【経済考】なぜ「生産性」は上がらないのか?

経済

おはようございます。今朝は冷たい霧雨が降っている天気でした。先週はとても暖かく春が来たような良い気候だったのですが、今日は1℃と真冬に逆戻りです。

コロちゃんは、ワンコと一緒にいつもの散歩で歩いてきましたが、このワンコはとても「寒がりのワンコ」で、家に入ると同時にすぐに「こたつ」の中に駆け込んでいましたよ。

まったく、しょうがありませんね。「こたつ🐈」はよく聞きますけれど、コロちゃんちのワンコは「こたつ🐶」になってしまっていますよ。

ただ可愛いから許してあげましょう。
|。_。|ユルス

今日は「なぜ生産性は上がらないのか?」をカキコキします。

0.「今日の記事のポイント」

by<br><span class="bold-blue">コロちゃん</span>
by
コロちゃん

今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。

☆「経済の好循環と労働生産性と、国際比較2023」

☆「なぜ、労働生産性は上がらないのかと、1位東京都と最下位青森県の違い?」

☆「全要素生産性と、研究開発ストックという概念」

☆「地方の研究開発力強化は出来るかと、結局は人口減少に行きつく」

☆「やはり魔法の杖はないよね」

1.「経済の好循環と労働生産性」

現在「岸田総理・植田日銀総裁・十倉経団連会長」らが、やっきになって「物価高を上回る賃上げ」を進めて「経済の好循環」を達成しようとされています。

しかし、この「物価高を上回る賃上げ」は、今年2024年だけ達成すれば良いと言うものではありません。

来年度以降も持続的・継続的に達成しなければ、「経済の好循環」は途切れてしまいます。

その「持続的・継続的な賃上げ」のためには、「労働生産性の向上」は欠かせません。

「労働生産性が上昇」すれば、労働分配率を一定とした場合には、「実質賃金」は上昇する関係にあります。

ですから「持続的な賃上げ」の為には、「持続的な労働生産性の上昇」を計る必要があると言う事になります。

この「持続的な労働生産性の上昇」がなされなければ、「賃上げは一時的」なものとしかなりません。

それでは、この「持続的な労働生産性の上昇」は、現在の「日本企業」で出来るものなのでしょうか。

コロちゃんは、今までに「失われた30年」と自嘲気味に語られていた「日本企業」が、昨年からいきなり変身しているようにはみえませんから、無理なんじゃないかなー、と思っていますけどね。 

2.「労働生産性の国際比較2023」

この「労働生産性」については、昨年の12月22日に、「日本生産性本部」が「労働生産性の国際比較2023」を発表しています。

その内容は以下の通りです。

◎「労働生産性の国際比較2023:OECD加盟38ヵ国」

①「時間当たり労働生産性(1時間当たり付加価値):52.3㌦(5099円):30位」

このOECD加盟38ヵ国中30位は、1970年以降最も低い順位だとしています。

②「一人当たり労働生産性:85329㌦(833万円):31位」

こちらのOECD加盟38ヵ国中31位も、1970年以降最も低い順位となっています。なお、この数値はポルトガルやラトビア・ハンガリーとほぼ同水準と伝えられています。

③「製造業の労働生産性:94155㌦:18位」

こちらは、OECDに加盟する主要34カ国中18位で、米国の6割弱でフランスとほぼ同水準と伝えられています。

また、2000年には「日本」がOECD諸国中トップだったが、その後2015年以降は16~19位で推移していると記載されています。

上記で最新の三つの「①②③の労働生産性」のデータを見ると、「物価を上回る賃上げ」や「経済の好循環」の為に「労働生産性を上げる」どころじゃないですよね。

逆に「日本」の「労働生産性」は低下しているのが現実となっています。

あらら、これじゃ毎年賃上げできるのでしょうか? 

