【社会考】「少子化対策」やっぱり社会保険料から

社会

おはようございます。今朝は、雨模様でちょっと肌寒かったですね。コロちゃんは、一着だけ出してあった長袖を着込んでしまいました。

このような肌寒い気候だと、腰が痛みますね。早く5月晴れに戻ってほしいです。

今日は、5月22日に行なわれました「子ども未来戦略会議」での岸田総理のご発言をポチポチしたいと思います。

1.「子ども未来戦略会議」での岸田総理の発言

先日5月22日に「子ども未来戦略会議」が開かれ、岸田総理が「消費税などの増税は行なわず、歳出改革などに取り組む」考えを示しました。

そして「企業を含め、社会・経済の参加者全体が連帯し、子育て世帯を広く支援していく新たなわく組を検討」と発言されたそうです。

まあ、この発言からすると「少子化対策」の財源は、「社会保険料」の増額を中心としてまかない、増税はしないということなのでしょう。

コロちゃんは、「社会保険料」の医療保険を増額して、少子化対策に使うことは、あまり良いことだとは思えないんですよね。

だってせっかく「賃上げ」で所得が上がっても、給料から天引きされる「社会保険料」が上がるんだったら、手取りはいくらも増えないじゃないですか。

それに、全ての企業で賃上げが必ずなされているわけではないですから、「賃上げ」されない企業に勤めている方は「減収」になってしまいます。

そもそも、「医療保険」は、病気になった時の助け合いの制度ですから、ここから「少子化対策」へお金を召し上げるのは、制度の趣旨に合わないと思うんですよね。

2.「子ども未来戦略会議」とは

それでは、今回岸田総理が出席なさいました「子ども未来戦略会議」とは、どのようなものなんでしょうか?

下記の引用をご覧ください

「内閣官房 子ども未来戦略会議」より

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai4/gijisidai.html
参照:内閣官房 こども未来戦略会議より(5月23日利用)

上記の引用にあるとおり、「子ども・子育て政策の強化を図るためには、幅ひろい関係者の知見を踏まえ」るために、設置されたものです。

有識者構成員は19名です。

そのメンバーの中には、経団連の十倉会長や連合の友野会長、サントリーの新浪社長などのお歴々がご参加されています。

コロちゃんは、このような学者や著名人を活用して政策を立案させ、活用する手法は、2000年代初頭の小泉内閣ごろから多用されてきたように記憶しています。

いわゆる「政治主導」というやり方なのですが、それまでの政策を大きく転換する時には、有効なやり方のようです。

このような審議会・会議の構成員の選任には、当然、招集した総理や大臣の意向が反映されます。

大方のメンバーは、総理や大臣の意見をわきまえた学者や学界の大御所が入ります。そして、必ず反対派からも少人数選択されます。

当然のことですが、賛成派が数多く選ばれていて、落としどころはだいたい事前に決まっていることが多いですね。

今回の「子ども未来戦略会議」にも、社会保険からの財源の拠出には否定的な経団連会長も選ばれていますし、一応反対派も入れて検討したという形になっています。

3.「子育て連帯基金構想」という考え方

岸田総理のご発言の、「増税は行わず」「企業を含め、社会・経済の参加者全体が連帯し、子育て世帯を広く支援していく新たなわく組」という考え方から、出てくる答えがあります。

この「子ども戦略会議」の有識者構成員でもある、権丈善一 慶應義塾大学商学部教授が発案した「子ども連帯基金構想」という考え方です。

この権丈善一教授の「子育て連帯基金構想」について、お知りになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

「今後の少子化対策に要する財源確保の在り方について子育て支援連帯基金という考え方」より

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_kankei_yushikisha/pdf/zaisei_syakai_siryou3.pdf
出典:内閣官房 今後の少子化対策に要する財源確保の在り方について子育て支援連帯基金という考え方より(5月23日利用)

