【経済考】経団連が「消費税増税」提言

経済

おはようございます。今朝の天気は曇っていたのですが、コロちゃんが洗濯物を干しだした途端に、雨がパラパラ降ってきました。

コロちゃんは、「あー、秋の天気は変わりやすいなー」ってつぶやきながら、急いで駐車場の屋根の下に干しなおしました。

皆さんは「女心と秋の空」という言葉をご存じですか? 

変わりやすいものの代名詞として口にした言葉なのですが、これはもともとは「男心と秋の空」と言われていたそうですよ。

語源を調べると、江戸時代に「男心と秋の空」という言葉が使われていたという記録があるそうです。

どうでもいい事ですけどね。
(*ノ>ᴗ<)テヘッ

今日は「経団連が消費税引き上げ」を提言したという話題をポチポチします。

1.経団連「2024年度税制改正に関する提言」

先日の9月11日に「経団連」(日本経済団体連合会)が、「令和6年度税制改正に関する提言」を発表しました。

この「提言」には、サブテーマとして「―持続的な成長と分配の実現に向けて―」がついています。

これって、どっかで聞いたことありますよね。

そうです岸田総理の「成長と分配の好循環による新しい資本主義」に出てきます。

それに「経団連」は、歩調を合わせているのです。

「経団連」は日本の経済界の元締めであり、経団連会長といえば「財界総理」と言われるほど権威が高いとされています。

「経団連」は、別名を「日本の経済界の総本山」とも言われているのです。

その「経団連」が発表した「提言」の中に、ちょっとコロちゃんの目を引く文言があったので、今日の「テーマ」に取り上げました。

それは「消費税増税」への態度です。

この「経団連」が今回発表した「令和6年度税制改正に関する提言」の中には、はっきりと「消費税増税」が書き込まれているのです。

この「提言」の「はじめに」には以下の文言があります。

「持続的な分配を実現し、分厚い中間層を形成するとともに、分配の成果を消費に結びつけ経済の好循環を確立する」

この内容の「分厚い中間層の形成」も、岸田総理が何度も言及していますね。

そして肝心の「消費税」についてですが、「税・社会保障の一体改革」の章に、以下の様に書き込んでいます。

「消費税については、広く全世代の国民全体が負担すること、生涯所得に対して比例的で長期的には公平であること、財源として安定的であることなどの特徴により、社会保障財源としての重要性が高く、中長期的な視点からは、その引上げは有力な選択肢の1つである。」

なげーよ!

いっぱい言いたいことはわかるんですが、このような文章に付き物の言い回しで、くどい書き方です。

しかし「消費税・・・有力な選択肢の一つ」という言い方は、「消費税増税をやってもいーよ」(コロちゃん解釈)という発信なのです。

この「経団連」の「令和6年度税制改正に関する提言」を読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

経団連:令和6年度税制改正に関する提言 (2023-09-11)

2.なぜ今「消費税増税」か?

経済界の総本山である「経団連」が、消費を下押しすることとなる「消費税増税」を、なぜ今発信したのかの背景には、日本の財政の危機的状況があります。

下記のグラフをご覧ください。

「財務省 普通国債残高の累増」より

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm
出典:財務省 わが国の税制・財政の現状全般  財政に関する資料 普通国債残高の累増 より(9月12日利用)

上記のグラフをみてもわかりますが、「国債残高」(借金残高)は、右肩上がりに増大しています。

そして近年では「コロナ禍・物価高対策」の為に、借金の底が抜けたかのように、借金の山は大きく積みあがってきているのです。

先月の8月10日に財務省が発表した「国債残高」は、国債と借入金、政府短期証券を合計した、いわゆる国の借金が6月末時点で、1276兆3155億円となったと報じています。

