【社会考】「令和臨調」って何?

社会

コロちゃんが、バサバサ新聞をめくっていたら「令和臨調」という大きな見出しが目につきました。コロちゃんはおじいちゃんですから、「臨調」って聞いたことあるんですよね。

確か、昔にそんな名前の組織があったなー。「めざしの土光さん」なんか有名だったよなーと記憶がよみがえります。

当時の「臨調」のトップが元経団連のお偉いさんで、その方の朝食のおかずは「めざし」だとその清貧さが世の中に知れ渡っていたんですよ。

同じ清貧でも、コロちゃんとはずいぶん違いますねー。(´・ω・`)ショボーン

きょうは、その同じ名前の現在の「令和臨調」についてお話しします。

1.令和臨調とは何か

ポチポチ調べてみると、昨年2022年5月に、経済界・労働界・学識者が結集して「衰退国家日本の立て直し」を目指して発足したそうです。

正式名称は「令和国民会議」(略称:令和臨調)。

内容は、「統治構造」「財政・社会保障」「令和の国土構想」を提言するとなっています。

メンバーには、有名企業のトップがずらりと並んでいますね。

共同代表3名の出身は、キッコーマン・東京電力・日本郵政です。

まあ日本郵政は増田寛也さんですから、むしろ「日本創生会議」で「地方消滅」の警告を発した方と言ったほうが有名かもしれません。

すべての方が現在の政治と近いわけというわけではないですね。労働界からも3つの部会にそれぞれ1~2名ずつ参加されています。

コロちゃんは驚きました。とうとう産業界などから、このような動きが出てきたのかと。

日本の空が閉塞感に満ちている中で、政治の世界では相変わらずスピード感の欠けた議論ばかりがなされているように見受けられます。

そのなかで、とうとう声を上げる各界の実力者たちが現れたのです。

しかし、ちょっと待って下さい、むかし同じ名前の組織がありましたよね。

2.臨時行政調査会とは

かつて日本には、行政改革のために内閣総理大臣の諮問機関として「臨時行政調査会」という組織が設置されたことがありました。略して「臨調」。今回のと同じ名前ですね。

「第一次臨調」は1961~64年で「第2臨調」は1981~83年に設置され、行財政改革案を提言したとあります。

コロちゃんが覚えているのは、後の方の「第2臨調」ですね。

国鉄・電電公社・専売公社の分割民営化を大ナタを振るって成し遂げました。特に国鉄の分割民営化では、当時最強と言われた「国労」を弱体化させたことはよく知られています。

この時の第2臨調の土光さんは、経団連の元会長の経歴を持ちながら、その清貧な暮らしぶりがマスコミからも報道されていました。

当然のこととして国民の人気も高く、当時84歳で調査会長を引き受けると、思い切った改革提言を行いました。

あとから振り返っても、大胆な改革だったとは思いますね。

その過去の栄光のあふれる「臨調」という名称を冠した今回の組織は、本部が日本生産性本部に置かれています。

そのことからみても、この「令和臨調」は産業界の一定のマジョリティが後押ししてつくられたものと、コロちゃんは推測します。

期待してもいいんでしょうか。
(^o^)o ワクワク

3.「臨調」が訴えたもの

今回の令和国民会議(令和臨調)は、1/30に日銀の金融政策についての提言を発表しています。その内容は「異次元緩和が過度な財政支出や規制改革の遅れを招いた」との指摘です。

そして「金融政策に経済の構造改革そのものを変える力があるというのは思い過ごしだった」と強調しています。アベノミクスに対する強烈な批判ですね。

金融の長期緩和で広がったひずみとして、「生産性向上の遅れ」を強く指摘しています。

「超低金利やそれによって可能となった財政のばらまきでぬるま湯的な環境が生まれ、リスクに挑む企業が少なくなった」というのです。

そして「財政の信任も揺らぐ。日銀の国債保有率は22年に5割を突破。規律のゆるみで政府債務は国内総生産の2倍超に膨れ上がった」と手厳しい内容を突き付けています。

4.いよいよ水戸黄門が現れたのか

現在の日本の政治状況をみると、自民党と公明党の与党支配は圧倒的多数の下で盤石です。

少数政党の野党がいくら声をあげようとも、小選挙区制度の下では野党統一の道はなかなか難しいのはここ何回かの衆議院選挙で明らかです。

現行の小選挙区制度の下では、政治の世界から日本社会の抜本的改革ができないことはここ30年の歴史が証明しているのです。

しかし、日本社会は様々な面からシステムの劣化が進んでいるのは明らかです。その時にどうしたらよいのか。

歴史を顧みれば、社会を変革するのは「革命」か「クーデター」ですが、両方とも今の日本にはなじみません。

日本には、もっと国民的支持が高い土着の変革方法があるのです。

それは「水戸黄門」です。

5.悪代官を退治する「天下の副将軍」

「水戸黄門」とは、言わずと知れた水戸藩藩主である水戸光圀を主人公とした講釈・講談・映画・ドラマの題名ですが、その発祥は幕末からすでにあったとされています。

コロちゃんが知っているのは、TBSのドラマです。

勧善懲悪のお決まりのストーリーは、展開がわかっていても、それでも面白いんです。お決まりの印籠を出すシーンは、カタルシスがドパドパ満喫できます。

直近では2019年に武田鉄矢主演で放送されたそうです。まさに「国民的ドラマ」と言えるでしょう。

「♪人生落ありゃ苦もあるさ♪」のテーマソングの下で、悪代官を、副将軍という体制側の肩書で懲らしめるというストーリーは、日本人の感性によく合うのです。

徳川幕藩体制における副将軍は、権威はあるけど法的権力は何もなかったです。その体制内のお偉い人が庶民のために悪を打つ。そんなところが日本人の感性に響いたのではないでしょうか。

西欧は全く違います。ロビンフッドはシャーウッドの森に隠れて悪王と闘います。ヒーローは体制外の人間なんです。西欧では、体制内改革ではなく、体制転換の革命が国民性にあります。

6.日本の変革は、体制内からはじまる

歴史をみると、日本の改革は明治維新でもそうでしたが、体制内部の信望のある人間が始めることが多いとコロちゃんは思っています。

日本人は、偉い方がヒーローとして立ち出でて、悪代官を退治して庶民を救ってくれることを求めているのです。それが日本人の心の琴線に触れるのではないでしょうか。

ただこの「臨調」が、はたして「水戸黄門」になれるかどうかは、わかりませんが。

これはコロちゃんの勝手な解釈ですからね。悪しからず。

7.今回の「臨調」は成功するのだろうか

振り返って歴史をみると、日本社会の改革はいつの時代でも困難であったことがわかります。

前回の土光さんの第2臨調は、数少ない成功例だと思います。だからこそ今回も「臨調」という名称を借りたのでしょう。

今回の「臨調」の体制図をみると、「第一部会統治構造」「第二部会財政・社会保障」「第三部会国土構想」となっています。

新聞発表などをみても「金融緩和への提言」が強調されているところをみると、第二部会の提言が中心となるように感じられます。

「経済の構造を変える」ことと、生産性向上をめざすことは、これまで30年以上かかってもできなかった未踏の荒野です。

今回の「臨調」がどのような具体的提言をしていくのかを、引き続き注目していきたいです。

そして、今回の「臨調」が今後どのように進むのかコロちゃんは、興味深く見ていたいと思います。

きょうは、この「臨調」という面白そうな記事を皆さんにもお伝えしようと思って、ちょっと整理しながら書いてみました。興味のない方は、ごめんなさい、スルーして明日の記事をお楽しみください。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

JuncalaによるPixabayからの画像

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました