おはようございます。いよいよ3月に入りましたね。コロちゃんは「春が来た」と思うと、心がウキウキと明るくなりましたよ。
なにしろ「腰痛コロちゃん」は、「寒いのが苦手」ですから今後日に日に暖かくなると思うと「今年の冬も生き延びた」という思いが浮かび上がってきますよ。
コロちゃんちの庭では、毎年芽を出していた「蕗の薹(ふきのとう)」が今年も小さな花を咲かせましたよ。
この「フキノトウ」は、植えたものではありません。いつの間にかどこからかタネが飛んできた(?)のか、1本だけ花を咲かせているのですよ。
もう10年以上も毎年春になると咲いていますね。増えもしなければ枯れることもない、なかなか辛抱強い花ですよ。
コロちゃんは、この花を見るといつも「春の到来」を実感していますよ。
そんなコロちゃんが、今日は「出生数最小72万人の影響はどこに?」をカキコキしますね。
0.「今日の記事のポイント」

コロちゃん
今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。
☆「出生数が過去最小になったよと、年金財政検証の将来予測は低位推計だったよ」
☆「合計特殊出生率予測の中位推計は外れたよと、楽観的なのか、それとも意図的なのか?」
☆「コロちゃんと将来予測」
1.「出生数が過去最小になったよ」
コロちゃんが、朝コーヒーを飲みながら新聞をバサバサ読んでいると1面トップに「出生数最小72万人」との大きな字の見出しが目に入りました。
コロちゃんは「やっぱりね」とつぶやきながら、この記事の内容を読んでみましたよ。昨年2024年に「日本」で生まれた子どもの数が、9年連続で過去最少となったというのですよ。
この「日本の出生数の記事」は、その重要さからでしょうけれど、この新聞の5面にも詳しく内容が解説されていましたよ。
コロちゃんは、この記事のネタ元の「厚生労働省」の発表文を探して見てみましたよ。以下でしたよ。
下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。
「厚生労働省 出生数 2024年」より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/s2024/dl/202412.pdf
出典:厚生労働省:人口動態統計速報より:2月28日利用
上記のグラフは、「厚生労働省」が発表した「2024年の出生数」です。赤色ラインが2024年で、黒色ラインが2023年です。
一目で昨年2024年(赤色)が、全ての月にわたって前年の2023年(黒色)を下回っているのが見えますね。下記に比較しやすいように前年の2023年と並べてみますね。
また「婚姻数数」と「合計特殊出生率(予測)」も書き出します。「合計特殊出生率」は確定値が9月に発表されますので、新聞報道から予測値を記載しました。
◎「出生数」
・「2023年:75万8631人」
・「2024年:72万0988 人」
・「前年比 :ー3万7643人」(5%減)
◎「婚姻数」
・「2023年:48万9281人」
・「2024年:49万9999人」
・「前年比 :+1万0718人」(2.2%増)
◎「合計特殊出生率」
・「2023年: 1.20」
・「2024年:1.14台」(新聞記事予測)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/s2024/dl/202412.pdf
(出典:厚生労働省:人口動態統計速報より:2月28日利用)
ざっと上記のような発表でしたよ。上記の通り、昨年2024年の「婚姻数」はやや増えましたが、「出生数」は前年2023年よりも「3.7万人減少の72万人」でした。
これは「外国人も含めた数」ですから「日本人のみ」を数えると70万人を割り込んでいます。この「対前年減少」は9年連続となっていますね。
コロちゃんが、この記事を読んで一番最初に感じた事は、2023年1月に始められた岸田前総理の「異次元の少子化対策」の政策効果が全くなかったことでしたよ。
さらに「新聞記事」では、「婚姻数」について「戦後2番目の少なさ」として、「コロナ禍の減少分」のリバウンド結婚が増えなかったことを「単身定着、価値観変化か」と指摘していますね。
そしてコロちゃんが気が付いたことは、このことが将来の「年金制度」にも大きな影響をもたらすという事ですね。
もちろん、それはコロちゃんたち「年金老人」だけでなく、現在の「現役の若い方たち全員」に影響が広く及びます。その事を次に書いてみますね。

