【社会考】「韓国出生率0.72」から何を学ぶのか?

社会

おはようございます。今日の最高気温は29℃の天気予報が出ていました。コロちゃんのリアルタイムは午前10時ですが、今日は今年初めてクーラーのお世話になるかも知れませんね。

コロちゃんは、普段から「低血圧」ですので、あまり暑さが体感できないのです。しかし、よく「高齢者が自宅でクーラーをつけないで熱中症に」というニュースを聴きますからね。

コロちゃんは、万が一でもそういうことのないように、しっかり「室内気温」を温度計で確認して、早めにクーラーのスイッチを入れようと考えていますよ。

だけど、何度になったらクーラーのスイッチをいれたらいいのかなー? 30℃?それとも31℃? 

今年は、まだそんなに暑い日が無かったので、よくわかりませんね。まあ、身体の様子を見ながら早めにクーラーを入れましょうね。

今日は「韓国出生率0.72から何を学ぶのか?」をカキコキしますね。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「韓国の合計特殊出生率が0.72だってと、韓国少子化の理由」

☆「韓国少子化の理由は日本でも同じかと、韓国の出生率の低下から何を学ぶのか?」

☆「しかしそれでも少子化は進むと、今日の韓国は明日の日本そして明後日の中国」

☆「コロちゃんの子育て」

1.「韓国の合計特殊出生率が0.72だって」

日本と同様に「少子化」に悩む「韓国」では、今年の2月28日に「韓国統計庁」が「2023年人口動態調査」の中で、2023年の「合計特殊出生率」が過去最低の「0.72」だったと発表しています。

この「0.72」という数値は、日本の1.26(2022年)やOECD平均1.58(2021年)を大きく下回りますね。

コロちゃんは、普段から「少子高齢化」は「儒教文化圏」である東アジアの国々の共通の出来事と考えていましたので、さっそくお隣の「中国の合計特殊出生率」を調べてみました。

ポチポチ探したところ、今年2024年1月に「中国メディア」が「2022年時点で合計特殊出生率1.09」を報じていましたね。ほうほう、「中国は日本よりも低い」んですね。

やっぱり「中国」は「儒教の本家」ですから「出生率」が低いのも納得ですね。

この「合計特殊出生率」を見るには、まず「人口置換水準※2.07」を頭に置く必要があります。

(※人口置換水準:人口が長期的に増えも減りもしない出生の水準)

この「人口置換水準2.07」から見ると、上記の「韓国・日本・中国」の3ヶ国は、全てペケとなりますね。以下で確認してみましょう。

◎「人口置換水準:2.07」

➀「韓国:0.72」(2023年)
➁「日本:1.26」(2022年)
③「中国:1.09」(2022年)
➃「OECD平均:1.58」(2021年)

上記のように、3ヶ国のどの国も「人口置換水準2.07」を大きく下回っていますから、今後「人口減少」が続くでしょうけれど、その中でも「韓国0.72」がブッチギリに低くなっています。

今日のこのブログでは、なぜ韓国の「出生率」がこんなに低いのかを考えて、日本の参考にできたらと思って取り上げてみました。

なお、韓国ではこの「出生率0.72」を受けて、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「国家の非常事態」と呼び危機感を露わにしていますね。

(人口置換水準は国によって異なります。医療水準が低かったり衛生状態が悪い国では若年女性の死亡率が高くなるので置換水準は2を上回る度合いが大きくなります)

2.「韓国少子化の理由」

コロちゃんがこの「韓国の少子化」を調べていて見つけたのは、「ニッセイ基礎研究所」の上席研究員をなさっている「金明中さん」のレポートです。

この「レポート」では、「韓国で少子化がここまで深刻になった理由」として、以下の6点を挙げています。

◎「韓国少子化の理由」

➀「若者の経済状況が良くない」

➁「人口と就業者の過半数が首都圏に集中」

③「若者の結婚・出産に対する意識の変化」

➃「育児政策が子育て世代に片寄っている」

⑤「男女差別が残存」

⑥「子育ての経済的負担が大きい」

いやいや、コロちゃんはこれを読んで「日本」のことを言っていると思っちゃいましたよ。

一番上の「◎韓国少子化の理由」の、「韓国」を「日本」と入れ替えても誰も疑問を持たないでしょうね。

それでは、次にこの「韓国の少子化」の理由が日本でも当てはまるかと、ちょっと考えてみましょう。

3.「韓国少子化の理由は日本でも同じか?」

最初に、上記の「韓国少子化の理由」の➀~⑥までが、日本でも同じかどうかを見てみましょう。

➀「若者の経済状況が良くない」

コロちゃんは、20代の実質賃金の推移のデータをあちこち調べてみましたが、見つかりませんでした。しかし「29歳以下の世帯総所得の推移」のグラフはありましたね。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。 

