【読書考】「社会保障のどこが問題か」を読んで

読書

おはようございます。今朝のコロちゃんは、ちょうど5時に目が覚めましたよ。

居間のファンヒーターは、昨夜寝る前に「4時30分にタイマー」をいれておきましたから、コロちゃんが起きた時には、もう部屋が温まっていました。

そうでもしないと、冬の朝はとてもつらいのですよ。

そしてワンコの散歩に出ましたが、朝早い方が外の気温は暖かいですね。最近は6時過ぎに散歩することが多いのですが、やはり日の出の時間帯が一番寒いような気がしますね。

だからと言って、毎日必ず5時に起きるとは考えないのがコロちゃんですよ。起きる時間は、「自然に目が覚める時間」なのが、コロちゃんの「清貧生活」ですよ。

そんな「気ままな生活」をおくっているコロちゃんですが、今日は久々の【読書考】です。「社会保障のどこが問題かを読んで」をカキコキしますね

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「社会保障のどこが問題か:著:山下慎一:2024年:ちくま新書と、労働者と自営業者とでは、社会保障のセットが別だよ」

☆「社会保障制度をどのように変革したらよいのかな?と、社会保険を編みなおすと提唱してるよ」

☆「制度が時代に追いついていないよと、コロちゃんと企業年金」

1.「社会保障のどこが問題か:著:山下慎一:2024年:ちくま新書」

コロちゃんは、普段から「日本の社会保障制度」は複雑でわかりにくいと思っていたんですよね。

現在コロちゃんは、「抗がん剤の副作用」で起きた「骨粗しょう症」による2回の「圧迫骨折」で、酷い腰痛となり、「介護保険」の「要支援1の認定」を受けているのです。

そして「介護保険」を利用して「週2回の訪問ヘルパー派遣」と「週1回の訪問リハビリ派遣」を受けているのです。

これは、それぞれが別の「事業体」から派遣されてきているのです。

「訪問ヘルパー」は地域の「社会福祉協議会」から来ますし、「訪問リハビリ」は「民間の訪問リハビリステーション」からきています。

しかし、コロちゃんちを訪問するのは、その2者だけではありません。その他にも「ケア・マネージャー」が「特別養護老人ホーム」から派遣されてきています。

分かりやすく見ると以下になりますね。

◎「コロちゃんちに来る介護保険関係者」

➀「訪問ヘルパー   :週2回」(社会福祉協議会)
➁「訪問リハビリ   :週1回」(民間業者)
➂「ケア・マネージャー:月1回」(民間業者)
④「訪問看護師    :月1回」(民間業者)
⑤「不定期」(社会福祉協議会)

ざっとこのような回数で、皆さんがコロちゃんちを訪問してくださるのですよ。

それは別に良いのですが、「➂ケア・マネージャー:月1回」と「④訪問看護師:月1回」は、それぞれ別の「民間業者」ですけど、コロちゃんに聞くことは同じ内容なのです。

そりゃコロちゃんだって、「④訪問看護師:月1回」は「医療」で、「➂ケア・マネージャー:月1回」は「介護」だくらいは分かりますよ。

だけど「同じことを聞くんだったら1回でもいいんじゃね?」って思っちゃいますよね。
(*´・д・)イインジャネ?

他にも「医療」と「介護」は、複雑な制度が絡み合っていることをコロちゃんは身をもって知っています。

それで、その成立の経過などを知ってみたいと考えて、コロちゃんは今日の【読書考】の「社会保障のどこが問題か」を読んでみたのですよ。

2.「労働者と自営業者とでは、社会保障のセットが別だよ」

本書の冒頭が「なぜ日本の社会保障は、これほどまでに複雑でわかりにくく、使いにくいのか」から始まっています。

「複雑でわかりにくい」と感じるのは、決してコロちゃんのみではなく、専門家の著者も同じ思いのようですね。

そこで、本書は「労働者と自営業者」の違いから始めています。

➀「会社員と自営業者では年金受給額が大きく違うよ」

皆さん「老後2000万円問題」を憶えていらっしゃいますか? これは2019年に金融庁の有識者会議で発表された内容ですが、本書では以下のように「自営業者」と比較しています。

