コロちゃんの1日は、時間がゆっくり流れます。
何せ、リタイア生活ですし、腰痛生活ですし、年金生活です。世の中のお邪魔にならない様に、小さくなって静かに世の中を見渡しながら生息しています。
コーヒーを飲みながら新聞を読んでいると、どうも若い人たちは時間が足りないらしい事に気が付きます。
1.「タイパ」という言葉
コロちゃんの話しじゃないですよ。コロちゃんは、時間はいっぱいありますからねー。
と言うか、時間しかないとも言う。
( ̄^ ̄゜)グスン。
「タイパ」って言う言葉を聞いたんですよ。「タイム・パフォーマンス」の事なんですってね。
「映画を早送りで観る人たち」(2022年 稲田豊史 光文社出版)という本が人気を集めて、昨年はトレンドワードに選ばれたり、今の若者を表しているって評判になったそうです。
「タイパ至上主義」という言葉もあると聞いて、今の人たちは、コロちゃん世代には、想像もつかないほど忙しい時間を過ごしていると思いました。
2.ネット時間と倍速視聴
それでは現在の若い方は、どのくらいの時間をネットの世界で過ごしているのでしょうか。
メディア視聴時間調査
総務省の調べた、社会の中堅である30~40代のネット視聴時間は、160~190分くらいですね。ここ4年間で50%ほど増える激増ぶりです。
コロちゃんの60代は100分くらいです。コロちゃんは、もう少し長くネットを見てますねー。だいたい平均の数倍は・・・。( ̄▽ ̄*) ・・・
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd242510.html
出典:総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(1月19日利用)
これは平日のデータですが、社会の中堅である若い方たちは、お仕事をしながら1日平均で3時間もネット環境に親しんでいることになります。
これでは時間が足りなくなりますよねー。「倍速視聴」という言葉が生まれてくる訳ですね。
倍速視聴
とにかく時間が足りない若者たちは、何とか時間を捻出しようとして「倍速視聴」という技を編み出したということがわかります。
では、皆さんの内のどのくらいの方が「倍速視聴」をしているのかをポチポチみてみました。幾つかの調査は有りますが、だいたいの傾向と数値はほとんど変わりません。
「Z世代(7~26歳)」では70%、「ミレニアル世代(27~42歳)」で63%。
「就職氷河期世代(43~51歳)」では55%、「バブル世代(52~57歳)」は60%が「倍速視聴する」と回答しているそうです.
皆んな凄いですねー。(゚Д゚)ホォー 。
コロちゃんは速すぎると、目と頭が付いていきません。
以上のように、現在の若者たちが時間が足りない生活を、とても忙しく過ごしています。コロちゃんは、それを踏まえて以下のように考えたのです。
3.日本社会が目指していること
現在の日本では、生産性を向上させて経済成長率を上向かせようと、多くの政策が提起されています。
皆さんもよく聞きますよね。「スキルアップ」とか「リスキリング」とかを。
皆さんに、新しい技術やスキルを身につけてもらって、生産性の低い分野から、生産性の高い分野に移動してもらって、日本全体の生産性を上げようというのです。
ところが、そのスキルアップを自己責任で行ないなさいというのが、現在の社会の動向のようです。
しかし、今の若者たちにそれだけの時間と資金の余裕があるのでしょうか。
OJT実施率は、世界的にも低い
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とは企業内で行われる職業訓練のことです。
かつては、日本企業内で活発に行われていて、日本的経営と賞賛された時代もあったのですが、現在では、実施率が減り続けておりOECDの平均すら下回っています。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/18/backdata/2-1-10.html
出典:厚生労働省 平成30年版 労働経済の分析ー働き方の多様化に応じた人材育成のあり方についてより(1月19日利用)
非正規雇用が38%
企業は、非正規雇用者に充分なスキルアップの資源を投じる事はしません。
非正規雇用は基本的には短期雇用ですから、リターンの見込めない投資は経済合理性からしても企業は行ないません。
そして、非正規雇用者はスキルアップの為の時間と資金を、なかなか自分では準備出来ません。
コロちゃんは、日本の生産性低下の理由の一つに、この非正規雇用の増大があると考えています。なにしろ全雇用者の40%近くが非正規雇用に身を置いているのですから。
図表1-3-18 非正規雇用労働者の割合の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出典:厚生労働省 令和2年版 厚生労働白書 (11月10日利用)
4.残業・共稼ぎ・育児・スキルアップ・・・
コロちゃんも、子たちからお話を聞いていますから、現在の若者たちの生活はだいたい想像はつきますが、余りにも忙しすぎるように思えます。
中堅の世代は、仕事は残業は多い。結婚していれば、コロちゃん世代とは違って共稼ぎが多いですから、家事の負担もあるでしょう。子どもがいれば育児の負担もかかってきます。
その上で、スキルアップの学習・研修を自己負担で、勤務時間外に行うことが出来たらスーパーマンです。
時々新聞で、女性の企業経営者が子どもを連れて大学で資格を取得した経歴を話す記事が載りますが、あれは稀有な例外的事例だから新聞が取り上げるのです。
皆んなが同じ事は決して出来ません。
5.時間は有限、無理はしない
コロちゃんは、以上のように若い人たちに「タイパ」や「倍速視聴」などの「時間意識」を持たせるような社会のあり方に問題があると思っています。
若い人たちの行動に異議を唱えるつもりは全くありません。
ただ、人間はそんなにいっぺんに物事が出来るようには、身体と頭が出来ていないと思うのです。
無理をするとどこかに皺寄せが行く事が多いのですから、お身体やストレスにお気をつけていただきたいと思っています。
政策担当者と企業経営者は、このような実情を考慮して、せめて世界の平均並みの制度を整えてほしいと思います。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に触りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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