コロちゃんの大腸がんと悪性リンパ腫との闘いも、どうやら再発は避けられそうな様子となり、あとは「寛解」を待つという希望がだんだん大きくなっている時に、いきなり妻を脳梗塞が襲いました。
妻の3ヶ月間にわたる入院中、コロちゃんはできるだけ毎日病院に顔を出しました。少しでも元気づけたかったのですが、寝たきりの妻を見るのは心が痛みました。
5.つらい中にも明るい話
それでも明るい話もありました。入院中に長男に子どもが生まれたのです。報告してフォトを見せると、ぐったりした顔ながら喜ぶ姿をみれたのはうれしかったです
そして、次男も結婚が決まりました。コロちゃんは、まだ寝たきりだったの妻に「結婚式までには歩けるようにリハビリで回復しよう」と手を握りました。
帰りの車の中では、思わずひとり唇をかみしめましたが、まだ回復の希望がないわけではないと自分に言い聞かせたのを記憶しています。
6.帰ってきた日常
入院3ヶ月が経つと、妻がやっと退院してきました。めまいはまだ完全には収まりませんが、杖を使えば、ゆっくりと歩けるまでに回復しました。
ながい移動は車いすですが、とりあえず自宅で生活できるならばなんとかなります。
コロちゃんは、ほっとしました。これで、元通りではありませんが、いつもの日常が帰ってきました。うれしかったですね。
買い物・洗濯はもちろん、炊事もコロちゃんが行います。ベッドで寝ている妻にレシピを逐一教えてもらい、指示を受けながら料理します。
その後、少しずつ掴まり立ちができるようになると、味付けだけは妻が行うまでに回復してきました。
7.リハビリとデイサービスの日々
妻は、目まいと歩行の不自由さはあるものの、だんだんと短時間の炊事や歩行もできるまでに回復してきました。
ワンコとの散歩もゆっくりと歩行器を使いながら、歩けるようになってきました。歩ける距離がだんだんと伸びてきました。
妻は、リハビリには意欲的に行きます。デイサービスは、あまり気が乗らない様子の時もありましたが、行かないということはありませんでした。
コロちゃんは、以前から通ってたジム通いを再び始めました。太極拳とヨガとエアロビクスを毎週1回ずつ、ずーっと通ってたんですよね。
やっと、いくらかの不安は残りながらも、コロちゃんちの新しい生活ペースが生まれてきました。
8.定期健診で肺がんがみつかる
そのわずか3ヶ月後です。新生活にも何とか適応し、それなりにおふたりさまの生活を過ごしているコロちゃん夫婦に激震が走りました。
定期健診のレントゲンで影がみつかったのです。「小細胞肺がん」です。
すぐにCT検査を行い、コロちゃんがずーっと通っている大学病院へとおくられました。このがんは、急速に進行する特徴を持っていると後で聞きました。
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/12_lung.html#anchor1
出典:国立がん研究センター がん情報サービスより
肺がんは、1年間に診断される患者数がざっと12万人で死亡者が7万人と、大腸がんに次ぐ多さです。5年相対生存率は35%と、コロちゃんの大腸がんや悪性リンパ腫が70%あったのに比べても低いです。
コロちゃんは、言葉もでなかったです。
9.その時妻は
妻は、かかりつけ医からレントゲンで影があるといわれた時も、その後CT検査をみたがん専門医から「肺がん宣告」を受けた時も、何も言いませんでした。
コロちゃんは「できることは全部やろうよ」と声をかけました。妻は「そだね」と静かに返してくれました。
コロちゃんの頭の中は、限りないさみしさと、力を振り絞ろうという思いが交錯していました。
妻は気丈にも、泣き言も悲しみも表に出さずにリハビリを続けました。ワンコの散歩も休みません。歩行器を使いながら、その後は杖を使いながら、毎朝夕に二人と一匹で歩きました。
10.困惑、それから戦時モードふたたび
コロちゃん夫婦は20代前半に一緒になり、すでに半世紀近く共に暮らしてきました。お互いがいない生活なんて、到底考えられません。
しかし、現実がこうなのですから、しっかりと見つめなければなりません。
コロちゃんが罹患していた悪性リンパ腫の治療は、5年後のがん「寛解」を待つだけとなり、何となく戦時モードが緩んで、休戦ムードが漂っていました。
それが、妻の脳梗塞と肺がん罹患を受けて再び戦時モードに切りかわりました。
11.人生の重要なポイント
コロちゃんの生き方なのかもしれませんが、人生の重要なポイントでは、意識を切り替えることを何度もしてきました。
誰しもが、見栄や世間体とかをある程度気にします。それはコロちゃんも同じですが、それは平常時のことです。
戦時モードに入った時には、たとえ土下座しても、相手の足の裏をなめても目的を達成するためには一切気にしません。
コロちゃんのプライドは、そんなところにはないのです。コロちゃんのプライドは目的を達成するための己の姿勢自体にあります。
お金もそうです。いくらかかろうが、全財産を投じようが、戦時モードに入った時に気にかけるのは目的の達成だけです。
今回の目的は、妻の肺がん治療の延命と最後の日々を、妻が満足するように過ごさせることです。それがたとえ1年で終わろうと、10年20年になろうとです。
ただコロちゃんは全力を振り絞るだけです。その目的のためには、涙は流せません。妻が悲しみますから。
分量が長くなりましたので、4回に分けてお伝えします。
この続きは『【闘病考】コロちゃん妻、肺がんになる(その3)』で明日お伝えします。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
本稿は以下からの続編になります。
【闘病考】コロちゃん妻、肺がんになる(その1)
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