上記の引用を読むと、「子ども連帯基金」と名打った基金を作り、それへ、医療や年金、介護保険などから財源を拠出してもらうという案です。

その考え方は、現在の日本の社会は、高齢期の生活費を公的な医療、介護、年金保険によって国民全体で支える仕組みです。

医療も年金も介護も、保険料を払っている人は、自分の分を積み立てて使っているわけではありません。その時の若い人たちがおさめる保険料や税金が、その時の高齢者に使われています。

つまり、若い人たちが生まれ、育ち、働いてもらってこそ、初めて社会保障の仕組みは成り立ちます。

その「社会保障制度を維持する」ために、子どものためのお金を皆で出そうという考えのようです。

その案の財源の概念図が添付されていますので、下記に引用します。

「内閣官房 今後の少子化対策に要する財源確保の在り方について 子育て支援連帯基金という考え方」より

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_kankei_yushikisha/pdf/zaisei_syakai_siryou3.pdf
出典:内閣官房 今後の少子化対策に要する財源確保の在り方について子育て支援連帯基金という考え方より(5月23日利用)

上記の引用の、現行の社会保険から、財源を召し上げようとするプランのようです。

コロちゃんは、これを読んで、それなりに筋は通っていますが、だったら国民全体が負担する増税でいいんじゃないかな、との感想を持ちました。

そもそも、医療保険というのは、万が一けがや病気となった時のために、普段からお金をプールしておこうという制度です。

他の「介護保険」や「年金」もそれぞれの理念が書き込まれています。

その上に、大きく「制度維持」の概念をかぶせるのは「屋上屋を架す」ということではないでしょうか。

そんないらない屋根を新たに作るのだったら、下の屋根を壊してから全体を作り直せばよいと思いましたね。

4.「少子化対策」の効果はあるのか

それでは、上記の対策が順調に施行された場合は、日本の「少子化」は改善されるのでしょうか。

「子育て給付を6兆円に増やす想定で、財源別に出生数を押し上げる効果」を発表なさった方がいらっしゃいます。

島澤諭関東学院大学教授です。4月18日の日経新聞に掲載されています。

その記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

負担の連立方程式を解けるか 育児支援拡充の落とし穴 - 日本経済新聞
岸田文雄政権の少子化対策の実像は財源のあり方しだいで大きく変わる。負担を巡る連立方程式を解き、子育て世帯の支援にしっかりつなげることができるだろうか。政権は小倉将信少子化相が公表した少子化対策のたたき台を踏まえ、6月にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で財源を含む対策の大枠を示す方針だ。自民党の茂木敏充...

この記事に載っている、財源別の給付6兆円で増える出生数は以下のとおりです。

「高齢者向け給付の削減」   年3万人増加
「消費税増税」        約7千人増加
「赤字国債」         約6千人増加
「社会保険料から」      マイナス5千人

高齢者向け給付の削減」の場合が、一番効果が上がり、年に出生数が3万人増加します。次が「消費税増税」の年7千人増加ですね。

「赤字国債」の場合は、結局将来世代の負担増になりますので、効果が相殺されてしまっています。

今回岸田総理が提唱した「社会保険料」から「少子化財源」を召し上げるプランでは、子育て適齢世代を含んだ勤労世代に負担が偏りますので、逆に出生数が減少してしまう結果になっています 。

コロちゃんは、素人のおじいちゃんですから、このシミュレーションが正しいのかどうかはわかりませんが、「少子化対策」や「出生率」は、必ず後には結果が判明します。

そして、コロちゃんがポチポチ調べた限りでは、この岸田総理の「少子化対策」では、大きな成果は望めないように思われましたね。

今後の日本は、少子化と人口減少を前提とした政策に大きく舵を切るべきだと、コロちゃんは考えます。

もう、日本で、右肩上がりの経済や、右肩上がりの人口増加は無理だと思いますね。

社会保険料から財源を召し上げることは、「少子化対策」に貢献せずに、社会システムに歪みを増やす結果になると思いました。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

AnjaによるPixabayからの画像
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