【経済考】「年金財政検証」を読んでみた

経済

おはようございます。コロちゃんは、ついさっき「めんそーれコロちゃ」を全部カキコキし終わったところです。

今回コロちゃんは、「長男一家+次男一家」と連れ立って「真夏の沖縄」に向かい、みんなで目いっぱい楽しんで帰ってきました。

そして、帰宅後に連日この「めんそーれコロちゃん」を①~④に分けて記事をカキコキしましたよ。

記事を読んで、南の島の「水平線」と「スカイブルーの空」と「マリンブルーの海」が見えてくれば嬉しいですね。

果たしてコロちゃんの「筆力」でそこまでの表現が出来ているかは、読んでのお楽しみですよ。ぜひバックナンバーからお読みくださいね。

あと申し訳ないのですが、土曜日と日曜日の「1日2話投稿」は、来月の8月までは「1話投稿」といたしますね。

コロちゃんは来月の8月もちょっとお出掛けがあるので、少し原稿作成の負荷を減らしたいのです。

その代わり、先日の「沖縄旅行」の間も「毎日投稿」は欠かしませんでしけど、今後も「毎日1話投稿」は続けたいと考えていますから、よろしくお願いしますね。

今日は、コロちゃんが「沖縄旅行」に行っている間に発表された「年金財政検証を読んでみた」をカキコキしますね。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「5年に1度行なわれる年金財政検証が発表されていますと、年金の100年安心は本当か?」

☆「年金官僚の本音は、老後は自己責任で生きてねだよと、将来の年金水準を見る」

☆「❷成長ケースよりは❸横這いケース寄りの方がありそうだと、日本の年金の所得代替率はOECD諸国平均50.7%の6割です」

☆「老後は年金のみで生きるのかそれとも年金+自己資金で生きるのか?と、コロちゃんと年金」

1.「5年に1度行なわれる年金財政検証が発表されています」

コロちゃんと「長男一家・次男一家」は、つい先日まで一緒になって「沖縄の水平線とスカイブルーの空とマリンブルーの海」で海水浴を楽しんでいました。

その隙の7月4日に、「厚生労働省」が「5年に1度行なわれる財政検証」を発表しています。

(厚生労働省の発表とコロちゃんの海水浴は関係ないと思われます・・多分?)
( ̄▽ ̄)Vエヘ

そこでコロちゃんは、帰宅後にこの「年金財政検証」をじっくりと読んでみることにしました。

コロちゃんの生活は、全てこの「年金」にかかっていますので、ねんきんの「ねの字」でも新聞で見れば、じっくり読むのがコロちゃんの習性となっているのですよ。

何しろ、年金しか収入がない高齢者は、コロちゃん以外にも「高齢者全体の44%(※)」と半数近くいらっしゃるのですからね。

(※厚生労働省:国民生活基礎調査2022年より)

2.「年金の100年安心は本当か?」

皆さんは「年金の100年安心プラン」を憶えていますか? 

この「年金100年安心プラン」と言う言葉は、2003年に「公明党」が選挙スローガンとして発表しています。

また、2004年に当時の安倍総理も「参議院予算委員会」において以下のように発言なさっています。

「マクロ経済スライドによって『百年安心』という、そういう年金制度ができたということなんです。」

「マクロ経済スライドも発動されましたから、いわば『百年安心』ということはですね、確保された」

コロちゃんは当時これらを新聞で読んで、すっかり信じこんでいましたよ。「一国の総理大臣が参議院でこんな発言」をしたら国民はみんな信じちゃうでしょう。

その後、この言葉は広く社会に拡がり、まるで給付額や制度が100年後まで変らないとか、100年先まで年金制度は今のままで続けられるように受け取られています。

しかし、現実の「年金制度」は「5年に1度の制度の見直し」で、制度が維持されるように作り変えることなっていて、「給付水準の約束」などは一切されていないのです。

だから「100年経っても安心」なのは、「年金制度が安心」なのであって「高齢者の生活が安心」なのではないのですよ。

3.「年金官僚の本音は、老後は自己責任で生きてねだよ」

コロちゃんは最近「ルポ:年金官僚」と言う本を読んで、その中の「年金のみで老後の生活は出来ないとは口が裂けても言えない」という年金官僚の言葉を読んでビックリしました。