これは、いわゆる「掴み(つかみ)」ですね。読者の興味がありそうなネタから入るのでしょう。

◎「老後2000万円問題」(退職後30年間の世帯収支から)

➀「会社員の老夫婦2人世帯 :年金月19万円:老後2000万円必要」
➁「自営業者の老夫婦2人世帯:年金月11万円:老後4880万円必要」

上記は「社会保障制度」の中の「年金」の例ですが、このように「会社員」と「自営業者」とでは大きな違いがあると書き始めています。

コロちゃんは、「自営業者が高齢者になった時に5000万円も貯めるのはかなり難しいだろうな」と思いましたよ。

そして「会社員と自営業者」の違いは「社会保障制度」全体にあり、本書ではその理由を一つ一つ取り上げているのですよ。

➁「五つの社会保険の会社員と自営業の違いを見てみる」

本書では「社会保険の最大の特徴は強制性にある」としています。そして、その5つの「社会保険」の内容を「会社員と自営業」の違いをポイントに紹介しているのです。

下記に書き出しますね。上が「労働者」で、下が「自営業」です。

◎「5つの社会保険:労働者」

➀「老齢:厚生年金」
➁「医療:健康保険」
➂「失業:雇用保険」
④「労災:労災保険」
⑤「介護:介護保険」

◎「5つの社会保険:自営業」

➀「老齢:  国民年金」
➁「医療:国民健康保険」
➂「失業:  適用なし」
④「労災:  適用なし」
⑤「介護:  介護保険」

この様に並べて比べてみると、「自営業」には「➂失業:適用なし」と「④労災:適用なし」の不利な扱いが目立ちますね。

上記の「社会保険の違い」を比較すると、以下のような違いがあるとしています。

◎「自営業と労働者の4つの保険内容の違い」

❶「老齢:厚生年金では平均月14.5万円だが、国民年金で月平均5.5万円」
 「障害年金・遺族年金も国民年金は低い」

❷「医療:国民年金には傷病手当金※・出産手当金がない」

(※傷病手当金:病気・ケガで仕事を休んだ時に賃金の6割を給付する制度)

❸「失業:自営業には雇用保険はない(失業時の生活保障がない・育児休業手当も介護休業手当もない)」

➍「労災:自営業には労災保険はない(フリーランスや配達代行業者も労災は適用外)」

いやいや、「会社員」と「自営業」とではだいぶ違っていますね。
ヾノ´ °Д°)イヤイヤ

まず「自営業」では、「失業保険・労災保険」がありません。さらに「医療保険」でも「傷病手当金・出産手当金」もありません。

更に、高齢になった後に受給する「国民年金では月平均5.5万円」」と「厚生年金の月平均14.5万円」と比べると、相当低い金額となっています。

これは、誰が見ても「自営業」が相当不利な制度になっているように見えますが、なんでこんな制度になっているのでしょうね。

次にそれを見てみましょう。

➂「厚生年金と国民年金の格差はいつできたのか?」

まず、最初に「国民年金と厚生年金がいつくられたのか」を見てみましょう。コロちゃんも、これが一番気になっていたのですよ。

だって現在の「年金受給額」は、「厚生年金」では平均月14.5万円ですが、「国民年金」では月平均5.5万円なんですよ。

コロちゃんは「清貧ライフ」をおくっていますから、月14.5万円(厚生年金)なら十分生活が出来ると言えますが、月5.5万円(国民年金)では、絶対に無理ですよ。
ムリ(゚ロ゚)ムリ(゚ロ゚)ムリ(゚ロ゚)ムリ

だったら、「国民年金を厚生年金」と統合して、みんなが「老後を不安なく暮らせる制度」にすればよいと誰しもが考えますよね。

それは、政府のお偉方と官僚の皆さんが考えないはずは無かったと思うのですよね。何かそれが出来ない大きな理由があったはずだと、コロちゃんは考えたのですよ。

❶「最初に厚生年金がつくられて、後から国民年金がつくられたよ」

それでは、次に「厚生年金と国民年金の成立の経緯」を本書の内容から書き出してみますね。下記ですよ。

◎「厚生年金と国民年金制度の経緯」

➀「1941年:労働者年金保険制度創設(工場の男子労働者対象)」
➁「1944年:上記制度が「職員」と「女性」に拡大される」

➂「1959年:国民年金制度創設(農民・自営業者対象)」
④「1985年:公的年金制度が抜本的に改革:1階部分の国民年金と2階部分のある厚生年金・共済年金が発足」