ちょっと不安になりますよね。それでは次に「なぜ労働生産性は上がらないのか?」を見てみましょう。

3.「なぜ、労働生産性は上がらないのか?」

コロちゃんは、素人の市井のおじいちゃんですから「経済学」の難しいことは分かりません。

ただ「趣味」として、世の中の「経済」を大雑把に見渡しているだけなのですが、上記の「なぜ、日本の労働生産性が上がらないのか?」という疑問は、常々思っていました。

そんな時に、コロちゃんが普段読んでいる「日経新聞の経済教室」の「生産性停滞 要因と対策:地方の研究開発力底上げを」というテーマの「論考」を読んだのです。

記載者は「徳井丞次信州大学教授」です。専門は「マクロ経済学者」ですね。

ハッキリ言って、この論考はコロちゃんの知識では難しすぎると感じましたが、出来るところまで簡単にご紹介してみたいと思いますね。

4.「生産性の高い東京都と、生産性の低い青森県の違いは?」

まず最初に「徳井教授」は、日本の「生産性停滞の要因として地域格差」を提示しています。この「生産性の地域格差」を「生産性格差の国際比較」と重ねてみたそうです。

その上で、日本で一番「生産性の高い東京」と「生産性の低い青森県」とでは、57%の開きがあるとしています。

コロちゃんは、東京の生産性が高いのは知っていましたが、2倍近い「生産性」の違いには、ちょっと驚きましたね。

そして「徳井教授」は、「この30年間で国内の地域間格差は徐々に拡大する傾向にある」と続けます。

次に「産業」を製造業・非製造業に分けると、地域間生産性の格差の大部分はサービス業によって生じている」としています。

「サービス業は人口集積が多いほど効率が上がる性質を持っている」から、いち早く人口減少が進んだ地方圏では生産性が低下したというのです。

さらに「地方圏」では、サービス業のコストである電気代や水道代が、「都市圏」よりも割高となっているので、人件費の安さだけでは「労働生産性の地域格差」は拡大する一方だとしています。

これは、コロちゃんのような経済の素人でも理解できる理屈です。そして、原因が「地方圏の人口減少」だったら手の打ちようはないと思いましたね。

5.「全要素生産性という概念」

この次に続く内容が難しくて、コロちゃんにはなかなか理解できませんでした。ちょっと触れてみますね

まずは「全要素生産性(TFP)」という概念が出てきます。

これはコロちゃんも聞いたことはありますね。この「全要素生産性」は、一般に「イノベーション」とも言われていますね。

「GDP」を要因別に分けると「資本投入量」+「労働投入量」+「全要素生産性(TFP)」=「GDP」というのがコロちゃんの理解です。

そして「資本投入量」と「労働投入量」と「GDP」はデータから確認できますが、「全要素生産性(TFP)」はデータで確認できませんから、引き算で数値を出すとなっていますね。

ですから「全要素生産性(TFP)」は、一般に「イノベーション」とされていますが、そうではなく「単なる残渣」かも知れないと書いている書籍もありました。

ここまでが、前段です。上記に書いたことは「経済教室の論考」ではなく、コロちゃんの理解ですので間違っているかもしれません。

この「全要素生産性(TFP)」ですが、「地域格差をもたらす要因がなかなか説明できなかった」と、徳井教授は記載するのです。

6.「研究開発ストックという概念」

ここで「徳井教授」は、「全要素生産性の地域格差をもたらす要因」として「研究開発ストック」という概念を提示するのです。

この「研究開発ストック」という言葉は、コロちゃんは初めて聞きました。そこでポチポチとネット検索をしても、専門レポートや学術レポートしか出てこないのです。

いろいろ見ていると、「企業の研研究開発の拠点や人員への投資」を指しているものと思われますが、あまり一般には使われていない言葉だと思いますね。

ここで「徳井教授」は、「各都道府県の労働投入(マンアワー)あたり研究開発ストック」を示しています。

上記で「全要素生産性の地域格差」を「トップの東京都と、最下位の青森県」と見てきましたが、この「研究開発ストック」もそれに完全に正比例に対応しているというのです。

そして「研究開発ストック」の地域格差は、過去四半世紀で顕著に拡大していると記載しています。

ここで「徳井教授」が強調していることは、「地域の研究開発集約度が、地域の労働生産性格差や全要素生産性(TFP)格差とも、明瞭な正の相関と示している」ということです。

つまり「徳井教授」は、「労働生産性の格差」や「全要素生産性の格差」は、「地域の研究開発集約度」とシンクロしていると言うのです。

この言い方だとわかりにくいですね。

もっとざっくり言うと、「地方圏の労働生産性が上がらない理由」は、「地方圏の研究開発集約度が低下したため」だ、と言えばいいでしょうか。

「徳井教授」は、この論考で、「今まで全要素生産性格差をもたらす要因・・・研究ストック集約度がその答えだった」と結論付けています。

7.「地方圏の研究開発力底上げは出来るか?」

上記で結論付けた「研究開発集約度の地域間格差の拡大」の背景として、「徳井教授」は日本の産業構造の転換があるとしています。

「インターネット」の急速な普及を受けて、技術開発の中心は「情報通信技術」とそれを活用した「サービス分野」が伸びたとしています。

それらの「産業構造の変化」を受けて、日本各地に分散していた研究開発の拠点が都市部に集中していったとしているのです。

しかし、それらの「研究拠点」を再び地方に移転させることは、研究者をその家族ごとに移住させる必要があるために困難と指摘しています。

この「論考」の最後は「各地域に根付いてきた産業の発展の為にどのような支援策を検討していくかが問われている」と締めていますが、コロちゃんはそれは無理でしょうと思いましたね。

少々の支援策程度で、このような「マクロ経済」の数値はそうそう動かないだろうと、コロちゃんには思えるのです。

8.「結局は人口減少に行きつく」

この「徳井教授」の論考では、「日本の生産性低下」の原因を「地方の生産性の低下」と見て、その理由として「研究開発拠点が都市部に集中していった」ことをあげています。

しかし、その「都市部集中の理由」が、「情報通信技術」とそれを利用した「サービス業の発展」だとしています。

そうであるならば、「研究開発の拠点」は、サービス業が現実に展開されている「都市部」から離れるわけにはいかないのではないでしょうか。

ロちゃんが、今までに知ったことは、大都市に人口が集中することで「サービス業」が効率化されて生産性が上昇することでした。

それが上記の内容では、研究開発の拠点や人員が都市部に集中することによって、逆に地方が衰退していたという見解です。

コロちゃんは、過去に「地方」に分散していた製造業の工場と、それに付随していた研究開発拠点が、2000年代初頭に工場の海外移転により「地方」から消えていったことが頭に浮かびましたね。

かと言っても、現在「都市部」に集中している研究開発拠点を、過去にあったように全国に再配置することはまず出来ないでしょう。

そしてたとえ実行できたとしても、それで「全国の労働生産性」が上がるかどうかは疑問ですね。

このように考えていくと「結局は人口減少という構造的問題」に帰着してしまうように、コロちゃんには思えましたね。

なお、この「徳井教授」の「経済教室」を読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

生産性停滞、要因と対策 地方の研究開発力の底上げを - 日本経済新聞
ポイント○30年間で国内の地域間生産性格差は拡大○東京への研究開発ストックの集中顕著に○地域の創造性担う人材の地道な育成カギ日本生産性本部が公表した最新の労働生産性の国際比較で示された日本の1人あたり労働生産性は衝撃的な結果だった。経済協力開発機構(OECD)諸国の中で一段と順位を下げ、38カ国中の31位に転落した。対...

9.「やはり魔法の杖はないよね」

コロちゃんは、「失われた30年」の最後の方の一時期を除く、ほとんどの期間を現役で働いてきました。

バブル崩壊以前の1980年代、そして1990年代も2000年代も、景気は良くないと言っても世の中には「低位安定」のような長い「ぬるま湯」のような時間が流れていましたね。

それらの時代に「経済対策」が無かったわけではありません。

その時々の「政府・総理大臣」は、一生懸命に取り組んでいたと思います。

1990年代に「小渕総理」は、巨額の財政投入を行なっていて、「世界一の借金王です」と記者会見で自嘲気味に答えていたのを覚えていますね。

その結果「政府」が赤字国債を出して、財政を投入しても効果がないことがわかりました。

2000年代の「小泉総理」は、「聖域なき構造改革」を叫び、生産性をあげようと効率化を進め、非正規雇用を増やしたりしていました。

その結果、政治が不安定化しましたが、経済成長は出来ませんでした。

「安倍総理」は、ご存じのアベノミクスで「異次元の金融緩和」を主張しました。

その結果は、みなさんもうご存じの通り、株価は上がりましたが滴り落ちる「トリクルダウン」は起きませんでした。

あとから結果を見てみると、これらのどの「政策」も国民の支持は高かったのですが、「経済成長率」が大きく上向くことはありませんでした。

現在の岸田総理の「経済政策」は、「物価を上回る賃上げをすれば経済の好循環となり成長できる」としています。

だけどね、コロちゃんはもう30年以上「経済」を見てきていますから、眉に唾を付けて聞いているんですよ。

話はちょっとそれますけれど「眉に唾を付ける」の由来には、二つの説があるそうですね。

一つは、眉に唾を付ければキツネやタヌキに化かされることがないという言い伝えからきた説があるそうです。

もう一つの説は、平安時代の藤原秀郷が大ムカデ退治をした時に、大ムカデの吹く炎を眉に唾を付けてしのぎ、矢にも唾を塗って退治したとする伝説から来ています。

古来から唾は魔力を封じる力があると信じられていたそうです。

ただコロちゃんが眉に唾を付けても、「物価を上回る賃上げが実現する」未来は見えませんでしたよ。

だってコロちゃんが見聞きしてきた「経済対策」は、これ4度目ですよ。下記に書いてみますね。

❶「1990年代:小渕総理:財政政策」
❷「2000年代:小泉総理:構造改革」
❸「2010年代:安倍総理:アベノミクス」
➍「2020年代:岸田総理:経済の好循環」

この❶~❸は、全て失敗して、経済成長率が上向くことはなかったのです。

これだけ見てくれば、今度の「➍2020年代:岸田総理:経済の好循環」も失敗しそうだなと思うのも無理はないでしょう。

やはり「マクロ経済の問題」には、何か一つを解決すれば全部スッキリ解決できるような「魔法の杖」はどこにもないものだと、コロちゃんは思いましたよ。

人口が減少し続けるこれからの「日本」では、その減少に合わせて「社会システム」を適応させることを、辛くとも進めることが必要なんだと、コロちゃんは考えますよ。

このブログをお読みの皆様は、どのようにお考えでしょうか? たまにはこのようなことを考えてみるのも、興味深いですよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

11082974によるPixabayからの画像

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