っているだけに、コロちゃんは、今回の「低所得世帯世帯に3万円支給」政策と「低所得世帯の子ども一人に5万円支給」に、反対しません。賛成します。

だけど・・・、なんかすっきりしないんですよね。悩みながら、いろいろ考えていきたいと思っています。

6.「財政政策」は、しょせん「前借」

コロちゃんがなぜすっきりしないかなんですが、コロちゃんがこの「低所得世帯」への支給政策を聞いたときに、最初に感じたのは、「底が抜けたの?」という感情でした。

コロちゃんは、極めて優秀な日本の官僚は「低所得世帯」の生活の実態を、普段からよく知っていると思っているんです。

日本の低所得層は、年々貧しくなってきています。それは数字を見れば明らかなんです。

それがとうとう「底を抜けて」、極めて深刻な層が増えたから、このような「低所得層」対策が出てきたのだと感じたのです。

実際に、そうであるかはわかりませんよ。コロちゃんの、勝手な思い込みですね。

しかし、このような財政政策は、いわゆる「前借」です。

将来の「返済」時には、より大変な思いをすることは明らかです。

ですから、根本的な「貧困化」対策を行ってほしいです。

7.自分に関係がなくても関心を

今回の「物価高対策」は、総額2.2兆円ですが、コロちゃんのところには何もきまません。

本来関係ないことですから、何となくスルーしても良いお話なんですけど、コロちゃんは、それではいけないんじゃないかと思うんです。

お国は、今大きな借金を抱えているのですから、いずれ必ずその影響が社会に出てきます。

その時になってから、慌てても遅いですから、今から社会のことは、よく見ておかなければならないと思うんです。

コロちゃんは、そんな思いで今日ポチポチしました。皆さんも、ご自分に関係がないと思っても、少しでいいですから、上記のようなことを見渡していただけたらと思います。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

NoName_13によるPixabayからの画像

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