「内閣府 男女共同参画局 平均給与(実質)の推移(男性)」より

出典:内閣府 男女共同参画局 男女共同参画白書令和5年版より(5月18日利用)

上記のグラフは、1978~2021年の「実質平均給与の推移(男性)」になります。グラフの一番下の「青色点線が25~34歳のライン」になります。

このグラフの「25~34歳(青色点線)」は、1990年頃にピークを付けた後は、やや下落で横ばいとなっています。

この「実質賃金」はよく言っても「横這い」ですし、やや下落というか上がってはいませんね。

次に「女性」のグラフを見てみましょう。下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「内閣府 男女共同参画局 平均給与(実質)の推移(女性)」より

出典:内閣府 男女共同参画局 男女共同参画白書令和5年版より(5月18日利用)

こちらのグラフは、1978~2021年の「実質平均給与の推移(女性)」になります。上記の一番上の「青色点線が25~34歳のライン」になります。

このグラフの「25~34歳(青色点線)」は、男性のラインに比べると全般的に低いですね。そして「25~34歳(青色点線)」が他の年齢層より高いのが特徴です。

これは「男性」の真逆ですね。「男性の「25~34歳(青色点線)」は、他の年齢層より低かったですからね。

この「女性の25~34歳(青色点線)」型の年齢層よりも高い理由は、結婚後退職したのちに、「正規雇用」に戻れず「非正規雇用」に就く方が多いからでしょう。

この上記の二つのグラフを見ると、25~34歳の男女の「実質賃金」は、ともにここ30年ほど上がっていないことが確認できましたね。

なお、2020年の20代の平均年収(男女計)は「20~24歳で260万円」、「25~29歳で362万円」という結果になっていますね(※)。決して高いものではありません。

(※国税庁:民間給与実態統計調査より)

➁「人口と就業者の過半数が首都圏に集中」

「韓国」の「行政安全部」が発表した資料によると、首都圏の住民登録人口は2601万人と全体の50.7%だとされています。

凄いですね。韓国はソウル中心に全人口の半分以上が集中しているのですね。そして「首都圏の就業人口も全就業者の51.6%と、こちらも半分以上となっていますね。

それでは、日本の場合はどうなっているのでしょう。

えーと、日本の首都圏となると「東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県」でいいんですよね。

ただ「首都圏整備法」という法律では、あと「茨木県・栃木県・山梨県」も入るみたいですけど、そこまで広げるのは感覚的には違う気がしますね。

取り敢えず「東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県」を調べてみましょう。

◎「首都圏の人口」

➀「東京都:1410万人」
➁「神奈川県:923万人」
③「埼玉県:733万人」
➃「千葉県:627万人」

●「首都圏合計:3693万人」

〇「全国人口:1億2435万人」
●「全国人口に占める首都圏人口の割合:29.7%」

ふむふむ、コロちゃんの感覚的な「首都圏」では、全人口の約30%の集中となっていますね。

これを見ると、韓国の首都圏の人口集中度は、日本の30%を大きく上回る50%となっていることが、日本を上回る「少子化」の理由となっているのかも知れないと言えますね。

しかし、日本で「首都圏集中」を是正できれば「少子化」の動きにブレーキは掛けられるのでしょうか。ちょっと興味がありますね。

③「若者の結婚・出産に対する意識の変化」

今の若者が結婚したくない訳でないと思うのですよね。下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「内閣府 男女共同参画局 今後の結婚願望(独身者)」より

https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/zuhyo/zuhyo00-39.html
出典:内閣府 男女共同参画局 男女共同参画白書令和4年版より(5月18日利用)

上記のグラフは、独身の男女に聞いた「今後の結婚願望」の回答です。

これを見ると、20歳代女性の64.6%と、20歳代の男性の54.4%が「結婚意思はある」と回答しています。

しかし、2023年の「生涯未婚率」は、男性が28.25%、女性が17.85%と大分差があります。

韓国の若者の「結婚に関する意識変化」は分かりませんが、日本の若者は「結婚の意思」はあってもそれを諦めざるを得なくなる経済的条件が「ハードル」となっているのではないでしょうか。

➃「育児政策が子育て世代に片寄っている」

これは「日本」も同じですね。今の岸田総理は「子育て世代」への様々な優遇措置を講じていますが、その反面、これから結婚に向かおうとする若者への支援策はまるで聞いたことがありません。

「韓国」でもそうかもしれませんが、「日本」では結婚した夫婦の子どもの数はあまり減っていません(※)、減少しているのは「結婚数」なのですから、そちらを優先して支援すべきだと思いますよ。

(※完結出生児数:結婚からの経過期間15~19年夫婦の平均出生子ども数:夫婦の最終的な平均出生子ども数とみなされる)

「日本」の「完結出生時数」は、2015年調査で1.94人でした。結婚に至った夫婦のこどもの数はあまり減少していないのです。

減少しているのは「未婚男女」の「結婚数」なのです。

⑤「男女差別が残存」

この「男女差別」については、このブログの他の投稿記事で、イヤッというほどたくさん書いていますから、ここでは深く触れません。

だけど、「韓国」もそうかと聞くと、やはり「日・中・韓」の「東アジアの儒教文化圏」ゆえに、未だに遠い過去の社会規範が残存しているのではないかと、コロちゃんは考えていますよ。

⑥「子育ての経済的負担が大きい」

コロちゃんは、以前にちょっと興味をもっていろいろ調べてみたことがあります。しかし「子育て費用」は、変数がたくさんあってハッキリとはなかなか計算できませんね。

ただ大きくは「養育費」と「教育費」が二大出費のようです。

◎「養育費」が1人1600~2000万円程度。
◎「教育費」が1人2000~4000万円程度。

●「養育費+教育費=1人3600~6000万円程度」

こりゃ高い! コロちゃんとこでは、こんなにかけてなかったと思いますよ。確か子どもたちは「バイト小僧」でしたから、自分である程度は稼いでいたような・・・。

上記の「教育費」のブレが大きいのは「私立」と「公立」の選択によるものですね。

しかし、最近の「教育費」の高騰は、親世代の「教育熱の高まり」によるものが大きいと思われますね。

その「教育熱の高まり」でコロちゃんが聞いているのは、小学校からの「中学受験」のお話です。

普通、小学生が自治体で決められた学区の中学校に上がる時は「試験」はありません。ですから「中学受験」とは、「有名私立中学」を受験することを指します。

当然、親御さんは、子どものその後の「高校・大学」を見据えての選択です。その「中学受験」の、受験熱がより高まっていると聞いています。

ある調査によると、東京の推定中学受験率は25%だと出ていました。東京では、なんと4人に一人が「中学受験」にチャレンジしているそうです。

一方、全国平均では10%だということですから、東京を除く地方の「中学受験率」は20~40人に一人だと推定されているそうです。

この「中学受験」に関しては、東京と地方の間に、もの凄い「受験格差」が広がってきているのです。

「中学受験」を目指す親子は、当然にして、その後の「有名高校・有名大学・有名企業」を視野に入れての選択です。

この様子は、おそらく「韓国」でも同じなのでしょう。

そして「中国」でも同じだったからこそ、2021年に習近平政権が、教育改革「双減政策(宿題と塾の二つを削減、受験過当競争を緩和する政策)」を行なったのでしょう。

この「日・中・韓」の三ヶ国の教育熱の過熱をみると、ここでもコロちゃんは「儒教文化圏」の呪縛が残っているのではないかと感じますね。

4.「韓国の出生率の低下から何を学ぶのか?」

上記のように「韓国」の事例を「日本」の実態と比較してみますと、以下の様に考えられます。

❶「若者の経済状態」

これは若者の「非正規雇用」を減らして、所得を上げる以外にはないでしょう。年々「国民負担率」が増えて、可処分所得が減っている現実を変えるしかないと、コロちゃんは考えますよ。

❷「人口と就業者の首都圏集中」

「総務省」の「住民基本台帳に基づく2023年の人口移動報告」によると、「東京都」の2023年の「転入超過数」は前年2022年の3.8万人から、6.8万人にまで増加したと報告されています。