このなぜ「口が裂けても言えない」のかは、高齢者の44%が「年金のみで生活している」からとされていました。

コロちゃんも「収入は年金のみ(44%)」の一人ですから、非常にこの本を読んでショックを受けましたね。

どうやら年金制度を熟知している「年金官僚」が「老後の生活は年金+自己資金」が必要と考えていることには間違いがないみたいですよ。

かと言って、今からコロちゃんが働いて貯蓄を増やしたり、投資したりするのは、もうできませんし間に合いませんしね。

いずれにしろ、高齢者にとっては「年金制度は命綱」です。「政府・年金官僚」には、いくら言いにくくとも「苦い真実を真正面から発表してもらいたい」と、コロちゃんは思いましたよ。

なお「年金官僚の本音」がわかるこの本を下記にご紹介しておきますね。やたら複雑な「年金制度」がどのようにして形成されたのかが、よくわかる本でしたよ。

4.「将来の年金水準を見る」

ここまで書いて来て、やっと先日の7月4日に「厚生労働省」が発表した「年金財政検証」の話しに入ることが出来ました。

この「年金財政検証」は、年金制度が持続可能かどうかを「5年に1度点検する仕組み」として行なわれています。

最初に「経済成長率」や「労働参加の進展度」が異なる4つのケースごとに、「年金の給付率」を計算しています。

その「指標」となるのは「モデル世帯(40年働いた会社員の夫と専業主婦の妻)」の年金が「現役世代男性の平均手取り収入の何%にあたるかを示す「所得代替率」です。

➀「2024年の年金所得代替率を見ておこう」

最初に現在(2024年)の「所得代替率」を見ておきましょうね。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 2024年度 所得代替率」より

https://www.mhlw.go.jp/content/001270476.pdf
出典:厚生労働省 令和6(2024)年財政検証結果の概要より(7月12日利用)

上記のグラフが「厚生労働省」が発表した「2024年の所得代替率」です。

「現役男子の手取り収入37.0万円」に対して、「高齢夫婦の年金額は22.6万円」です。「所得代替率」は61.2%となります。

ちなみにコロちゃん夫婦(※)の場合は、夫婦の年金額は25万円でしたから、この「モデル年金額」を少し上回っていましたね。

(※コロちゃんの妻は3年前に亡くなりました、今のおひとり様のコロちゃんはこんなにもらっていません)

この2024年の年金額の「所得代替え率が61.2%」なのを覚えておいてくださいね。後で今回発表された将来の年金の「所得代替率」と比較しますからね。

➁「❶~➍の経済シナリオがあるよ」

続いて下記の表をご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 将来の公的年金の財政見通し(財政検証)(財政検証)」より

https://www.mhlw.go.jp/content/001270476.pdf
出典:厚生労働省 令和6(2024)年財政検証結果の概要より(7月12日利用)

上記の表が「厚生労働省」が発表した「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」です。4つのコースに分かれています。

◎「将来の所得代替率」

❶「高成長ケース:56.9%」
❷「成長ケース :57.6%」
❸「横這いケース:50.4%」
❹「マイナス成長ケース:33~37%※」

(※高成長ケース他は新聞報道での名付けです。厚生労働省の発表では高成長実現コース:成長型経済移行・継続ケース:過去30年投影コース:1人当たりゼロ成長ケースとしています。本ブログでは新聞報道の名付けを採用します)