さすがに、これを見ていると「日本の財政」は、どうみても「持続可能」ではないと考えざるを得ません。

日本の税制の「基幹税」(大口の税収)は、「法人税」「所得税」「消費税」の三つしかありません。

ですから「経団連」としては、「法人税」の増税はいやですから、残りの二つの内の取り易そうな「消費税増税」で、何とか税収を上げて欲しいのでしょう。

3.「消費税増税」を語る団体は二つしかない

とにかく「消費税増税」には、人気がありません。

上記のように、今回「経団連」がおずおずと「有力な選択肢の一つ」と、やっと表明しましたが、ここ以外に「増税」を発信しているのは「令和臨調」だけだと思います。

「令和臨調」(令和国民会議)は、経済界や学識者、労働界でつくる民間団体です。そこが、少子化対策に「消費税」などの「税を軸に安定的な財源の確保が必要」と提言しています。

現在堂々と「消費税増税」をうたっている大きな団体は、コロちゃんが知る限りは、この二つだけかと思います。

なお、上記の「令和臨調」についてお知りになりたい方は、以下のリンクのクリックをお願いします。

令和臨調|日本社会と民主主義の持続可能性に向けて
次の時代に持続可能な日本社会と民主主義を引き継ぐため、世代や立場を超えた有志による令和国民会議(令和臨調)を発足します。

4.「消費税増税」を掲げる政党は一つもない

日本の政治の社会では、現在「消費税増税反対」を打ち出している政党ばかりで、「消費税増税」に賛同しているところは、一つもありません。

コロちゃんが見るところによると、自民党の安倍派は、逆に借金をいくらしてもいいから景気対策でお金を使おうという立場だと思います。

「立憲民主党」や「共産党」などの野党は、「消費税増税反対」で固まってます。

「維新」は、「増税する前にやることがある」と、無駄を削る方向ですね。

現在の日本の政党で、この財政の現状を責任をもって解決しようとする政党は、一つもありません。

5.「シルバー民主主義」

コロちゃんの考えですと、日本の政党や民間団体のほとんどが、「消費税増税」に反対するのは、それが多くの「国民の声」だからです。

「政党」は、選挙で勝たなければ与党は「政権」が維持できないですし、野党は政権を取れませんから、どちらも国民の意向に反する政策は掲げられません。

日本の政治家の大野伴睦(1950年代の政治家)の名言があります。

「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人だ」

全くその通りですね。真実と実態を遠慮なく言葉にしています。

日本の政党は、とにかく選挙で人気がない政策には声が上がらないのです。選挙で負けたくないですから。

そうなると、どうしても「耳ざわりの良い言葉」しか発言しなくなります。

そこで、政治家が考えるのは、選挙に投票に来る方たちへのすり寄りです。

〇高齢者ほど選挙に行く

上記で、政治家は「国民の声をよく聞くのがお仕事だ」とのお話をしました。

しかし、政治家にとっての「国民」とは、「投票に来る人」のことなのです。「投票に来ない人の声」は聞く必要はないし、存在しないのと同じなのです。

下記のグラフ二つは、上が「衆議院選挙」、下が「参議院選挙」の年代別投票率の推移です。

「総務省 衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移」より

https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/
出典:総務省 国政選挙の年代別投票率の推移 より(9月12日利用)

「総務省 衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移」より

https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/
出典:総務省 国政選挙の年代別投票率の推移 より(9月12日利用)

上記のグラフは、ちょっとゴチャゴチャして見にくいので、文章で内容をご紹介します。

★衆議院選挙(2021年)での年代別投票率は、以下の通りです。

〇60歳代   71.43%
〇70歳代以上 61.96%

●20歳代   36.50%
●30歳代   47.12%

★参議院選挙(2022年)での年代別投票率は、以下の通りです。

〇60歳代   65.69%
〇70歳代以上 55.72%

●20歳代   33.99%
●30歳代   44.80%

これを見て、皆さんはどう思われるでしょうか。この年代別投票率を見ると、「60歳代の高齢者」は「20歳代の若者」の2倍の方が選挙で投票に出かけるのです。

これに、グロスの人数の差が加わります。日本の「高齢者の数」は「若者の数」よりも人数が多いのです。

2008年(平成20年)のデータですが、年代別人数を調べてみました。

〇60歳代 1690万人
●20歳代 1424万人

このような選挙に行く多くの「高齢者」が政治への圧力となることを「シルバー民主主義」と言うそうです。

下記の引用をご覧ください。

「ウィキペディア  高齢化」より

「シルバー民主主義の到来」

「高齢化社会の進展に伴い、政治家が高齢者を重視した政策を打ち出さなければならなくなり、現役労働者である若年・中年層よりも、引退し年金を受け取っている高齢者を優遇せざるを得ないという政治状況になりつつある。これは、一般にシルバー民主主義と呼ばれている」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%BD%A2%E5%8C%96
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「高齢化」最終更新 2023年6月30日 (金) 