⑤「2015年:2階部分はすべて厚生年金に一本化される」

うーむ、最初の「➀1941年の労働者年金保険制度創設」と言うと、「真珠湾攻撃(12月8日)」のあった年ですね。

そうなると、これは戦争で徴兵される労働者の銃後の「家族対策」もあったのかも知れませんね。
( ̄へ ̄|||) ウーム

確かコロちゃんの知識だと、「給料から税金が天引きされる源泉徴収制度」は1940年(真珠湾攻撃の前年)に始まっています。

これも「戦費」となる「税金徴収」を確実に行なうためとされていますね。

だいたい歴史を見ると、抵抗が大きい「増税など」の政策は「戦争」をきっかけに導入されることが多いですね。

この「➀1941年:労働者年金保険制度創設」も、「真珠湾攻撃」を控えた慌ただしい世の中だから創設出来たのかも知れませんね。

おっと、話しがそれちゃいましたね。
( ̄、 ̄A) オット

この「年金制度の成立の経過」を見ますと、最初に出来たのは「➀1941年:労働者年金保険制度創設(工場の男子労働者対象)」ですから、現在で言うと「厚生年金」ですね。

ただ、この時点の「加入者の範囲は限定的」です。一部の「工場労働者だけ」で「女性」は入っていません。

その後に「➁1944年:上記制度が「職員」と「女性」に拡大される」となり、徐々に現在の「厚生年金」に近くなり、加入者の拡大が進んできます。

「国民年金」が出来たのは、「➂1959年:国民年金制度創設(農民・自営業者対象)」ですから、戦後4年目になりますね。

この1959年は、現在の「上皇ご夫妻が結婚された年」ですね。

当時の皇太子さまは29歳、美智子さんは24歳のカップルでしたよ。コロちゃんは、当時小学校低学年でしたから、全く記憶に残っていませんけれど。

おっと、また話しがそれちゃいましたね。
( ̄、 ̄A) オット

上記のように「国民年金」が出来たのは、戦前の「①厚生年金1941年」から、18年後の「➂1959年」と戦後になってからなのですよ。

では、なぜその時に「厚生年金に統合」しなかったのでしょうか? 本書では、その理由を次のように記載しています。

❷「当時の自営業は家族農業が多数だったよ」

本書では、上記「➂1959年:国民年金制度創設(農民・自営業者対象)」の創設時の国会での議事録から、当時の様子を記載しています。

現在では、主として「非正規雇用者」が多数となった「国民年金」ですが、創設時の対象者は「農業従事者と自営業者」です。

その実態は「農業従事者」がほとんどだったようです。

その国会での答弁から、当時の事情が明らかとなっています。

コロちゃんがざっと読んだ内容では、下記の3点が「厚生年金」のような報酬比例年金が導入されなかった理由ですね。

◎「国民年金が厚生年金と同じような報酬比例制度に出来なかった理由」

➀「すでにある厚生年金の給付額を引き下げる統合は出来ない」
➁「自営業者(大多数は農業)は定年がないから、60歳定年の雇用者とは異なる」
➂「自営業者は、低所得で所得税免除対象者がほとんど」
④「自営業者の所得把握は難しい」

上記を読むと、この当時の「自営業者」とは、そのほとんどが「大家族による農業従事者」だったのですね。

だから「定年」がありませんから、60歳定年(当時は55歳定年も多数)で所得がゼロになる「会社員」と違って「年金の必要性」が低いとの見方があったようですね。

また「厚生年金」の高い金額に、発足する「国民年金」を揃える統合は財政上も難しく、逆に「厚生年金」を引き下げる統合は反対が多いとなったようです。

更に、自営業者は低所得で「所得税の網」をすり抜けているので、そこを調べて「報酬比例制度(厚生年金)」を導入しようとすると、「国税庁をもう一つ作る構え」が必要だと答弁していますね。

