【社会考】「移民」か「スルー」か?

社会

おはようございます。今朝も昨日と同じく寒かったですね。コロちゃんは、ワンコを連れてまだほの暗い空を見上げながら、散歩に行ってきましたよ。

気温は摂氏1℃でしたが、冬支度のコロちゃんはそんなに寒さを感じませんでした。

何しろ、耳まですっかり隠れる「スキー帽」と分厚い「オーバーズボン」、それに「分厚い手袋」まで出してきて、全身冬支度で散歩を歩いてきたのです。

これで、この冬も大丈夫、寒い朝も何とかしのげますね。コロちゃんとワンコは元気よく散歩から帰ってきましたよ。

「よい子は冬でも元気でお外」ですよ。

今日は「技能実習生制度が無くなるよ」をカキコキします。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「外国人労働者がいないと社会が回らない」

☆「有識者会議最終報告と日本の外国人労働者」

☆「いつまで来るか外国人労働者」

☆「移民受け入れか、それとも来なくなるか?」

1.「外国人労働者がいないと社会が回らない」

コロちゃんが、午後にワンコとの散歩をしていると、時々建築現場で外国人労働者の方が働いているところを見ることがあります。

またコンビニでも、多くの外国人労働者を見受けられますね。

コロちゃんが住む田舎都市でも、そうなのですから、都市部や人手不足の飲食・サービス業などでは、より多くの外国人労働者が働いていることでしょう。

すでに「日本では外国人労働者」は、社会の底辺の作業現場では不可欠の存在になっていると、コロちゃんは考えています。

その実態について、施政者が知らない訳はありません。

現在行なわれている「技能実習制度」などの諸問題について、「法務省」では「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」を開いていろいろ検討をしていました。

その「中間報告書」が5月11日に、その後の11月30日には「最終報告書」が法務大臣に提出されています。

「5月の中間報告書」提出時には、コロちゃんは6月15日付けでこのブログで記事を投稿しています。

その記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

【社会考】これは「移民解禁」じゃないの?

この記事では、「技能実習生制度」を発展的に解消して、「特定技能制度」に長期就労が可能な業種を3分野から12分野に広げるなどの変更があったことを記載しています。

5月の「有識者会議の中間報告」では、「技能実習制度」の廃止を「提言」していましたが、「企業」から表現が強すぎるとの意見があり、「発展的解消」と変更したと報じられていますね。

どっちの名前でも「中身は同じ」なんですけどね、「面子」が大事なんでしょうね。

「有識者会議」には「学者・企業代表・労働代表・地方自治体首長」などが多数出席していますから、妥協の産物となったわけですね。

その「有識者会議の最終報告」が、先日の11月30日に法務大臣に提出されました。

それでは、その「最終報告」を見てみましょう。

2.「有識者会議 最終報告書」

上に書いている「小見出し」は、「有識者会議 最終報告書」と短く書きましたが、正式には下記となります。

「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 最終報告書」

コロちゃんはいつも思うのですが、なぜ「お役所」が出す文書はこんなに名前が長いんですかね?

これを何回も書いていたら、手が痛くなっちゃいますよ。あっ、今は鉛筆で書くことはなくなりましたから、「指でキーボードを叩けなくなっちゃう」でしょうか。

お話を戻して、下記の「最終報告書(概要)2ページ」を見てみましょう。この「概要版」の他に「最終報告書45ページ」がありますが、そちらは紹介しません。

下記の「概要版」のポイントを下に記載しますので、下記の小さい文字は読まないでくださいね。眼が疲れちゃいますよ。

「最終報告書(概要)①見直しにあたっての基本的な考え方」より

https://www.moj.go.jp/isa/content/001407012.pdf出典:法務省 出入国在留管理庁 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 最終報告書(概要)より(12月3日利用)

上記の「最終報告(概要)」の中で、コロちゃんがピピッと感じた点を下記に書き出しますね。

①「制度の目的」

以前の「技能実習制度」の建前は以下の通りでした。

それが「新制度」では変わります。この「技能実習制度」を上に、「新制度 育成就労制度」を下に書きます。

○「技能実習制度」
「人材育成による国際貢献」
👇
●「新制度 育成就労制度」
「人材育成及び人材確保」
(実態に合わせた見直し」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