昨年2023年の「人口移動」は「東京圏の一人勝ち」となっています。それも「東京都」はぶっちぎりの増加数(6.8万人)です。

「韓国」の場合は、首都圏の若者たちの集中により、激しい競争の中で「結婚と出産」を諦めた可能性があるとしていますが、日本はその轍を踏まないようにして欲しいですね。

単純に大都市に若者たちが集まるから、「結婚と出産」へと進むとは、どうやらならないようですよ。

その他にも❺「男女差別が残存」や「❻子育ての経済的負担が大きい」等は、もっとできることややるべきことが多くあると思いますね。しっかり進めていただきたいと、コロちゃんは考えますよ。

5.「しかしそれでも少子化は進む」

上記で、韓国と日本の「少子化事情」をざっと見てきましたが、最後の「日・中・韓」の「合計特殊出生率の推移」を、ちょっと見ておきましょう。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「厚生労働科学研究成果データベース 日本・中国・韓国の合計出生率の長期推移:1950~2021年」より

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/1%20%E5%AE%88%E6%B3%89%20%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%BB%E9%9F%93%E5%9B%BD%E3%83%BB%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%B0%91%E5%AD%90%E5%8C%96%E3%81%AE%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E3%81%A8%E5%B0%91%E5%AD%90%E5%8C%96%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AE%E9%80%B2%E5%B1%95%EF%BC%9A%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%AF%94%E8%BC%83%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E8%80%83%E5%AF%9F.pdf
出典:厚生労働科学研究成果データベース:研究者名:守泉 理恵:日本・韓国・中国の少子化の現状と少子化対策の進展:国際比較による考察:厚生労働行政推進調査事業費補助金(地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究事業)「日中韓における少子高齢化の実態と対応に関する研究」令和4年度 総括・分担研究報告書:より(5月18日利用) 

上記は1950~2020年の「日・中・韓」の「合計特殊出生率の推移」です。

グラフを見ると、「中国・韓国」ともに1950~1960年代は6.0以上の年があったんですね。いやいやその頃は、子どもが多くて活力があったでしょうね。

しかしコロちゃんが見ているのは、3ヵ国ともに、人口置換水準以下の2.0を下回った姿です。3ヵ国ともだいたい1980~1990年代に2.0を下回りました。

コロちゃんはこのラインが、今後上向きに上昇するとは到底思えませんね。

もはや「少子化と人口減少」は、3ヶ国ともに「所与の条件」と考えた方が良いとコロちゃんは思いますよ。

そしてその「人口減少へ対処する政策」を進めた方が良いと考えていますよ。

6.「今日の韓国は明日の日本そして明後日の中国」

コロちゃんは、上記の「日・中・韓」の「合計特殊出生率」のグラフを見ていて、この3ヶ国の内の「韓国が「少子化先進国」で、その後を「日本と中国」が追いかけているように見えました。

ということは、今日の「韓国の姿」が明日の「日本」の姿なのではないでしょうか。そしてその後を「中国」が追いかけているように見えます。

だから「韓国」で今取り組んでいる姿を見れば、明日の「日本」のすべきことが見えて来ると思われます。

しかし「GDP」のキャッチアップ競争ならば、みんなが喜びますが、「出生率低下」の競争では誰も歓迎しませんね。残念ですが、それが「見たくはない真実」というものなのでしょう。

7.「コロちゃんの子育て」

コロちゃんは、1980年代に2人の子どもを授かり、子育てをしてきました。その中で感じたことは、「初めての子育てもなかなか楽しいものだ」という感覚です。

もともとコロちゃんは、遊園地や水族館などに行くタイプではありませんでした。若い時は時間があれば「図書館通い」をしていましたね。

それが「子どもがいる」となると、そうはいきませんよね。「動物園・水族館・ディズニーランド」や、「自然公園や野外の遊び場」など、多くの場所に行くようになりましたね。

それまで、家に籠って読書ばかりしていたのが、「子どもがいた」おかげで多くの体験をすることができましたよ。

それはコロちゃんの生活に「色どり」を与えてくれましたね。

しかし、コロちゃんが現在の「日本」を見渡すと、それらの子どもと一緒に遊ぶ家族がだんだん少なくなって行く現実が眼に入ります。

何とも寂しい事ですが、今後はこの事実を受け入れるしかないと思われますよ。

コロちゃんは、そうした考えのもとに、これからも「韓国・中国」の様子をウオッチし続けようと思っていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

bess.hamiti@gmail.comによるPixabayからの画像

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