このような「➀自営業者の所得把握が難しい」は、その後の1962年の「年金制度第2次改正」でも、同じ理由で「定額給付、定額保険料を維持」とされています。

それ以来「国民年金制度の改正」の議論は、この「➀自営業者の所得把握が難しい」が最大のネックとなって現状まで制度を変えられないとなったようです。

ただコロちゃんの意見としては、今では「大家族の家族農業」は無くなっていますし、もう時代の流れに合う制度に変えた方が良いと思いましたよ。この点は後で詳しく書きますね。

④「国民健康保険に傷病手当金と出産手当金がないのはなぜか?」

次は「健康保険」の「会社員と自営業の違い」がなぜ生まれたのかを見てみましょう。

現在の「会社員」は、会社ごとに作られている「健康保険組合(大企業)」か「協会けんぽ(中小企業」に加入しています。

それ以外の「自営業」や「非正規雇用・フリーランス」の方々は、自治体が運営している「国民健康保険」に加入しています。

その「会社員が加入する健康保険」では、「傷病手当金※」や「出産手当金」がありますが、「国民健康保険」にはありません。

(※傷病手当金:病気・ケガで仕事を休んだ時に賃金の6割を給付する制度)

その理由を、本書は「健康保険制度」の成立に遡って調べています。分かりやすく下記に書き出しますね。

◎「国民健康保険に傷病手当金・出産手当金がない理由の経緯」

➀「現行の国民健康保険制度が成立したのは1958年:国民皆保険が達成」
➁「当時は国民健康保険の自己負担は5割、他の公的医療保険は本人が負担ゼロで格差が大きかった」
➂「当時の焦点は、自己負担格差の是正にあり、他は後回しにされた」

上記を見ると、1958年の「国民健康保険」が創設された時には、自己負担が5割と高かったようです。

そして「会社員」の加入数する「健康保険」は自己負担がゼロで、その格差是正が焦点となっていたようですね。

なお、その他にも「国民健康保険の被保険者の職種構造」も理由とされたようです。下記ですね。

◎「1964年度の国保の被保険者世帯の職業」

❶「農林漁業:42%」
❷「自営業 :26%」
❸「被雇用者:18%」
➍「無職   :8%」

上記のように、当時の「日本」では、「❶農林漁業:42%」となっており、その内訳は大多数が「大家族農業」だったようです。

ですから当時の常識としては「病気・出産」となっても、「会社員」とは違うとの認識が、当時の社会にはあったようですね。

本書では「この方向性は1990年の段階でも継承されており、逆に言えば自営業者が傷病手当金を給付されないことは半ば当然のこととして捉えられているようである」と記載していますね。

これも、コロちゃんは言いたい事がいっぱいありますが、後でまとめて書きますね。

⑤「雇用保険と労災保険はなぜ自営業に適用されないのか?」

本書では「雇用保険・労災保険」が「自営業に適用されない理由」を、戦後の「失業保険(雇用保険の前身)・労災保険」の創設から始めています。

本書によると、「失業保険・労災保険」は、1947年に「労働基準法」の制定と同時に創設されています。

これを読んで、コロちゃんは直ぐに戦後の「GHQ(占領軍総司令部))」下の政治状況を思い出しましたよ。

「GHQ(占領軍総司令部))」が、日本の統治機構の上に君臨した時期は、「1945年9月2日の降伏調印式から1952年4月28日のサンフランシスコ平和条約の発効」まで続いています。

それを思うと、この「1947年」の「労働基準法と失業保険」の制定は、マッカーサーの「日本民主化戦略」の一つだったのでしょうね。

おっと、また話しがそれちゃいましたね。
( ̄、 ̄A) オット

それはともかく、この「失業保険・労災保険」は同時に「労働基準法」が制定されたことでもわかるとおり、対象者は「労働者」だったようです。

「自営業(多くは農業)」は、「労働者ではない」と言うことで、対象外だったのです。

これも当時では「家族農業の農業従事者」は「労働者とは違う」と言う社会認識が一般的だったようですね。

なお、現在でも「公務員」は「雇用保険」の対象外とされています。

「公務員は失業のおそれが少ないから」と言う理由のようですが、雇用が流動化しつつある現在では、これも「時代にそぐわない」と、コロちゃんは思いますよ。

上記のように「国民年金・国民健康保険(傷病手当・出産手当金)・雇用保険・労災保険」の創設時には、当時の時代状況を反映した「それなりの理由」があったと、本書では書いています。

