おはようございます。今朝は晴れていて青空が広がっていました。これからの日本も、この青空のようにきれいに澄み渡っているといいなーと、考えながらコロちゃんは散歩してきました。
以前のブログでも取り上げたりしていますが、今日は、最近あちこちで話題となっている「賃上げ」「物価上昇」「経済成長」について、予想をしてみようかと思います。
コロちゃんは、そこら辺にうじゃうじゃいるリタイア老人ですので、知識も見識もありません。まったく無責任なひとり言ですので笑いながら聞き流していただけると幸いです。
1.予想① 春闘で3%賃上げは実現しない
今年は例年とは違った風景が見えてきています。政府も経団連も「賃上げ」に前のめりなんです。
経団連は、ご存じのように経営者の団体です。今までは「賃上げは個別企業の判断」との姿勢をかたくなに守ってきたのですが、今年は異例の対応です。
政府も8年ぶりに「政労使会議」を開き、総理大臣も「賃上げ」を率先して要請するなど一生懸命です。
何日か前のブログで、昨年と今年の春闘賃上げ率を見ましたが、もう一度確認してみましょう。
昨年2022年の「連合」の春闘要求の数字は4%で、結果は、大手企業で2.28%、中小企業で1.97%と発表されています。
今年2023年は「連合」は5%以上を目指しているようですが、民間エコノミスト33人の平均予測は2.85%だったそうです。
下記の表が「主要企業春季賃上げ率」の長期推移です。20年以上にわたって低空飛行している歴史が確認できるかと思います。
この低い数字には、労働組合の組織率が低い等の構造的な理由があります。
その「賃上げ率」を、今年は政府と経団連の「鶴の一声」で一気に上げようというのです。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0402.html
出典:労働政策研究・研修機構 統計情報 グラフでみる長期労働統計 図2 主要企業春季賃上げ率より(1月23日利用)
定期昇給と(定昇)とベースアップ(ベア)
「賃上げ」と言っても、その内容は定期昇給(定昇)とベースアップ(ベア)に分けられます。
年齢や勤続年数に応じて毎月の給与を増やすのが「定期昇給(定昇)」です。社員数や世代構成が同じなら、企業の人件費負担は大きく変わりません。
基本給全体の水準を底上げするのが「ベースアップ(ベア)」です。ベアは企業の人件費総額を増やすため企業の負担が重くなります。
ですから、企業は「定昇」はやむを得ないと考えても、「べア」は嫌がります。将来にわたって人件費負担が増加するからです。
日本では、諸外国と違って、一度上げた給与を下げることは困難ですからね。
これを「下方硬直性」というそうですね。
日銀が求める賃上げは定昇なの、ベアなの?
現在日銀が目指しているのは「物価上昇2%と賃金上昇率3%」(22年5月黒田総裁講演)です。
そして日銀が目指している賃金上昇率3%は「ほぼベアに相当する数字であり定昇は含まない」(前日銀理事 前田栄治氏)との発言もありました。
2%の物価上昇率と整合的な賃上げ率は、4.7%程度といわれているそうです。
4.7%の内訳を大まかに言えばベア3%程度、定昇2%程度です。
これをみると、日銀が求めている賃上げは定昇+ベアで5%程度のようですね。
しかし、「連合」の発表によると昨年2022年春闘の賃上げは、4%の要求に対し、回答は平均2.07%で、その中身は、定昇を除いたベースアップ(ベア)相当分は0.63%だったそうです。
2023年春闘での賃上げ率は?
このように、詳しく賃上げ目標の内容を精査していくと「3%賃上げ」と言われてはいるけど、「定昇」「ベア」にまで踏み込んでは、どこもはっきりと言い切っていないことがわかります。
経済的な整合性から言えば、日銀の考えている「ベア3%+定昇」を目標とすべきなのでしょうけど、政府も経団連も数字を強制する立場にはありません。
このような動きを見ていくと、今年の春闘では、大手企業では3%に近づく賃上げとはなると思いますが、3%以下にとどまるとコロちゃんは予想します。
しかし、中小企業が多いことや非正規雇用が多いこと、そして高齢者が多いという日本社会の現実があります。
それゆえに一部大企業だけが3%に近い賃上げがあったとしても、経済全体が上向いたり、消費が増えたりすることはほぼなく、むしろ格差が拡大する方向に進むのではないかと予想します。
2.予想② 物価上昇率は今年の後半には下がる
コロちゃんは、昨年12月と1月の電気料金の爆上げには驚きました。
スーパーに行っても、じわじわと物の値段が上がっていることを体感しますが、世の中を見渡しても、消費が活性化しているようには思えません。
給料や年金が上がらずに、モノの値段が上がれば、次に来るのは生活防衛のための消費の削減です。
コロちゃんは、身を縮めて節約して生活を守ろうとしています。
65歳以上の高齢者が3627万人(2022年推計)もいらっしゃる現在においては、コロちゃんと同じ行動をする方が圧倒的多数派で、世の中の主流なのではないのでしょうか。
下記の表が2020年を100とした「消費者物価指数」の長期推移です。
表中の「拡大図」をみると、1990年代半ばから2010年代にかけて、物価が下がる「デフレ」がよく観察できます。この長引く「デフレ」が日本経済の足を引っ張っていたわけですね。
現在は、急上昇しているように見えますが、今後持続するかどうかについて多くの専門家は否定的です。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0601.html
出典:行政独立法人 労働政策研究・研修機構 統計情報 早わかり グラフで見る長期労働統計 Ⅵ 物価、家計 図1 物価より(2月14日利用)
昨年2022年の1年間を通しての「消費者物価指数」の上昇率は2.5%で、昨年12月の一か月の「消費者物価上昇率」は4.0%でした。
その内容は、輸入物価上昇を背景とするコストプッシュ型であり、国内需要が増えたり、賃金上昇が及ぼす物価上昇にはなっていません。
確かに、現在の足元は電気料金などは上がっていますが、この物価上昇に継続性はなく、今年の後半からは物価上昇率は下がってくるとコロちゃんは予想します。
また、年後半に消費者物価指数が1%台半ばまで下がれば、次年の春闘での賃上げも大きく失速すると予想します。
3.予想③ 経済成長率は上がらない
下記の二つの表をみてもわかる通り、日本経済の実質GDP成長率は、1990年代半ばから大きく低下しており、2008年のリーマン危機以降は、ほぼ0%台前半で推移しています。
2020年度には、年度の数値としてマイナス4.6%となり、リーマン危機時のマイナス3.6%を上回る、過去最大の落ち込みとなりました。
この実質GDP成長率の推移のトレンドをみても、これからの日本の成長率が大きく上がるとは思えません。
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/20/backdata/2-1-1-1.html
出典:厚生労働省 令和3年版 厚生労働白書 図表2-1-1-1 実質GDP成長率の推移(季節調整済前期比)より(2月14日利用)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000173082_1.pdf
出典:厚生労働省 近年の経済成長率と賃金上昇率の動向
ー バブル崩壊後の直近20年間の動向を中心に ー より(11月19日利用)
先日2月14日に、内閣府が国内総生産(GDP)速報値を発表しています。
それによると、2022年の実質経済成長率は1.1%でした。新型コロナウイルス禍当初の20年の大幅な落ち込みからの反動もあった21年(2.1%)に比べると伸びが鈍化しています。
この結果、20~22年の3年間の平均成長率はマイナス0.4%になったと発表されています。
この暦年の実質GDP成長率の動きをみると、今年も1%程度となるとコロちゃんは予想します。
一つだけ、懸念する点を挙げておきたいと思います。コロちゃんの今年の1%程度の成長予測は、世界と日本で大きな動きがないことを前提とします。
万が一、台湾海峡危機とか、首都圏直下型地震や南海トラフ地震などの巨大災害が起きた場合には、日本経済には大きな負の圧力が押し寄せてくると思います。
その事態への準備のためにも、財政や経済に蓄積されている「副作用」などの脆弱性の解消を進めてほしいと思います。
4.日本の基礎的諸条件に変化はない
日本社会の、少子高齢化、非正規雇用、国の借金財政、偏った金融資産保有、企業の内部留保などなどの諸条件に、変化はありません。
上記で、コロちゃんは「3%賃上げはない」「物価上昇率は下がる」「経済成長率は上がらない」と三つの予想をしました。
この予想は簡単な理屈によります。
日本の置かれた基礎的諸条件に手を付けない限り、この三つの「賃上げ・物価上昇・経済成長」はできないと思うからです。
そして「基礎的諸条件」の変革は、それぞれの理由でここ30年間ほとんどなされていないのです。
それが、総理大臣や経団連会長の「鶴の一声」で、進められるはずはないとコロちゃんは思うのです。
5.成長しないでも安心して暮らせる社会を
現在の社会で見聞きすることは、防衛費倍増にしろ、子ども手当倍増にしろ、財源の手当てがはっきりしないまま配分を増やすことばかりです。
増税は反発が大きいですから、いずれ、目立たないように、抵抗の少なそうなところからこっそりと削ってきて充当するのでしょう。
成長して、その増えた分を配分するのならば、反発も少ないです。だから、与党も野党も「成長して分配」を主張します。
しかし、コロちゃんは言いますよ。
もう大きな成長はできないよ。無理ですよ。ムリ(゚ロ゚)ムリ
日本は、資本主義国として、先進国として、高齢国として、世界のトップランナーなんです。世界の最先端を走っているのです。
その結果として、もうこれ以上、大きな成長ができない地平にたどり着いたのだとコロちゃんは考えています。
だから、国のシステムと施政者の考え方を、成長しないでも安心して暮らせる社会に作り替えなければならないと思うんです。
難しいし、厳しいし、大変だとは思いますけどね。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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