2.「年金財政検証の将来予測は低位推計だったよ」
現在の「年金制度」では、5年に1回「将来の年金額など」を検討し「持続的な年金制度の安定」を計ることになっています。
昨年の2024年7月に「厚生労働省」は、その5年に1度の「年金財政検証」を発表しています。
その中には「年金の将来推計」として「合計特殊出生率」を3つのオプションで計算し「将来の年金の水準額」を発表しているのです。
だから、今日の冒頭の「少子化」が予測以上に進行すると、「年金の将来の受取額」が下がってしまうのですよ。
まずはその「年金の将来予測」を見てみましょう。

➀「出生率は、ほぼ低位推計だよ」
下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。
「厚生労働省 合計特殊出生率」より
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001270563.pdf
出典:厚生労働省:令和6(2024)年財政検証結果より:2月28日利用
上記のグラフは、「厚生労働省」が発表した「年金財政検証」の「合計特殊出生率の3つのオプション」です。下に書き出しますね。
◎「年金財政検証の合計特殊出生率の3つのオプション」
➀「高位推計:1.64」
➁「中位推計:1.36」
③「低位推計:1.13」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001270563.pdf
(出典:厚生労働省:令和6(2024)年財政検証結果より:2月28日利用)
冒頭の新聞記事での「2024年の出生数72万人」の、「合計特殊出生率」の確定値は9月の発表を待たなければなりません。
しかし新聞では「日本総研の藤波上席主任研究員の試算」として以下の数値が記載されていました。下記ですね。
◎「合計特殊出生率」
・「2023年: 1.20」(確定値)
・「2024年:1.14台」(予測)
この「2024年:1.14」という数値は、「年金財政検証」の「➁中位推計1.36」を大きく下回り、「③低位推計1.13」とほぼ同水準です。
上記グラフでは、一番下の「赤色ライン」ですね。現在のペースが続くと、今年の2025年の「合計特殊出生率」は、上記の「2024年:1.14台(予測)」より更に下がるかも知れません。
そうなると「将来の年金額の所得代替え率」が更に予測よりも下振れする可能性が高くなってきますよ。

➁「年金の所得代替え率は、大分下がるよ」
最初に、現在コロちゃんたちが受け取っている「年金」の「所得代替え率※」は「61.2%」です。
(※所得代替え率:65歳時の年金額を「現役世代の平均手取り収入(男性)」と比較した割合)
現在の「厚生年金額」は「平均で男性16.9万円:女性11.1万円」です。
だいたい「所得代替え率61.2%」というと「単身高齢者の場合」は、この程度の金額になります。
しかし、これが将来「合計特殊出生率」が低下すると下落しますね。それは「負担する現役世代」が減るからですね。
それに「経済成長率」が低下しても下落します。そのような仕組みになっているのですよ。
下記の表は、細かくて読みにくいでしょうから、こんな表があると思うだけで結構です。内容は以下に書き出しますね。
「厚生労働省 所得代替え率の将来見通し」より
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001270563.pdf
出典:厚生労働省:令和6(2024)年財政検証結果より:2月28日利用
上記の表は、「厚生労働省」が発表した「年金財政検証」の「人口、経済の前提が変化した場合の所得代替率の将来見通し」です。
4つの「経済成長率の将来想定ケース」を発表しています。
この中から、「合計特殊出生率」が、昨年「2024年の1.14台」に一番近い「低位推計1.13」の「将来の所得代替え率」を見てみましょう。
上記で書いたように、現在コロちゃんが受け取っている「年金額」の「所得代替え率は61.2%」です。それを頭に置いて、次をお読みください。
◎「所得代替え率見通し:低位推計:出生率1.13」
➀「高成長実現ケース」
(実質経済成長率:+1.6%)
・「所得代替え率:55.5%」
➁「成長型経済・移行継続ケース」
(実質経済成長率:+1.1%)
・「所得代替え率:56.4%」
③「過去30年投影ケース」
(実質経済成長率:ー0.1%)
・「所得代替え率:46.8%」
④「1人当たりゼロ成長ケース」
(実質経済成長率:ー0.7%)
・「国民年金は積立金がなくなる」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001270563.pdf
(出典:厚生労働省:令和6(2024)年財政検証結果より:2月28日利用)
上記の➀~④の全てのケースの「所得代替え率」が、「40%台~50%台」にまで下がっています。
しかし、この「①~④の経済成長率」はどれが実現するのでしょうか?「選択肢は4つ」ですよ。抜き出しますね。
◎「経済成長率の将来予測」
➀「高成長実現ケース :+1.6%成長」
➁「成長型経済・移行継続ケース:+1.1%成長」
③「過去30年投影ケース :ー0.1%成長」
④「1人当たりゼロ成長ケース :ー0.7%成長」
なお、最近の「実質GDP成長率の推移」は下記でしたよ。
◎「実質GDP成長率推移」
➀「2020年:-4.2%」
➁「2021年:+2.7%」
➂「2022年:+0.9%」
➃「2023年:+1.5%」
➄「2024年:+0.1%」
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
(出典:内閣府:2024年10~12月期四半期別GDP速報 (1次速報値)より:2月28日利用)
上記をジックリと見たコロちゃんは、「➀高成長実現ケース:+1.6%成長」はまず無理だと思いましたよ。
たぶん「➁成長型経済・移行継続ケース:+1.1%成長」か、「③過去30年投影ケース:ー0.1%成長」の間だろうなーと思いましたよ。
(´ヘ`;)ウーム…コレカナ?
そうなると、将来の「年金所得代替え率」は「③46.8%~②56.4%」の間のどこかになり、現在の「61.2%」より大分下がるだろうなあと考えましたよ。