コロちゃんのコメント

まずは、「①制度の目的」が、「国際貢献」から「人材育成及び人材確保」に変わったことですが、「本音と建て前」が違う事はよくある話です。

しかしさすがに「国際貢献」は、あまりにも実態とかけ離れているでしょうから無くなりました。

それでも、新しい目的に「人材育成及び人材確保」となっていて、まだ「人材育成」という「建前」を大事に抱えていますね。

そうではないでしょう。「安い労働力が欲しい」のでしょう。「(安い)人材確保」が本音でしょう。

コロちゃんの目からは、誰も「人材育成」は考えていないように見えますよ。

どうせ「人材確保」が本音ならば、もっと「給料を上げる」のが本筋だと思いますね。

これからのアジアでは「日本が外国人労働力を選ぶ」のではなく、「日本を選んでもらう」ことを考えないと、円安で価値が減価する「日本」には、誰も来なくなるのではないかと思いますね

②「期間」

○「技能実習制度」
「技能実習1号は1年間、技能実習2号は2年間、技能実習3号は2年間、技能実習1号~3号まで順調に移行した場合最長5年間」
👇
●「新制度 育成就労制度」
「3年間で特定技能1号(高度技能)水準に育成、特定技能制度は維持」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
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コロちゃん

コロちゃんのコメント

「技能実習5年」で「技能実習評価試験の実技試験」に合格すると、限られた業種ですが「特定技能1号」に移行することができ、更に最長5年間「日本」で就労できるとされています。

しかし、日本人が聞いても中々わかりにくい複雑な制度を、「日本語」がまだ十分使えない「外国人労働者」がキチンと理解できるのでしょうか。

コロちゃんには「外国人労働者は5年間だけ安い賃金で働いて国へ帰れ」との声が聞こえるように思えますね。

③「転職」

○「技能実習制度」
「原則不可」
👇
●「新制度 育成就労制度」
「転職要件を満たせば可」
(同一業務区分・就労1年以上・技能検定基礎級合格・日本語能力試験A1(いちばんやさしい)以上合格」

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コロちゃん

コロちゃんのコメント

「技能実習制度」の「転職不可」は、年間数千件の失踪が起きる原因となっていました。

さらに海外からは「現代の奴隷制度」と言われるなど、日本の評価を落とす要因ともなっていました。

そもそも「転職禁止」なんて、「基本的人権」の侵害でしょう。

これは「転職」を自由に認めれば、給料が高い都市部へ転職してしまうと考える地方の企業経営者のエゴと圧力のせいで決められたと、コロちゃんは思いましたね。

さらに、日本では現在「経済の好循環」に向けて「賃上げ」が、政労使を問わず取り組まれています。

そんな時に、低賃金の「外国人労働者」を縛り付けて安く使おうなんて、「国家政策」に反する行為だと思いますね。

「転職」は、新制度では「一定の要件を満たせば可」とはなりましたが、まだまだ許可要件が多すぎますよ。制限は一切なくすべきだと思いますね。

④「家族帯同」

○「技能実習制度」
「帯同不可」
👇
●「新制度 育成就労制度」
「帯同不可」

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コロちゃん

コロちゃんのコメント

「④家族帯同」を認めないなどの政策は、これこそ「人権侵害」でしょう。皆さんが自分の立場でもしそうだったらと考えれば、こんなつらい事はないでしょう。

外国人の事実上の永住に繋がる「特定技能2号」と言う制度があります。この「特定技能2号」は在留期間の更新に上限がありませんし、「家族帯同」も認められます。

ただ、働く分野が「建設・造船・舶用工業・飲食料品製造・産業機械・農業など」の11分野に限られています。

「特定技能1号」の人数は16万7313人なのに対し、事実上の永住に繋がる「特定技能2号」の取得者数は、たったの11人で全て「建築分野」となっているそうです。
(2023年5月現在)

今後はどうなるかはわかりませんが、この「11人」と言う人数は、コロちゃんには「外国人労働者は定住すんな!」と言う事だとしか思えませんね。

⑤「日本の底流を流れる空気」

上記の「技能実習制度」に変わる新しい制度の「新制度 育成就労制度」は、来年1月に開かれる「通常国会」で審議されて、可決した後の4月から施行される予定となっているようです。