まず現在の「2024年の所得代替え率:61.2%」です。

そして、上記の将来の「年金額の見通し」は「経済成長率」を❶~❹の4つのケースに分けています。

だいたいにおいてこのような場合には、一番上の「❶高成長ケース:56.9%」はよほど「頭がお花畑」でないと実現するとは信じられないでしょう。

そんな「超楽観的なケース(❶高成長ケース)」を想定しても「所得代替率」は現在よりも7㌽も下がります。

そして一番下の「❹マイナス成長ケース:33~37%」は、こんなに「所得代替率」が低くなると、1000万人単位で生活が出来ない高齢者が続出するでしょう。

何しろ「所得代替率」が現在よりも約4割下がるんですからね。そうなれば「日本沈没」並みの社会騒乱が発生するでしょうね。

この一番上の「❶高成長ケース:56.9%」と、一番下の「❹マイナス成長ケース:33~37%」は、まずよほどのことがない限りは実現しないと思われますね。

現実性があるのは、真ん中の二つの「❷成長ケース:57.6%」と「❸横這いケース:50.4%」の間に着地すると見るのが順当だとコロちゃは思いましたよ。

➂「現実性があるのは❷と❸だよね」

コロちゃんは、最初に4つのケースがあると読んだ時に、5つのケースにしたらみんなが「真ん中のケースが本命」と見ちゃうだろうからだと思ったんですよ。

だからコロちゃんは、「❷が楽観ケース」で、「❸が悲観ケース」だと思ったのですが、よく見て行くと「❷楽観ケース」でもあまり良いケースとは言えないように思えますね。

下記に見てみましょう。

真ん中の二つの「❷成長ケース(楽観ケース)」と「❸横這いケース(悲観ケース)」の「所得代替率と年金額」は、以下の通りとなっています。

◎「❷成長ケース」と「❸横這いケース」の「所得代替率と年金額」

「❷成長ケース:57.6%:24.0万円(現役男子41.6万円):2037年度」

「❸横這いケース:50.4%:21.1万円(現役男子41.8万円):2057年度」

あらら、今コロちゃんが受給している年金の所得代替え率は「2024年所得代替率:61.2%」ですから、上記の「❷57.6%」「❸50.4%」じゃ大分下がりますね。

➃「2024年現在と❷成長ケースを比較すると・・楽観じゃないよね」

ここで上記で見た2024年現在の「所得代替率」をもう一度見てみましょう。

○「2024年:所得代替率:61.2%:22.6万円(現役男子37.0万円)」

この2024年度の「所得代替率:61.2%:22.6万円(現役男子37.0万円)」を頭に置いて、下記の「❷成長ケース」を比較してみましょう。

コロちゃん夫婦の年金額が25万円で、平均よりやや高かったと覚えると記憶に残りやすいですよ。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「厚生労働省 成長ケース 所得代替率」より

https://www.mhlw.go.jp/content/001270476.pdf
出典:厚生労働省 令和6(2024)年財政検証結果の概要より(7月12日利用)

上記のグラフが「厚生労働省」が発表した「❷成長ケース(※)の所得代替率(2037年度)」です。

(※成長ケースは新聞報道での名付け、厚生労働省発表では成長型経済移行・継続ケース)

「現役男子の手取り収入41.6万円」に対して、「高齢夫婦の年金額は24.0万円」です。「所得代替率」は57.6%となります。

これを「2024年:所得代替率:61.2%:22.6万円(現役世代37.0万円)」とを、下記に比較してみます。

◎「2024年と2037年を比較」

➀「所得代替率:61.2%⇒57.6%」

➁「年金額:22.6万円⇒24.0万円」

➂「現役男子の手取り収入:37.0万円⇒41.6万円」

上記のように、「❷成長ケース」と「2024年現在」を比較すると、「➁年金額は22.6万円⇒24.0万円」と増えます。

しかし、これは「物価上昇率を2.0%で、実質賃金上昇率を1.5%」と想定しているからです。

その「賃金上昇率1.5%」によって「➂現役男子の手取り収入が37.0万円⇒41.6万円」と増えていますので、「➀所得代替率は61.2%⇒57.6%」に下がってしまっているのです。

これでは、年金老夫婦はギリギリ食べていけるかどうかというレベルに下がってしまいますね。

それにこれは「夫婦のモデル賃金」ですので、「単身高齢者」はさらに厳しいレベルに落ちると思われますね。

だけど、これが「❷成長ケース(楽観ケース※)」なのですよ。だとしたらもう一つのケースの「❸横這いケース(悲観ケース※)」は、どうなってしまうのでしょうか。次に見てみましょう。

(※楽観・悲観ケースというネーミングはコロちゃんが勝手につけたものです)

⑤「2024年現在と❸横這いケースを比較すると・・食べていけないよ」

上記で「楽観コース」の年金額が、思ったよりも低かったことに驚いたコロちゃんでしたが、なんか次の「横這いケース」を見るのが怖くなりましたよ。

何となく、とても食べていけない「年金額」が出てきそうな気がしますね。

さてそれでは思い切って、下記のグラフを見てみましょう。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 横這いケース 所得代替率」より

https://www.mhlw.go.jp/content/001270476.pdf
出典:厚生労働省 令和6(2024)年財政検証結果の概要より(7月12日利用)

上記のグラフが「厚生労働省」が発表した「❸横這いケースの所得代替率(2057年度)」です。

(※横這いケースは新聞報道での名付け、厚生労働省発表では過去30年投影ケース)

「現役男子の手取り収入41.8万円」に対して、「高齢夫婦の年金額は21.1万円」です。「所得代替率」は50.4%となります。

これを「2024年:所得代替率:61.2%:22.6万円(現役世代37.0万円)」とを、下記に比較してみます。

◎「2024年と2057年を比較」

➀「所得代替率:61.2%⇒50.4%」

➁「年金額:22.6万円⇒21.1万円」

➂「現役男子の手取り収入:37.0万円⇒41.8万円」

上記のように、「❸横這いケース」と「2024年現在」を比較すると、「➁年金額は22.6万円⇒21.1万円」と減少します。

しかも「物価上昇率を0.8%、実質賃金上昇率を0.5%」と想定しています。

その「実質賃金上昇率0.5%」によって「➂現役男子の手取り収入が37.0万円⇒41.8万円」と増えていますが、「➀所得代替率は61.2%⇒50.6%」に下がってしまっているのです。

「物価が上がる(0.8%上昇)」なかで、「年金額が下がる:22.6万円⇒21.1万円」のは「年金が頼りの高齢者」には最悪の展開ですね。

「夫婦のモデル賃金」でも「食べていくのが難しくなる」事態ですね。

ましてや「単身高齢者」にとっては、絶対に生活できない「年金額」となるのではないでしょうか。

5.「❷成長ケースよりは❸横這いケース寄りの方がありそうだ」

上記で4つのシナリオの内の現実性があるのは、真ん中の二つの「❷成長ケース:57.6%」と「❸横這いケース:50.4%」の間に着地すると見るのが順当だと書きました。

それでは、この内の楽観ケースの「❷成長ケース:57.6%」の近くに果たして着地できるのでしょうか。

報道を読むと、この「❷成長ケース:57.6%」は、「日本の将来推計人口(2023年4月、国立社会保障・人口問題研究所)」の中位推計の出生率1.36を前提としています。

2022年の合計特殊出生率は1.26で、2023年はそれを下回った1.20です。それが今回の「年金財政検証」では「1.36」という甘い数値を前提としているのです。

コロちゃんは、昨年2023年の「合計特殊出生率が1.20」なのに、今後1.36に上げようとするのはムリじゃないかと思いますよ。

むしろ今後は、昨年2023年の1.20から更に下がるのではないでしょうか。

さらに「60代の就業率を2040年に77%」としており、2022年から15㌽もあげる必要があります。

コロちゃんは、自分が働いていない「年金老人」だから言うわけではありませんが、60代以上の高齢者の就業率が今後大幅に上がるとは、ちょっと考えにくいですよ。

もう一つ、この「❷成長ケース」では「実質賃金上昇率1.5%上昇」を想定しています。しかし2001~2022年度の20年間の「実質賃金上昇率」の平均は、マイナス0.3%でした。

それに「厚生労働省」が、先日の7月8日に発表した「5月の毎月勤労統計調査」によると、「5月の実質賃金はマイナス1.4%」で26ヵ月連続マイナスです。

それをいきなり「実質賃金上昇率1.5%上昇」の想定はちょっと甘すぎるのではないでしょうか。

このように「❷成長ケース:57.6%」は、かなり甘い前提の数値を元にしており、コロちゃんは現実は「❸横這いケース:50.4%」に近い所に着地するのではないかと思いましたよ。