③「将来予測がいつも甘いんだよ」
上記の「年金財政検証」は、既に見てきたように「5年に一度」行なわれています。その「将来予測」がいつも甘く外れているのですよ。ちょっと、そこを見ておきましょう。
比較するのは「2019年」に行なわれた「年金財政検証」と、「2024年」に行なわれた「年金財政検証」の「出生率予測」です。下記ですよ。
◎「年金財政検証:合計特殊出生率予測:2019年⇒2024年」
➀「出生高位:1.65⇒1.64」
➁「出生中位:1.44⇒1.36」
③「出生低位:1.25⇒1.13」
◎「実績値」
➀「2019年:1.36」
➁「2020年:1.33」
③「2021年:1.30」
④「2022年:1.26」
⑤「2023年:1.20」
➅「2024年:1.14台」(予測)
上記のここ6年間の「実績値」をみると、とても「出生高位予測の1.6台」なんかは考えられませんね。そして「出生中位予測の1.4~1.3台」も、甘すぎる予測としか言いようがないと思いましたよ。
コロちゃんは、「日本の将来の合計特殊出生率」はいずれ1.00の大台をいずれ割り込むのではないかと、厳しい眼で見ていますよ。「韓国※」みたいにですよ。
(韓国の合計特殊出生率は2024年:0.75)

3.「合計特殊出生率予測の中位推計は外れたよ」
「年金・医療・介護などにかかるお金」を「社会保障給付」と言いますが、2024年では137.8兆円です。(予算ベース)
これが2040年度には169兆円となると予測されています。
報道によると、この中でも「現役世代が負担する保険料と公費で賄う医療給付費は48%増の63兆円、介護は71%増の19.5兆円まで膨らむ」とされています。
これらの試算で使われるのが「人口の中位推計」です。だから、この「中位推計」が外れると「医療費・介護費」の将来の予測額が増えるのですよ。
それでは「国立社会保障人口問題研究所」で、昨年発表された「日本の将来推計人口(令和5年推計) 詳細結果表」から昨年2024年の「出生数の予測」を見てみましょう。
多くの「政府」の試算プランも、このデータの中の「中位予測」を使って作成されているのです。下記ですよ。
◎「社会保障人口問題研究所の出生数予測:2024年」
・「出生高位(死亡中位)推計:87.7万人」
・「出生中位(死亡中位)推計:77.9万人」
・「出生低位(死亡中位)推計:69.0万人」
(●2024年:出生数確定数:72.9万人)
https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/db_zenkoku2023/db_r5_suikeikekka_3.html
(出典:国立社会保障人口問題研究所:日本の将来人口推計:令和5年推計:詳細結果表一覧より:2月28日利用)
上記を見ると、昨年2024年3月に発表された、「国立社会保障人口問題研究所」の2024年の「出生数の予測は、「出生中位予測で77.9万人」と「確定数の72.9万人」を5万人も下回っています。
これでは「日本の将来人口推計」の「中位推計」を使っている「政府」の将来見通しが、みな変わってしまうのは当たり前ですね。
上記で見た「年金財政検証」も、この「中位推計」を利用しているのですよ。
なお、この「将来人口推計」の来年の2025年の出生数推計数は77.4万人、2026年の推計数は77.1万人(※)です。
(※みな中位推計です)
これは、どう見ても無理でしょう。
ヾノ゚д゚`)ムリムリ
コロちゃんはこれを見て、とても2024年の72.9万人から、今後5万人も上振れすることはあり得ないと思いましたよ。

4.「楽観的なのか、それとも意図的なのか?」
上記で見たように、「年金財政検証」もそうですが、「政府」の多くの予測を見るといずれも現実は下振れしているのがほとんどです。
その「楽観的な予測」がいずれもその後ハズレることが続いているように見えますね。
コロちゃんは、専門家の頭の良い官僚さんが、そんないつも「甘い見通し」を出していることに首をかしげてしまいますよね。
これは「甘い将来予測を出して欲しい政治家」への忖度なのか、それともついウッカリして将来を楽観視してしまっていたのか、コロちゃんにはわかりませんよ。
┓(´д`;)┏ ワカンナイ
ただ、「年金財政」や「社会保障負担」の試算は、それこそ多くの国民の「将来設計」にも影響する重大な予測です。
また「国家の将来の財政政策」にも影響が大きな試算ですよ。なにしろ「2025年度の社会保障費」は、予算案で「38兆円」です。
これは「2025年度の一般会計予算総額(115兆5415億円)」の約33%となります。
これだけの巨額の「国家予算」が投入される項目の将来試算ですから、「甘めの予測」などをしていたら、国家財政が揺らぎますよ。
コロちゃんは、今日「出生数過去最少の72万人」の新聞記事を読みながら、そんなことを考えていましたよ。

5.「コロちゃんと将来予測」
コロちゃんが、今まで生きてきた中で、いろいろ「将来を選択する道の岐路」に出会った時には、いつも3つの道を想像することが多かったですよ。
それは「楽観的な道」と「悲観的な道」と、その「中間の道」です。
人生の岐路は、ほとんどの場合はその「中間的なポイントに着地すること」が多かったのですよ。コロちゃんが30代の時に「転職を考えた時」にも、同じように考えましたよ。
その時は、「転職をしないでそのまま過ごす道」と「転職をして良い結果が出る道」「転職をして悪い結果が出る道」の3つを考えましたね。
その時の決断では、「そのまま過ごす道」よりも「悪い結果が出た道」の方が、コロちゃんの生き方としては「まだ許せる」と考えたのですよ。
それは「そのまま過ごす道」よりも、「転職した方」の「前向きなチャレンジの生き方」の方がコロちゃんにはあっていると考えたのですね。
だからコロちゃんは、「人生の岐路」においては「甘い見方」は常にしていませんでしたよ。
ですから、上記の「政府や国の組織の将来の甘い見通し」を読んで、コロちゃんがイラっとするのは、もともとコロちゃんには、そのような「甘さ」が好きではないからかもしれませんね。
だけど「日本の政府」は、「失われた30年」と言われるほどに「甘い将来見通し」を続けてきたのですから、そろそろ「厳しい現実」に正面から立ち向かって欲しいとコロちゃんは考えましたよ。
なお、上記で書きました「コロちゃんの転職」ですが、最初は「こんな厳しい仕事があったのか」と驚くほどに厳しいものでした。
しかし、その後すっかり慣れて馴染んで、結局は62歳で病気で退職するまで30年近く勤め上げることになりましたよ。
コロちゃんは、今現在を「年金清貧ライフ」ですごしながら「結果良ければすべてよし」と穏やかな心で振り返っていますよ。
今日は「出生数最小72万人の影響はどこに?」と、「将来の年金額」や「医療・介護負担」にまで影響が出ることを見てきました。
最後の「コロちゃんの転職話」は、いつもの「おまけの余話」です。気楽に笑いながら流し読んでいただければ嬉しいですよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。

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