【読書考】「新しい階級社会」を読んで

読書

おはようございます。今朝コロちゃんがワンコと散歩に出たら、もう「太陽さん」がギラギラと輝いていました。

サンサンじゃないですよ、「ギラギラ」ですよ。なんかコロちゃんは「真夏の太陽」をイメージしましたよ。

空を見上げれば「1片の雲」もありません。全天が「抜けるような青空」だったんですよ。「いやいや、今日は暑くなるなー」と呟いたコロちゃんでしたよ。

「梅雨の合間の晴れ間」という言葉がありますけれど、今朝の「青空」はもう「梅雨明け」したんじゃないかと思うような明るさでしたよ。

そんな「真夏の太陽にビックリしたコロちゃん」が、今日は「新しい階級社会を読んで」をカキコキしますね。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「新しい階級社会:著:橋本健二:2025年:講談社現代新書と、日本社会のアンダークラスは890万人いるよ」

☆「アンダークラスの年収は200万円だよと、アンダークラスは未婚者が多いよ」

☆「アンダークラスの供給源を見るよと、アンダークラスは消滅させようよ」

☆「アンダークラスには格差の連鎖はないよと、コロちゃんと結婚生活」

1.「新しい階級社会:著:橋本健二:2025年:講談社現代新書」

コロちゃんは、2000年代初頭頃から「社会学」に興味を持ち始めて、「社会の格差」についての一般書を読んできました。

その中でコロちゃんが最も「左派」と感じたのが、本書の著者である「橋本健二氏」です。「東京大学・大学院を卒業」後に「早稲田大学の教授」を務められていますね。

コロちゃんは、6月に「日経新聞の記事下の書籍広告欄」でこの「橋本健二氏」の新著が発行されたのを知り、さっそく「図書館にリクエスト」を申請して読んでみましたよ。

本書は「最新のデータ」による「日本社会」の「新しい階級社会の姿」を明らかにしたものです。副題として「最新データが明かす〈格差拡大の果て〉」がついていますよ。

コロちゃんが興味を覚えたのは、この「最新データ」に「2022年三大都市圏データ」が使われていることです。

これは、以下の内容のデータです。

◎「2022年三大都市圏データ」

➀「東京駅から 半径60㎞以内」
②「名古屋駅から半径40㎞以内」
③「大阪駅から 半径50㎞以内」
➃「上記の圏内に住む20~69歳の住民4.3万人が対象」

これと「SSM調査(社会階層と社会移動に関する全国調査)」を組み合わせて、データ解析を行なっているのです。

コロちゃんは素人ですが、それでも「三大都市圏の若者の姿」が、最も「現在の日本社会の格差」を赤裸々に表していることぐらいは想像が付きますよ。

まあ、そんな前書きはもういいでしょうね。本書は、かなり膨大なデータを紹介していますが、ここでコロちゃんがご紹介するのは、その内の数箇所だけですよ。

2.「日本社会のアンダークラスは890万人いるよ」

「橋本教授」は、前著の「中流崩壊※」や「アンダークラス2030※」などでも、「日本の5つの階級」を提示していました。

(※中流崩壊:朝日新聞出版:2020年)
(※アンダークラス2030:毎日新聞出版:2020年)

その「5つの階級構造」とは、以下ですね。

◎「日本社会の5つの階級構造」(少数点以下切り捨て)

①「資本家階級」
・「企業経営者、役員」
・「250万人:3%」

②「新中間階級」
・「専門職、管理職、正規雇用の事務職」
・「2051万人:32%」

③「正規労働者階級」
・「販売、サービス、製造、建設等、新中間階級以外の正規雇用者」
・「1753万人:27%」

➃「アンダークラス」
・「パート主婦以外の非正規雇用労働者」
・「890万人:13%」

⑤「旧中間階級」
・「自営業者、家族従事者」
・「658万人:10%」

おー、わかりやすいですね。「橋本教授」は、現在の「日本」では上記の➀~⑤の「5つの階級構造」が成立しているというのですよ。
(o゚Д゚)オー

そして「➀~④」がピラミッド型ですね。最後の「⑤自営業、家族従事者」は別枠になっていました。

コロちゃんは、この「5つの階級構造」は「橋本教授」の前著でも読んでいましたので、知ってはいましたよ。

だけど、あらためて見ると「②新中間階級:専門職、管理職、正規雇用の事務職:2051万人:32%」のボリュームが最大ですね。

この方たち「②新中間層2051万」が「中流世帯」ですね。そして「③正規労働者階級1753万人の上の方たち」も「中流世帯」となっているかと思われます。

しかし、その下には「④アンダークラス890万人」がデンと控えています。「橋本教授」は、この更に下に「59歳以下の失業者・無業者273万人」を図に書き込んでいます。