しかし、それらの「時代状況」は現在では全く変わっています。これらの「制度」を現状に合わせて改革する必要を、本書では次のように書いていますよ。

3.「社会保障制度をどのように変革したらよいのかな?」

本書では、他にも「生活保護」の問題や、憲法の「勤労の義務」の位置づけなど、多数の問題を扱っていますが、それらはすべて端折ります。

最後に、著者が上記した「社会保障制度」をどのように改革するべきかの本書の提案をご紹介しますね。

◎「社会保障制度の改革案」

➀「厚生年金・国民年金」
・「所得に比例する単一かつ一層型の公的年金制度を作り、そこに全国民が加入するという仕組みとする」

➁「医療保険」
・「国民健康保険(自営業者)にも傷病手当金・出産手当金についても恒久化・義務化する」
・「国保の都道府県組合は全国で1700、企業健保が1800あるので、全国での統合は難しい。傷病手当金・出産手当金を共通の支給とすることで目的は達成される」

➂「雇用保険」
・「もともとは労働者をう対象とした雇用保険に、自営業・フリーランスも含めて『失業の概念』を自営業者の『廃業』にまで広げる」

④「労災保険」
・「企業と国家は、労働者・自営業問わず、働く人の働きによって利益を上げていると見ることもできる」
・「企業と国家が働く人全体の仕事上の事故に対して損害を補償すべ期であるとの見方も出来る」

ざっと、上記のような「社会保障制度の改革案」を著者は提示しています。そして、その為に「マイナンバー制度」を活用すべきと書いていますね。

「マイナンバー制度」を、徹底活用することによって、「自営業者」の「所得の捕捉」と「経費の履歴」や「保険料徴収」までを行なう事を提唱していますね。

4.「社会保険を編みなおすと提唱してるよ」

そして、本書では「社会保険を編みなおす」として、以下に「整理統合」するとしています。

➀「年金」
・「厚生年金・国民年金の老齢年金・障害年金・遺族年金、労災保険の障害年金・遺族年金を単一の年金制度に纏める」

➁「短期的所得保険」
・「『医療保険』の傷病手当金・出産手当金」
・「『雇用保険』の失業時の給付金・育児休業給付金・介護休業給付金」
・「『労災保険』の休業給付」

➂「医療サービス給付」

④「介護サービス給付」

この上記の「➀~④の4つ」に、「社会保険」を統合すると提唱していますね。

これによって「制度の複雑さは解消し専門家ではない人にとっても、直感的に理解しやすい社会保障にすることが出来る」としているのです。

うーむ、ここまで専門家が詳細な制度設計を展開されると、素人のコロちゃん程度では、もう「お腹いっぱい」で言葉が出ない思いを持ちますが、次にコロちゃんの感想を述べてみましょう。

なお、この「社会保障のどこが問題か」と言う本をお読みになりたい方は、下記のリンクをご参考にしてください。

5.「制度が時代に追いついていないよ」

上記のように「社会保障制度」全部を見てみますと、やはり一番大きな問題は「自営業」と「会社員」の間に横たわる「大きな格差」でしょう。

「国民年金では月平均5.5万円」」と「厚生年金の月平均14.5万円」の格差は、いざ高齢者となった時に、「生活できる金額か、生活が出来ない金額か」に直結しています。

今の政府は「NISAとiDeCo」を推奨することによって、「自己責任で老後を計画」と叫んでいますが、「全国民」を考えれば「一定数の貧困者」が生じることは明らかです。

その「一定数の貧困者」の人数ですが、現在の「住民税非課税世帯数」が1300~1500万世帯であることを考えると、将来の「貧困者数」も1千万人レベルとなることは目に見えています。

「自営業者」は、将来の「年金受給額」だけではなく、「医療保険」でも「傷病手当金・出産手当金」がないなどの不利な条件に置かれています。

「雇用保険・労災保険」がないなども、今の時代に合わないことは明らかですね。

〇「時代の推移を見てみよう」

上記の本の「社会保障のどこが問題か」では、「自営業者」のほとんどが「農業従事者」だった時代には、違和感なく「国民健康保険制度」を受け入れていた様子が書かれていました。

その当時と現在の「自営業者」はどのくらい違っていたのでしょうか?