しかしコロちゃんには、この現在行なわれている「技能実習制度」や新制度の「育成就労制度」の内容を読んで、不自然さを感じています。

それは「単純労働者は日本に入れないよ」と建て前で言いながら、実は「低賃金・低技能の労働者に来て欲しい」という本音との乖離です。

「日本政府」は事実上「移民は受け入れない」としています。だから「最長でも5年で国に帰って欲しい」となるのでしょう。

その本音が制度の内容のあちこちに、見え隠れしているのです。

しかし本音はそうであっても、今まで建て前は「国際貢献(技能取得して母国で生かして欲しい)」でした。

今回の「新制度 育成就労制度」でも、建前は「制度の目的」は「人材育成及び人材確保」となっています。

この「人材確保」の意味は、「低賃金・低技能」で「日本人では嫌がるような職場に来て欲しい」でしょう。

そう考えると、「旧制度」と「新制度」は質的にはあまり変わっていないとコロちゃんは思いましたね。

3.「日本の外国人労働者」

それでは、現在日本に外国人労働者は、何人くらいいるのでしょうか。

下記のグラフをご覧ください。

「厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況まとめ」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001044543.pdf
出典:厚生労働省 報道発表資料「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)より(12月3日利用) 

上記のグラフを見てもわかるように、2022年10月現在で、「外国人労働者」は182万3000人で、前年より9万6000人増加しています。

このグラフの推移をみると、コロナ禍の2020年と2021年は横ばいですが、それ以前の2015~2019年は、年間20万人規模で増加しています。

この数字を見る限りにおいては、今のところ日本では「外国人労働者」の流入は続くと思われますが、上記での「日本」の「外国人労働者」への対応を見ていると、これはいつまで続くのでしょうか。

4.「いつまで来るか外国人労働者」

上記のように、日本には既に182万人以上の「外国人労働者」が入ってきています。そして、2022年1年間で9.6万人ほど増加しています。

それでは、今後年間何人の「外国人」が日本に来てくれるのでしょうか。推定している組織があります。

下記の表をご覧ください。

「国立社会保障・人口問題研究所 国際人口移動仮定の要約」より

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf
出典:国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(令和5年推計)結果の概要 より(12月3日利用)

上記の表は「2015~2019年の男女年齢別入国超過率」の平均値を平滑化したものです。

要するに、2015~2019年の間に日本に入ってきた「外国人数」の平均ですね。

その人数が「年平均で16.3万人」となっていますので、この数字を今後も続くとしますと17年後の2040年には、16.3万人×17年=277.1万人が加わります。

上記で2022年の「外国人労働者数」は182.3万人ですから、合計すると2040年には459.4万人にまで膨れ上がることとなります。

果たして、この推計が現実のものとなるのかは、コロちゃんにはわかりませんが、これだけはわかります。

円安の進行する「日本」での「出稼ぎ労働の魅力」は、年々低くなってきています。このまま進行すればいずれは「外国人労働者」に「日本」は選ばれなくなっていくでしょう。

要するに「外国人労働者の招へい」を、今現在行なわれているような「本音と建て前」が違っているやっつけ仕事ではダメだと言う事です。

もっと、魅力的な日本をアピールできるような「移民制度」を完備すべきだと、コロちゃんは思いますよ。

5.「選ばれないor移民受け入れか?」

あと一言追記するならば、欧米での1970年代以降の「移民政策」を見ていると、一度来た「移民は帰りません」。

ドイツの移民労働者は1950年代から流入していたそうです。その後1970年代になると、移民労働者の家族呼び寄せが広がっていき、外国人人口が増大していったそうです。

まあ、人間として家族と一緒に暮らしたいというのは自然の欲求ですね。

その人口を見ると、1951年(50万6千人)が、2003年(733万人)となり、2017年(941万6千人)とされています。

ドイツは、なんと1千万人近くの外国人を国内に受け入れているのです。そして「外国人」が、家族を呼び寄せれば、二世三世が生まれてきます。

ドイツ国内で、移民の背景を有する者は、2017年時点で1925.9万人(全人口の23.6%)と言われています。国民の4人に1人ですね。

ドイツの移民政策が、当初の「帰ってもらう」から「受け入れて同化する」に変わったのは2000年代初頭の頃と言われています。

日本は、いずれ「ドイツの移民政策の後を追いかける」か、それとも「外国人労働者」から選ばれなくなって、「国内の労働者不足であえぐか」のどちらかになると思いますよ。

さて皆さん、17年後の2040年の「日本」は、「外国人労働者」から「選ばれなくなる」か、それとも永住許可のある「移民制度」を完備するようになるかのどちらでしょうか?

コロちゃんは、前者に1票を投じますね。日本は衰退しても「移民を受け入れない道」を選ぶような気がします。残念ですけどね。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

👀 Mabel Amber, who will one dayによるPixabayからの画像

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