この2つの「アンダークラスとその下の層(失業・無業者)」を合計すると、「1100万人を超える貧困層」が顔を出してきていますよ。

これが「現在の日本の姿だ」と「橋本教授」は本書で主張されているのですよ。

なお上記の「➀~⑤の階級構造」は「就業者」のものです。だからコロちゃんのような「年金リタイヤ老人」は対象に入っていません。

これをお読みの皆さんは、上記のどこに所属しているのかお考えになっても興味深いと思いますよ。

3.「アンダークラスの年収は210万円だよ」

さて、次はコロちゃんが興味を持って見ている「アンダークラスの年収」を見ておきましょう。

下記でしたよ。これは「三大都市圏調査データ」からです。だから「都市部の年収」ですよ。

◎「5つの階級の経済格差」

①「資本家階級」
・「個人年収: 983万円」
・「世帯年収:1199万円」
・「総資産額:6335万円」

②「新中間階級」
・「個人年収: 567万円」
・「世帯年収: 819万円」
・「総資産額:2318万円」

③「正規労働者階級」
・「個人年収: 486万円」
・「世帯年収: 675万円」
・「総資産額:1385万円」

➃「アンダークラス」
・「個人年収: 216万円」
・「世帯年収: 379万円」
・「総資産額: 720万円」

⑤「旧中間階級」
・「個人年収: 411万円」
・「世帯年収: 669万円」
・「総資産額:3769万円」

うーむ、「⑤アンダークラス:216万円」の低さが目立ちますね。
( ̄へ ̄|||) ウーム

「⑤アンダークラスの個人年収216万円」は、「④正規労働者階級の個人年収567万円」の半分以下ですよ。

この「⑤アンダークラス」と、それより下の「失業・無業者」が合計1000万人以上いる社会が、今の「日本社会」なのですよ。

コロちゃんは、「年金収入」ですが金額的には「⑤アンダークラス以下の年金収入」で生活していますね。

ということは、「低年金老人」までを合計すると、「日本社会の貧困層」は1000万人をはるかに超える人数になるってことですよ。

4.「アンダークラスは未婚者が多いよ」

さてコロちゃんは、今までに「非正規雇用者は未婚者が多い」ということは知っていました。本書では「各階級の男女配偶関係」が記載されていましたよ。

これも「三大都市圏調査データ」からです。だから「都市部の未婚者の割合」ですよ。

ここでは「男性の婚姻率のみ」を書き出しますね。

◎「各階級の配偶関係:未婚:男性」(少数点以下切り捨て)

①「資本家階級  :15%」
②「新中間階級  :28%」
③「正規労働者階級:31%」
➃「アンダークラス:74%」
⑤「旧中間階級  :34%」

あー、やっぱり「➃アンダークラスは未婚者が74%」もいますよ。
Σ( ̄□ ̄∥)アー!

これも「都市部のデータ」ですけど、「④アンダークラスの男性」は「②新中間層の2倍以上」の未婚者となっていますよ。

コロちゃんが、ここで気が付いたのは「④アンダークラスの男性は家族が持てない」という事でした。これが意味するところは、「アンダークラスには子どもがいない」ということです。

このことは、覚えておいてくださいね。コロちゃんは、ちょっと気が付いたことがあるのですよ。後で書きますよ。

5.「アンダークラスの供給源を見るよ」

さて、上記のように「所得」も少なく「婚姻率」も小さい「アンダークラス」の人々ですが、それではどのような人がその「アンダークラス」についているのでしょうか?

「日本」では、4月1日に「新規学卒一括採用」の慣行が根強くあります。下記は「初職がアンダークラスの方」を対象とした内容です。

◎「学校を出てから就職までの期間と、初職時点の所属階級との関係」(少数点以下切り捨て)