なお、この「厚生労働省」が発表した「年金財政検証」をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

将来の公的年金の財政見通し(財政検証)
将来の公的年金の財政見通し(財政検証)について紹介しています。

6.「日本の年金の所得代替率はOECD諸国平均50.7%の6割です」

上記のように「年金しか収入のない」コロちゃんが、いまさら「年金のみで老後の生活は出来ません」と言われても、話しが違うよとプンスカ怒りたくなりますが、今更事態は何も変わりません。
プンスカ ٩(๑`н´๑)۶ プンスカ!

そこで「OECD諸国の所得代替率」を見てみました。

下記の表をご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 OECD諸国の年金の所得代替率について」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000339624.pdf
出典:厚生労働省 諸外国の年金制度の動向についてより(7月12日利用)

上記の表は「厚生労働省」が発表している「OECD諸国の年金の所得代替率について」です。

国ごとに「制度内容」や「保険料率」、「高齢化率」等が異なりますので、単純な比較はしにくいのですが、全体的な傾向は分かると思われます。

この表の一番上にかかれている数字が「義務的加入年金の所得代替率」です。数字が大きい方から並べてみますね。

◎「義務的加入年金の所得代替率」

➀「オランダ  :96.9%」
➁「デンマーク :86.4%」
➂「イタリア  :83.1%」
➃「フランス  :60.5%」
⑤「スウェーデン:55.8%」
⑥「カナダ   :41.1%」
⑦「アメリカ  :38.3%」
⑧「ドイツ   :38.2%」
⑨「日本    :34.6%」
➉「イギリス  :22.1%」

あらら、見事に「日本」はペケから2番目のブービー賞ですね。「所得代替え率34.6%」しかありません。

報道では「単身世帯」の場合、「日本はOECD諸国平均の50.7%の6割程度の水準にとどまる」と報じられています。

ん、待てよ。上記で日本の年金の所得代替え率は「2024年:所得代替率:61.2%」でしたね。こんなに低いわけはないと思ってよく見たら、この上記の表は「単身高齢者の年金所得代替率」でした。

「日本のモデル年金」は、「40年間勤務の会社員+専業主婦」になっています。

この場合の「所得代替率は61.2%:2024年」なのでしょうけど、「単身高齢者」になると「⑨日本:34.6%」にまで低下してしまうようですね。

この「日本の単身高齢者の年金所得代替率:34.6%」は、OECD諸国の中では相当低い最下位レベルとなるようですね。(イギリスが最下位です:22.1%)

しかし「日本の所得代替え率:34.6%」で、食べて行けるのでしょうか? コロちゃんは難しいと思いますよ。

おそらく「単身高齢者」はとても生活できない年金となると思われますが、これはまた別の機会にこのブログで取り上げて書きましょう。

ここでは「日本の年金の所得代替率:34.6%」は、世界的にも低い水準だとハッキリ確認しておきましょう。

7.「老後は年金のみで生きるのか、それとも年金+自己資金で生きるのか?」

上記でイギリスを除く欧米の国々の「年金の所得代替率」が、「日本」よりもかなり高い事を見てきました。

とりわけ上位の4ヶ国の「➀オランダ:96.9%」「➁デンマーク:86.4%」「➂イタリア:83.1%」「➃フランス:60.5%」は、年金のみで老後の生活が出来るでしょう。

「⑨日本:34.6%(単身高齢者の場合)」では、明らかに「年金収入のみ」では生きていけないと思われます。

この上位4ヶ国(➀オランダ、②デンマーク、③イタリア、④フランス)は、高齢者が年金のみで生活できることを目指した制度設計となっていると思われます。

それに対して下位4ヶ国(⑦アメリカ、⑧ドイツ、⑨日本、➉イギリス)は、高齢者の生活は年金+自己資金で賄う制度設計となっていると言えるでしょう。

コロちゃんは、この「欧州の高い年金所得代替率」と、「日本・アメリカの低い年金所得代替率」の違いに、国民の社会文化の歴史を見たと思いましたね。

➀「欧州は子どもは家を出て独立する文化」

コロちゃんが知る限りでは、北欧の家庭では、子どもたちは成人すると家を出て独立する家族文化があると聞いています。

大学の学費も親が出すのではなく、子どもが自分の学費ローンを借りたり、親が一時立て替えても必ず返済すると聞いていますね。また北欧では高等教育費は無料の国もありますね。