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 国民年金第1号被保険者の就業状況」より

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/140-15a-r02-01.pdf
出典:厚生労働省 令和2年国民年金被保険者実態調査:結果の概要より(12月5日利用)

上記のグラフは、「厚生労働省」が発表した「国民年金第1号被保険者」の「2020年の就業状況」です。

この「第1号被保険者」とは、「自営業者や農業者とその家族、学生、無職」になります。「第2号」が「会社員・公務員」で、「第3号」が「専業主婦」ですね。

下に書き出しますが、比較のために、上記の本の中で紹介されていた「1965年度の国保加入の世帯主の職業別世帯数割合」と比べてみますね。

◎「1965年度国保加入の世帯主の職業別世帯数割合」(少数点以下切り捨て)

➀「農林水産業:42%」(ボリュームゾーン)
➁「自営業  :25%」
➂「被雇用者 :19%」
④「無職     :6%」

◎「令和2年国民年金第1号被保険者の就業状況」(少数点以下切り捨て)

➀「自営業主     :19%」
➁「家族従業者     :7%」
➂「常用雇用:      6%」
④「パート・アルバイト:32%」(ボリュームゾーン)
⑤「無職       :31%」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/140-15a-r02-01.pdf
(出典:厚生労働省:令和2年国民年金被保険者実態調査:結果の概要より(:2月5日利用)

上記を見ると、一目で「1965年当時」に一番多かった「➀農林水産業:42%(ほとんど農業)」が、「令和2年(2020年)」には無くなっているのが分かります。

「令和2年(2020年)」に一番多い職種は、「④パート・アルバイト:32%」の「非正規雇用」です。

これを見ても、もう「自営業者」を対象とした「国民年金・国民健康保」を始めとした「社会保険制度」が、時代の流れに合わない存在になっていると、コロちゃんは考えていますよ。

本書は、専門的な内容がぎっしりと詰まっているだけに、コロちゃん程度では全面的に制度を理解できたとは到底言えません。

しかし、もう「社会保障制度」を改革する必要があることだけはハッキリと分かりましたよ。

6.「コロちゃんと企業年金」

コロちゃんは、1970年代初頭に東京に上京してきた後に、いくつかの会社に勤務しました。最初の勤務先は「東京都の板橋区」にある「工場」でした。

ここは青年コロちゃんには合わないかったのか、直ぐに退職してしまいましたが、この会社には「企業年金(3階)」があったのですよ。

「年金制度」は、1階が「国民年金」で2階に「厚生年金」があります。そして会社によっては、その上の3階の「企業年金」があります。

コロちゃんは、当時もその後も、ずっとその「企業年金」については全く知りませんでした。

初めて知ったのは、60歳になる直前に「年金事務所」を訪ねた時です。コロちゃんの「年金記録」にシッカリと40年前の勤務歴が記載されていたのです。

コロちゃんは、その時ビックリしましたよ。

「はて、こんなところに勤務したことあったかな?」byコロちゃん
(。・_・?)ハテ?

うーむ、そういえば・・・・、勤めたことがあったような気も・・・?
( ̄へ ̄|||) ウーム

そうだ!( ゚д゚)ハッ!

そういえば、あそこの「社員食堂」がまずくて嫌になったことがあったな。うんうん、確かに勤めていたよ。だけど、直ぐに辞めたんだよね。

コロちゃんがどのくらい勤めていたかと言うと・・・聞かないでくださいよ。その「企業年金の受給額が年間1500円だ」と言うことで、お察しください。
(´罒`)ニシシ♡

この様に「年金記録」は、当人が忘れていてもキチンと記録が保存されています。
(時々消えた年金があります)

皆さんも、将来高齢になった時に頼りになるのは、なんと言っても「年金」ですよ。その大切な「年金制度」について、たまにはいろいろ考察してみるのも良いと思いますよ。

今日は、コロちゃんの【読書考】「社会保障のどこが問題か」を読んでのご紹介と、コロちゃんの感想をお伝えしましたよ。

また、興味深い本があった時には【読書考】を書きますので、またお読みにお立ち寄りくださいね。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

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