●「初職がアンダークラスだった人」

①「直ぐに(1ヶ月未満で)仕事についた」
・「6%」

②「少々してから(1~3ヶ月以内に)仕事についた」
・「39%」

③「大分してから(4ヶ月以上)仕事についた」
・「39%」

➃「卒業する前から仕事についていた」
・「40%」

おー、上記を見ると「新職」の若者の「アンダークラス率」は6%と低くなっていますね。
( ̄o ̄)oオー

そりゃそうですよね。誰も好き好んで「学校」を卒業して最初の職業に「アンダークラス職」への就職は選ばないでしょうね。

しかしその後を見ると、「②1~3ヶ月以内39%」「③「4ヶ月以上39%」となっています。

これを見ると「アンダークラスの供給源」は、「4月時点の新卒一括採用」からこぼれた若者たちとなっていますよ。

もう一つ「アンダークラスの供給源」を見ておきましょう。これは「現在アンダークラスの方」の移動前は「どの階級に所属していたのか?」です。

◎「現在アンダークラスの方の初職時の所属階級」

❶「資本階級   :0.7%」
❷「新中間階級  :17%」
❸「正規労働者階級:27%」
➍「アンダークラス:37%」(最大)
❺「旧中間階級  :0.7%」

うーん、これって「現在がアンダークラス」の方たちで、最初から「❹アンダークラス」だった人は4割弱だってことですよね。
( ̄へ ̄|||) ウーン

それに「4月の初職」に「❷新中間階級:17%」や「❸正規労働者階級:27%」だった方が、その後に「アンダークラス」に落ちて来たってことですよね。

つまり上記を見ると、「アンダークラスの供給源」は、以下の2つになるってことですよ。

◎「アンダークラスの供給源」

➀「4月の新卒一括採用からこぼれ落ちた若者」
・「4割がアンダークラスへ」

②「4月の新卒一括採用後に転職」
・「初職が❷新中間層から17%がアンダークラスへ」
・「初職が❸正規労働者階級から27%がアンダークラスへ」

上記を見ると、「現在アンダークラス」の方たちの「初職からアンダークラス」だった若者は4割いるのですよね。

しかし、それ以外は他の「❷新中間階級から17%」と「❸正規労働者階級から27%」が落ちて来ているのですよ。

本書では、「人の階級はどうやって決まるか」で、以下のように記載しています。

「所属階級は出身階級、つまり父親の所属階級によって決定される部分が大きい。また学歴は所属階級に強く影響する」

「しかし、出身家庭での経験や学校を出るまでの経験も、所属階級に影響しており、とくに在学中の経験や、スムーズに就職できなかったことは、あとあとまで人々の所属階級に影響し、人々をアンダークラスに導くようだ」

いやー、これを見ていくと「4月一括採用の企業の選び方次第」で、その後の「アンダークラスの人生が決まってしまう」ようですよ。

何とも厳しい「椅子取りゲームの社会」に「日本社会」はなってしまったようで、コロちゃんはため息をつくばかりですよ。
ε=(・д・`*)ハァ…

6.「アンダークラスは消滅させようよ」

本書の「階級構造の5分類」が、現在の「日本社会で成立している」とすると、このままでは「アンダークラスの890万人」は、年収210万円程度で結婚も出来ない一生をおくらざるを得ません。

本書では最後に、以下のことを訴えています。

「利潤追求のために野放図な行動をとっていたグローバル企業、目先の利益のために低賃金の非正規雇用を拡大し、アンダークラスを増殖させてきた大企業の行動には、制約を課す必要がある」

「人々の仕事と生活を支えるために不可欠な、現状では低賃金の様々な労働、主にアンダークラスが担ってきた労働の価値を正当に評価し、所得そのものの格差を縮小する必要がある」

コロちゃんも全面的に賛同しますよ。

コロちゃんは、1970年代の20代のころからずっと「日本社会」を見ていて、1990年代のころから「日本はおかしな方向に進み始めた」と考えていますよ。

いいですか? 昔の日本には「貧乏人」はいても「アンダークラス」のような「結婚も出来ない社会階級」はほとんどいなかったのですよ。

本書は、現在の日本が、どれだけ「歪んだ社会」になり果てたのかが手に取るようにわかる本ですよ。

ただ「データ」がギッシリ詰まった新書ですから、読み慣れないと読むのがちょっと辛いかもしれませんね。325ページありますよ。

コロちゃんが、上記でご紹介したのはホンの一つまみですので、ご興味が湧いたからは是非本書を手に取って読んで下さいね。下記にフォトを添付しておきますよ。

7.「アンダークラスには格差の連鎖はないよ」

さて本書を読んだコロちゃんの感想ですが、ちょっと気が付いたことがありました。

それは「アンダークラス」には「世代を超えた格差の連鎖」はない事です。

だって「アンダークラス」に落ちた若者たちは「結婚」出来ないのですから、子どもを再生産することが出来ません。

そうなると毎年行なわれる「アンダークラス」の新陳代謝は、別の「階級に所属する方の子どもたち」から供給されることになります。

本書を読んでいると、その「供給元」は親が「新中間階級(17%)」か、親が「正規労働者階級(27%)」の子どもたちからとなることがわかりましたよ。

そのような構造を見ていると、現在の「都市部で中学受験熱」が高まっている理由が良くわかりますね。

恐らく「新中間階級の親」は、自分の子どもが「アンダークラス」に転落することを恐れているのでしょう。

だけどコロちゃんは思うのですよ。そんな社会でよいのですかって?
 \(・Д・||)オイオイ

まるで「椅子取りゲーム」のような社会ですよ。必ず誰かが「椅子に座れないアンダークラス」に落ちるのですよ。

今のままでは、私たちの周りに「個人年収216万円のアンダークラスの890万人」が結婚も出来ない環境で生き続けなければなりません。

コロちゃんは、かつての「一億総中流の日本」を知っていますからね。本書を読みながら、こんな社会はイヤだとムカムカしましたよ。
ヽ(`Д´*)ノヤダヤダ

8.「コロちゃんと結婚生活」

さて、最後の「コロちゃん話」は、コロちゃんの「独身時代の生活」とその後の「結婚生活」の話を書いてみましょう。

コロちゃんは、1970年代前半の20代になったばかりで妻と結婚しました。それ以前の独身生活では、自炊をしていましたが、貧しい食生活でしたね。

今憶えているのは「インスタントラーメン」が主食だったことですよ。当時の「インスタントラーメン」と言ったら、なんと言っても「チキンラーメン」です。

今でもまだ発売していますよね。当時の「チキンラーメンの値段」は35円でした。

それでも「国電の最低区間料金30円、銭湯が38円」の時代です。決して安くはなかったのですが、当然外食よりは激安ですね。外食の「ラーメンは100円台」でしたよ。

ただ当時20代のコロちゃんは、「チキンラーメン1袋」だけでは、とてもお腹いっぱいにはなりませんでした。

そこでコロちゃんが工夫したのは、その「チキンラーメン」に「小麦粉を練ったもの」を投入した、「すいとんラーメン」です。

この「すいとん」を入れると、たちまち「お腹がいっぱいで満足満足・・・ゲップ!」。
( ´З`)=3 ゲップ…

こんな貧しい「食生活」でも、「自由な生活」の魅力の前では気になりませんでしたよ。

そんな時に妻となる女性と知り合って、彼女の作る手料理にすっかり魅せられたコロちゃんは、一度夕食をご馳走されると、すっかり「餌付け」がされてしまったのですよ。

当時よく食べていた彼女の料理には「カレー、ナポリタンスパゲティ、餃子など」がありましたが、まだ若かったコロちゃんは、沢山食べましたよ。

美味しかったなー。
d(▽`*)ウマイ!!

その後まもなく妻と一緒に住むことになったコロちゃんは、もう過去の「すいとんチキンラーメンの世界」に戻ることは出来なくなってしまいました。

そりゃそうですよ。当時の「独身の若者たち」は、仕方がないから「貧しい食事でガマン」していたのですよ。

一度「餌付け」されてしまえば、もう「野生」には戻れませんよ。

なお、当時はまだ「昭和の真っただ中」です。当時は「料理男子」などは、その言葉すらありませんでしたよ。

皆さん「私つくる人、僕食べる人」というCMの話を聞いたことがありますか?

これは1975年にハウス食品のインスタントラーメンのテレビCMで流れた言葉です。テレビ画面から「女性が私つくる人」と言うと、隣の「男性が私食べる人」と返すCMでしたよ。

このCMは、放送開始から約1か月後に「婦人団体」の抗議でCMは放映中止となりましたが、当時の社会では「どこが悪いんだよ」という雰囲気の方が強かったのを憶えていますよ。

そんな「男は料理なんてしないさ」という時代が昭和でしたよ。そんな時代にコロちゃんは「結婚生活の楽しさと美味しさ」を満喫していたのですよ。

だからこそコロちゃんは、本日のテーマの「アンダークラス」の方たちが結婚しない・出来ないことには許せない思いを持っていますよ。

1970年代のコロちゃんですら結婚できたのですから、今の若者たちにも「結婚」という楽しい「家庭生活」を手にしていただきたいと思っていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします。
(^_^.)

おしまい

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました