お早うございます。今日は朝からまるで「梅雨明け」したかのようにギラギラと太陽さんが顔を出していました。
今日の日中は、確実に30度台半ばを上回っていくと思います。コロちゃんは、家の中に籠りますが、麦茶をガブガブと飲むようにしますね。
皆さまも熱中症には、お気を付けください。
今日は、聞いただけで暑くなりそうな話題の「物価高」に追いつかない「実質賃金」のお話をポチポチします。
1.「名目賃金」と「実質賃金」
皆さん「実質賃金」をご存じですか。賃金の指標には、この「実質賃金」と「名目賃金」に二つがあるのです。ややこしいですよね。
下記の引用をご覧ください。
「ウイキペディア 実質賃金」より
「実質賃金とは、労働者が労働に応じて取った賃金が実際の社会においてどれだけの物品の購入に使えるかを示す値である。賃金から消費者物価指数を除することで求められる。」
「このときの賃金、すなわち貨幣で受け取った賃金そのもののことを名目賃金という」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E8%B3%AA%E8%B3%83%E9%87%91
ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典:「実質賃金」より 最終更新 2023年4月2日 (日) 15:52
上記の引用を見てもわかりますが、「名目賃金」は、皆さんがもらった「お給料の金額」です。
最近は、物価が上がってきていますので、スーパーでも値上がりした商品が多いですよね。
この物価上昇分を「名目賃金」と調整した金額が「実質賃金」になります。
ですから、「物価上昇率」が50%になったら、「実質賃金」となると、稼いだお給料も半分の金額となってしまいます。
(さすがに最近の日本では、物価上昇率50%はなさそうですが、過去の記録では1947年に物価上昇率が125%というのがありました。この年は物価が1年で2.25倍になったのです)
2.五月の「実質賃金」
先日の7月7日に厚生労働省から、5月の「実質賃金」の発表がありました。厚生労働省は「毎月勤労統計調査」で全国の賃金動向を集計して発表しているのです。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 毎月勤労統計調査」より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2305p/dl/pdf2305p.pdf
出典:厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年5月分結果速報 より(7月7日b利用)
上記のグラフの黒く太い実線が「名目賃金」です。グラフの上の方の線ですね。
その線「名目賃金」は、令和4年(2022年)5月以降、2023年5月まで、プラス1.0~4.0の間をジグザグしています。
支給されるお給料は増えているのです。令和4年(2022年)12月がピョコンと上に出ているのはボーナス支給ですね。
ところが、物価上昇率を加味した「実質賃金」(○のついた細い実線、グラフの下の方の線)は、令和4年(2022年)5月以降、2023年5月のマイナス1.2%まで、ずっとマイナスの水面下をジグザグしています。
この「実質賃金」のマイナスは、現在まで14か月連続となっています。
それでは、今年に入ってからの「実質賃金」の数字を見てみましょう。
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」からの、今年2023年の実質賃金の推移は以下の通りです。
1月 マイナス4.1%
2月 マイナス2.6%
3月 マイナス2.9%
4月 マイナス3.0%
5月 マイナス1.2%
5月の「お給料」を表す「名目賃金」は、2.5%増と増えているのですよね。
しかし、5月の「物価上昇率3.2%」がその伸び率を打ち消してしまって、上記のように「実質賃金」はマイナス1.2%となっています。
5月のマイナスが前の月に比べて縮小しているのは、春闘の「賃上げ」の影響が出てきているのかもしれません。今後はもっと改善する可能性もあるかと思います。
「実質賃金」の減少は、この5月で14ヵ月連続となっています。生活防衛に追われる方も増えてきていると思われますね。
下記のグラフをご覧ください。
「厚生労働省 毎月勤労統計調査結果の解説」より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r03/21cp/dl/sankou21cp.pdf
出典:厚生労働省 政策統括官付参事官付雇用・賃金福祉統計室 毎月勤労統計調査令和4年分結果速報の解説より(7月7日利用)
このグラフは、「実質賃金」の長期推移です。
上記のグラフの指数は令和2年(2021年)を100とした数値です。「実質賃金」は、黒の太い実線です。
これを見てもわかりますが、「実質賃金」は、平成18年(2006年)以降、ほとんどの年で下がり続けています。それに対して「消費者物価指数」(点線)は令和2年頃から急上昇しています。
「実質賃金」が上がらない限り、生活はどんどん苦しくなるばかりとなることが見て取れますね。
3.五月の「消費者物価指数」(CPI)
先月の6月23日に、総務省統計局が「家計調査」に基づいて、「消費者物価指数」(CPI)を発表しています。
以下に今年の「消費者物価指数」(CPI)を記載します。「変動の大きい生鮮食品を除く総合指数」です。
1月 4.2%
2月 3.1%
3月 3.4%
4月 3.4%
5月 3.2%
下記の引用をご覧ください。
「総務省統計局 消費者物価指数5月分」より
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
参照:総務省統計局 報道資料(令和5年6月23日付け)2020年基準 消費者物価指数 全 国 2023年(令和5年)5月分より(7月7日利用)
上記のグラフの黒い太線が2023年のデータです。このラインを見ても、「消費者物価指数」は、一向に低下する様子はまだないですね。
政府も日銀も、この消費者物価は、2023年度後半(9月以降)には下がると予想していますが、最近になって、年内は下がりそうもないとするエコノミストの見解も出てきています。
4.五月の「消費支出」
総務省は、7月7日に、5月の「家計調査」を発表しました。
下記の引用をご覧ください。
「総務省統計局 家計調査」より
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf
出典:総務省統計局 家計調査報告 二人以上の世帯 2023年5月分より (7月7日利用)
上記の引用から、2人以上の世帯の「消費支出」がわかります。今年に入ってからの毎月の消費支出は以下のとおりです。
1月 マイナス0.3%
2月 プラス 1.6%
3月 マイナス1.9%
4月 マイナス4.4%
5月 マイナス4.0%
この消費支出の2月がプラス1.6%となった理由は、新型コロナの行動制限がなくなったことで、外出が増えたことのようです。
それ以外の月の「消費支出」がマイナスで推移していることは、物価上昇の下で多くの方たちが「生活防衛」に入っていることを伺わせます。
この数値も、マイナスが続いています。この数字が上向かないと「経済の好循環」が成立しません。
経済の好循環とは、以下の循環のことだと思います。
「賃金が上昇して消費が拡大する」→
「消費が拡大すれば物価が上昇する」→
「物価が上昇すれば、企業の売り上げが増加する」→
「企業の売り上げが増加すれば、企業の利益が上昇する」→
「企業の利益が上昇すれば、賃金が上昇する」→
一番上に戻り、そのループが繰り返される
このループが成立するには、「賃金」「消費」「物価」「売上」の全ての上昇が不可欠なのです。
コロちゃんは、こんなにうまく行くかな?と、疑問を持って推移を見守っています。
5.「物価上昇」に追いつかないよ
ここまで、「実質賃金」「消費者物価指数」(CPI)「消費支出」を見てきました。ちょうど7月7日に発表になったデータがあったんですよね。
ただ、どのデータも「物価上昇」の勢いが続いていて、「賃金の上昇」が追い付いていないことを示しています。
多くの方々が「消費支出」を抑えていれば、企業の利益も落ち込みます。そうなると来春の「賃上げ」は厳しくなるでしょう。経済の好循環は成立しません。
何よりも、物価が上昇すると、非正規雇用の方々や、コロちゃんのような年金生活者の暮らしが苦しくなります。
こうなると、お願いしたいのは「物価の沈静化」です。
コロちゃんには、日銀が語るように「2023年度半ば」の9月以降に物価が下がるようには思えないのですが、皆さんはいかがお思いでしょうか。
コロちゃんは、自分の生活を守るためにも「物価」にまつわる指標を、今後も注視していきたいと思います。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
コメント