上記の引用は「シルバー民主主義」についてです。

現在の日本の置かれている状況は、社会の現役である「若年世代」よりも、既に引退している「高齢者」を優遇する「シルバー民主主義」に陥っていると、コロちゃんは考えています。

6.「高齢者」が「消費税増税」を嫌う理由

さて、いろいろ見てきましたが、コロちゃんはもうすぐ70歳になろうとする「高齢者」です。

自らが高齢者だからこそ、「消費税増税」を高齢者が毛嫌いする理由が良くわかるのです。

まず、日本の税金の現状を見てみましょう。下記のグラフをご覧ください。

「国税庁 国の一般会計歳入額 内訳」より

https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page17.htm
出典:国税庁 税の学習コーナー 国の一般会計歳入額 内訳令和5年度当初予算)より(9月12日利用)

上記のグラフは、「国の一般会計歳入内訳」です。

まあ、日本国の「給与明細」ですね。

これを見ると、大口の収入(徴税)は「所得税」「法人税」「消費税」の三つです。これ以外はみなどこも小さい収入となっていますから、上記の三つを「基幹税」と言うそうです。

現在の日本の財政は、収入(歳入)よりも支出(歳出)が大きいですから、上記グラフでも「公債金(国の借金)35.6兆円」で穴埋めをしています。

さあ、ここで大きく歳入(徴税)をできそうな項目はどこでしょうか?

「酒税」や「たばこ税」は、余りにも小さすぎて増税してもごくわずかの徴税しか得られないでしょう。

そうなんです、大きく増税しようとすると、「基幹税」の「所得税」「法人税」「消費税」しかターゲットにはならないのです。

〇高齢者に関係あるのは「消費税」のみ

増税のターゲットが見えてきたところで、コロちゃんと関係のありそうな税金はどれかな、と見渡してみます。

●「所得税」 コロちゃんの収入は「年金のみ」ですから、あまり「所得税」を納めてはいません。

現役世代の方の所得の基礎控除は48万円ですが、コロちゃんのような高齢者の「年金収入」の基礎控除は110万円と優遇されています。

その優遇の分だけ、高齢者の「所得税」は低くなっています。

●「法人税」 これは会社にかかる税ですから、コロちゃんには関係ありません。どんどん上げてくれても良いですよ。
ほっほっほ♪( ̄▽+ ̄*)

●「消費税」 コロちゃんが一番打撃をこうむるのはこの税です。日本の高齢者みんながそう考えていると思いますね。

上記で、コロちゃんを例に語りましたが、現役リタイアの高齢者にとって、直接関係のある増税項目は「消費税」のみなのです。

だから、全国の「高齢者」の本音を以下に代弁してみましょう。

「増税やるなら、法人税と所得税でやってくれ、おいらには関係ないからね」

「ただ、消費税だけはダメだよ。おいらに被害がくるからね」by高齢者

7.はてさて、どうしたらよいのだろうか?

コロちゃんは、「増税賛成」「消費税増税賛成」の立場です。

いくらお国の借金と言えども、毎年毎年借金を積み重ねて、「返済は未来の子どもたちにお願いします」では、いくら何でも酷いでしょう。

そのように、常々感じていたコロちゃんとしては、「令和臨調」や「経団連」」がおずおずとですけど「消費税増税」の声を上げたことは、良いことだと評価していますよ。

しかし、実際に「増税」が実現するのは、まだまだ遠そうです。

コロちゃんは、これから後に、未来への責任を感じた方たちが出てくることを期待することにします。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Matthias CooperによるPixabayからの画像
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