社会通念に「個人の自由」がありますが、また「個人の自立」も徹底しているのでしょう。

欧州では日本と違って、長男も家に残って継ぐことはなく巣立つのが当たり前で、それが広く社会文化となっているようです。

フランスの人口学者のエマニュエル・トッドは、その若者が自立する社会文化が、18世紀後半のイギリスや北欧で資本主義経済の勃興に繋がったと考察しています。

資本主義の勃興期には、何よりも「労働力以外に売るものがない工場労働者」を大量に必要としますからね。

普通の中世の封建社会には、そんな「自由な労働者」はどこにもいなかったとされていますが、北欧だけは違っていたというわけですね。

っっと、話しがそれましたね。戻しますと、若者が巣立った家庭には、後に「高齢になりつつある夫婦」が残ります。

その残された「高齢者の生活のため」に、欧州では「老後の生活」が出来るだけの「高い所得代替率の年金制度」が完備されたのではと言うのがコロちゃんの考察です。

欧州では「若者の自立」だけでなく、「高齢者の自立」もまた当たり前の社会文化だったのでしょう。

➁「日本は大家族から核家族へ進んだが・・意識はなかなか変わらない」

コロちゃんは、数日前にこのブログで、日本の戦後の歴史の中で「戦前の大家族の家族のあり方」が、「戦後の1970年代に核家族」へと変転していったと書いています。

戦前からコロちゃんが生まれる少し前の1951年までの「産業構造」では、「農業に従事する大家族」が圧倒的に多かったのです。

その「農業」が主産業だった「大家族の時代」から、1970年代の「高度成長期」を経て、都市部に「夫婦と子ども2人の核家族」がどんどん拡大していきました。

そして今では、「大家族」は少数派となり「核家族」が主流派となって、更に「単身家庭」に進みつつありますが、そこまではココでは触れません。

ここで取り上げるのは「大家族」から「核家族」への変遷の中で「年金制度」が徐々に整えられてきたということです。

かつての「大家族制度」の中では、高齢になると「生活・介護・終末期」に至るまで、家族の中で支え合うものでした。具体的には「その家の長男の嫁さん」が担ったのです。

その「大家族」が「核家族」へと移行する中で、高齢の親の生活を誰が支えるのかや、高齢の親の世話を誰が看るのかという問題への回答が「年金制度」と「介護保険制度」を社会に創り出すことでした。

ところが「日本」では、欧米のように「子どもが必ず巣立つ家族文化」はありませんでした。個人の自立などは誰も考えもしなかったでしょう。

むしろ、もともとあった家族文化は、「大家族で支え合う自助、親族で助け合う共助」です。

ところがその「大家族の家族文化」は、わずか1世代で「個人が自立する核家族」へと変わってしまったのです。

しかし、「家族の形態」が変わっても、なかなか「人間の意識」は変わるものではありません。

新しく「年金制度」を作り上げても、なかなか「年金のみで生活できる年金額」とする国民の合意が得られないのは、それが原因だとコロちゃんには思えますね。

「自助・共助・公助」と言う言葉があります。

「自助」は自分で賄う事、「共助」は家族・親族で賄う事、「公助」は国が賄う事ですね。

本来の年金制度はすべて「公助」で、年金のみで生活できる金額を受給できる制度こそ、個人が自立した「核家族制度」では、あるべき「年金制度」でしょう。

そこに「自助や共助」の思想が入り込むのは、かつての「大家族制度」の価値感を引きずった過去の亡霊のようなものだと、コロちゃんは考えていますよ。

だから「年金のみで老後の生活は出来ない」と現在の「年金官僚」が考えているとしたら、頭が古すぎると言うのがコロちゃんの見方ですよ。

「年金制度」は社会に必要な制度です。誰しもが必ず高齢になって働けなくなる時は来るのですからね。

その制度を上記で見た「欧州の国々」のように、高齢になっても年金だけで生活できる「所得代替率」が高い制度を作ることも出来るはずです。

しかし現在の「年金官僚」は、その道を選ばないで、わざわざ口に出すこともはばかられる「年金のみでは老後の生活は出来ない制度」を進めています。

これは日本人の意識の中に、かつての「高齢者の生活を大家族でみていた時代」の観念の残渣が残っているからだと、コロちゃんは考えていますよ。

これからの「日本」が目指すべきことは、NISAで老後の生活の資金を作ることではなく、「年金だけで生活できる制度」をつくることだとコロちゃんは考えていますよ。

8.「コロちゃんと年金」

コロちゃんは、60歳の誕生日の2ヶ月後に「大腸がん」が発覚して、そのまま「闘病生活」に入りました。

そして63歳の時に「悪性リンパ腫」が判明し、さらに「闘病生活」が長く続きました。

コロちゃんは、その後妻の看病もあり、二つのがんの「治癒」にこぎつけましたが、お仕事は62歳の時に退職しましたね。

コロちゃんは、以前から65歳までは勤務するつもりだったので、極めて残念でしたが、「闘病」のためでしたのでやむを得ない事でした。

そして62歳の時から「特別支給の老齢厚生年金(比例報酬分)」を受け取り始めて、65歳からは「基礎年金」を含めた「年金全額」を受給することになりました。

その後は、コロちゃんの「看病」を一生懸命にしてくれた「妻」の年金と合わせた「年金受給額」が、コロちゃん家族の「唯一の収入」となっていましたね。

コロちゃん+妻の年金」は月25万円程でした。年金は「偶数月の15日」に支給されますから、2ヶ月ごとに50万円が振り込まれましたね。

厚生労働省が調査した「家計調査報告」によると、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支 (2023年)」は、実収入 24万4580円となっています。

コロちゃん夫婦の年金収入は、この平均額をやや上回る金額でした。コロちゃんは「二つのがん」で闘病中でしたので、「医療費」は結構かかりましたが、何とかやり繰りが出来ました。

コロちゃん夫婦の生活は、贅沢は出来ませんでしたが、清貧で穏やかな生活が出来ていましたよ。

そして3年前に、妻が「肺がん」で旅立ち、コロちゃんとワンコが残されました。

今では、「所得」はひとりコロちゃんの「年金所得」だけですから、ずいぶん少なくなりましたね。

今から振り返ると、60歳以降のコロちゃんはとても「働ける状態」ではありませんでした。同じ思いをしている高齢者は数多いと思いますよ。

働きたくても身体がもたない高齢者は多いのですよ。

現在の医療状況を見ていますと、高齢者になるほど病院通いが激増します。

いくら「政府」が高齢者を働かせようとハッパをかけても、いろいろな疾患を抱えて生活するだけでも苦労している「高齢者」は数多いのです。

コロちゃんは、「高齢者を労働に駆り立てるような政府の考えとやり方」に不満を持っていますね。

そして「年金+自己資金」で老後の生活をおくらせようと考える「年金官僚」の考えにも拒否感を抱きましたね。

だって、そうなれば「高齢者の中に一定数は必ず困窮する人」が発生することは確実ですよ。

コロちゃんにしても、もう40年以上も働いてきたのですから、最後の刻ぐらいはのんびり好きなことをさせていただきたいと思っていますよ。

今日は「年金財政検証」のあれこれを、コロちゃんの解釈でひも解いて見ました。さらに「年金官僚」の「年金のみで老後の生活は出来ない」という驚きの本音を書いてみました。

さらには「日本の年金の所得代替率」と「OECD諸国」の比較を見てから、「年金制度の文化的背景」にまで筆を伸ばしましたが、ちょっと長すぎたかもしれませんね。

調子に乗ると、いつまでもポチポチ書き繋いじゃうのがコロちゃんの悪い癖なのですよ。どうかご容赦の上暖かく見守っていただけると嬉しいですよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

PetraによるPixabayからの画像

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました